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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
自由の国フリーティア
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#69 若木の森の祝福

第2章スタートです。次から第2章を始めるか迷ったんですが、1日のスタートという点からこの回から第2章にしました。


それと総合評価10000ptを達成しました。沢山評価してくださり、ありがとうございます。これからも頑張って更新して行くので、よろしくお願いいたします。

翌日、学校の昼に佳代姉達からメールが来た。内容はEOの次の町の話だ。ようは俺だけ行くのはずるいという話だった。そんなこと言われたら次の町に行きたい人はたくさんいるだろう。海斗の奴も朝から一緒に連れてけとうるさかったがそもそも召喚師じゃないプレイヤーはフリーティアには行かないだろう。


一応ルインさん達生産職も気にはなっているらしい。目当ては他種族のアイテム。何かしらの特殊な能力が付いているアイテムとかへーパイストスのように他種族との交流も有り得そうって話だったな。


というわけでフリーティアに同行するのはへーパイストスのみだ。そのへーパイストスだが最初の契約金で宿代はなんとかなったがフリーティアまでのお金は俺が負担した。本人は物凄く申し訳なさそうにしていたが先行投資と考えたら何も問題はないだろう。


学校が終わり、ゲームの時間。早速ログインして、みんなで冒険者ギルドに向かう。


移動には馬車を使う。何気にこのゲームで初めての馬を見た。一応識別出来ないか試したが無理でした。馬の召喚は無理か…残念。いたら凄い便利だと思うんだ。今まで目的地に向かう時は徒歩移動だったから馬を使ったら移動速度はかなり早くなるだろう。いつの日か欲しいね。


俺達は馬車の中に入ると馬車は自由の国フリーティアに出発した。始まりの草原を抜け、若木の森へ入るがモンスターの襲撃は今のところない。話によるとこの馬車にはモンスターが近づかないように特殊な結界が張られているらしい。


流石にガーベラグロウには効かないらしいが通り抜けられるように契約しているから安全という話だ。そしてガーベラグロウと対面。ガーベラグロウが通せんぼしているように見えるがこれでいいのか?


「どういうことだ? これは?」


「なんでガーベラグロウが道を塞いでいるんだよ」


運転手さん達にとって、異常事態みたいです。ここに来て、戦闘とかにならないよな?普通に勝てないんだが…するとガーベラグロウが口をパクパクしている…これはなんだ?敵意は感じないが…


「タクト、戦う?」


リリーが俺に聞いてくる。さて、どうしたものか…


「待ってください! タクト様! この子に戦う意志はありません!」


「セチア? どうかしたのか?」


「この子の声が聞こえました。タクト様にお話があるそうです」


話がある?この植物が?それに声が聞こえたって、まさか…


「ひょっとして、セチアはあいつと会話出来るのか?」


「出来るみたいです。ちょっと行ってきます!」


そう言うと馬車を降りて、ガーベラグロウと話をするセチア。


マジか…こんな力があるとは知らなかった…怪しいスキルはエルフの知識か?どれだけ多くのスキルが詰まってるんだ?このスキル…


俺がそう考えているとセチアが会話を終え、帰ってくる。


「ガーベラグロウはなんて言ってたんだ?」


「えーっと、それがですね…」


ん?なんで苦笑いなんだ?


「ガーベラグロウさんはタクト様の手料理を食べたいそうです」


………はい?


「ちょっと待て、どうしてそんなことになるんだ?」


「なんでもタクト様がいつも森でいい匂いがする料理を作っていて、森のモンスターやリリーお姉様達が美味しそうに食べてる姿を見て、自分も食べたくなったそうです」


あ、うん。心当たりがありすぎるね。とはいえ実は食料事情はあまり良くないんだよね。ボア肉と塩はあるんだが…


「じゃあ、迷惑したみたいだし、何か作ろうか? 一応リクエストがあるか聞いてくれるか?」


「はい! ……ふむふむ、え!? それは…」


何か問題発生か?


「どうかしたのか?」


「えーっと、この前タクト様が作った蜂蜜の料理を食べたいと言ってます」


チェスが来た時に作った料理か…その言葉に反応するリリー。


「えぇー!? あれはリリーの料理だよ」


うん。リリーはこの前の料理を気に入っていたからな。


「仕方ないだろ? このままじゃあ先に進ませてくれないんだからさ」


「でも~」


「材料さえ揃えば作ってやるから、今日は我慢してくれ」


リリーをなんとか説得してから料理を作ろうとするが場所は緑溢れる森の中、こんなところで火を使って大丈夫か?


「セチア。ここで火を起こして大丈夫か聞いてくれるか?」


「あ、確かにまずそうですね。聞いてみます」


セチアがガーベラグロウに聞くと突然草木が動き、一箇所だけ地面が露出する。更に木の蔓が石と枯れ木を運んで来た。凄いな…流石この森の守り神様か。俺は早速火を起こし、料理を作っていく。そして出来上がったものをガーベラグロウにあげると美味しそうにむしゃむしゃ食べた。


さて、これでどうなるか…


ご飯を食べ終わったガーベラグロウが俺に近付く。咄嗟にリリーとイオンが俺を守るように前に出ようとするが俺が止める。


しかし近くで見ると大きいな…4メートルぐらいか…流石に怖いな。俺がそんなことを思っていると男の声が聞こえた。


『我が願い、叶えたことに感謝する。礼に森の祝福を授けよう』


ガーベラグロウが蔓を伸ばして、蔓から緑の光が俺に降り注ぐ。そしてインフォが流れる。


『ガーベラグロウから祝福を受けました。称号『若木の森の祝福』を獲得しました』


な、何ぃ~!?称号貰えた!怖がったりして、ごめんなさい。いい植物だよ!早速どんなのか確認してみよう。


称号『若木の森の祝福』

効果:植物の識別が可能になる

若木の森のガーベラグロウから祝福されると獲得出来る称号。


俺が感謝していると再び声が聞こえる


『汝らの旅路に幸福あれ』


すると道を塞いでいた蔓が森に消えていき、通れるようになる。ガーベラグロウも俺から離れていく。贈り物をもらったらちゃんと言わないといけないことがあるね。


「偉大な若木の森の守り神よ。あなたの祝福に感謝いたします」


俺は礼を告げ、馬車に戻る。いや、モンスターでも感謝しないとね。最後に予想外のことがあったが、馬車は一路、自由の国フリーティアに向かう。

まさかのガーベラグロウ餌付け回でした。餌付けは出来ませんけど、称号貰いましたからある意味餌付け成功と言えるかも知れませんね。


次回はいよいよ新しい国に到着します。色々な亜人種が登場する予定ですので、お楽しみにです。

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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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