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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
お月見イベントとパンドラ
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#703 雲の黒竜と団子作り

夕飯を食べ終えた俺は起きると布団から顔だけ出しているブランが目に止まる。


「どうしたんだ? ブラン?」


「なれない服で恥かしいのよね? ブラン」


「そんなことはありません! ただ皆さんが切り替えが早すぎではないですか?」


あぁ…キルケーの影響を一番受けたのはどうやらブランだったみたいだ。天使だし、しょうがないのかも知れないな。


「それじゃあ、ブランは変えるけどいいか?」


「…はい」


俺がブランの頭を撫でているとファリーダが聞いてくる。


「いいのかしら? タクト」


「いいも何も帰ってきたら、全員温泉に入るだろう? 俺も浴衣になるし、その内慣れるさ」


『タクト(マスター、はん、主、タク)の浴衣!?』


そこに反応するのか。自分たちが浴衣になることはいいのだろうか?


ということで夜のメンバーに変える。選んだのはノワ、リビナ、セフォネ、ファリーダ、ジークで山に向かう。すると桜花特有のモンスターに出会った。


一反木綿Lv25

テイムモンスター 討伐対象 アクティブ


夜には妖怪が出るんだな。一反木綿は有名アニメのイメージが強いがこのゲームでは目とかはないな。まぁ、こんな奴はジークの攻撃で一撃だろう。


「きゅ!」


そう思っていたのだが、ジークの聖波動をひらりと躱しやがった。見切りか何かを持っているのか?ならばもう一発だ!


また躱す一反木綿。こいつ、おちょくっていないか?そう思っていたら、一反木綿は急加速してこちらに向かってきた。速!?


そして一瞬で大きくなると俺たちをぐるぐる巻きにして、締め付けて来た。中々強い妖怪のようだが、その判断は致命的だな。


「きゅーーー!」


ジークの光衝撃波が発動し、一反木綿は粉々になった。ジークに巻きつくのはいかんよ。さて、解体しよう。


木綿の反物(たんもの):レア度5 素材 品質C

木綿で作られた無地の反物。和服の素材として使用され、ここに色を染めることで色鮮やかな和服を作ることが出来る。


お!和服の素材だ。木綿の服は既にミュウさんたちが開発しているが和服は難しいとか言ってたな。無地での服なら作れたそうだが、時代劇で切腹するときの服になったとか聞いたことがある。


それを着るのは嫌だが、この説明によるとちゃんと色染めする技術があるみたいだ。知っているかもしれないが後でミュウさんたちにメールで知らせよう。


その後も一反木綿の襲撃が続くがもう攻撃したり、しない。絡みついた瞬間、ジークが吹き飛ばして終わりだ。そして木綿の反物しか手に入らない。これだけあったら、結構な和服が作れそうだ。


そんなこと考えていると山に到着する。さて、ドラゴンはどこだ?するとノワが反応する。


「…にぃ。強いドラゴンが来る」


どこだ?ノワはずっと山を見ている。すると山にある雲が蠢くと東洋のドラゴンの姿になるとその雲の中から一匹の漆黒のドラゴンが現れた。


驪竜りりゅう

? ? ?


このドラゴンの首に五色の玉があった。あれが龍の首の玉だろう。すると驪竜は話しかけて来た。


『我が名は驪竜。そこのドラゴニュートと同じ黒竜なり。夜のこの山は我の領域。早々に立ち去ると言うなら手出しはせん。争いは面倒故な』


あぁ…凄くノワと似ているな。このドラゴン。するとノワが抗議の尻尾攻撃をしてきた。話が出来るなら話してみよう。


「俺たちはあなたの首にある玉が必要でここに来ました。お譲りして頂けませんか?」


『それは無理な願いというものだ。この玉が欲しければ実力で奪ってみよ』


そうなるよな。俺たちが戦闘態勢になると驪竜が笑む。


『勇ましいことだが、ただで我に戦えるとは思わぬことだ』


驪竜がそう言うと俺たちは雲に包まれ、町に強制転移させられた。絶句していると驪竜の声が聞こえた。


『お前たちが五つの宝を集めていることは知っている。我に挑みたければ四つの宝を集めよ。そうすればお前たちは我が戦うに値すると認めてやろう』


ここに来て、今度は宝を集める順番まで要求されるのか。こうなるとしっかり計画を練らないと間に合わなくなるな。


「どうするのかしら? タクト」


「町に帰されたから今日は団子を作ることにするよ。みんなは宿で温泉にでも入っててくれ」


『賛成!』


俺は秋の七草を団子粉と交換するために教えられたお店に向かうと団子粉以外も交換できるらしい。それがきび粉、きな粉ときび砂糖。完全にきび団子を作れと言っているな。わざわざあるってことは何かに使うんだろう。


取り敢えず集めた七草を全て交換した。どうせ明日も集めるんだから問題はないだろう。その後、旅館に帰る。リリーたちを温泉に向かわせた後、俺はまず月見団子を作る。


といっても作り方は簡単だ。材料は団子粉と水で作れる。


まずはボールの中に団子粉と水を加えて練る。団子が耳たぶくらいの柔らさになったら、団子の形を作る。なぜ耳たぶのくらいの柔らかさなのかは不明。


沸騰したお湯に団子を入れて茹でてから取り出して冷水で冷やし、取り出した団子に団子粉をまぶしたら、完成。


月見団子:レア度1 料理 品質C

桜花では十五夜の日にお供え物として作られるお団子。人も食べることが出来るが団子粉をまぶしてあるものはお供え物なため、食べることは失礼にあたる。


まぁ、普通の出来栄えだろうな。あまり工夫のしようがないからな。


次はきび団子。材料はきび粉、団子粉、きび砂糖、塩、きな粉、お湯。俺が和菓子屋のバイトをしていた時は団子粉ではなく、片栗粉を使っていた気がするがこのゲームでは団子粉を使うらしい。


作り方は同じでまずはきび粉、団子粉を混ぜ合わせてからお湯を入れた後、また混ぜて生地を作る。その後は月見団子と同じで生地を丸めて後は茹でるだけなのだが、今回は茹でる前に別の器にきな粉ときび砂糖、塩をよく混ぜた物を用意する。


これは団子が茹で上がった後、すぐに絡めるためだ。茹で上がった後、用意しているようでは団子が冷めてしまい失敗してしまう。


するとリリーたちがやって来た。


「じゃーん! タクト! 見て見て! あ! 何か作ってる!」


リリーが浴衣姿を見せようとしたが月見団子に飛び付く。色々台無しだ。他のみんなもリリーに雰囲気をぶち壊されてなんとも言えない様子だ。


「これはお供え用だから食べたら、ダメだ」


説明にも書かれているが普通の団子はきな粉とかまぶすが、お供え用の団子は団子粉をまぶす。もう団子粉をまぶしたからこれはお供え用なわけだ。


『…』


「そんな顔をしてもダメだ。今から作るのは大丈夫だから部屋で待っててくれ」


『はーい!』


それではきび団子の仕上げよう。月見団子と同じように茹で、取り出すときな粉ときび砂糖、塩を混ぜたものをしっかり絡めて、三分ほど待つ。その後、また絡めて完成。


きび団子:レア度3 料理 品質C

効果:モンスターの好感度上昇(大)、餌付け成功率上昇(大)

モンスターが大好きなお団子。凶暴なモンスターもこの団子を食べると怒りをおさめると言われている。


まぁ、桃太郎で有名な団子だもんな。今回のイベント後に餌付けを覚える人が多くなるんじゃないだろうか?


俺はインベントリに団子を入れて、温泉に入ることにした。浴衣に着替えて、部屋に入る。


『あーれー』


リリーたちがそう言いながら布団の上を転がった。いや、これは普通浴衣の帯を引っ張ってするんじゃないのか?


待てよ。ここには俺たちしかいないはず。浴衣は今回初だ。誰がリリーたちにこんなことを教えたんだ?まさか旅館の人?それははないだろう。


「っ! 誰だ!」


「いやんウサ」


浴衣をわざわざはだけさせてポーズまで決めている遊兎がいた。


「…なぜここにいる?」


「遊びに来たウサ!」


ツッコミどころ満載だぞ。するとリリーたちからとんでもない発言が飛び出す。


「遊兎が浴衣を着たなら、男の人にはこれをするのが決まりって言ってたよ!」


「遊兎の話では男の人はみんなこれが大好きらしいのですが、どうでしたか? タクトさん」


こいつが諸悪の根源か!


「みんな可愛かったぞ。俺は遊兎と話があるから誰が布団で寝るか決めておいてくれ」


『それがあるんだった!』


リリーたちに用意された五つの布団を巡り戦争が勃発する。


「私は釣りでタクト様に勝ちましたから、タクト様と一緒に寝る権利を貰います」


ミールはそう言ったから、これで布団は四つ。リリーたちのじゃんけん大会が始まる。


「遊兎も遊びに来たから布団で」


「お前はこっちだ」


「ウサ!? なんで遊兎の兎耳を掴むウサ!? ウ~サ~」


あーれーみたいに言うな!俺は遊兎を強制的に連れ出して、お叱りタイム。その後、里に帰した。


「すみません! 本当にすみません! ちょっと目を離した隙に抜け出してしまって。ほら、遊兎も謝りなさい」


「もう十分謝ったウサ…。この人、無茶苦茶怖いウサ…」


その後、帰るとリリーたちはまだじゃんけんをしていた。


「そういえば団子があるんだった…ミール食べるか?」


「はい!」


『ッ!?』


リリーたちがきび団子欲しさにじゃんけんスピードが上がった。その後、じゃんけんが終わり、みんながきび団子を食べて、俺たちのお月見イベント初日を終えた。ログアウト後、メルたちに今日わかったことをメールで知らせて、寝ることにした。


名前 ジーク ライトドラゴンLv15


生命力 104

魔力  127

筋力  169

防御力 110

俊敏性 163

器用値 98


スキル


飛翔Lv20 竜牙Lv15 竜爪Lv19 竜鱗Lv20 竜尾Lv17

激突Lv15 騎乗Lv7→Lv9 光魔法Lv12 威光Lv3 光ブレスLv14 

光雨Lv8 再生Lv5→Lv6 竜気Lv15 疾走Lv17 反射Lv5 

光衝撃波Lv5→Lv7 光波動Lv7 竜技Lv9 逆鱗Lv3 ドラゴンブレスLv12 

光竜の加護Lv13

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最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
以下のリンク先で連載中です。


動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
― 新着の感想 ―
[気になる点] タクトの時は餌付けスキル獲得にスキルポイント使ってたような.. 今回獲得出来るなら料理スキル持ちはポイント使わなくて済むの? それと、召喚師とテイマー専用のスキルって訳でもないんだっけ…
[一言] アサルト・アーマー出来るヤツに巻き付けば、そりゃそうなるわさwww
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