#538 イベント開始と成長期のドラゴン
俺たちがフリーティアに返るとみんながせっせと訓練をしていた。
「ただいま。ワルキューレクエストをクリアしてきたぞ」
「おぉ! 流石ギルマス! 一番乗りじゃないですか?」
「ジャンヌイベントで出遅れたはずなのになぁ」
「他の奴ら、悔しがるだろうな」
どうやら、俺以外にもワルキューレクエストをしていた人がいたらしい。しかしスカアハ師匠から情報というか色々手を回して貰った俺の方が早かったみたいだ。
するとルインさんが来た。
「お帰りなさい。タクト君。レギンさん、ヘリヤさんも。ワルキューレ衣装とってもよく似合ってるわよ」
「「あ、ありがとうございます!」」
その後、二人はギルドメンバーに連れてかれた。やはり能力とか気になるよな。するとルインさんから知らせを受けた。
「ゴネスがヴェインリーフとワントワークに宣戦布告したわ。いよいよ明日から戦争が始まることになるわ」
「ゴネスの戦力は?」
「それがクロウの話ではもの凄く少ないらしいのよ。戦争する気があるのか疑問なレベルらしいわ」
ゴネスは元々戦力が少ないという話だが、そこまでの差があるのは変だな。
「…敵にはドォルジナスや他の悪魔がいます」
「えぇ。クロウには十分気をつけるように言っておいたわ。元々天然の要塞に城壁には大砲がたくさん設置されている国、爆薬や装備にも困ることはないでしょうから、ゴネスが落とすにしても相当時間がかかるはずよ」
だよな。後はワントワークの動きだ。
「ワントワークはライヒ帝国と共闘をすることになったわ。これでワントワークには曹操、劉備、孫堅の三國志の英雄たちが戦争に参加することが決まったわね」
マジで!超見たいんだけど…動けない。
「ワントワークは恐らく大丈夫のはずよ。不安要素があるとすればワルキューレクエストが間に合わなかったぐらいね」
「他の国でも確認されたんですか?」
「えぇ。ライヒ帝国にグン、ヒルドル。ワントワークにスクルドとエルルーンが確認されているわ。ヴェインリーフは謎だけど恐らく二人いるでしょうね」
綺麗に二人ずつだもんな。因みに他の皆さんはヒルドルフィヨン山について調べて、攻略中とのことだが、最低でもスカアハ師匠がいる森、山一つ攻略しないと行けない。そして現在スカアハ師匠がいる森を攻略中らしいが散々みたいだ。
歩いていたら、精霊界にいきなり飛ばされてフェンリルに見付かり瞬殺されたり、他にもオリジナルでソーンドラゴン等が確認されたらしい。
「…フェンリルは無理じゃないですか?」
「武器や防具がワンパンチで全損して、デスペナ期間が通常より多くなって、随分泣きを見たらしいわ。タクト君も気を付けてね」
「はい」
しかしいきなり精霊界に飛ばされたら、転移で逃げればいいと思うのだが、何かあるのかな?それとルインさんに先ほどのブリュンヒルデのことを相談する。
「…たぶんだけどゴネスにもワルキューレがいるということでしょうね」
「…敵対するでしょうか?」
「…分からないわ。ブリュンヒルデの装備を貰えないと本来の力を使えないみたいだし…でも警戒は必要かも知れないわね」
「…ですね」
出来れば戦闘は避けたいな。それでも立ちはだかると言うならやるしかない。今は考えず、レギンたちの能力と戦闘を見てみよう。
「や…やぁああ! あ!? とと…きゃ!?」
「は…はぁああ! へぶ!?」
レギンは思いっきり、クラウソラスを振りかぶってくると空振りして、こけた。ヘリヤは盾を構えて、突っ込んでくると決闘フィールドにぶつかり、倒れる。
『か、可愛い…』
見ている人は可愛く見えるらしいが、武器に身体が付いていけない。それでも皆にも訓練してもらい、大体能力を知ることが出来た。
まずレギンは近距離サポートタイプ。前線で戦う指揮官のような能力だった。まずクラウソラスの範囲は一部隊規模全員にバフが発生した。更に鎧の能力は部隊全員の全ステータスが20アップする力だった。しかもこのバフは他のバフとは別枠であることが判明した。
次はヘリヤ。完全に前線向きの突撃兵タイプ。何せ武器も魔法も当たるだけで破壊する能力だ。槍の効果はレギンと同じく一部隊規模。しかしこのチート能力の弱点もはっきりした。このスキルは認識出来た攻撃しか破壊出来ないことを見つけた。
つまり暗殺スキルや奇襲攻撃、罠などに弱いことが発見された。
「能力から判断するとレギンは前衛部隊、ヘリヤは壁部隊に配置するのが正解かな?」
「だね。同じ部隊に配置して能力を重ねるより、分けたほうが役割もはっきりするし、何より不満がでないよ」
やはり部隊規模のバフだからその部隊に配置されない人にはバフの恩恵が発動しないから結構考えらせられるな。ジャンヌの能力なら全員だから関係無いんだけどな。
しかしバフを貰えるなら当然その部隊は主力の部隊になるだろうな。ただレギンとヘリヤは戦闘には不馴れだ。俺が攻撃しようとするだけで目を瞑ってしまうレベルだ。
まずはレベル上げ…それから戦闘の基本を教えないとな。すると二人から戦闘訓練を頼まれた。
「リリーさんたちを訓練したのはタクトさんなんですよね? みなさん、自慢げに話してました!」
「…ブリュンヒルデお姉様もお願いしてましたから…お願いします」
リリーたちめ。そんな話をしていたか?これは逃げられそうにない。それでも一応話しておかないとな。
「…俺が教えてやれるのは戦闘の基本だ。槍や盾の使い方、部隊の訓練は他の人のほうが上手い。だから最初と最後だけの訓練になるがいいか?」
「「はい!」」
俺はその後、レベル上げに島に向かう。
戦闘をするのは当然因幡の白兎。メンバーはレギン、ヘリヤに加えて、月輝夜、ジーク、コーラルを選んだ。俺は迅雷を取り出す。悪いが俺たちの経験値になってくれ。
「凄い…」
「なんて速さ…」
ふぅ…だいぶ迅雷に馴れてきた。ランスロットとの戦闘がでかかったな。するとインフォが来る。
『ジークのレベルが20に到達しました。進化が可能です』
やはり20か…では名残惜しいがジークを進化させよう。進化先は一つ。
レッサードラゴン
予想通りだな。一応説明を見てみよう。
レッサードラゴン…成長期のドラゴン。翼はあるが体重が上がったため飛ぶのは得意ではない。その代わりに走ったり、泳ぐのが得意、成長期と言っても既に鋭い牙と爪を持っており、鱗も硬くドラゴンの力が目覚め始めているドラゴン。
俺の宿敵にジークを進化させないといけないのは辛いがこれも強くなるためだ!
ジークが白く輝き大きり、俺がよく知っている姿に進化する。
『ジークがレッサードラゴンに進化しました』
「きゅーーー!」
あー…可愛かったジークの面影がなくなってしまった。進化がここまで残酷とは思わなかった。
するとジークが俺に近寄ってくる。すると頭を丸かじりして来た。うん…痛くないけどやめような?さもないと俺はご飯抜きのカードを切るぞ。
頭をかじるのをやめたジークは今度は頭突きしてくる。これは頭を撫でて欲しいのかな?撫でるとご満悦だ。なんというかまだまだ甘えたがりの子供みたいだな。
ジークを撫でてながらステータスを確認する。
名前 ジーク ドラゴネットLv20→レッサードラゴンLv1
生命力 42→62
魔力 36→56
筋力 60→80
防御力 34→54
俊敏性 52→72
器用値 34→54
スキル
飛行Lv2 噛みつくLv1→竜牙Lv1 竜爪Lv1 竜鱗Lv1 竜尾Lv1
突進Lv1 水中行動Lv1 光魔法Lv2 遠吠えLv1→恐怖Lv1 光ブレスLv2→火ブレスLv2
逃走Lv1→俊足Lv1 光竜の加護Lv1→竜の加護Lv1
これは今までとだいぶ違う進化だな…まず通常の召喚獣の第二進化でステータス20アップは初だ。他に光ブレスから火ブレスになったりするのも初。スキルの強化というより入れ替え要素が強いな。
もう一体だけ倒して、俺はログアウトすることにした。二人のステータスポイントはみんなに決めてもらい、ログアウトしよう。
名前 月輝夜 オーガLv25→Lv28
生命力 158→162
魔力 112→116
筋力 260→269
防御力 114→118
俊敏性 62
器用値 62→64
スキル
鎚Lv24 斧Lv1 鎖Lv5 格闘Lv6 闘気Lv21 物理破壊Lv19
防御無効Lv9 挑発Lv11→Lv12 堅牢Lv16 咆哮Lv7 強襲Lv18
妖気Lv17 戦闘高揚Lv18 投擲Lv9 再生Lv15 恐怖Lv2
炎ブレスLv12 闇ブレスLv7 狂戦士化Lv3
名前 コーラル 鳳凰Lv14→Lv22
生命力 92→106
魔力 74→86
筋力 64→68
防御力 38
俊敏性 70→78
器用値 60→64
スキル
奇襲Lv3 飛翔Lv4 火爪Lv1 危険予知Lv5 火の粉Lv1
風魔法Lv1 火魔法Lv3 光魔法Lv1 猛火Lv1 聖火Lv1
火炎弾Lv3 超再生Lv1 耐寒Lv3
名前 ジーク レッサードラゴンLv1→Lv4
生命力 62→68
魔力 56→60
筋力 80→86
防御力 54→58
俊敏性 72→76
器用値 54→56
スキル
飛行Lv2 竜牙Lv1 竜爪Lv1 竜鱗Lv1 竜尾Lv1
突進Lv1 水中行動Lv1 光魔法Lv2 恐怖Lv1 火ブレスLv2
俊足Lv1 竜の加護Lv1




