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#655 アフラ・マズダーの審判

俺は目を開けるとそこは俺たちがいる雲の上とは異なる雲海の世界が広がっていた。


俺は自分が立っている地面を確認する。そこは決闘リングのような場所だった。さて、ここに最高善神であるアフラ・マズターがいるはずだが…俺がそう思っていると決闘リングが揺れ、雲海の中から過去最大級の大きさを誇る神様が現れた。


最高善神アフラ・マズター?

? ? ?


アフラ・マズターは俺が見えているのは首から上のみ。残りは全て雲海で見えない。とんでもない巨人だぞ。するとアフラ・マズターが俺に話しかけてきた。


『私が名はアフラ・マズター。最高神にして善の体現者です』


「俺の名前はタクトと申します」


『知っています。数多の亜人種と絆を結びし、召喚師よ。私は善と悪の審判者でもある。汝は私の審判を受ける覚悟がありますか?』


「ふぅ~…あります」


アフラ・マズターは俺を見ると頷く。


『汝の覚悟を聞き届けました。これより審判を始めます。私の問いに答えなさい』


「わかりました」


アフラ・マズターから質問される。


『あなたは一体何者ですか?』


俺は考える。そして答えを出す。


「俺は善と悪の心、両方持つ人間です」


『ほう…では人間よ。善と悪どちらを求めますか?』


「俺は…どちらも求めます」


ゴネス初代法王の手紙にはこうあった。


『我々の罪と向き合う者よ。悪を認めよ。光を求める者よ。己の心を信じよ』


人間は誰しも善と悪の心を持っている。それは偽ってはいけない事実だ。だからこそあの手紙には己の心を信じよと書かれていた。悪の心を持っているこの心を信じないといけない。


『善と悪、両方を求める者よ。なぜ両方求めますか?』


「俺という人間を構成するのがその両方だからです。俺は過去に神を呪い、世界への破壊願望に取り憑かれたことがあります」


なぜ俺の両親が死ななければ行けなかったんだ?こんな世界壊れてしまえばいいのにと。


「そして俺はそれを抱えたまま、今この場に立っています。家族や仲間を大切にすることしか出来ない俺を信じてくれた仲間たちが俺とあなたを引き合わせてくれました。これが今の俺という人間です」


みんな既に俺という人間がどんな人間か理解しているだろう。それでもなお俺の仲間たちは一緒に居てくれる。なら俺はこのままでいいと思うんだ。


『なるほど。それならば最後にあなたの心の強さを試させて貰います』


アフラ・マズターがそう言うと決闘リングに紫色の光の柱と共にアンラ・マンユが現れた。


俺は右手を差し出すと手にはグランアルヴリングが現れる。やはりこの世界はあの時と同じ…それなら俺の選ぶべき手段は決まった。


俺はグランアルヴリングをアンラ・マンユに構えて勝利宣言をする。


「悪いが心の強さなら俺たちの勝ちだ。魔神アンラ・マンユ」


俺はリリーたちを呼んだ。


地上にいたリリーたちが俺の声に反応する。


「タクトが呼んでいる!」


「でもどうやって行けば…」


「そんなの決まっているじゃない」


ファリーダがそういうと宣言する。


「私たちはタクトの召喚獣よ。私たちが召喚石に戻れば、自然と私たちはタクトの元に行けるわ」


『なるほど!』


するとメルがいう。


「リリーちゃんたち、タクト君をよろしくね」


『任せて(ください)!』


全員が召喚石に戻り、俺の周囲に召喚された。


「来たよ! タクト!」


「呼ぶのが遅いです! タクトさん」


「お姉様方、気持ちはわかりますが今はそれどころではないみたいですよ」


セチアに言われて、リリーたちがアンラ・マンユを目視する。


『なんでここに!?』


そうなるよな。するとアンラ・マンユが杖を構え、波動技と体の蛇からブレスを撃ってきた。


全員が死んだと思ったが俺はグランアルヴリングの一閃でそれらを消し飛ばした。


『え…?』


全員がその結果を見て固まる。それはそうだろう。普通ならこんなことは出来ないからな。


「ここは願った力が現実になる世界。俺がかつてリリーの試練で受けた世界と同じだ。ここでは願えばどんなことでも可能になる。俺一人じゃ、お前と戦うにしてもよくて互角だろう」


俺はリリーの頭に手を乗っける。


「けどな俺の心の強さはこの場にいる全員が俺の心の強さだ。対するお前の心は悪の心1つのみ。お前のみじゃあ、俺たちに勝てるはずがない。取り込んだ人間たちを消したのは致命的なミスだったな。アンラ・マンユ」


俺の勝利宣言を受けるとアンラ・マンユは激昂し、攻撃を仕掛けてくれるが俺たちは手をアンラ・マンユに向ける。そして指輪を持っている者も持っていない者も同じ言葉を言う。


『エンゲージバースト(ガウ)!』


全員が光となり、俺の指輪に吸い込まれると現実では有り得ない全召喚獣とのエンゲージバーストが発動する。


俺の姿は七色の竜騎士の鎧に背には俺の召喚獣たちの翼があり、尻尾もそれぞれの種類の尻尾があり、周囲の空間に展開された俺たちを支えてきた武器たちの中で剣たちの鍔が召喚獣の顔のデザインに変化している。


これが俺たちの心の強さの象徴だ。


俺たちは攻撃を受け止め、今まで共に戦って来た武器たちから全召喚獣の攻撃が放たれ、アンラ・マンユに炸裂する。アンラ・マンユの体はボロボロになっている。これも本来なら有り得ないだろうな。


それを見たアフラ・マズターが告げる。


『あなたたちの心の強さ。しかと見させて貰いました。審判を下しましょう』


アフラ・マズターがそう告げるとアンラ・マンユが抵抗してアフラ・マズターに攻撃を放つが効いていない。


『あなたは私の心から生まれた私の一部に過ぎません。私に敵うはずがないでしょう? 審判の時です。人の心の強さの勝利を認めましょう』


アフラ・マズターがそう告げるとアンラ・マンユが消滅する。それを見届けたアフラ・マズターが話す。


『流石の私も現界したアンラ・マンユを消滅させることは出来ません。私に出来るのはアンラ・マンユの神性を落とすことと現界までの時間を与えることのみです。最後は人の手で神界に帰してあげてください』


アフラ・マズターがそういうと俺たちは転移の光に包まれ、地上に転移した。するとインフォが来る。


『特殊クエスト『アフラ・マズターの審判』をクリアしました。アンラ・マンユの弱体化に成功しました』

『アンラ・マンユ現界まで残り10分です』


時間少なくね!?

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最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
― 新着の感想 ―
[一言] 全召喚獣とシンクロバーストした姿、今回の描写を見るにかなりキモくなるのでは?むしろ何も追加パーツ付かなくて良い気が……
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