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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
ゴネス大戦
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#555 イジ鉱山の夜襲とイジ鉱山城トラップ作戦

ブーシュヤンスターはキャンプで苛立っていた。


「くそ! フリーティアの奴等め! この私にこんなものをぶつけるとは絶対に許さん! それとあの気色悪い忍者どもも」


するといきなりキャンプ内で爆発が発生する。


「な、何ごと!?」


「報告します! 黒いホークマンたちの奇襲です! 食糧が焼かれました!」


「ッ!? 奴らまさか…私たちを飢えさせる!? すぐに消しなさい!」


「は!」


その後、ブーシュヤンスターは食糧を守るためにダエーワたちに守備に使うが、一時間後、再び夜襲が行われる。


「今度は何!」


「フリーティアの召喚師による襲撃です! しかし既に撤退した模様。食糧には被害ありません!」


「奴ら…何を狙っているの? 被害の状況は?」


「テントが燃えたりしましたが人的被害はありません!」


ダエーワたちは考えるも答えは出ない。その間に夜メインのプレイヤーたちの夜襲が行われ、プレイヤーの人数が少なくなる時間になるとレイブンたちの夜襲が行われる。俺がレイブンたちを欲しがった理由がこれだ。


そして朝が来ると流石のブーシュヤンスターもタクトたちの狙いに気が付く。寝ていないのだ。更に絶え間ない襲撃で極度の緊張状態。こちらが攻めたくともタクトたちは山の上だ。


「奴ら…やってくれたな! 結界師を呼べ! 奴らに引導を渡すのは夜だ!」


「は…はい!」


しかし結界を専門とする結界師は海戦に多数導入してしまっている彼らはこちらに回せる数は決して多くない。更には結界師は町防衛の要でもある。


それでも彼らは食糧の安全と睡眠を確保するためには呼ぶしかない。そして万全の状態で戦うためには夜に戦いを挑むしかなかった。


その頃、ゆっくり寝た俺はコノハの新しい魔法を確認する。


レインボーサークルは描かれたサークル内の味方全てにダメージ無効を一回付与するらしい。かなり強力だな。


サンクチュアリはブランの聖域と全く一緒。範囲内いる悪魔やアンデッドを攻撃する魔法だ。


確認が終わったので、今後について指示を出す。


「しっかし本当にいいのか?」


「えぇ…準備は出来ていますか?」


「それは指示通り完成している。ほら、この穴だ」


「確かに…ありがとうございます」


これでイジ鉱山のお城、最後の罠の準備が整った。納得が行かないドワーフたちだが、それは仕方ないことだろう。俺たちだって思うところはある。


「昨日城の中に敵の幹部が侵入した報告を受けました。敵は食糧の攻撃と度重なる夜襲で疲労と緊張がピークでしょう。こうなると彼らはスピード重視でここを落としに来るしかありません。ここを落とせたら、安心出来るでしょうか」


「なるほどな…それでこの罠か」


「はい。部隊編成はこれまで通りで行きましょう」


全員が頷く。


「このイベント、俺たちの最大のトラップだ。必ず成功させて、あいつらの経験値を全て頂こう!」


『おぉ!』


俺たちは夜に向けて、着実に準備をした。



イジ鉱山の砦にはメルたち主要メンバーやフリーティアのプレイヤーが集結していた。


「作戦は以上です。勝負を決めるのは撤退のスピードとタイミングです。皆さん、よろしく頼みます」


『はい!』


「では、全員持ち場についてください」


陣形を整え、悪魔の大部隊と麓で衝突する。


「カタパルト! 止まるな!」


「大砲はオーガを狙え!」


しかし敵は止まらない。するとトリスタンさんの部隊が矢を構える。


「全員、ダイナマイトアロー、構え!」


矢にダイナマイトをくくりつけた矢を構える。


「撃て!」


『サウザンドレイン!』


『アローレイン!』


無数の矢が放たれ、悪魔たちは無数のダイナマイトで吹っ飛ぶ。


アローレインやサウザンドレインは射る弓矢を増やす。当然ダイナマイトも増えるのだ。結果こうなる。


「第二陣、構え! 撃て!」


ただ矢が飛ぶ範囲はある程度揃うからある程度引き付けないと使えない。


『ダイナマイトアローが無くなったわ』


『こちらも銃弾を使い切った』


『了解です。二人は砦の中に。ルークくん、満月さん、鉄心さんお願いします。レッカくんも魔法支援をお願い』


『『『『了解!』』』』


ルークの召喚獣部隊、鉄心さんの通常プレイヤー、満月さんの重戦士部隊が敵とぶつかる。レッカたちも魔力、MPポーションの限り魔法を撃ちまくる。


『MPポーションが無くなった!』


『了解! レッカ君たちはお城に! 雫さんたちは交代して、魔法支援をお願いします!』


『『了解!』』


更に鉄心さんたちが限界が来る。


『すまないがこれ以上は無理だ』


『わかりました。私の部隊と代わります。鉄心さんたちは被害が大きい人からお城に撤退を開始してください。レッカくんは指揮を代わって、満月さんは撤退の援護を』


『了解した! 全軍前へ! 押し返すぞ!』


『わかった!』


満月さんたちが前に出て、鉄心さんの部隊の撤退を援護する。


そしてメルたちが戦う。するとルークたちも厳しくなる。


『チロルさん、タクマ、お願いします!』


『任せて! みんな行くよ!』


チロルたち、獣部隊が襲い掛かり、ルークたちを助ける。


『今だ! 撤退!』


『ルークの部隊と代わるぞ!』


ルークたちはタクマたちと代わる。暫く戦闘するが限界を迎える。


『メルさん』


『ここら辺が限界だね…全軍お城に撤退を開始して! レッカくん!』


『雷電さん! レイジさん! お願いします!』


『『了解!』』


雷電さん、レイジさん率いる騎乗部隊が砦の外から敵の側面から襲い掛かり、敵部隊を真っ二つにし、混乱させる。


『ヘリヤさん!』


「は、はい!」


スピカに騎乗したヘリヤが盾を空に掲げると空に紫の戦乙女の魔方陣が展開される。


「私の力は破壊の力…人々に恐怖を与える存在を滅ぼし、平穏を与える…今こそその力を示します! ツェアシュテールングウアタイル!」


ヘリヤによる破壊の裁きが実行される。空のエンブレムから紫の光芒(こうぼう)が雷電さんたちが真っ二つにした前の部隊を一瞬照らすと光芒を浴びた者が問答無用で消滅する。本当にレギンもそうだが、ワルキューレは破格の存在だよ。


その隙に全員が砦内に撤退し、ヘリヤもスピカに連れられて撤退を完了する。


ここから俺たちの防衛に変化が訪れる。今まで石垣などが壊れるのを恐れてあまり山道には大砲などは使ってこなかったが今回は遠慮無用に撃ちまくる。


そして籠城戦を迎える。


「ダイナマイトを投げろ!」


「敵が昇ってくるぞ!」


「岩をぶつけてやれ! 無いなら油をぶっかけろ!」


松明の火で砦の外が火の海になるがすぐにまた襲いかかってくる。それでも時間を稼げたのはでかい。


『全軍、作戦開始! 火影さんたち、お願いします!』


「了解でござる! 皆の衆!」


襲いかかってきた悪魔たちに火影さんたちが閃光玉を投げ、敵部隊が混乱するが元に戻り、遂にイジ鉱山のお城は突破される。


お城になだれ込んで来た敵を火影さんたちが色々な場所から現れ、からくり仕掛けの罠も利用しつつ敵を攪乱する。しかし忍者以外の人の姿がない。


俺はドワーフたちに頼み、お城の地下に逃げ道を複数作って貰った。火影さんたちが撤退が終わった後に塞いで貰い、これで奴らは追うことも出来ない。最も敵はそんなことを知らず、城内を探す。


「誰もいねーぞ!? 奴ら、逃げやがった!」


「だが、見ろよ! 食糧があるぞ!」


「ここは食糧庫か? なんだ? このたくさんの袋?」


「それなら砦中にあったぜ? とにかくブーシュヤンスター様に報告だ」


俺は砦の外でみんなと一緒にお城を見ていた。イクスが話す。


「マスター、ブーシュヤンスターと思われる魔力反応が食糧庫に到達しました」


「なら最後のトラップと行くか」


『はい! 風のルーン!』


俺とレイジさんたち槍使いが風のルーンを発動させる。すると袋の中に仕込んだ爆風石から爆風が発生し、袋の中の小麦粉がイジ鉱山の城内に充満する。


「な、何!?」


「ぺ、ぺ、なんだこれ!?」


「白くて何も見えないぞ!?」


『火のルーン』


最後に火打石に仕込んだ火のルーンを発動させると火花が散り、空気中の小麦粉が火花に反応する。そしてイジ鉱山の城が大爆発で消し飛ぶ。


そしてインフォが来る。


『魔将ブーシュヤンスターが討伐されました』


倒せたか…正直戦うつもりでいた。


奴らを襲ったのは粉塵爆発(ふんじんばくはつ)。可燃性の粉塵が大気を満たしている状態で火花が散ると爆発を起こすのだ。


映画などでは小麦粉の袋を銃で撃ちまくって、起爆したりする。お城を消し飛ばすほどの粉塵爆発を起こせるのはこのゲーム内では俺たちぐらいだろう。小麦粉の生産能力では独走しているからな。今回はエルフからも提供があったから助かった。


これがイジ鉱山最大のトラップだ。お城をわざわざ敵に使わせるはずがない。使われるぐらいなら城になだれ込む状況を作り出し、城を丸ごと消し飛ばしたほうが遥かに有効利用だろう。


それでも生産職のみんなが作ってくれた城を消し飛ばすのは心が痛い。俺たちに出来ることは俺たちを守ってくれたお城に感謝の敬礼することぐらいだ。


これで残すはトレントの森の砦のみだ。俺はサバ缶さんとルインさんに通信する。


『イジ鉱山のお城を爆破しました。ブーシュヤンスターは討伐成功。俺たちはトレントの森の砦に向かいます』


『了解よ』


『いよいよ明日が勝負ですね』


『はい。ここまでは順調です。全員に準備をしっかりするように伝えて下さい』


俺たちはそれぞれ明日に備えをしっかりしてからログアウトした。


名前 タクト 寵愛の召喚師Lv12


生命力 136

魔力  320

筋力  130

防御力 70

俊敏性 90

器用値 208


スキル


格闘Lv35 蹴り技Lv35 杖Lv39 片手剣Lv43→Lv44 槍Lv32 

刀Lv38 投擲操作Lv8 詠唱破棄Lv27 魔力操作Lv14 魔力切断Lv18 

召喚魔術Lv40 封印魔術Lv35 ルーン魔術Lv24→Lv27 騎手Lv40 錬金Lv27 

採掘36 伐採Lv39 解体Lv50 鑑定Lv44 識別Lv48 

疾魔法Lv14 炎魔法Lv11 地魔法Lv12 海魔法Lv11 暗黒魔法Lv9 

神聖魔法Lv16 雷魔法Lv44 爆魔法Lv45 木魔法Lv33 氷魔法Lv35 

時空魔法Lv51 獣魔魔法Lv6 遅延魔法Lv14 連続詠唱Lv33 水中行動Lv27 

縮地Lv23 読書Lv16 料理Lv44 釣りLv20 シンクロLv28 

エンゲージLv10 連携Lv20


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最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
以下のリンク先で連載中です。


動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
― 新着の感想 ―
[一言] これは、ヒドイ… だが、これでいい!
[一言] ふん……汚ェ花火だ……
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