#553 機人の召喚師VS竜魔将
夜、俺とアルさんたちはホークマンの村に防衛に向かい、残りのみんなはイジ鉱山の城に向かった。
やはりゴブリンやオーガ、オークが加わり、大軍になって進撃してきた。そしてホークマンの村にも空中戦力が来た。
流石に水に流されるのを見ると地上戦力は来ない…ホークマンの村の山から流してやろうと思っていたのに無念だ。するとイクスが敵を察知する。
「マスター、反対から複数の敵反応。数は12。その内、一体から巨大な魔力反応。恐らくドラゴンだと思われます」
「へぇ…挟撃で来るか。面白い。イクス、狙えるか?」
「問題ありません」
イクスがエネルギースナイパーライフルを構える。撃つと報告してくる。
「盾で防がれました。マスター」
イクスの狙撃を察知して、防いだのか…ドラゴンに乗るだけはあるな。
「敵、目視で捉えました」
イクスにシンクロビジョンを使い、俺も確認する。
懲罰竜騎士?
? ? ?
敵は漆黒の西洋タイプのドラゴンに乗った普通の懲罰騎士より立派な用意を着た騎士だった。武器は剣と盾か。こいつならイクスとのエンゲージバーストの相手としては申し分なさそうだ。
「どうしますか? ギルマス」
前は少数精鋭、後ろは雑魚という感じだな。よし。
「正面のボスは俺とイクスのエンゲージバーストで仕留める。残りはリリー、イオン、ブラン、千影とオプスたちで挑もう。行けるよな?」
「当然だ。少数精鋭で参加しよう。残りは反対の防衛に向かわせる」
「俺も残りのメンバーを分ける。アルさん、みんなをお願いします」
「わかりました」
一応簡単な指示だけ出しておくか。折角雑魚がわらわら来てくれるんだ。この機会を生かさない手はないだろう。
「相手は雑魚で数が多い。魔法スキルや使う機会が少ないスキルを使うにはいい機会だろう。ただし、どうしても抜かれそうになったら、暴れてもいい」
全員が返事を返す。それじゃあ、行きますか。俺たちはエンゲージリングを掲げる。
「「エンゲージバースト!」」
イクスが銀の光になると俺のエンゲージリングに吸い込まれる。そして俺たちは銀色の光の柱に包まれる。
銀色の光の柱から現れたのはイクスの装備を身に付けた俺の姿だった。遂にイクスの装備を使える日が来たんだな。
「おぉ! ギルマスかっけ~!」
「いいなぁ。ギルマス。俺もエクスマキナの武器使いたいな~」
「男の大半はそう思うだろう」
だよな!さてと…お!本当に反応がある。こう出るんだな。それじゃあ、行きますか!
「敵を向かい打つ! いくぞ!」
『おぉ!』
俺はイオンブースターで吹かして、空に飛び出すと景色がぶっ飛び、懲罰竜騎士に体当たりをしてしまった。難しいな…これ。
『真面目にやってください。マスター。敵が来ます』
真面目にやってぶつかったんだけど…おっと。危ない。
俺はツインエネルギーブレードで透明になっているナイトメアロイヤルナイトを斬り裂く。ヤバい…こういう剣もいいな~。
『イクス、敵を炙り出せ!』
『イエス、マスター。レーザーフライヤー、展開します』
イクスがレーザーフライヤーで残りのナイトメアロイヤルナイトの透明を解除している間に俺は目の前の懲罰竜騎士と戦う。
ツインエネルギーソードで斬りかかると盾で防がれ、反撃を剣でガードしようとすると相手の剣がツインエネルギーソードを摺り抜けてきた。
俺はスラスターを吹かして回避する。あっぶな~。やはりこいつは結構大物だな。
『全員と戦闘開始しました。マスター』
なら問題はないな。
『一気にいくぞ。イクス! フライヤーの操作を頼む!』
『イエス、マスター!』
それじゃあ、行きますか!俺はエネルギーマシンガンを構える。落ちろ!
懲罰竜騎士にエネルギーマシンガンを撃つと躱されるが狙い続け、ドラゴンにヒットする。しかしすぐに懲罰竜騎士が盾でガードする。すると横からレーザーフライヤーとソードフライヤーが襲いかかるがドラゴンが見事に躱す。
これじゃあ、埒が明かないな。エネルギーキャノンも躱されるだろうし…切り札を切ろう。
俺はミサイルランチャーを取り出し、追尾ミサイルをセット。さぁ、消し飛びやがれ!
俺が放ったミサイルをドラゴンがブレスで破壊する。なるほど、そう来るか。なら俺のやることは決まったな。通常のミサイルをセットする。
そしてイオンブースターを使い、ドラゴンに体当たりし、ミサイルランチャーを構える。
「これなら壊せないだろう?」
ミサイルが直撃し、大爆発すると煙が黒い霧に包まれ、懲罰竜騎士の姿が変化する。
竜魔将?
? ? ?
デビルドラゴン?
? ? ?
こいつは昔に戦った牛魔将と似ている気がするな。ただしこちらは漆黒のドラゴンの鎧を着た悪魔がドラゴンに騎乗しているだけだが。
「貴様がドォルジナス様がおっしゃっていた召喚師だな」
「さぁ? 知らね」
デビルドラゴンのブレスが来て、俺はリフレクターで弾くとデビルドラゴンは躱し、向かってくる。
俺はミサイルランチャーを使うとデビルドラゴンが爪で潰した。そして俺たちに爪を振りかぶるがエネルギーバリアでガードした。
「排除する。魔素解放」
竜魔将の剣に魔素が宿り、エネルギーバリアを僅かに砕いた。強いな…だが、俺の前で魔素を使うとは覚悟は出来ているんだろうな?
レーザーフライヤーが竜魔将を狙い、ソードフライヤーがデビルドラゴンを襲うが逃げられる。すると剣をこちらに向けると暗黒波動を使ってきたが俺はそれを躱す。
『マスターばかりミサイルや魔力を使いまくってずるいです。わたしはここに異議を申し立てます』
『イクスだって、この前のゴーレムでミサイルを使いまくったじゃないか。お互い様だ』
『記憶にありません』
エクスマキナに記憶がないのはかなり問題あるだろう。
『敵さんが本気になったからこちらもいくぞ』
『イエス。マスター』
魔力をポーションで回復させ、ツインエネルギーソードを構える。俺とイクスがなし得る連携を見せてやる!
『やるぞ! イクス!』
『イエス! マスター! マスターの全魔力属性を配合! ツインエネルギーソードに供給!』
ツインエネルギーソードのエネルギーの刃が虹色になる。俺はそれを左右に投げるとエネルギーキャノンを構える。
『全属性エネルギーキャノン! 狙い撃ちます!』
虹色のエネルギーキャノンを見た竜魔将は回避する。そして回避した竜魔将はこちらに来る。俺はエネルギーキャノンをしまっている間に側面からツインエネルギーソードが襲い掛かるが竜魔将は弾き、接近してくる。
しかし弾いたツインエネルギーソードは俺たちの元に帰ってくる。そして俺はツインエネルギーソードを接続し、薙刀の様にするとエネルギーの刃が巨大化する。
そして思いっきり斬り下ろすが竜魔将の盾に衝撃が吸収される。
「ぬるい! インパクト」
「盾の弱点ぐらい知っているよ」
竜魔将の背後からソードフライヤーが貫く。これでインパクトカウンターは封じたぜ。
更に薙刀モードを解除し、双剣モードにすると盾を避け、ばつの字に斬り裂き、盾をバク転で蹴り飛ばすと上空で再び薙刀モードにする。エネルギーの巨大な刃が再び現れ、竜魔将とデビルドラゴンをぶった斬る。
エネルギーキャノンを構える間にレーザーフレイヤーが追撃し、エネルギーキャノンのエネルギーが貯まる。
『「終わりだ(です)」』
虹色のエネルギーキャノンが至近距離で撃たれ、竜魔将とデビルドラゴンは消し飛んだ。ふぅ…気分爽快だ。すると警告音。
『魔力危険域です。マスター』
やば!?魔力を使いすぎた!?
エンゲージバーストが解除される。イクスをなんとか抱えるが俺に出来るのはそこまでだ。こんな死に方嫌だぁあああ!しかもアイテムがぁあああ!
するとリリーが飛んできて捕まえてくれた。
「タクト、大丈夫?」
「リリー、助かったよ」
「えへへ~。タクトはリリーがいないとダメなんだから」
リリーにそんなことを言われる日が来るとは!?俺は大丈夫だろうか?
俺が解体するとみんなが集まってくる。どうやら楽勝だったみたいだ。危ない思いをしたのは俺だけか…エクスマキナの魔力の使いすぎの怖さを知ったからこれから気を付けないといけないけど、きっと俺は使いまくる気がしている。
「タクトさん、この後はどうしますか?」
「俺たちは村の護衛に回ろう。暴れ足りないなら遊んで来ていいぞ」
『行ってきます』
そういうとみんな後方の戦いに参加した。俺はホークマンの村に戻り、指揮を取る。とはいえ既に相当数が減っている。ストラがブレスを使っていないから大暴れしたな。こちらはもう大丈夫だろう。
後は城だ。頼んだぞ…みんな。




