#5 宿屋と冒険者ギルド
色々お世話になったルインさんとはクロウさんのところで別れた。彼女も宿屋を探さないといけないらしい。流石に一緒に探すのはなしだ。元々武器屋の紹介までの約束だったからな。
というわけで俺はリリーと二人で宿屋探しだ。とはいえ大通りの宿屋はベータテスター達が群がる恐れがあるから確実にいい宿屋をゲットしたいなら大通りは避けたほうがいいと教えてもらった。
リリーと町散策をしながらお店をチェックしていく。すると良さげな宿屋を発見した。大通りから結構離れているが大丈夫そうかな。俺とリリーはお店に入った。
「いらっしゃーい」
店に入ると受付にいる女性NPCがお決まりの声を出す。
「ども、泊まりなのですが部屋って空いてますか?」
「うん! ちょうど一部屋空いてるよ。運がいいね。お兄さん」
おお! いきなり空いてた! だがちょっと待て、一部屋?
「あの……二部屋空いてないですか?」
「? あぁ! お兄さん知らないのかな? 召喚獣は召喚師から離れられないから、部屋は一緒じゃないとダメなのよ?」
なんだと……俺はリリーを見る。明らかに小学生だ。この子と一緒に寝るって、大丈夫か? いや、義理とはいえ妹達と寝たことならあるが……大丈夫だよな? ダメなら運営側がこんな設定にするわけないし……。きっと大丈夫なはずだ!
「そうだったんですね。知りませんでした。料金はいくらですか?」
「ごはんありで一泊150G。十泊なら1300Gよ」
なんとごはんありで150はすごい安い気がする! しかも十泊なら200Gも安くなるだと!? この人、商売人だ。むむむ、序盤だし、しばらくはこの町にいると思うから十泊選んでもいい気がする。お金はあるし、やってしまうか!
「わかりました。十泊でお願いします」
「毎度ありー。お部屋は205ね。これが部屋の鍵」
「ありがとうございます。早速部屋を見に行こうか?」
「うん!」
リリーを連れて、部屋に行き、鍵を開ける。部屋に入ると小汚いベッドが一つあるだけの部屋だった。序盤だし、こんなもんだよね。日本では150円で泊まれるところなんてないだろうしな。
「わーい!」
テンションが上がったリリーがベッドにダイブする。あー、子供の頃よくやったなー。だがベッドでじたばた足を動かすとパンツが見え……ないだと?
角度的には確実に見えているはずだ。だが見えない……。大人の光があるわけじゃない。ただ、見えないだけだ。なんだ? このもどかしさは!
俺は何ともいえないもどかしさを抱えながら、リリーに声をかける。このまま宿屋にいるわけにはいかない。次は冒険者ギルドに行かなければならないのだ!
というわけで冒険者ギルドに来ました。ここで冒険者として登録して、ゲームが始まると言っていいだろう。
俺は早速登録すると受付のお姉さんから白の冒険者のギルドカードを渡された。このゲームではカードの色でギルドのランク付けがされているらしい。
「ギルドカードはクエストなどを達成していくと黒、灰、茶、青、水、赤、ピンク、緑、黄緑、黄、橙、紫、銅、銀、金の順番で上がっていきます。ランクが上がるにつれて、受けられるクエストが増えていきますので、頑張ってくださいね」
一番上が金なのは現実と少し似ているな。
そして冒険者ギルドでは他にも携帯食料×5、回復ポーション(微)×5、解体ナイフ(初級)、ツルハシ(初級)を貰えた。解体や採掘スキルを持っていたおかげでどうやらナイフとツルハシを貰えたみたいだ。
ちょっと得した気分を味わいつつ、冒険者ギルドにあったボアの討伐ミッションを受ける。
討伐クエスト<ボアの討伐>:難易度F-
報酬:100G
始まりの草原に出るボアを十匹討伐せよ。
これで後はフィールドに出て、指定されたモンスターを必要数倒せばクエストクリアということになる。こうして俺達は初めてのフィールドに出ることとなった。