#642 動き出す魔神と各国への救援
もう今日は終わりですが、本日より漫画UPさんで『Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~』の漫画がスタートしました!
無事に漫画化がスタート出来たのも、いつも読んでくださる皆さんのおかげです。改めていつも読んでくださり、本当にありがとうございます。
今後もまだ『Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~』の更新を続けていきますので、引き続きよろしくお願いいたします。
俺はみんなからバトルシップに乗りたいだのロボに乗りたいだと色々なお願いをされたがそれはフリーティアに着くまでだ。
まず、俺たちはグラン国王が倒れた知らせを聞く。俺はシルフィ姫様やサラ姫様たちには急いでお城に向かわせた。現状の確認やこれからの行動とか色々後でいいだろう。
更に俺たちにも悲劇が発生する。ホームに帰るとキキが庭で倒れていた。俺たちはキキをベッドまで運び、セチアが様子を見る。
「どうだ? セチア?」
「安心してください。命に別状はありません。ただキキさんが使った能力は恐らくキキさんにダメージがある程度発生する能力なのでしょう。暫くは絶対安静です」
「…そうか」
俺が悔やんでいるとリリー、ノワ、ユウェルが入ってきた。
「「「料理作ってきた!」」」
ん?この三人が?俺が料理をみるとたぶんお粥だと思うんだが、色が紫色だった。しかもどうやったのか謎だが普通のスープのお皿なのに沸騰している。更に中に入れたお肉が溶け、油が大変なことになっていた。俺はモザイクを推奨する。
俺が扉のほうをみるとイオン、恋火、リアン、和狐が止めてのレクチャーをしている。どうやら本気で心配する三人を止めることが出来なかったらしい。
「三人の気持ちはわかったからさ。今は寝かしておいてあげよう? この料理は俺が預かっておくからさ」
「「「うん!」」」
そう言うとリリーたちは部屋から出て行った。イオンたちが心配そうに俺を見る。
「俺はこれを処理するからリリーたちのこれ以上の暴走を止めるようにな。じゃないと全員のご飯がこれになるぞ」
『わかりました! 絶対止めます!』
俺はセチアを見る。
「何か命が助かる薬をくれ」
「が…頑張ります!」
男の意地で全部飲む。その後薬を飲んだが、効果なく俺はブラックアウトした。
現実で目が覚めた俺はお昼を食べて、休憩する。ずっとログインしていたからかなり休憩しないとダメだ。すると佳代姉たちからメールが来る。どうやら他国の現状を知らせたものらしい。
まずパラディンロードはカムランの戦い状態らしい。いや、もっと酷いかも知れない。アグラヴェイン、ランスロット、モルドレッドなどの多くの騎士がアカ・マナフの洗脳を受け、アーサー王と現在進行形で戦闘中。状況から見るとかなりやばそうだが、ここはまだ持っている。
その理由がエイルとスクルドのワルキューレの存在だ。彼女たちの能力でアカ・マナフの洗脳にある程度抵抗している現状らしい。もしあの神父悪魔がいたら、状況は最悪だったかも知れない。
エリクサーラピスも問題無し。まぁ、アインシュタインさんとニュートンさんの禁呪を知ったからそれも頷ける。
問題を抱えているのはライヒだ。港町が壊滅して、砦と村一つが潰されたらしい。現在、町の防衛中で帝さん、シリウスたちライヒのプレイヤーたちは先行して、救援に向かったそうだ。
しかしローランなどのライヒの精鋭部隊が参加して、サルワに全く歯が立たないらしい。それもそのはずサルワはヒンドゥー教の破壊神シヴァと同一視されている。現在出ている魔王の中で最も強いのは間違いなくこのサルワだろう。
どこまでの能力があるかは知らないが少なくとも霞が第三の目を確認しているからそれなりの設定はあると見るべきだな。
謎なのがウィザードオーブに現れたというタルウィだ。街には一切興味を示さず、森を襲っているらしい。タルウィは植物を滅ぼす魔王と言われているから森を狙うのはわかるが狙いが不明のため、ウィザードオーブは傍観状態ということだ。
俺は休憩を終わり、ログインするといきなり通信が来た。
『ようやく繋がったか…疲労困憊なのはわかるが緊急事態だ。タクトよ』
相手はスカサハ師匠だった。
『どうかしま…というかタルウィのことですよね?』
『そうだ。奴の狙いは世界樹ユグドラシルだ。奴は現在エルフの森に進行し、我々とエルフたちで戦闘中だ。悪いとは思うが大至急援護に来い。世界樹ユグドラシルを失えば、世界中の植物が枯れマナのバランスが乱れる。そうなると動物たちにも被害が出て、魔法も使えなくなるぞ』
ウィザードオーブにあったのか…エルフの森は。というかあのスカアハ師匠がかなり切羽詰まっているから余程の緊急事態なのだろう。
俺がまず家にいる九尾にダメ元で各国の救援について聞いてみるが流石に他の国やアンラ・マンユには関わらないとのこと。
「俺様があいつと戦ったのはあいつが俺様の領域に侵入してきたからだ。俺様の領域に入ってもいない修羅神仏と戦うわけにはいかない。だが、飯の礼もあるからお前の家とあのメイドぐらいは守ってやるよ」
なんだかんだで義理には厚い九尾だ。俺はみんなと共に救援に向かう前にお城に行く。動くなら国と連携したほうがいいと思ったからだ。そこでグラン国王様のことを聞いた。
どうやらあのドラゴンの召喚に魔力と生命力をごっそり持っていかれて昏睡状態となってしまったらしい。命に別状はないみたいなので、ホッとしていると最悪の知らせが来た。
「緊急事態です! 魔神アンラ・マンユの行動が安定し、南に進行中とのこと」
『ワントワーク…』
全員の口が揃った。運営はあの国に恨みでもあるのか?ゾンビで一度滅びて、ゴネス大戦でも農作物に被害を受けて、次は魔神?冗談きつすぎるぞ。
するとアンリ姫様が話す。
「お父様から倒れる前にタクト様たちに全軍の指揮を任せると王命が出ました」
マジか…しかしこうなると戦力を一旦バラけさせたほうがいいな。どっちみち魔神アンラ・マンユは俺たちだけではどうしようもない相手だ。それなら同盟軍を組むしかない。そのためには他国の救援が最重要だ。
俺はみんなを城に集めて、会議を開く。
「各国への救援は戦力を分けたほうがいいと思います」
「どこも混乱していますからね。時間との勝負でもありますからそれが最善だと思います」
サバ缶さんも同じ考えだったみたいだ。こうなると優先順位をつけて攻略していったほうがいい。
「シグルドさん、ブリュンヒルデさん、レギン、ヘリヤ、召喚師を除く全プレイヤーはパラディンロードへ」
「いいのですか?」
「ウィザードオーブには救援にはいけないでしょう? それにエイルさんたちが心配なんじゃないですか?」
「お見通しですか…ではお言葉に甘えさせて貰います」
それにパラディンロードなら全員決闘イベントで一度は行ったことがあるはずだから問題はないはずだ。何よりパラディンロードは騎士一人一人が強い国のはずだ。アーサー王が倒されることはあってはいけないから、ここに戦力を集めたほうがいいと考えた。俺は更に指示を出す。
「フリーティアと桜花の部隊はライヒに向かうのがいいでしょう」
「あのライヒがここまで苦戦している奴だからな。恩を売る機会にもなるし、行くか。桜花の侍さんたちも悪いが俺たちに付き合ってくれ」
「こちらは元々、タクト殿たちと貴国の恩返しためにここにいる。最後まで付き合わせてもらうさ」
ありがたい話だ。するとサバ缶さんの情報で鍛冶師たちも派遣することが決まった。サルワの謎能力のせいで武器が次々壊されたり、ボロボロになる被害が続出しているためだ。
「俺と他の召喚師たちはエルフの森の救援に向かうぞ」
『はい! ギルマス!』
エルフの森に行けるからみんなテンションが高いな。するとシルフィ姫様とカインさんが話に加わる。
「私もエルフの森に向かいます。フリーティアから冒険者だけ向かわすのは良くないと思います!」
「ボクもその意見に賛成だ! 獣魔ギルドの代表してほっとくわけにはいかない!」
この二人…絶対行きたいだけだ。
「この二人はエルフの森に行ったこと無いんですか?」
「フリーティア王家はドワーフとエルフの事件で関係があまり良くないので」
立ち入り禁止なわけね。それを破っていいのだろうか?
「うーん…ダメだな」
「しがみついてでも付いて行くので、無駄ですよ」
「え? じゃあ、ボクも」
「ギルマスはダメです。誰がエリクサーラピスの救援に行くんですか。私たちしかいないではないですか」
そうなんだよな。
「いぃ!? いやいや。あの二人がいるから大丈夫でしょうが!」
「それでもまだ討伐されていないということは問題が発生しているということです。ほら、どうせトレントの森を吹き飛ばした罪があるんですから諦めてください」
「いーやーだー。なんで白衣姿のおっさんばかりのところに~」
扉が閉じられた。さようなら、カインさん。
「じゃ、一緒に行きましょうか!」
シルフィ姫様のこの笑顔には俺は一生勝てる気がしない。するとジャンヌがお願いしてくる。
「あの…私たちも何か力に」
「…大丈夫なのか?」
ジャンヌたちは戦える状況じゃないと思って、フリーティアにいてもらったんだが…ベルトランさんを見ると首を振る。やはりまだ戦える状況じゃないみたいだな。それでもじっとはしていられないんだろう。
俺はメルたちを見ると頷く。
「わかった。ならメルたちと一緒に向かってくれ」
「はい! 皆さん、よろしくお願いします」
メルたちもジャンヌの重要性を理解しているから大丈夫だろう。それにジャンヌは元々集団戦特化の能力だ。人が相手のパラディンロードに向かわせるのは悪い選択ではないはずだ。
更にサバ缶さんが言う。
「我々はここで各地の戦況の情報収集と作戦指示をしますね」
「お願いします」
俺たちは転移するために集まる。
「その…なんだ。うちのわがまま姫をよろしく頼むわ」
「出来れば有り余る元気を発散させてくれると助かる」
サラ姫様がそれを言ってしまうのか。
「サラも出陣するんですから、しっかりして下さいね。死ぬことだけは許しませんから」
「わかっている。アンリ、お父様を頼むぞ」
「お任せください。お姉様たち、ご武運を」
俺たちはそれぞれ分けれて戦場に散った。




