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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
自由の国フリーティア
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#70 自由の国とボロい店

遂に自由の国フリーティアに到着した。移動時間は二時間程。道中暇だった。リリーたちは俺の膝枕を巡って、いがみ合うが結局三人共、膝枕することになった。俺の膝が大ダメージだが三人の可愛い寝顔を見れた以上、文句は言えない。運営やりおる。


町並みだが、まず周囲を大きな塀に囲われている。馬車の人によるとモンスター対策という話だった。この分厚い塀が必要なモンスターって…恐怖を感じるな。巨人でも襲って来る予感がする。


町全体は現代で言う所のヨーロッパ風だ。お城もシンデレラ城のモデルになったノイシュヴァンシュタイン城に似ている城だ。これぞファンタジーの城だよな。


さて、いつまでも立ち止まっているわけには行かない。まずはモッチさんに貸してもらったお店を見に行ってみよう!


町中を歩くわけだが、やはり国が違うせいか最初の町とだいぶ違う。当然建物も違うわけだが、もっと根本的に違うのが、人だ。ゲームでいうとNPCだが、最初の町は普通の人しかいなかったがこの町は亜人種が多い。


いいよね!獣耳美少女!それに蔓を体に巻きつけたエロい格好のお姉ちゃん!あ、マッチョな小さいおじいちゃんはいらないです。後、耳が変な奴らもいるな。ベースは人間なんだが、違和感がある。後は、トカゲ人間とかいる。羽が生えてる人もいる。飛ばないのか?羽があるのに。


だが肝心のエルフやドラゴニュートはいないな。蔓を体に巻きつけたエロい格好のお姉ちゃんはエルフっぽく見えるが違うらしい。むしろ珍しいのかよく話しかけられる。


種族の違いがあっても、普通に接してきてくれている。いい国だな。ここを選んでよかった。


セチアの話では獣耳やシッポがあるのが獣人種セリアンビースト。

蔓を体に巻きつけたエロい格好のお姉ちゃんが樹妖精種ドライアド。

マッチョの小さいおじいちゃんが土妖精種ドワーフ。

マッチョではないドワーフより更に小さい人間なのが小人種ハーフワーカー。

トカゲ人間が蜥蜴人種リザードマン。

羽があるのが鳥人種ホークマンというらしい。


各種族には、ある程度似た性格があるみたいだな。例えばセリアンビーストは無愛想。ドライアドは気が強い。ドワーフは頑固。ハーフワーカーは小心。リザードマンは傲慢。ホークマンはキザみたいだな。だがこれはあくまで俺が全体の印象で感じたことだからそれぞれ違う性格もあるだろうな。


そして問題が1つある。それが傲慢だったリザードマンが最初は高圧的な態度だったがイオンを見た瞬間、態度を一変したことだ。


「は、はは~! ド、ドラゴニュート様とはつゆ知らず無礼な態度を…命を以て償います」


「や、やめてください! こんな町の真ん中で!」


その場はなんとかなったが、ドライアドのお姉ちゃんたちもセチアを見た瞬間、態度がガラリと変わって優しいお姉さんになった。女性は怖いってね。


イオンに話を聞くとリザードマンはイオンと同じ水龍の眷属で下級種と呼ばれる底辺の存在らしい。ドライアドも同じ存在という話だ。イオンたちドラゴニュートやエルフは中級種となるそうだ。因みに上級種を聞くとドラゴンやハイエルフが当てはまるらしい。そういう意味ではこの町は下級種が中心という話だった。


彼らの様子からすると戦争で負けたからとかそんな理由ではなさそうなんだが、何か理由があるんだろうな。


さて、目的地に到着しました。到着したまではよかったのだ。いや、ね。倒産したお店って聞いてたよ?でもこれは酷い…


「ボローい」

「ここに住むんですか?」

「住めるんでしょうか?」


リリー達の感想が全てだ。更に付け加えるなら立地条件も悪い。メインストリートの裏の裏。モッチさんの店も裏の店だったが、親子揃ってこれっていいのか?


「とりあえず中に入って見よう」


俺はモッチさんから預かった鍵を開ける。


「リリーが一番乗り~!」


リリーがドアを開け、店の中に入るとクモの巣に引っ掛かる。


「きゃー!? クモの巣!? イオンちゃん、セチアちゃん。取って~」


「何やってるんですか」


「仕方ないですね」


二人が店に入り、リリーに近付くと、リリーの前にクモが降りてくる。


「クモ~!?」


リリーが驚き、ジャンプすると床が抜け、三人が落ちる。これは予想以上のボロさだ。


「…リリー」


「え!? リリーのせいじゃないよ!」


「他に誰がいるんですか?」


リリーがクモのせいだと主張するがジャンプしたのはリリーだ。とりあえず三人を持ち上げて救出する。何故か喜ばれる。ヘーパイストスもセチアを救出しようとしたが本人によって却下された。流石に可哀想だった。


店を見渡して見るとどうやらバーのお店だったのかな?バーカウンターにお酒を並べるための棚がある。未成年が使うのには違和感あるな。


そして二階に上がろうとしたが断念。だって、ギシギシ音するんだもん。落ちたらトラウマだ。更に捜索するとへーパイストスが地下に繋がる扉を発見。下に下りることは出来ないがバーであることを考えるとワインセラーの可能性が高いだろうな。床も壁もレンガということを考えるとへーパイストスの鍛冶場として使えそうだ。実際に使えるかはヘーパイストスに判断してもらおう。


一通り見たがどうするかな。いや、答えは出てるんだけどね。イオンが聞いてくる。


「どうするんですか? タクトさん」


「リフォームするしかないだろうな」


「「「リフォーム?」」」


あぁ、リフォームの意味を知らないか。


「この店を直すってことだな。幸い店の壁や柱は石でしっかりしている。木で作られてる床や階段をなんとか出来れば住めるだろ」


「確かにそうですね。では、それを依頼に?」


「あぁ、ついでに町見学と行こう」


へーパイストスに留守番を頼み、俺たちは大工さんを求めて、町の散策を開始した。普通にお店で商売している人がいれば、露天で店を開いてる人もいるな。さて、何か掘り出し物とかないかなと思っていたらリリーが何かを発見した。


「タクト! あのお店からいい匂いがする!」


リリーが指差したのは串焼きのお店。おい。


「私はあっちのお店が気になります!」


イオンが魚の塩焼き。お前もか!


「私はあちらのお店が気になります」


野菜のスープ。あぁ、わかっていたさ。この流れ!だが断れない俺は三人分の食事を買う。早速食べる三人だが様子が変だ。


「どうかしたのか?」


「タクトの料理の方がおいしい…」


しゃー!!露天の店に勝ったぜ!俺が勝ち鬨をあげていると視界に気になるものを発見した。そのお店は普通のドワーフより大きなドワーフがいるお店だった。


「らっしゃい。うお!? こいつは珍しいエルフにドラゴニュートじゃねーか!」


「そのリアクション、聞き飽きました」


「はは、町の連中から散々言われたのか。それで何かお買い求めかい?」


うむ。この人は頑固そうじゃないな。当たりを見つけた気分だ。


「はい。この容器が気になりまして、見せて貰っていいですか?」


「ほぅ。お目が高いね。兄ちゃん。いいぜ。じっくり見てくんな」


俺が容器を持つ。やはり間違いない。この容器、ガラスで出来ている。この世界で初めて見たな。


「このガラスってどうしたんですか?」


「そいつは俺のダチが作ったもんでよ。いらないって言うから貰ってきたんだ」


このガラス容器がいらないだと?勿体無い。


「どうするよ? 安くしとくぜ? 二つあるからセットで2000Gでどうだい?」


「買います!」


俺は即答した。よっしゃー!これで予てから考えていたものにチャレンジ出来るぞ!


「あの…タクトさん。いいんですか? 確かに綺麗ですけど」


「これ…容器というか箱ですよ?」


イオンとセチアが聞いてくる。二人の言ったとおり、これは蓋が付いていて、密封できるのがいいのだ。


「問題ない。というかこういうのを探していたからな」


それからガラスのことを聞くと材料の珪石けいせき石灰せっかいは森の洞窟や山で採ることができるらしい。ヘーパイストスにいい土産話が出来たね。そして珪石と石灰、ロックオンだ!

亜人種を一気に紹介しました。他にもいる予定です。ドライアドは本来精霊ですが、この小説ではエルフの下の種ということで妖精にしています。妖精と精霊について補足で説明いたします。


妖精は自然物の霊が人に似た姿で具現化した存在。つまりドライアドは木の霊が人の姿で具現化した存在ということになります。精霊は神様の1つ前の存在で自然の霊が精霊という設定です。精霊についてはまた後で説明いたします。


ややこしい説明ですみません。さて、次回はタクトがフリーティア初のクエストとフィールドに出ます。お楽しみにです。

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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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