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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
万能の天才とカジノの島
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#690 ベガス島調査会議と指輪相談

夕飯を食べてからログインした俺は時間までに島でスクナビコナの修復をみんなで手伝うことにした。まぁ、初心者だから竜木を買って、運ぶことしか出来ないけどね。後は重要じゃない箇所の板打ちぐらいか。


「それでも助かるよ」


「今回は守ってやれなかったからな。今までスクナビコナにはたくさん助けられてきたんだ。これぐらいしないとバチが当たるさ」


そんなことをしながら俺は考える。みんなはベガス島にウィザードオーブが関わっていることは理解しているだろうけど、ブラッティウォーズがいる可能性はあまり考えていないだろう。


「痛ッ!?」


余計なことを考えていたからトンカチで指を強打した。船を修理するならそれに集中しろというメッセージだな。俺は一区切りしてから自分だけで悩んでいても解決しないと考え、サバ缶さんに連絡を入れる。


『タクトです。今晩、攻略組のリーダーたちを集めることって可能ですか?』


『全員は無理ですが、ほぼ集められると思いますよ。ベガス島のことですか?』


『それともう一つ重要なことで相談があります。ニュートンさん、アインシュタインさん、カインさんにも話を通してくれませんか?』


『わかりました』


会談場所は俺のホームを指定した。俺は夕飯を食べたあと、集まってくれたみんなを持て成す。参加者全員が集まってくれたことに感謝をして、本題を話す。


「本日お集まり頂いたのは、主に二つの話があるからです。まずはこのレオナルドの手稿についてです。これは先日ゴネスで建国を宣言したレオナルドさんが書き残した手稿でエリクサーラピスから私に渡された物です」


流石にギルドメンバーはざわつく。歴史的な価値を知っているからだ。


「ここにはエクスマキナほどではないですが彼が考えた今の軍事バランスを崩壊させるほどの物が載っていました。これをどうするべきか皆さんの意見を聞きたいと思います」


「それはそこに載っている兵器を作るべきか否かということですか?」


「はい。俺は現状では必要なもの以外は作らなくてもいいと考えています。理由はエクスマキナの武器があるからです」


するとそれぞれが意見を交わす。結果は俺と同じとなった。流石に銃弾は生産しないと武器が使えないからそこは妥協して、他は保留となった。まだアンラ・マンユたちの復興で手一杯だろうし、凄い兵器がぽんぽん出て来ることは問題だからだ。


「次の話ですが、この手稿の最後にレオナルドは自分がブラッティウォーズの一員であることの告白とブラッティウォーズの繋がりがある人物と隠れ家の情報が載っていました。これの信憑性がどれだけあるかわからないことを前提にお話しますがフリーティアの貴族や司馬懿の名前が載っていました」


「なんだと!?」


「なるほど…それでこっそり私たちに城から出て欲しいと言ったわけですね」


「確定している情報ではありませんから。もしこの情報が本当だとするなら相手に聞かれて逃亡される可能性があります。最悪の場合、レオナルドが情報を残したことがブラッティウォーズ側に漏れる可能性がありました」


俺が話すと全員が納得した。その後、俺はレオナルドが書いたブラッティウォーズのメンバーリストと隠れ家が記されたものを公開する。


「わしらの国に隠れ家が多いのぅ」


「どれも昔にあった研究所を使っているみたいですね。後は地下ですか…」


「よくもこれだけ隠れ家を作ったもんだね。気になるのはウィザードオーブとライヒに多いことだけど…下手に公開するべきじゃないかな…これは」


「今は他の国々が緊張状態にありますからね…ですが野放しにも出来ません。貴族や国に関わっている人が何人もいるみたいですから」


やはりそうなるよな。しかし俺はここで注意する。


「これはあくまでレオナルドが調べたリストです。現実にはもっといる可能性が残されています」


「つまり下手に話したり、動くとブラッティウォーズに知られる可能性があるわけですね」


「だとすると動くなら同時がベストじゃの。ただそのための数を揃えるのに骨が折れそうじゃ」


誰が味方で誰が敵かわからない状態だからそうなるのは仕方がない。現状では秘密裏にメンバーを集め、レオナルドの手稿に載っていた人物は要注意人物として、警戒することが決まった。またこの話はカインさんが生産ギルド、冒険者ギルドなどに話をしてくれることとなった。


これを踏まえた上でベガス島の話をする。


「本日ベガス島という島がある海域に到着しまして、この島がレオナルドの手稿に書かれていたブラッティウォーズの隠れ家の一つである確率が非常に高いです。更にこの島では奴隷商人などの繋がりまで浮上してきました。それでどうするべきか判断を聞きたいと思います」


するとカインさんが答えてくれた。


「うーん…まだ疑惑である以上、潜入捜査するのが妥当かな? 奴隷商人の証拠が手に入れば僕ら以外に生産ギルドが動くはずだよ。奴隷商売は生産ギルドが違法として取り締まっているからね」


「わしらもレオナルドが関わっていたとなると無関係ではないのぉ。その島を攻め込むにしても物的証拠があったほうが決断しやすいじゃろう。わしが録音機と映像記録装置を用意してやるわい」


おぉ~。相談して良かった。するとニュートンさんがこの話はパラディンロードとライヒにも話すべきだと提案して来る。なぜだろう?この二カ国はそこまで関わりがないと思っていたんだが。


「我々だけが話しているということは返って怪しまれてしまいます。ここはオープンにしたほうが正解ですよ。それに身近にテロリストがいることは各王も知っておいたほうがいいでしょう。このリストを移させて貰ってもよろしいでしょうか?」


「はい。各王様にはニュートンさんが話をして貰っていいですか? 俺ばかりだと怪しまれそうで」


「そうですね。お引き受けします」


これで会議は終わり、シルフィ姫様たちは帰った。次は俺たちの会議だ。俺たちは調査をすることが決まったわけだが、俺は当然いけない。顔バレしているからな。


「幸いスクナビコナじゃなくても安全に航海する手段は手に入りましたから。ゴールデンハインド号でバレないメンバーで潜入は可能です」


そっか。ん?ということはスクナビコナはフリーになるわけか。


「じゃあ、俺はいけないから太陽のコンパスが示す島を狙うか」


「では我々も。漁師ですし」


『いやいや! 船の運用役でしょうが!』


すると今度はチロルたちが言い出す。


「じゃあ、私たちがタクトさんと一緒に! 召喚師でバレている可能性があるから」


こうなるとみんなが参加したいと言い出す。するとルインさんが仕切る。


「はいはい。そこまで。別に島が無くなるわけじゃないでしょう? まずはベガス島に調査隊を送りましょう。夜でも例のアイテムは効果を発揮するのよね?」


「恐らくは」


「なら善は急げよ。メンバーを選びましょうか」


ということでギルドで希望者を募った結果、かなりの数が調査に向かうことになった。みんなカジノで遊ぶ気満々だ。夜の攻略は暗黒大陸の遺跡のせいで結構ストレスが溜まっているみたいだ。そこにカジノというのが来たら、行きたくなるものかも知れない。


その様子にルインさんがカジノについて、正式なルールを決める。


「ギャンブルをするのは自由だけど、自分たちのお金ですること。もし負けて借金を背負っても自己責任。代わりに当然勝ったお金は自分たちの物にしていいわ。これでいいわね?」


『わかりました! 行ってきます!』


本当にわかっているのかな?後、調査をすることを忘れていないか心配だ。まぁ、銀たちを呼んだから、大丈夫だとは思うけどね。


ホームに帰る前に俺はナオさんのお店に立ち寄る。そろそろピンクダイヤモンドについて聞いておこうと思ったのだ。


「お邪魔します」


「あ、タクトさん。いらっしゃいませ。今日はどうしたんですか?」


「ちょっとこのゲームでピンクダイヤモンドを使う指輪について聞きたくて」


「マリッジリングについてですね。ちょっと待ってて下さい」


わざわざ濁したのに普通に言われてた。やっぱりマリッジリングということになるんだ。


「お待たせしました。私が調べたところ、一般的にはミスリルを使うみたいですね」


「あれ? 金じゃないんですか? シルフィ姫様は金でしたけど」


「ちゃんと調べてありますよ。シルフィ姫様はこのゲームで一番高価な金ウェルシュゴールドのマリッジリングをつけているそうです」


「ウェルシュゴールド?」


やばい…知らない。名前からウェルシュドラゴンと関係がありそうな金だけど…ナオさんに教えてもらった。


「ウェルシュゴールドは現実では英国王室のマリッジリングに使われていることで有名です。このゲームでも産出国はパラディンロードで私たちの場合ですとクエストで獲得出来るんですが、難易度が最高ランクなので手出し出来ない金属ですね」


なるほど…無理だね!でも、ここで妥協するのは男としていかがなものか…なんか男として試されている気がする。指輪を選ぶ男の大変さをこんなところで味わうとは…運営も変なシステムを組んだものだ。


「どうしますか?」


「…ちょっと保留でお願いします」


「わかりました。リリーちゃんたちのためにも頑張って見つけてくださいね」


むぐ…まさかの追い打ちだ。頑張るしかないかな。


「あ~…それとエンゲージリングについてなんですけど、ダイヤモンドを取り替えとか出来たりしますか?」


「宝石の取り替えはなんでも出来ますよ」


「そうなんですね。その場合、はめていたダイヤモンドはどうなるんですか?」


「当然残りますよ。ただそれで別の指輪を作るのは女性からしたら微妙なので、個人的にはエンゲージリングとは別のアクセサリーにするのをおすすめします」


そうか!ダイヤモンドはエンゲージリングに使うものと決めつけていたが、別に他のアクセサリーに使ってもいいんだ!でもエンゲージリングをブルーダイヤモンドにしたほうがエンゲージバーストは向上する気がする。


でも一度誓いを立てたダイヤモンドを取り替えするのはナオさんの言うとおり間違っている気がする。ここは取り替えはなしで行こう。


「では、このブルーダイヤモンドで…リングネックレスをお願い出来ますか?」


「はい。デザインは海竜ですか?」


「お願いします」


注文を終えてホームに帰るとリリーたちが駄々を捏ねる。指輪のことは秘密にしているから原因はベガス島だ。


「リリーも行きたかった~」


「俺も行けなかったんだから我慢しような」


「今日の夜はどうするんですか? タクト様」


「時間をだいぶ使っちゃったからなぁ。へーパイストスとの約束があるからメックルカルヴィを倒すか」


ということでみんなで島に向かうことにした。

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