#598 虎徹のクエスト
お昼を食べている前に義父さんの佳代たちは自室で何をしているんだという発言にドキッとした。
流石にずっとゲームしていたら、バレるだろう。それでも佳代姉たちは女だから流石に部屋に無断で入ることはしない義父さんだ。後でちゃんと伝えておかないとな。
俺は疑惑解消がたぶん出来たから、お昼を食べた後、ログインする。
次は虎徹のクエストだ。さっきと同様に受付の人に申請する。
そして転移するとそこは山の中で目の前には寂れた一軒家がある。俺は虎徹を呼び出す。たぶん二人だけで挑まないといけないクエストだろう。
俺が中に入る。
「ごめんください…うわ~」
家に入るとそこにはたくさんの刀があった。ここは刀鍛冶の家か?すると家の奥から人が出てきた。
「なんだ? お前さんは?」
「えーっと…獣魔ギルドのクエストで来たものです」
こんな感じでいいのかな?
「あぁ…そこにいる虎の件か。なら仕方無いな」
目の前の人が消えた。その瞬間、物凄い殺気と悪寒が走り、俺は縮地で外に逃げる。
「いい反応に読みだ。逃げていなかったら、終わってたぞ」
男が刀を収めると家が崩れる。自分の家を崩すなよと思ったが崩れた家からおぞましいオーラを出す刀が次々現れ、男の周囲に展開される。
「自己紹介がまだだったな。俺の名は千子村正。見ての通り妖刀に魅入られた男だ」
千子村正!?妖刀として有名な村正の製作者だ。
「依頼は簡単だ。お前さんとそいつとで俺を殺せ。それだけの依頼だ。もちろん俺は全力で戦うから本気で来い」
滅茶苦茶なクエストだな…だが徳川家康が腰にした村正とその製作者と戦えるなら剣士としてこれほど名誉なことはそうそうない。
俺は迅雷を取り出し、構えると虎徹も構える。それを見て、千子村正は笑む。
「随分変な召喚師が来たもんだな…だが、面白い!」
千子村正が来ると周囲の恐らく妖刀が飛んでくる。
俺は刀を弾こうとすると弾けず擦りぬけてくる。透過か!俺は二回斬ることで弾く。それを見た虎徹も太刀を振り回すことで妖刀を弾く。
その間に俺は千子村正に居合い抜きで抜刀するとそれをなんと止められた。更に連続の斬撃も止められる。
「腕前、速さは素晴らしい。だが、それだけだ」
俺は押し返された。この人、刀鍛冶じゃない!なんだ?この筋力に剣術。凄い違和感の塊だ。すると虎徹が千子村正に襲いかかるが虎徹の太刀を簡単に弾かれる。やばい!
「終わり」
「はぁああ!」
「おっと」
俺の縮地からの突きは防がれ、再び剣撃の打ち合いになり、虎徹も参加するが俺たちをまるで子供のように相手にする千子村正。そしてついに千子村正が攻めに出る。
「そろそろこちらからも行かせてもらう!」
俺は千子村正の攻撃を止めようとするとすり抜けて来る。俺はすり抜けて来た刀を体を捻り、躱しつつ斬ろうとした瞬間だった。俺は無数の見えない斬撃に体中、斬られた。そして蹴り飛ばされる。
効いた…今のは乱刃の上位スキルか?あれを防ぐためには攻撃範囲外に出るしかないな。そう思い、立ち上がると俺は崩れる。なんだ?力が抜ける…この感覚はセフォネに血を吸われている時と似ている。
見ると俺の体から魔力が千子村正の刀に流れていた。吸収か…それとも吸血かな?流石は妖刀か…すると魔力が壊れた家に流れているのを俺は見る。なんで家に?
俺が疑問に思っている間に虎徹が斬られ、俺と同じく蹴り飛ばれた。
「そんなんじゃあ、俺には勝てないな」
虎徹が叫び、妖刀解放を使おうとしたとき、俺は止めた。
「ガウ?」
「おいおい…なんのつもりだ?」
「生憎お前さんの思い通りにさせるつもりはない。俺たちは妖刀の力なんて使わずにお前を殺してやるよ。妖刀、村正」
俺の頭に過ぎった答え。それに対して千子村正は不敵に笑む。
「へぇ…なぜそう思う?」
「あんたは刀鍛冶だ。あんたの刀なら俺の迅雷と互角に戦えても不思議じゃない。鍛冶師は筋力が必要となる職種だから俺より筋力があるのも不思議ではない。問題は剣術だ」
流石にこればっかりは普通の刀鍛冶では説明は出来ない。ましてや迅雷の速度に対応するなど絶対に無理だ。ならばその答えは…目の前の男が本当に千子村正なのかという疑問に繋がる。
「あんたは俺を殺せと言ったな? 俺には成仏させてくれとお願いしたように聞こえた。つまりあんたは既に死んでいて自分の魂が妖刀に囚われているから俺たちにそうお願いしたんじゃないのか? そして本体は…あの家の瓦礫の中だ」
俺がそういうと家の瓦礫から赤褐色の光の柱が立ち上り、巨大な妖刀が姿を見せた。
妖刀村正?
? ? ?
妖刀村正の出現に千子村正の声が変化する。
「まさか見破るとはな…いい召喚師に出会ったものだ。そこの虎は」
虎徹の雰囲気が変化する。なんだ?
「気づいたようだな? お前さんのかつての主人を蝕み、自殺に追いやったのは俺様だ!」
何!?それって妖刀虎の説明にあった話。そう思った瞬間、虎徹は怒りの顔になり、妖刀村正に襲いかかる。まずい!
俺は黄龍の杖を取り出す。間に合え!
「馬鹿な虎だ…かつての主人のところに行け。五月雨」
妖刀村正の周囲に無数の妖刀が現れる。
「シフトチェンジ!」
俺と虎徹の場所が入れ替わる。
「黄金障壁!」
黄金障壁に無数の妖刀が突き刺さる。そして障壁がひび割れていく。まだ!
「マジックシールド!」
『『『『ウインドウォール』』』』
俺はなんとかしようとしたが俺の防御をすり抜け、数本の妖刀が俺に刺さり、俺は地面に落下する。虎徹が駆けつけて、妖刀を抜いてくれた。
「あの状況で上手く急所を避けたな…だが虫の息だ。妖刀で斬られた傷は治ることはない。最後に言い残したい言葉あるか?」
「最後じゃないが…あんたが妖刀村正なら言いたかった言葉がある」
「ほぅ…なんだ?」
「どんな呪われた刀であろうともそれでも刀は美しい」
俺の言葉に千子村正は目を見開く。呪われている刀に何を言っているんだと思う人がいるだろう。そういう人は一度実物の村正を見て欲しい。村正を見た人は心のどこかでこう思うはずだ。綺麗だ…美しいと。
「虎徹…お前の前の主人がどんな人かは俺は知らない。だけどその人は刀を見た時にこう思ったはずなんだ」
虎徹が俺の言葉を聞く。俺は虎徹の太刀を撫でる。俺がずっと磨いてきた太刀だ。
「俺たち刀を愛した者は刀を呪ったりはしやしない。あいつに刀馬鹿の底力を教えてやろう」
「ガァアアアアア!」
「ふん! そんな死に体で何が出来る! 五月雨!」
俺は黄龍の杖を手放し、迅雷を構えると虎徹と連携が発動する。行くぜ!虎徹!
俺たちは次々妖刀を弾き飛ばしていく。虎徹の鎌鼬が透過を発動させてくれるからだ。こうなったら、ただの妖刀だ。
「く…馬鹿な。あの攻撃を全て防いでいるだと!? まだだ! まだ!」
無数の妖刀が集まり、大きな妖刀になる。
「妖刀の呪いは終わらん! 鬼切!」
勝機!
「雷竜解放! ぶった斬れ! 迅雷!」
雷のドラゴンと巨大な妖刀ぶつかるが俺の迅雷は見事に斬り裂いた。この妖刀はスキルによるものだ。迅雷に斬り裂けないはずがない。
そして虎徹は跳躍で巨大な妖刀に飛び乗り、妖刀村正に向かう。
「行け…虎徹」
俺はすれ違いざまに迅雷を虎徹に投げ渡すと虎徹は迅雷を咥える。
「ガァアアアア!」
「くそが!」
妖刀村正は妖刀を投げつけてくるが虎徹は太刀をすり抜ける妖刀を旋風で弾き飛ばして、止まることなく前に進む。
そして間合いに入ると虎徹の二つの太刀と迅雷に雷光が宿り、虎徹の怒涛の連撃が炸裂する。そして虎徹渾身の迅雷での攻撃で妖刀村正にヒビが入ると虎徹は迅雷を空に投げ、虎砲を使用する。虎砲が妖刀村正のヒビに命中し、砕けると虎徹は迅雷をキャッチした。
「馬鹿な…なぜ俺様が」
「お前の負けだ…村正」
「千子村正!?」
「呪いは人が勝手に作り出す幻のようなものだ。それでもお前の姿を美しいと言ってくれた者がここにいる。もう十分だろう?」
千子村正がそういうと村正は何も答えない。しかし千子村正の姿が光に消えていく。
「悪いな…こんな依頼を出しちまってよ。これが報酬だ」
千子村正が取り出したのは宝珠と二冊の本だった。
神仏の宝珠:レア度10 重要アイテム 品質S
神仏の力が封じ込められている宝珠。妖刀虎が進化するために必要なアイテム。
村正の秘伝書:重要アイテム
村正の作り方が書かれた書物。
刀の奥義書:重要アイテム
刀武技【百花繚乱】が書かれた本。一人しか取得出来ない。
なんか凄いの貰っちゃったぞ。すると転移が始まる。
「おい…最後に聞かせろ」
俺が虎徹から迅雷を受け取ると話しかけられた。村正か?
「なんだ?」
「なぜその虎を庇った?」
そんなことを聞いてくるかよ。
「虎徹の今の主は俺だからさ」
俺がそういうと転移した。最後の村正の笑顔がとても印象的だった。
その後、ホームに帰ってきた俺は虎徹の怒涛の舐め舐め攻撃に合う。普段は絶対にこんなことしないのに…俺に妖刀が刺さっている光景はかなり効いたようだ。
「もう治っているって…こら、虎徹。ちょっと待て…なぜみんな寄ってくる? ま、待て! 早まるな~」
みんなの唾液まみれになった俺は温泉に入ることになった。その後、ニヤニヤしているリリーたちをスルーして、俺は村正の秘伝書をへーパイストスに渡す。
「これ…凄いですよ! タクトさん!」
熱心に読むへーパイストスの邪魔しちゃ悪いので、その場を後にする。後はこの奥義書だ。
「俺が使っていいのか? 虎徹?」
「ガウ!」
恋火たちも辞退した。これは俺と虎徹がクリアしたクエスト報酬だから二人のどちらかが相応しいという話だ。なら俺が取得しちゃおう。
『刀の奥義書が使用されました。刀【百花繚乱】を取得しました』
早速バトルシップで使ってみると居合い抜きの構えから抜刀すると桜の花びらが発生し、斬ろうとした岩に桜の花びらが殺到し、斬り刻んでいく。あの花びら全てが斬撃なのか?やばいぞ…これ。
流石に死に掛けたからちょっと休憩がてらログアウトしよう。本来なら絶対しないが今は仕方が無い。
名前 タクト 寵愛の召喚師Lv14
生命力 138
魔力 328
筋力 154
防御力 70
俊敏性 110
器用値 210
スキル
格闘Lv38 蹴り技Lv37 杖Lv40→Lv41 片手剣Lv46→Lv47 槍Lv34
刀Lv41→Lv42 投擲操作Lv11 詠唱破棄Lv30 魔力操作Lv18 魔力切断Lv21
召喚魔術Lv40 封印魔術Lv36 ルーン魔術Lv30 阻害無効Lv7 騎手Lv42
錬金Lv27 採掘36 伐採Lv39 解体Lv51 鑑定Lv45
識別Lv49 疾魔法Lv15 炎魔法Lv11 地魔法Lv14 海魔法Lv12
暗黒魔法Lv12 神聖魔法Lv18 雷魔法Lv45 爆魔法Lv45 木魔法Lv36
氷魔法Lv35 時空魔法Lv52 獣魔魔法Lv8 遅延魔法Lv16 連続詠唱Lv36
水中行動Lv28 縮地Lv29 読書Lv16 料理Lv44 釣りLv22
シンクロLv30 エンゲージLv11 連携Lv23→Lv24
名前 虎徹 妖刀虎Lv12→Lv13
生命力 92
魔力 90
筋力 228→232
防御力 84
俊敏性 124→126
器用値 112→115
スキル
噛み砕くLv22 爪撃Lv24 太刀Lv40 二刀流Lv35→Lv36 跳躍Lv27→Lv28
暗視Lv27 強襲Lv32 威圧Lv12 縮地Lv27 旋風Lv19→Lv20
妖気Lv29 物理切断Lv24→Lv25 魔力切断Lv16 雷光Lv19→Lv20 連撃Lv24→Lv25
鎌鼬Lv29→Lv30 虎砲Lv14→Lv15 超感覚Lv27→Lv28 妖刀解放Lv8




