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#644 パラディンロードの救援と各地の戦況

俺たちと分かれてパラディンロードに来たメルたちはパラディンロードの状況に絶句した。王都のあちこちで火の手が上がり、完全に内戦状態だったのだ。


『コロセコロセコロセ』


早速目が病んでいる騎士たちが向かってきた。それを撃退しようとするが一筋縄では行かなかった。パラディンロードの騎士というだけあって、強いのだ。


すると早速ジャンヌが狙われる。


「きゃ!?」


「やらせるか!」


「俺たちがいる以上、ジャンヌさんには手出しさせない!」


彼らは以前の戦争でジャンヌの護衛をしていたパーティー。いつもオルレアンベーカリーのパンを買っているジャンヌの熱烈なファンだ。メルたちは彼らを信頼し、今回も護衛を任せたんだ。


ジャンヌを狙った騎士たちも普通に攻撃には対処してくる。しかしメルはすぐに弱点に気がついた。


「みんな! 連携して! この騎士たちは集団戦が苦手みたい!」


『了解!』


正常な思考状態ならしっかり訓練された動きを見せるだろうが洗脳状態ではどうしてもそういうのは不向きとなるらしい。こうなるとメルたちはしっかり確実に倒していくがトリスタンさんが警告する。


「まずいわ! 遠くから多数の騎士が陣形を組んでこちらに向かって来ている!」


「罠を設置出来る人は罠設置をお願い! まずはアーサー王に謁見しよう」


『了解!』


全員でお城を目指しているとお城の前に紫色の騎士が部隊を率いてお城を取り囲んでいた。


『ランスロット…』


それはみんなが知っている人物だった。名前を呼んだせいかランスロットがメルたちを見ると部隊をメルたちに向ける。


「冗談きついぜ。この状態でランスロット戦かよ」


「でもここで突破しないと挟み撃ちにされちゃう! みんな! 強行突破するよ!」


『おぉ!』


両軍がぶつかり合う。するとランスロットがメルを狙い槍を投擲するとケーゴがガードする。そしてユーコがランスロットに大剣を振りかぶる。


「グランドスラッ」


グランドスラッシュを使おうとしたがランスロットは振り下ろされた大剣をあっさり弾き、ユーコに斬りかかろうとする。


「させない! 旋風刃!」


シフォンが風の刃を飛ばすとランスロットはそれを躱し、一瞬でシフォンの前に現れ、シフォンに剣を振りかぶる。それをミランダが受け止めるとランスロットはミランダを蹴り飛ばし、二人がぶっ飛ばされるとランスロットが剣を構える。


「やらせ」


「やらせん!」


アーレイが助けようとするとシグルドさんがランスロットに襲いかかった。アロンダイトとバルムンクがぶつかり合う。


「パラディンロードの騎士なら相手に不足はない。お相手願おう」


「…」


鍔迫り合いから互いに距離を取りランスロットがアロンダイトを構えると二人がぶつかり合う。するとシグルドさんが押される。


「く…剣の腕では負けているか…しかし! ドラゴンスケイルメイル!」


シグルドさんの両手がドラゴンの鱗のようになるとアロンダイトの斬撃を片手で受け止め、バルムンクの攻撃でランスロットが吹っ飛ぶ。


隙を付こうと他の騎士たちがシグルドさんに襲いかかるがブリュンヒルデさんとレギンが守りに入る。更にヘリヤが盾を構え、体当たりすると騎士の防具を破壊して、吹き飛ばして道を開けた。


戦闘を察知したお城からパラディンロードの騎士たちが現れ、ランスロットたちが挟み撃ち状態となる。状況は不利と読んだのかランスロットは撤退した。


「なんとかなったな」


「格好つけてもあんたのダサさは消えないわよ」


「うるせぇ! それぐらい分かっているよ! でもシグルドとランスロットの戦いに乱入なんて出来るわけないだろうが!」


全員、傍観姿勢だったから、それ以上は何も言えない。その後、メルたちはお城に入り、アーサー王と謁見する。


「まずは礼を言おう。フリーティアの援軍に心から感謝する」


「え、えーっと。私たちはフリーティアから派遣されただけですから」


メルの心境はなんで私が?状態だ。


「それでも援軍は正直有難いよ。ご覧のような状態だからね」


マーリンがお城の外を見て、そういうとメルたちに現状を説明する。


「魔王アカ・マナフの手に落ちたのはランスロット卿、アグラヴェイン卿、ガヘリス卿、モルドレッド卿、パロミデス卿などパラディンロードでの知や武に秀でたものが狙われた。まぁ、全員心に闇を抱えていたみたいだから、そこを狙われたんだろうね」


「王としては不甲斐ないばかりだ。しかも国民の大半が魔王の手に落ち、武器などを装備していない者を手当たり次第手を上げている。出来れば打って出たいが敵に回った面子が面子なだけに下手に動けない状態でね」


メルたちの意見もバラバラ。円卓のメンバーではガウェイン卿、トリスタン卿などの強いメンバーが残っている。それでもランスロット、モルドレッドの名前でどうしても尻込みしてしまう感じだ。


「魔王アカ・マナフを狙うのが無難だと思いますが?」


「僕らも当然そう思ったさ。でもね…彼女は敵の本隊にいて、周囲にはアグラヴェイン卿とモルドレッド卿を確認されている。それでも一度は仕掛けたんだけどね…」


「面目ないですが、私やトリスタン卿が魔王アカ・マナフの力を浴びて、撤退することになりました」


「大丈夫だったんですか!?」


メルの心配は当然だ。この状況でガウェイン卿、トリスタン卿が敵に回ることはほぼ詰みを意味している。


「教会のエイル殿に治して頂いたので、大丈夫ですよ」


「今回ばかりはアーサー王の遊び癖とタクトの女性運に救われたよ。もし彼女が敵の手に落ちていたら、とっくにパラディンロードは落ちていたからね」


「いや、あれは遊びはないと言っているだろう? マーリン」


「はいはい」


メルたちはまたタクトが何かフラグを踏んでいたことをこの時知った。するとどこからかお腹の虫の音がした。騎士が慌てて謝罪する。


「謝らなくていい。満足に食事をしていないことは私も知っている」


「籠城を余儀なくされ、城の食料はアグラヴェイン卿に持ち出されてしまったからね。でも、フリーティアの彼の仲間がここに来てくれたのは救いだ。まずは食料を頼めるかな? 出来れば料理済みだと助かる」


「わかりました。そういうことなら任せてください」


夜になるとルインさんたちがパラディンロードに向かい、お城に騎士たちや避難している住民に料理が振舞われた。


「そうか…あの時の兄ちゃんはいないのか…」


「残念でしたね。スクルド」


「うん…じゃない! 全然残念なんて思っていないぞ! エイルは何を言っているんだ!」


「あらあら」


エイルとスクルドの会話を聞いていたメルたちは絶対タクトが何かをしたことを察した。


「…これは追求案件だね」


「「うん」」


そんなことをしているとサバ缶さんから連絡が来て、俺たちはそれぞれの場所の現状報告をする。


『俺たちは次の魔王襲撃に備えて、エルフの森に滞在することに』


『シチューおかわり!』


『ちょっと待ってな。えーっと…なりました』


エルフの子供たちの無邪気な声に全員苦笑いだ。


『パラディンロードは籠城状態。今は料理を振舞って取り敢えず膠着している。でも攻撃は止んでいるわけ無くて、今も満月さんたちと与一さんたちが戦闘している感じ。だからこっちも動けないよ』


俺たちが以前した寝かせない作戦か?いいや、城に立て籠もっている人にはあまり有効とは思えない。そんな作戦をアグラヴェインがするだろうか?アグラヴェインは暗殺とか考える奴だ。それでいてあった感じ無駄なことはしないタイプだと思う。だとすれば、敵の狙いは…。


『メル、ノストラさんたち占い師たちに伝えてくれ。お城の中に裏切り者か間者がいる可能性があるから、探してくれって』


『まさかこの隙に? 了解。伝えてこっちで対処するね』


まぁ、俺の読みが外れていればそれでいいんだけどね。ここでサバ缶さんがお城で得た情報をくれる。


『まずエリクサーラピスでは深刻な干ばつが発生してアクアスの水樹の水が枯れているらしいです、これによりエリクサーラピスの人たちに飲み水を届けるクエストが発生しました。こちらはユウナさんたちが水樹の水やジュースを届けています』


『これを引き起こした魔王ザリチュは植物タイプの魔王で干ばつと共に毒草をフィールドに生やして、プレイヤーたちは常時毒ダメージを受ける状況になっているそうです』


『討伐は出来ないんですか?』


俺が質問するとサバ缶さんが答えてくれた。


『魔王自体は強くないらしいのですが倒してもすぐに復活するそうです。カインさんからの報告では不死や蘇生、復活とは異なる能力があるとのことです』


タルウィとザリチュは本来ペアで行動する魔王として知られている。サバ缶さんもやはりそこを怪しんでいるようだ。


『ザリチュは本体を倒しても復活するので、恐らくはタルウィを先に倒すことでザリチュの不死性が失われるんだと思われます』


『こちらはタルウィの出現を待つしかありません。ただ倒せる算段はついています。出現してくれたら、倒せると思います』


『流石ですね。最後にライヒですが、フリーティア騎士団と桜花の部隊は無事にライヒ帝国に到着し、同盟軍を作ることになりました。サルワと現在戦闘中です。シリウスさんたちの話ではサルワの能力は戦闘高揚があるらしく、ダメージを与えれば与えるほど強くなるそうです。現在強化が進み、帝さんたち総出のロイヤルランパードを一撃で破壊するレベルになっているそうです』


ど、どんまいだ。ロイヤルランパードは俺たちが有している防御手段でもトップレベルの守りを誇るスキルだ。それをたくさん重ねて一撃で破壊されるって洒落になっていない。


『それでサルワに対してタクトさんに何か打開策はないですか?』


いきなりの無茶ぶりだ。俺は考える。ノワの竜魔法が有効なら瞬殺なんだろうがそこまで簡単じゃないだろうな。何せシヴァだ。平気で破って来るだろう。こうなると打てる手は限られてくる。


『恐らくサルワは全員の一斉攻撃で仕留めるのが正解でしょう』


『ですね。そうなると問題は火力ということになりますね』


『はい。火力が足りない状態で攻撃すると最悪となるので、戦力を集める時間を稼ぐ必要が出てきます。かなり大掛かりになると思いますが幻術を使ってサルワの進行方向を変えることは出来ないでしょうか?』


『なるほど…幻術で町や城を作り出して、誘導するわけですね? 提案してみます』


正直こうする以外の方法しか思い付かない。するとサバ缶さんが質問してくる。


『バトルシップの状況はどうですか? タクトさん』


『ロボはアジ・ダハーカのダメージを受けて修理中、バトルシップは現在点検とエネルギーを補充中です、イクスの話では明後日の朝には出動可能となるみたいです』


たくさんあったアン女王の像が無くなっていたからきっと魔力供給の時に壊れていたんだろう。同じ失敗を繰り返さなくて本当に良かった。アン女王に感謝だ。


『了解です。あ、それとワントワークの避難が始まりました。現在生産職がフリーティアに避難させるクエストが進行中です。魔神アンラ・マンユのワントワークの到着は明日だそうです』


『間に合いますか?』


『ワントワークの全国民となると流石に‥という感じです。ただ桜花もワントワークの救援のために船を出してくれることになりましたから人的被害は殆ど出ないと思われます』


そうなるよな。それでもやれるだけのことをしないといけない。俺は会議後、ログアウトすると佳代姉たちから追求のメール来ていた。


『スクルドさんに何かしたでしょ!』


『一回助けたな』


『それだー!』


何なんだよ。眠いから寝よ。

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