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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
万能の天才とカジノの島
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#693 金の子牛使用許可とブリューナク

俺は夕飯を食べ終えるとログインする。すると和狐がやって来た。どうやらセチアの弓懸が完成したらしい。


蜜山羊の弓懸(ゆかけ):レア度8 防具 品質B+

重さ:10 耐久値:120

効果:反動無効、筋力アップ(中)、木属性効果アップ(極)

弓を使う者が装備する手袋。弓を引く際に弦から親指を保護するために防具。蜜山羊の皮で作られており、思っきり弓を引いても手を怪我する心配がないほど丈夫で使い心地抜群の弓懸。


俺はセチアを呼び、弓懸を装備させる。


「どうだ?」


「完璧ですね。ありがとうございます。タクト様、和狐さん」


さて、俺はセチアに依頼がある。アレキサンドライトだ。


「リリーお姉様の大剣ですね?」


「まだ何も言っていないぞ」


「違うんどすか?」


「…違わない」


二人して何故笑う。ただへーパイストスはパンドラの作製で手が離せないだろうし、先に宝玉だけ作ってもらうことにした。和狐には手袋を依頼する。


「タクトはんが反動無効の手袋が欲しいんどすか?」


「あぁ。昨日銃を使ったら、物凄い衝撃でな…悪いが頼む」


「わかりました。あ、銃を構えるところを見せて下さい」


「わかった」


俺がゴールデンイーグル改を構えると和狐にじっくり観察される。銃のグローブは太すぎると引き金を引くときに邪魔になったりするから、通常の手袋とは勝手が異なるのだろうが気恥ずかしいのは何故だ。


「もう十分どす。あ、ユウェルはんはどうします?」


「ユウェルにも銃を持たしたんだったな。一応頼めるか?」


「はいな」


その後、俺は金の子牛のことでロデに会いにいく。


「ロデ、いるか?」


「もちろんいるよ! どうかしたのかな?」


「実はこんなものを手に入れてな」


俺は金の子牛を見せるとロデが驚く。


「え…何これ!? 有り得ないぐらいの呪いがかかっているんですけど!?」


「これならカリュブディスに効くんじゃないかと思ったんだけど…どうかな?」


「へ? 確かに牛は大好物だったけど…これは効くどころじゃない気がする…」


やっぱりやばいかな…しかしロデは決断する。


「でも、カリュブディスお姉様のために見つけてくれたんだよね? お父様たちも手出し出来ないみたいだし…やっちゃっていいよ。責任は私が取るから!」


「いいのか?」


「うん。このままじゃあ、どうしようもないからね。誰かが決断しないと先には進めないよ。ただもし助けられるなら助けてあげてね?」


「わかった。善処するよ」


これで俺は明日カリュブディスに挑むことが決まった。こうなると作戦のための下準備と新しい武器の性能をチェックしないといけないな。


俺はルインさんに作戦に必要な物を注文して、それをノアに渡し、スクナビコナに取り付けを頼んだ。シャローさんたちも協力してくれたから、間に合うだろう。


その後、島でブリューナクとブラギの竪琴を試す。俺のメンバーはファリーダ、ロコモコ、エアリー、ルーナ、コーラルを選んだ。


早速ルーナにブラギの竪琴を渡し、演奏して貰うと物凄いバフが全員に発生した。それに音色も素晴らしい。


「凄い竪琴です! ありがとうございます! パパ」


ルーナも喜んでいるし、良かった。それじゃあ、実際にどれほどのバフが見てみよう。相手はへーパイストスのためにメックルカルヴィよ。お相手願おう。


ロコモコたちが魔法を使っていく。やはりルーナのブラギの竪琴のバフは凄いな。魔法の大きさが全然違っている。


ロコモコたちは最後に大技を使い、力を溜めていたファリーダの諸刃の一撃がメックルカルヴィに炸裂して倒した。重力操作と衝撃波まで使った諸刃の一撃は流石の威力だ。ここにルーナのバフ効果も加わって、島が心配になる威力の一撃となっていた。


解体すると手に入ったのは魔法の粘土。次で集まりそうだな。


次はいよいよブリューナクの登場だ。俺はあまり槍は得意じゃないが、取り敢えずメックルカルヴィを出そう。さて、ケルト神話最強の槍の一本の火力がどれほどのものか試させて貰うとしよう!


「おおお!」


俺がブリューナクを投擲すると一瞬でメックルカルヴィを貫き、メックルカルヴィは脆く崩れる。そしてブリューナクは俺の手元に戻ってきた。格好良い。そしてメックルカルヴィに異変が発生する。直らないのだ。


「…え? 終わり?」


「みたいね。その槍の即死が発動したんじゃない?」


こわ!なんか呆気なさすぎて、強いかどうかわからない。いや、間違いなく強いんだけどね。メックルカルヴィを一撃なんだからさ。しかしこれならあいつに勝てるかも知れない!


これは解体すると魔法の粘土をゲットし、これで素材は揃った!渡しに行く前に最後に俺が選んだのは俺たちが未だに勝利出来ていない敵、その名はクマムシ。


虫にブリューナクを使うのはどうかと思うけど、ブリューナクの強さを図るにはいい敵だと思う。俺はクマムシ目掛けてブリューナクを投げる。次の瞬間クマムシは貫かれ、倒れる。そしてブリューナクは俺の手に帰って来る。いい子だ。


こうなるとは思っていたけど、流石と言うしかないな。使ってみて改めて神様の武器の規格外さに驚く。スキル無効でスキルによる不死や耐性、加護などを無効にし、光速で飛来する必中即死の槍。こんなのどう止めろと言うんだろうね?


すると連絡が来る。スカアハ師匠だ。これを使ったタイミングで連絡が来ますか。


『タクトです』


『今すぐ私の所に来い! その槍と竪琴を持ってだ!』


切られた。何故気が付くんだ?盗撮されてない?この島。それにしても嫌な予感がするな。まぁ、呼ばれた以上、行くしかないわけだが…気が重い。


取り敢えずクマムシを解体すると外れ。まぁ、何か出ても困るから結果オーライと思っておこう。


俺はへーパイストスに素材を渡して、クエストクリア。へーパイストスはパンドラの作製が始まった。邪魔しちゃ悪いし、スカアハ師匠の屋敷に向かった。


「タクトです。スカアハ師匠、来ましたよ」


「私の部屋に来い」


俺はスカアハ師匠の部屋に行くとスカアハ師匠とクーフーリンがいた。


「話は他でもない。お前が見つけたブリューナクとブラギの竪琴についてだ。どこで見つけた?」


「海から行ける神様の領域で見つけました」


「それはここの海か?」


「いえ。フリーティアの海ですよ」


スカアハ師匠は頭を抱える。


「何故そんなところにこの国の至宝があるのだ…」


「師匠は黄金の島について、ご存知ですか?」


「うん? そういえば、そんな伝説があったな。確か今から数百年前」


「やっぱりババアじゃ」


クーフーリンが家の壁に頭から刺さる。まぁ、これぐらいでは死なないだろう。


「私が生きている頃の話ではないわ。馬鹿者。ちょっと待っていろ」


スカアハ師匠が帰ってくる頃にはクーフーリンは壁から脱出していた。流石だ。


「見つけたぞ。伝説によるとその黄金を求めて数々の冒険者が海に出たらしいな」


「神様の話ではその中にブリューナクやクルージーン、ブラギの竪琴の持ち主がいたみたいです。で、その持ち主が海で亡くなり、ブリューナクとクルージーンはその神様の領域に流れ着いたと言っていました」


「クルージーンまであったのか…伝説が真実だと知った国王が海に出て、そこで死んだわけかな…間抜けにも程がある。しかしブリューナクがあれば大抵のモンスターは倒せるはずだが」


それには心当たりがある。恐らくあの海域でブリューナクで勝てない敵はカリュブディスしか有り得ないだろう。俺はカリュブディスの話をスカアハ師匠に聞かせると納得した。


「海神の娘と海での戦闘となれば流石のブリューナクでも厳しいか…それにしても頭が痛くなる話だ」


「スカアハ師匠はブリューナクを探していたんですか?」


「あぁ…私は武器を集める趣味はないがブリューナクだけは特別だ。私を始めこの国の人間の憧れそのものと言っていい」


やはり狙われている気がする。


「お前から奪うようなことはせん。そんなことをしたら、師匠としての顔が丸つぶれだからな」


それもそうか。


「ただもうすぐ私の誕生日」


「絶対嘘でしょう…」


「冗談だ。ただ一つ忠告はしておく。神威開放は人の身にはかなりの負担が掛かる。それだけは覚えておけ」


「どのくらいなのでしょうか?」


スカアハ師匠が考える。


「今のタクトならブリューナククラスの神威解放なら二週間はまず動けなくなるだろうな。後、これは神による代償だ。薬などで治せるものではないことを覚えておけ」


つまりエイルさんなどでも治せないってことね。それとまともに使うためには次のクラスチェンジが必要らしい。


「肝に命じておきます」


二週間の事実上のゲーム禁止は痛すぎる。その後、ブリューナクを少し使うことを条件にレクチャーをして貰えた。どうやら帰還スキルと光神の加護はインベントリに入っている状態でも有効に働くそうだ。


「試しにブリューナクを仕舞ってから呼んで見ろ」


「はい。来い! ブリューナク!」


すると太陽の光と共にブリューナクが手元に現れた。やばい…格好いい。更に無限のルーンはルーンの制限がなくなるというもの。つまりこの槍に火のルーンを使っても、また火のルーンを仕込めるらしい。そして一つに付き、本来は一つのルーンだが、ブリューナクにはどれだけでも仕込めるそうだ。


更に光神の加護は魔の存在の特攻とどんな状態異常も無効にしてしまうらしい。つまりブリューナクがある限り、俺は状態異常にならなくなったわけだ。試しにスカアハ師匠のガチの呪いを受けると俺の周囲から太陽の光りが発生し、呪いを払い除けた。


それからレクチャーが終わり、二人が楽しそうにブリューナクを使う。当然俺より遥かに上手に使いこなしている。ブリューナクの持ち主、俺なのに…。


「なぁ、タクト。この槍、俺にくれ」


「兄弟子であるお前がねだるな。馬鹿者」


しかも見返り無しのタダ要求だ。俺は取られるのを警戒してさっさと帰ることにした。その後、俺はログアウトする前にギルドでベガス島の調査報告を聞くのが、その結果に絶句する。


「全員がカジノでボロ儲けって変じゃないですか?」


「私も同意見だけど、聞く耳持ってないわね。あれは…」


「ギャンブルの魔力にすっかり取り込まれてしまった感じですね…もうここから先の展開が予想できますよ」


カジノで負けて、転落だな。普段フラグとか言っているのに…こういうのは気づかないのはなんでだろうな。すると銀たちが話す。


「まともなのは私たちだけだねん! ちゃんと調査してきたよん!」


「カジノの景品で欲しいのが無かっただけ…」


「んん! そんなことより、どうやらベガス島には女王様とカジノを取り仕切っているオーナーがいるみたいだよ」


「それとブラッティウォーズと奴隷商人たちは島にある港とは別の所にある洞窟で武器の密売や金の売買、奴隷売買などしているみたいだよん。これがその証拠写真」


俺たちは写真を見る。そこには洞窟で檻に入れている奴隷たちの姿があった。マーメイド以外にもセリアンビーストたちがある。更にカジノの商品リストの写真。これで奴隷売買の証拠は十分だろう。後は女王様と謎のオーナーが何かのキーだろうな。


「そいつらの正体はわかるか?」


「女王様についてはまだ不明。ただ居場所は判明していて、森の中のお城にいるみたいだよん。オーナーについては撮影成功。これがその写真だよん」


おぉ~。ステッキを持ったジェントルマン。なんかオーナーしていそうだ。


「後、調査の時に気になる会話がいくつかあったよん」


「…洞窟を取り仕切っているブラッティウォーズの人がカジノの人と話をしていて、何かを探しているみたいでした」


あの島にブラッティウォーズたちが欲しがる何かがあるのか?とてもそうは思えないが…そもそもみんなの話では島中に銃を持った奴らがいるみたいだからベガス島は既に奴らが実効支配しているものだと思っていたが違うのか?


「カジノの人たちも物凄い売上で舞い上げっていたよ。プレイヤーの多くは勝ってばかりいるのに…嫌な予感しかしないね」


プレイヤーが勝っているのにカジノの売上が上がるだと?とんでもないイカサマの臭いがするな。


「明日の夜は女王様が住んでいるお城を探ってみるよん!」


「見つからないように最善の注意を払いますけど、一応は待機をお願いできますか?」


「わかった。明日の夜は時間を空けておくよ。一応みんなにも伝えてくれるか?」


「伝えたけど、男連中のほとんどは聞く耳持っていなかったよん」


だろうね。怪しい奴らが数人いるということは最悪ボスクラスの奴らと連戦もあり得るか。気を付けないとな。まぁ、俺は取り敢えずカリュブディスに集中するとしよう。証拠写真をサバ缶さんに生産ギルドと獣魔ギルドに提出してもらうことをお願いして、ログアウトした。


名前 ファリーダ 魔将Lv20


生命力 122

魔力  190

筋力  280

防御力 100

俊敏性 152

器用値 152


スキル


斧Lv28 魔拳Lv29 舞踊Lv10 投擲操作Lv12 縮地Lv23 

荷重操作Lv22 邪気Lv35 暗黒魔法Lv10 時空魔法Lv23 集中Lv34 

誘惑Lv15 物理破壊Lv33 防御無効Lv4 戦闘高揚Lv4→Lv5 魔力妨害Lv26 

引力操作Lv12 重力操作Lv1→Lv2 暗黒弾Lv23 暗黒波動Lv15 衝撃波Lv15 

連撃Lv13 乱刃Lv12 諸刃の一撃Lv1→Lv2 魔将技Lv7 魔素解放Lv19 

魔王化Lv5


名前 ロコモコ ゴールドシープLv20


生命力 206

魔力  180

筋力  42

防御力 184

俊敏性 116

器用値 100


スキル


飛翔Lv30 激突Lv6 危険予知Lv24 脱走Lv13 育毛Lv26 

採乳Lv26 耐寒Lv3 幸福Lv14 祝福Lv14 守護Lv17 

放電Lv10 雷魔法Lv21→Lv23 光魔法Lv21→Lv23 浄化Lv1 天罰Lv11→Lv12 

雷霆Lv11 光輝Lv4 天の加護Lv14 黄金の加護Lv6


名前 エアリー ヘイズルーンLv20


生命力 214

魔力  174

筋力  136

防御力 80

俊敏性 167

器用値 120


スキル


角擊Lv33 激突Lv19 登攀Lv7 危険察知Lv21 跳躍Lv19 

疾走Lv27 木魔法Lv12→Lv16 光魔法Lv27→Lv29 植樹Lv12 採乳Lv24 

守護Lv12 祝福Lv10 豊穣Lv18 蘇生Lv5 狂戦士化Lv7

封印魔術Lv15 列石結界Lv15 森林操作Lv10 天撃Lv8→Lv9 星の加護Lv4


名前 コーラル 朱雀Lv20


生命力 210

魔力  160

筋力  116

防御力 60

俊敏性 154

器用値 104


スキル


奇襲Lv15 飛翔Lv26 激突Lv19 強制Lv12 堅牢Lv14 

炎爪Lv10 危険予知Lv14 火雨Lv13 風魔法Lv10→Lv13 火魔法Lv10→Lv13 

光魔法Lv8→Lv10 業火Lv18 聖火Lv10 火山弾Lv15 超速再生Lv20 

耐寒Lv7 炎ブレスLv15 聖ブレスLv14 蘇生Lv5 陽炎Lv16

炎化Lv6 和魂Lv4

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最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
以下のリンク先で連載中です。


動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
― 新着の感想 ―
[一言] ジェントルマンの杖ならそれは杖よりステッキのほうがはっきり伝わると思います
[気になる点] クルジーンは交換してないはずなのに、 「島でブリューナクとクルジーン、ブラギの堅琴を試す」 とクルジーンを交換したことになってます。
[気になる点] 689話(#659)にて、島での同じ敵モンスターとの戦闘は1日1回に制限されてるはずですが、ブラギの堅琴の性能確認と、ブリューナクの性能確認でメックルカルヴィを2回分倒してるのはおかし…
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