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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
始めてのVRMMO
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#54 不吉な依頼と攻略組の罠

話の流れを少し修正いたしました。100人規模を20人に変更いたしました。

夜は久々に佳代姉達とレベル上げだ。とはいえ俺は何もレベル上がらなかった、最近急にレベルが上がらなくって悲しい。そして海斗の奴にも町で遭遇。何やらこっちを見てにやにやしていた。リリー達を見ているわけではないし、可愛い女の子とパーティーを組んだのかと思ったのだがどうやら違うみたいだ。


そして、俺は珍しくルインさん達に呼び出されていた。


「呼び出されるのは初めてですかね?」


「そうね。とはいえ私も好きでタクト君を呼び出したわけじゃないわ」


「というと?」


「率直に言って、攻略組の連中からタクト君にボス攻略の誘いが来てるわ」


うわー。あいつと戦うのか…勝てる気がしないんだが。


「今回は30人規模になるらしいんだけど、実は前々から掲示板で話は上がっていたのよ。で、今回は正式な依頼なわけなんだけど」


歯切れが悪いな。というか30人規模?


「30人規模で攻略って意味が分からないですが?」


「30人はレギオンが組める最大の人数よ。…でもね、この話裏がありそうというか…」


そこでクロウさんが引き継ぐ。


「お前さんは幼女のことで他のプレイヤーから恨みを買っていてな…お前さんは狙って出してないからどうしようもないわけだが」


ま、キャラの作り直しが出来ないから当然そういうものは出てくるか。


「それにこの前のテイマーの1件もあった後にこれだからな…俺達からしたら裏があると怪しむわけだ」


確かにタイミングが変な感じは受けるか…だけど問題はそこじゃないな。


「断ることは出来るんですか? ルインさん達は依頼されたんですよね?」


「えぇ。中ボス戦で私達とタクト君が繋がりがあることがバレたからね…正式の依頼を受けたわ」


こう見ると確かに怪しいな…俺が断らないように先手を打ってる気がする。


「…わかりました。受けます」


「いいのかしら? 危ないかも知れないわよ」


「レベルが上がらなくなって来ているのは事実ですからね。罠だとしてもなるべく手は打ちますよ」


俺はそういって、今日はログアウトすることした。明日の日曜日は荒れそうだ。



そして日曜日、ログインしたわけだけど、時間に余裕があるので、先に魔石召喚をする。すると失敗した。何気に初めての失敗なわけだが、今日失敗するとか不吉すぎるだろ。


お金や貴重品はギルドに預け、石ころでインベントリをいっぱいにする。俺の気のせいならいいのだが、どうにも嫌な予感がする。


ルインたちさんにも言われているから尚更そう感じるのだろうが嫌な予感というのはそうなる恐れがあるから感じるのだ。そんなものがないなら感じることはない。何か起きるならこれからの攻略組との会合だ。


そしてリリー達に事情を説明して、召喚石に戻るように言ったわけだが。


「いや!」

「嫌です」

「お断りします」


まぁ、こうなることはなんとなく読めていた。さて、説得したものか。


「もし大勢の強い人たちと戦うことになるなら、私たちはいるべきです」


「そうだよ! 悪い人達はリリーがおしおきするもん!」


「タクトさんに手を出すことがどれだけ罪深いことか教えてあげます」


たくましすぎだね。この子たちは…でも説得しないとな。


「いいか? リリーたちが強いことは俺も認めている。でもこれから相手にするのは剣を持った人たちだけじゃない。当然、魔法使いや弓使いもいるだろう。そんな戦場に俺は君たちを行かせたくないんだ。わかってくれ」


「タクトさんは私たちが傷つく姿を見たくないんですね」


イオンの問いに俺は頷く。するとイオンが答える。


「私たちも同じです。タクトさんが倒れるのをただじっと待ってることなんてできません」


イオンにそう返される。そんなこと言われたら、止めれないじゃないか。


「あのな。イオン」


「絶対に引きません。例え負けるとしても、勝ち目がなくても、そんなことをする人たちにただではやられません!」


変なところで頑固だな。この子は…。


「うん! 一人でも多く倒しちゃうよ!」


「私たちの強さを教えてあげます」


はぁ~説得は無理だな。これは…誰に似たんだか…考えられるのは俺しかいないか。


「わかったよ。でもセチアだけはダメだ」


「な!? なんでですか!?」


セチアは怒るが当然理由がある。


「魔法使いは今回、いい的だ。呪文を詠唱しようとしたら弓矢の攻撃で終わり。何も出来ないと死ぬとわかっている子を主として連れてく許可をするわけにはいかないんだよ」


「う…」


セチアがリリーとイオンの援護を求めるが反論することは不可能だろう。


「…わかりました。今回はタクト様の気持ちを汲みます」


「いい子だ」


俺がセチアの頭をなでると気持ちよさそうに笑みを浮かべる。それを見たリリーとイオンが騒ぐ。


「あー! セチアちゃんだけずるい!」


「私たちにも要求します!」


その様子を見て、閃いた。


「俺の言うことを聞いて石に戻るならなでてあげよう」


それを聞いたリリーとイオンの反応に変化が起きる。


「え!? えっと、じゃあ」


「ダメですよ! リリー! 負けてはダメです!」


「でも、イオンちゃ~ん…」


「くっ! タクトさん! その攻撃はずるいです!」


何故か怒られました。そんなにいいもんかね?これ?



というわけで夕方、早めにご飯とお風呂を済ませて、ゲームにログインする。そしてリリーとイオンのみを連れて、ルインさんたちと合流し、始まりの草原に向かう。プレイヤーの集団がいた。


「ようこそ。中ボス初討伐パーティーの皆さん、僕が今回のボス討伐のリーダー、アーサーだ」


一人称僕のアーサー王は新鮮だね。しかも頭が悪そうだ。現在出会ったゲームの中で関わり合いたくないプレイヤー筆頭だな。


「とはいえ、僕は今回、ある依頼を受けている。その依頼はそこの召喚師の君についてだ」


うわー、声かけられたよ。最悪。


「…なんでしょうか?」


「君は掲示板を見ているのかな?」


「全く見てませんが?」


「そうか…ならば僕から言えることはこれだけだ。君の召喚獣のデータを全て公開したまえ」


は?何言ってるの?こいつ。


「ちょっといいかしら?」


「君の発言は許可していない。ガウェイン、ランスロット」


ルインさんとクロウさんに剣を突きつける二人の剣士。


「申し訳ございませんが口出し無用でお願いします」


「あなたたちまでとばっちりを受けることになるよ」


本物の円卓の騎士がこの光景を見たら、絶望するね。いや、円卓の名を汚す者として処刑されるかな?いずれにしてもいい印象はないだろうな。


「一応、一緒にパーティーを組んだプレイヤーが情報公開したはずですが?」


「その中に彼女たちの情報があったのかな?」


「名前くらいの情報なら公開を許可しましたよ」


「話にならないな」


話になっていないのはどっちだよ。


「僕らは君に全ての情報の公開を要求する」


「それはお断りします」


「僕は寛大だから一応、理由だけでも聴いてあげよう」


本当に寛大な人間は自分からそんなことは言わないだろ。


「では、自分にその要求した皆さんは全ての情報を公開しているのですか? ステータスや取得スキル、武器の情報などですね」


「そんな重要な情報を公開するはずないだろう? 君は馬鹿だね」


もう下手に出るのはやめよう。一応は初対面だから、下手に出たが人を馬鹿と言う人に下手に出る必要性をまるで感じないからな。


「馬鹿はお前だ。お前らが情報公開しないのに俺だけ情報公開するのは話の筋がまるで通ってない。悪いが話はここで終わりだ。俺はボス討伐の要請でここに来ている。こんな下らない話なら今すぐに帰らせて貰う」


「そうか…では悪は滅ばさなければならないね」


アーサーと名乗った男が剣を抜き、他の周りの奴らも武器を構える。それを見て、リリーとイオンが俺の前に立ち塞がる。


「どいてくれないかな? 君たち」


「どかないよ!」


「タクトさんには指一本触れさせません」


「やれやれ。どうやら君達も悪に染められているようだ」


さっきからこいつは何を言っているんだ?悪だなんだと…俺の事は別にいい。ろくな人間じゃないことを知っているからな。だがリリー達を悪と決め付けるのは許せないな。


「僕が正義を教えてあげよう。まずは君たちから粛清しようじゃないか」


ようはリリー達と対戦すると言いたいわけか?


「タクト…許可をして」


「あんな人には負けません」


リリー達の強い意思の前に俺は許可を出した。


決闘

対戦者:アーサー、リリー&イオン

勝利条件:戦闘不能

審判:なし



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最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
以下のリンク先で連載中です。


動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
― 新着の感想 ―
[気になる点] レギオンの上限に関しては以前にも触れてませんでした? 掲示板に情報公開を許可したのはあくまでもリリー、イオン、セチアの3人は勿論、主人公以外のものをですよね? とはいえ進化先が初期の…
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