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#649 パラディンロード、挟撃作戦

パラディンロードではアカ・マナフは苛立っていた。


「…まだ城を落とせないの?」


「フリーティアが救援に来たのが完全に誤算だ。私がせっかく食糧を持ち出し、籠城をさせないための策を打ったというのに台無しとなった。これはそちらの落ち度だぞ」


「そうね…まさかアジ・ダハーカが倒されるとは思ってなかったわ。でもあなたの作戦も失敗した事は忘れないようにね」


アグラヴェインは苦い顔をする。アーサー王たちなら同じ騎士の服を着た間者が城に紛れ込んでも気づかれないと考えていたがその策はノストラさんたちに発見され、間者たちは倒された。


こちらが総力でぶつかってもただでさえ、戦力が不利な状況でフリーティアの冒険者たちが加わったのだ。押し切れるほど甘くはなかった。すると騎士の一人が報告に来る。


「城に動きあり! 敵がこちらに向けて進行してきました!」


「何!? …止むをえん。向かえ撃て!」


「はっ!」


籠城している奴は普通出てこない。出てくるとすればそれは敵を撃退する策が出来た時だ。


「(面白い…このアグラヴェイン。倒せるものなら倒してみろ!)」


今回の魔王たちに致命的なミスがあるとするなら彼らはお互いに通信をしてはいなかった。彼らは自分たちが滅ぼす国を決め、お互いに干渉しないようにした。それは自らの力に自信を持っていたからだ。


そしてアグラヴェインもまたタクトのバトルシップという切り札に興味を示さなかった。それが敗因となって、牙を剥く。


「マスター。敵をレーダーで補足しました。中央モニターに出します」


あ、魔王っぽい女性とアグラヴェインが映し出された。


「ミア、あいつらを狙えるか?」


「問題ありません。マスター。ロックオン完了」


「撃て」


カモフラージュバリアで隠れているバトルシップからエネルギーキャノンとミサイルの一斉掃射が敵本体を襲った。


「な…何よ!? 今の攻撃は!」


「ぐ…後方からの攻撃…しかし今の攻撃はなんだ?」


するとバトルシップの甲板からルークたちが飛び出し、一斉に襲いかかった。カモフラージュバリアの効果で向こうからすると何もないところから急に召喚師と召喚獣の部隊が現れたように見えただろう。


「召喚獣!? フリーティアの別働隊か! 迎え撃て!」


エネルギーキャノンとミサイルの一斉掃射を受けて瀕死の騎士たちに言ってもね。しかしアカ・マナフは自らの能力を発動する。


瀕死の騎士たちが起き上がり、狂戦士化する。あれが悪しき思考を植えつける魔王の能力か。


「ミア、ホーミングレーザーをみんなに当たらないように撃て」


「イエス、マスター。ホーミングレーザー、発射します」


変幻自在に動く無数のホーミングレーザーが敵本体に再び襲い掛かり、騎士たちが爆発で空に舞う。その騎士たちに容赦なく召喚獣たちが襲い掛かり倒した。


「くそ! なんだ! これは! 正々堂々と戦え!」


間者を送り込もうとした人が何か言ってますよ。まぁ、それが望みなら最後ぐらい戦ってあげよう。


「俺も外に出て来る。俺たちが出たら、バトルシップは島に帰還させてくれ」


「「「イエス、マスター」」」


俺は甲板に出るとリリーたちを呼び出す。


「いくぞ!」


『うん(はい)!』


俺たちが姿を見せるとアグラヴェインはすぐに俺を認識する。


「やはり貴様の仕業か!」


「どーも。先日ぶりだな。随分ボロボロのようだが、大丈夫か?」


「貴様の仕業だろうが! こいつを殺せ! モルドレッド!」


「おおぉぉぉ!!」


「リリー、イオン、恋火、ユウェル、千影!」


リリーがモルドレッドの剣とぶつかりあり、イオン、恋火が挟撃するとモルドレッドは後ろに下がり攻撃を躱す。しかし千影が鋼線で縛り、ユウェルのトンファーの一撃でモルドレッドがぶっ飛ぶ。


「あなたの相手はリリーたちだよ!」


「アーサー王に匹敵する強さだと聞きました。私たち全員とお手合せ願います」


モルドレッドは鋼線を力尽くで引きちぎると剣を構え、リリーたちとぶつかりあった。


「準備万端というわけか…しかし甘いな。来い! ランスロット!」


ランスロットが俺たちの前に現れる。シフトチェンジのような位置を変える能力か。


「貴様の周りの面子ではランスロットは止められまい!」


「俺はそうは思えないな」


「減らず口を! やれ! ランスロット!」


「…影縛り」


ランスロットが来るがノワが動きを封じてくれた。


「やるぞ。リビナ」


「ようやくボクの出番だね! 暴れちゃうよ!」


俺とリビナがエンゲージリングを翳す。


「「エンゲージバースト!」」


ダークピンクの光の柱が天を貫き、光の中から俺は姿を見せる。


リビナとエンゲージバーストした俺の姿は悪魔の角に背中には悪魔の翼が生え、尻尾はリビナと同じハートの尻尾。服装はジャケットのみで胸や腹筋を見せる服装だ。下が普通にズボンだし、このぐらいなら許容範囲だ。


腰には迅雷と雷龍の鞭がある。するとリビナが指摘してくる。


『わぉ! タクトってば凄い腹筋! それになんか体に紋様が浮かんでるよ』


リビナに言われてみると引く。俺、腹筋こんなに無いよ。アスリートみたいになってるじゃん。


『あ! タクトの肉体美に見とれていたリリーたちが吹っ飛ばされた』


頼むから真面目に戦闘してくれ。モルドレッドは本当に危険な奴なんだからさ。


そう思っているとランスロットがノワの束縛を解除し、こちらに剣を振りかぶってくる。


俺たちは手をランスロットに向ける。


『「堕ちろ」』


周囲の騎士たちが全員一斉に白目となり、痙攣しながら倒れた。それはランスロットも例外ではない。


諸説あるが円卓の騎士は恋により、崩壊したと言っていい。ランスロットは王妃グィネヴィアとの恋に落ち、アーサーは異父姉とは知らず恋に落ち、モルドレッドが誕生した。


つまりパラディンロードにとって、リビナは天敵と言っていいほど、相性が悪いんだ。


「二度も操られなければそんな惨めな姿を見せずに済んだのに…残念だよ。ランスロットさん」


俺はかつて共に戦ったランスロットさんにそういうと地べたで苦しんでいるアグラヴェインと目を見開いているアカ・マナフと相対する。


「悪いが詰みだ」


「あなた…その気配…ふふ。そういうこと。でも詰みには早んじゃないかしらね!」


アカ・マナフの目が妖しく光り、俺にアカ・マナフの能力が発動する。


「ふふ…あなたたちの強さはよーくわかったわ。そこの男は役に立たないし、代わりにあの城を破壊してくれるかしら?」


俺は縮地で移動し、アカ・マナフを蹴り飛ばす。ガードされたか…完全に不意を付いたと思ったんだけどな。


「ぐ…嘘よ。なぜ私の力が効かないのよ!?」


『タクトを操ろうなんて甘甘にも程があるね! 君の能力を使われたからよく理解したよ! あなたは人間に悪さをさせるだけ! だけどボクの力は人間の三大欲求の一つである性欲! 人の精神に与える影響力ならボクのほうが上だ!』


リビナには俺から事前に敵の能力について話していたから俺には効果がないと知っていた。だからこそ俺は詰みと言ったんだ。


「く…はぁ。わかったわ。なら私も本気を出すしかないわね!」


アカ・マナフは巨大化する。こいつらは反省しないね。大きくなったら、的が大きくなるといい加減学べばいいのに…俺がお城の屋上を見るとアーサー王が黄金の剣を構える。


通信でアカ・マナフの討伐は任せて欲しいとアーサー王にお願いされていたからバトルシップでそのまま撃破は出来なかったんだよね。


「エクスカリバー、伝説解放!」


黄金の光が国中から湧き出し、剣に集まっていく。それを見たアカ・マナフは慌てる。


『モルドレッド!』


「おおぉぉぉ! ッ!?」


アーサー王の邪魔に動いたモルドレッドを雷龍の鞭で縛ると地面に叩きつけ、縛りを解除すると俺は迅雷を構える。


「お前は俺と戦いたいと言っていたな? 今、いいところなんだ。相手してやるよ」


「邪魔を! するなぁあああ!」


モルドレッドが叫んで来る。俺たちは押されて、モルドレッドに斬られる。


しかし俺たちは幻となって消える。夢幻泡影と隠密で背後から不意打ちの居合斬りをする。それをモルドレッドは受け止めるが俺は蹴り飛ばす。


すぐに体勢を立て直すところは流石だ。しかし俺の目的はモルドレッドの足止め、ずっと戦う必要はない。


『金縛り』


モルドレッドの動きが止まる。しかしこれだけでは不十分だろう。


「影縫い!」


「…影呪縛!」


「氷牢! 水圧結界!」


「重力操作!」


千影がモルドレッドの影に鏡幻を突き刺し、ノワが影呪縛で更に拘束すると追い打ちにイオンがモルドレッドを凍らせ、水圧結界とユウェルが重力操作で完全にモルドレッドの動きを封じた。


一方でアカ・マナフはアーサー王の必殺技を阻止しようとするがルークたちの召喚獣とメルたちの一斉必殺技が放たれ、足止めされていた。そしてアーサー王が必殺技を放つ。


「この国の王として国民と救援に来てくれた勇敢な冒険者たちに国の平和と魔王への勝利を約束しよう! 聖剣技! キングダム・コールブランド!」


コールブランドはエクスカリバーの別名だ。キングダムは王国。アーサー王の一撃はアカ・マナフの巨大な体をまるごと呑み込み、空の暗雲と暗黒大陸に続く海を真っ二つに両断した。


あっぶな…バトルシップを帰還させて良かった。危うく斬られるところだったぞ。


「タクト!」


「死ねぇえええ!」


リリーの声に反応して俺はアグラヴェインの攻撃を受け止める。


「やめとけって、そういうのは」


「ふん! どの道、負けた我々は死ぬしかない! ならばせめて貴様を倒した後に死んでやる!」


「いい年したおっさんが恋人みたいなことを言うな。気色悪い」


俺はアグラヴェインを弾き飛ばすと雷竜の鞭で縛り上げ、感電したアグラヴェインは倒れる。やれやれ。


『タクトってば、こんなおじさんまで手を出すなんて』


「…リビナ。帰ったら、セチアの薬を使った足つぼマッサージな」


『何それ!? 滅茶苦茶怖いんだけど!? じょ、冗談だよ。やだな~、タクト』


全く…調子がいいことを言う。その後、パラディンロードで恐らく操られていなかった騎士たちを鎮圧したのち、インフォが来る。


『おめでとうございます! 魔王アカ・マナフを討伐しました』

『パラディンロードのプレイヤーは障壁を超えることが可能となりました』


これでパラディンロードの魔王騒動は終わった。これで残すはザリチュ、サルワ、アンラ・マンユだ。


名前 タクト 寵愛の召喚師Lv17


生命力 140

魔力  340

筋力  170

防御力 70

俊敏性 120

器用値 214


スキル


格闘Lv38 蹴り技Lv37 杖Lv41 片手剣Lv50 槍Lv34 

刀Lv43 投擲操作Lv14 詠唱破棄Lv34 魔力操作Lv18 魔力切断Lv23 

召喚魔術Lv41 封印魔術Lv40 ルーン魔術Lv31 阻害無効Lv9 騎手Lv42 

錬金Lv27 採掘36 伐採Lv39 解体Lv52 鑑定Lv45 

識別Lv49 疾魔法Lv15 炎魔法Lv11 地魔法Lv15 海魔法Lv12 

暗黒魔法Lv12 神聖魔法Lv20 雷魔法Lv45 爆魔法Lv50 木魔法Lv36 

氷魔法Lv35 時空魔法Lv53 獣魔魔法Lv8 遅延魔法Lv17 連続詠唱Lv39 

水中行動Lv28 空脚Lv3 読書Lv18 料理Lv46 釣りLv22 

シンクロLv31 エンゲージLv12→Lv13 連携Lv27


名前 イオン ドラゴニュート・スワローLv16


生命力 137

魔力  242

筋力  160

防御力 92

俊敏性 320

器用値 188


スキル


二刀流Lv50 槍Lv10 投擲操作Lv34 飛翔Lv39 超感覚Lv34 

魔力操作Lv12 魔力切断Lv25 高速遊泳Lv36 竜眼Lv30 水分身Lv16

氷刃Lv38 蒼雷Lv29 多連撃Lv30 水魔法Lv28 時空魔法Lv26 

水流操作Lv10 蒼海波動Lv19 水圧結界Lv13→Lv14 雹Lv20 星氷装甲Lv20 

氷牢Lv12→Lv13 津波Lv4 冷凍光線Lv12 逆鱗Lv5 竜技Lv30 

竜化Lv10 竜魔法Lv10 起死回生Lv5 ドラゴンブレスLv14 星海竜の加護Lv24 

料理Lv30


名前 イクス コマンドエクスマキナLv13


生命力 199

魔力  199

筋力  199

防御力 199

俊敏性 199

器用値 199


スキル


飛行Lv25 多重兵装Lv34 暗視Lv20 望遠Lv26 射撃Lv32 

必中Lv18 詳細解析Lv13 演算処理Lv32→Lv33 指揮Lv9→Lv10 複数照準Lv13→Lv15 

行動予測Lv28 遠距離索敵Lv32 魔力感知Lv6 反射Lv14 超装甲Lv3 

魔力回復Lv12 連射Lv30 加速Lv7 バリアLv5 空間把握Lv13 

換装Lv11 並列リンクLv27→Lv28 支援要請Lv5 連携Lv4 魔力充電Lv20 

リミッター解除Lv3 EMバーストLv3


名前 ノワ ドラゴニュート・ディペンデンスLv13


生命力 154

魔力  292

筋力  124

防御力 97

俊敏性 144

器用値 229


スキル


影操作Lv28 飛翔Lv33 呪滅擊Lv19 影探知Lv25 影移動Lv17 

影針Lv18 影潜伏Lv34 影呪縛Lv26→Lv27 影召喚Lv15 気配遮断Lv22 

擬態Lv12 暗視Lv31 魔眼Lv17 冥波動Lv18 暗黒魔法Lv5 

超再生Lv8 黒炎Lv7 集束Lv10 邪気Lv18 蘇生Lv4 

黒霧Lv22 霊化Lv6 身代わりLv6 引力操作Lv5 吸収Lv5 

超感覚Lv22 逆鱗Lv5 竜技Lv16 ドラゴンブレスLv15 竜魔法Lv10 

竜化Lv9 料理Lv14 邪竜の加護Lv17


名前 リビナ リリムLv13


生命力 150

魔力  290

筋力  150

防御力 114

俊敏性 204

器用値 204


スキル


鞭Lv18→Lv19 吸血爪Lv15 魔拳Lv7 飛翔Lv31 隠密Lv13→Lv14 

暗視Lv28 堕落Lv35→Lv36 精神誘導Lv15 罠設置Lv5 魅了吸収Lv36→Lv37 

魔力操作Lv7 魔法阻害Lv3 連撃Lv18 闇魔法Lv17 雷魔法Lv18 

爆魔法Lv18 時空魔法Lv16 影潜伏Lv6 金縛Lv8→Lv9 集束Lv5 

障壁Lv12 夢幻Lv12 暗黒弾Lv22 夢幻泡影Lv3→Lv5 黒霧Lv3

超再生Lv3 魔素解放Lv7 暗黒波動Lv10 淫夢結界Lv27 魔王化Lv5 

夢魔の加護Lv8→Lv9


名前 ユウェル ドラゴニュート・コアLv6


生命力 156

魔力  114

筋力  217

防御力 286

俊敏性 94

器用値 108


スキル


鉄拳Lv2 万物武装Lv12→Lv13 採掘Lv1 鍛治Lv12 堅牢Lv12 

強制Lv7 竜角Lv3 激突Lv7 超感覚Lv9 竜眼Lv7

高速再生Lv8 格納Lv5 練気Lv15 荷重操作Lv12→Lv13 金属装甲Lv7 

金属壁Lv10 宝石投擲Lv3 重力操作Lv12→Lv13 土魔法Lv10 土潜伏Lv10 

集束Lv5 石波動Lv8 逆鱗Lv3 竜魔法Lv6 竜技Lv8 

竜化Lv6 ドラゴンブレスLv5 起死回生Lv3 星核竜の加護Lv6


名前 千影 鞍馬天狗Lv7


生命力 90

魔力  136

筋力  167

防御力 61

俊敏性 192

器用値 152


スキル


飛翔Lv26 刀LLv24 杖Lv3 紐Lv4→Lv5 棒Lv1

扇Lv1 暗視Lv13 気配遮断Lv13 天耳通Lv10 他心通Lv5→Lv6 

空脚Lv15 練気Lv18 仙気Lv9 見切りLv15 暗黒刃Lv15 

透過Lv5 妖術Lv5 夢幻Lv12 風魔法Lv7 闇魔法Lv7 

神道魔術Lv10 仙術Lv12 念動力Lv6 強奪Lv3 変わり身Lv3 

影分身Lv19 影縫いLv4→Lv5 集中Lv7 鎌鼬Lv7 連撃Lv8



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最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
以下のリンク先で連載中です。


動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
― 新着の感想 ―
[一言] くっ…リビナとエンゲージバーストした時のタクトの姿が気になる(‘ᾥ’)
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