#595 究極の魔法剣とバトルシップの試運転
俺がへーパイストスの鍛冶場に向かうと机にその魔法剣はあった。
魔法剣の柄の中心にはアレキサンドライトが輝いており、更にペリドットとルビー、サファイア、エメラルドとシトリン、オニキスが輝いていた。
「どうですか? 私とへーパイストスさんの文句無しの最高傑作の魔法剣です」
「す、凄いの作ったな…」
通りで時間がかかるわけだよ。まさか他の宝石まで宝玉にしていたとは知らなかった。
「頑張った甲斐があったみたいですね…さぁ、タクト様。手に持って上げてください」
「あ…あぁ…」
俺は手に持ち、掲げると重みと同時に壮大さを感じる。これがセチアとへーパイストス、最高の合作の魔法剣か。
「お名前はどうしますか?」
「元々、この剣にはギルドの名前を付けるつもりだったんだけどな…それだけじゃダメだからどんな言葉を付けるか迷っていたんだ。でも今、決めたよ…この魔法剣の名前はグランアルヴリングだ!」
グランはフランス語で壮大などの意味が有る。使われているのだと北斗七星を意味するグランシャリオが有名かも知れない。他にもお店の名前でよく使われていることだ。
アルヴはアールヴからだ。北欧神話でエルフを指す。有名な言葉だとアールヴヘイムがある。エルフの故郷を指す言葉だ。
魔法剣の壮大さとセチアが俺のために作ってくれた思いとギルドの名前であり、俺たち全てを表す言葉を繋ぎ合わせた言葉だ。
「…セチアラブでもいいんですよ?」
「セチア…お前は俺にそんな剣を使えと?」
「はい」
断言してくるかよ。だが、そんな名前の剣なら俺は死んでも使わないだろう。
「この剣を使うときはセチアのことを思って使うようにするから、勘弁してくれないか?」
「言いましたね? タクト様? 約束してくれるならいいですよ」
「約束するよ」
というわけで名前が決まるとグランアルヴリングから七色の光りが放たれる。
「綺麗ですね…」
「今更ですが凄い武器を作ってしまったと自覚が出てきました」
鍛冶の神様にそう言わせるかよ…輝きが収まり鑑定する。
グランアルヴリング:レア度10 魔法剣 品質S+
重さ:120 耐久値:3000 攻撃力:1000
魔法剣効果:万物切断、英気、詠唱破棄、大物特攻(究)、英雄障壁、魔力解放
宝玉効果:先制、集束、荷重操作、衝撃波、透過、魔法再時間短縮(究)、宝玉解放、宝玉全解放
刻印効果:俊敏値アップ(究)、未来予知
アダマンタイトで作られ、アレキサンドライトの他にペリドット、ルビー、サファイア、エメラルド、シトリン、オニキスを使用した魔法剣。その斬れ味は伝説の武器にも引けをとらず、圧倒的な魔力は伝説の武器を遥かに凌ぐ程の性能を有している。自作する魔法剣の中でもトップクラスの魔法剣。
まぁ、文句なしの最強の魔法剣だ。スキルの多さでも今までとは一線を超えている。しかもこれに更に強化が付くんだから恐ろしい限りだ。
早速テストしてみよう。島でまずは普通に構える。するとグランアルヴリングから七色の光りが俺にまとわりつく。これがグランアルヴリングの英雄障壁。恐らくアーサー王が使っていた障壁と同質のものだ。たぶん能力では負けているだろうけどね。
試しにリリーと決闘してみる。
「本気でいくよ! タクト!」
「あぁ! こい! リリー!」
この瞬間、俺は未来を見る。やば!?でも止めるしかない!
グランアルヴリングとエストオラシオンがぶつかった瞬間、エストオラシオンにヒビが入り、リリーは強烈な衝撃波で吹っ飛ばされ、決闘フィールドに顔からぶつかった。
「リリー…生きてますか?」
「い…いひゃい(痛い)…もう怒ったよ! タクト!」
リリーがドラゴンブレスの体制になる。そして俺は未来を見る。
「ドラゴンブレス!」
俺にドラゴンブレスが直撃するが英雄障壁で俺は無傷だ。まさにアーサー王になった気分だな。
「え…えーっと…こうなったら! 竜魔法! シューティングスターライト!」
しかしシューティングスターライトは俺には届かない。リリーが涙目でセチアに訴える。
「なんて物をタクトに渡したの!? セチアちゃん」
「グランアルヴリングです」
「名前を聞いたわけじゃないよ!? あぁ~!? タクト! 待って待って! 振りかぶらないで~! ギブアップするから!」
これで全然本気じゃないんだよな。
「セチアとへーパイストスには悪いがこれはもしもの時の切り札として使わせて貰うよ。これに頼るとなんかダメになる気がする」
「わかります…あたしも腕が鈍っちゃう自身があります。それにあたしたちの出番が無くなっちゃいますよ…これ」
全員が頷く。というわけでこれは封印することになった。その後、俺はへーパイストスにユウェルのことを相談して色々な武器を作って貰えるように依頼し、それともう一つグラムの欠片とノートゥングを預ける。
それを見ていたユウェルが近づいて来たので止める。これは食べ物じゃありません。クイーンアンピストルと手榴弾、魔法阻害煙幕を上げるからじっとしていような。
「これで新しい剣をですか?」
「あぁ。作れるか?」
「作れると思いますが…折角作り直すならもう少し手を加えたいなと思うんですが、どうでしょうか?」
まぁ、折角オリジナルグラムを作るなら確かにオリジナルさがもう少し欲しいな。しかしもうないがアダマンタイトや青生生魂のような素材だと何か合わない気がする。
「タクトさんが持ってきたこの天鉱石。これを使えばこの剣は完全に別物の剣になると思います」
おや?ブリュンヒルデさんから貰った鉱石だ。あ、クリオネカラミティが落としたものでもあるか。
「具体的にはどうなるんだ?」
「そうですね…まずこの剣は魔の要素がとても強いですが、元々はこの姿では無かったと思うんです。天鉱石を使えば恐らくこの剣はかつての姿を取り戻せます。それがどのぐらい凄いかは僕でもわかりません」
その説明だけで十分だ。グラムはファフニールを倒した魔剣として知られているが遡ると実はオーディンが持ってきた剣だ。これをシグルドの父親であるシグムントが手に入れて、数々の戦に勝利するが最後はオーディン本人に破壊されてしまうんだ。
つまりへーパイストスの話ではこのある意味全盛期の時のグラムを作れるということだ。しかし気になることはある。
「その場合はこの剣が持っている能力はどうなるんだ?」
「大きくは変化しませんね。この金属と武器が吸ってしまっているドラゴンの血は僕では取り除けませんから。寧ろより強化されると思います。どうなるか僕でも作ってみないとわかりません」
うむ…なら悩む必要はないな。
「わかった。ならそれで作成を頼めるか?」
「わかりました」
魔剣じゃないグラムかぁ…これはワクワクが止まらない。するといつの間にかいなくなっていたユウェルはセチアのところにいた。
「あれ欲しい」
「あれはダメです。他の魔法剣などなら作ってあげますよ」
「わかった」
ちゃっかり依頼していた。しかし物事には優先度がある。
「折角色々な木が手に入りましたから杖や弓を新調したいと思いますがよろしいですか?」
「あぁ。無茶はしないようにな」
「はい」
俺は今日の締めに島に向かう。目的はバトルシップの試運転だ。最初に説明を受ける。
「まずこれがバトルシップが有している武装の一覧です」
画面に表示される。
バトルシップ:レア度10 船 品質S
耐久値:100000
武装:エクスギャラクシーキャノン
エネルギーバスターキャノン×2
エネルギーバルカン×12
エネルギーキャノン×12
ホーミングレーザー×2
16連装ミサイルポッド
8連装ミサイルポット
4連装魚雷ミサイルポット
スタンフレイヤー×4
バトルシップバリア
カモフラージュバリア
空間跳躍装置
超遠距離索敵レーダー
フィールド探査レーダー
支援要請:防衛機構、エビデンス・ゼロ
まぁ、凄いよね…流石戦艦といったところだろう。防衛機構がロボだな。それからイクスの説明を受ける。
「弾薬はマザーシップから転送されるので、問題はありませんが生産しているわけではないので、ご注意ください」
「エネルギー系は大丈夫なのか?」
「それはエンジンのほうで十分です。ただ威力を上げる場合はマスターの魔力供給が必要です。その際には魔力操作で制御をお願いします」
こんなところで魔力操作が来るか。しかしなんでだろう?
「マスターの魔力を加えることで属性が付与されます。その分威力が上がるんです。しかし魔力を流しすぎるとエネルギー供給パイプが破損する恐れがあります。なのでマスターに寄る魔力制御が必要になるんです」
結構重要な役割な気がするな。しかも破損するということは壊れるってことだよな。ここは慎重に動かさないとな。
「それと主砲を使用するためにエンジンのエネルギーの殆どを回すので、シールドやその他の兵装は使用できなくなるので、ご注意ください」
そこはスクナビコナと同じなんだな。後は動かして確認してみるとしよう。俺が艦長席に座り、舵をイクス、火気管制をミア、索敵をディオが担当することになった。
「エクスドライブを起動」
「作動確認。全エネルギー供給ラインも問題ありません」
「マスター、バトルシップの発進の号令を」
俺が言うんだね。まぁ、艦長だからこれぐらいはしないといけないか。
「バトルシップ発進!」
バトルシップのエンジンノズルからエネルギーが噴射され、バトルシップは島の大空を飛行した。
「すげー…」
「飛行に成功。システムは大丈夫ですか?」
「各種システム問題なし」
「マスター、どうしますか?」
おっと感動している場合じゃないか。
「とりあえず島の周囲を飛行してみてくれ。それからレーダーや武装のテストをしよう」
「イエス、マスター」
まずはレーダーのチェック。
「レーダーに問題なし。中央画面に表示します」
画面に島の全容と青い点と赤い点が表示された。
「青い点が味方、赤い点が敵勢力です」
なるほど。こう表示されるんだ。便利だな。すると赤い点がロックオンされた。
「敵勢力のロックオンを完了」
「「「殲滅しますか? マスター」」」
こういう行動は一致するんだな。
「今日はテストだからやめておいてくれ」
流石に他の人の獲物をミサイル爆撃したら、問題有りだろう。しかし武器のテストはしないといけない。
「最初はエネルギーキャノンを島の外に向けて撃ってくれ」
「イエス、マスター」
右側面と右上部、右下部にあるそれぞれ二門のエネルギーキャノンが動く。
「照準完了。マスター、指示を」
「エネルギーキャノン発射!」
「エネルギーキャノン撃ちます!」
六門のエネルギーキャノンが真横に放たれた。俺は今、猛烈に感動している。
「エネルギーキャノン正常に稼働を確認。全システムに問題ありません」
その後、ミサイルも問題がないことを確認し、次は副砲エネルギーバスターキャノンだ。
「エネルギーバスターキャノン撃ちます!」
巨大な砲身から超特大の閃光が放たれた。これ、山ぐらい普通に浮き飛ばしそうだな。次は俺の魔力供給テスト。先が球状の静電発電機に手を置くことで魔力供給を行うらしい。
俺は手を置き、魔法を使用しようとする。するとバトルシップに警報がなる。やばい!?なんかやっちゃった!?
「魔力供給ラインが破損!」
「魔力を流しすぎです! マスター!」
「いぃ!? だって、少ししか魔力は流してな」
確認するとほぼゼロだった。ちょっと触れていただけなんですけど!?
「エクスドライブにも問題発生!」
「緊急事態です! マスター! 不時着します!」
なんとか不時着には成功したが、また壊してしまった。だから嫌な予感がしたんだよ。
「「「マスター…」」」
「ちょっと待て。少ししか触れていないのになんでこんなにも魔力が減っているんだよ」
「それは…エネルギーバスターキャノンに魔力供給をしたせいですね」
「強力な兵器であるほど、魔力を使うのは当然です」
なるほど。しかしこれは俺のせいなのか?
「「「エネルギーバスターキャノンに魔力供給をしたのはマスターです」」」
「だな。ごめんなさい」
納得がいかないところもあるが指示出しする立場の人間が指示出しのミスをしたようなものだから、謝っておこう。これでまたバトルシップは修理だ。俺は悲しみを抱えていると俺はある重要なことに気がついた。
バトルシップは船だ。つまりアン女王の像の効果を受けれたんじゃないか?やっちまった!なんて大馬鹿なんだ。俺は!やる前に気づけよ!
俺は失意の中、バトルシップの指示出しの重要性を考えつつ、ログアウトした。
名前 タクト 寵愛の召喚師Lv14
生命力 138
魔力 328
筋力 154
防御力 70
俊敏性 110
器用値 210
スキル
格闘Lv38 蹴り技Lv37 杖Lv40 片手剣Lv46 槍Lv34
刀Lv41 投擲操作Lv11 詠唱破棄Lv30 魔力操作Lv16→Lv18 魔力切断Lv21
召喚魔術Lv40 封印魔術Lv36 ルーン魔術Lv30 阻害無効Lv7 騎手Lv42
錬金Lv27 採掘36 伐採Lv39 解体Lv51 鑑定Lv45
識別Lv49 疾魔法Lv14 炎魔法Lv11 地魔法Lv13 海魔法Lv12
暗黒魔法Lv12 神聖魔法Lv18 雷魔法Lv45 爆魔法Lv45 木魔法Lv36
氷魔法Lv35 時空魔法Lv52 獣魔魔法Lv7 遅延魔法Lv16 連続詠唱Lv36
水中行動Lv28 縮地Lv29 読書Lv16 料理Lv44 釣りLv22
シンクロLv30 エンゲージLv11 連携Lv23
名前 セチア ホーリーエルフLv11
生命力 146
魔力 320
筋力 130
防御力 93
俊敏性 122
器用値 282
スキル
杖Lv24 魔法弓Lv42 鷹の目Lv34 射撃Lv33 木工Lv29
採取Lv37 調薬Lv20 刻印Lv13→Lv16 宝石魔術Lv6→Lv12 宝石細工Lv6→Lv12
封印魔術Lv10 連続詠唱Lv18 同時詠唱Lv18 魔力操作Lv12 風魔法Lv22
火魔法Lv27 水魔法Lv29 土魔法Lv23 闇魔法Lv15 神聖魔法Lv11
雷魔法Lv22 爆魔法Lv21 木魔法Lv27 氷魔法Lv19 樹魔法Lv25
罠設置Lv5 魔法阻害Lv1 阻害無効Lv1 森林操作Lv10 ホーリーエルフの知識Lv27→Lv29
精霊召喚Lv9 精霊結界Lv11 精霊魔法Lv3 列石結界Lv5 使役Lv10→Lv12
料理Lv23
名前 イクス コマンドエクスマキナLv10
生命力 193
魔力 193
筋力 193
防御力 193
俊敏性 193
器用値 193
スキル
飛行Lv23 多重兵装Lv33 暗視Lv20 望遠Lv26 射撃Lv29
必中Lv11 詳細解析Lv13 演算処理Lv29→Lv30 指揮Lv1→Lv3 複数照準Lv9
行動予測Lv27 遠距離索敵Lv32 魔力感知Lv6 反射Lv14 超装甲Lv3
魔力回復Lv7 連射Lv27 加速Lv6 バリアLv4 空間把握Lv7→Lv9
換装Lv11 並列リンクLv22→Lv24 支援要請Lv1 連携Lv1 魔力充電Lv19
リミッター解除Lv3 EMバーストLv1




