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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
ゴネス大戦
556/1718

#531 ゴネス侵入作戦と卑劣な罠

夕飯を食べ終え、ゲームにログインする。


現在打てる手は打った。後は出たとこ勝負だ。


ブルーメンの港町でスクナビコナを出し、集まったメンバーが乗る。乗組員は俺たち、ジャンヌ、ベルトランさん、ノア、与一さんたち、トリスタンさんたち、サバ缶さん、銀たち、シャローさんたち、チロルたちだ。


俺たちとジャンヌ、銀たちがゴネス上陸班となる。残りはスクナビコナで待機だ。


ノアはスクナビコナの操縦、サバ缶さんは指揮、シャローさんたちはスクナビコナの機関と補助。与一さんたちとトリスタンたちは砲撃班。ジョーカーでノストラさんも来ている。チロルたちは護衛だ。


「スクナビコナ、出港!」


スクナビコナは夜の海を進み、ゴネスを目指す。


「…敵、来ませんね」


「モンスターの襲撃すらないとは不気味ね…未来視の水晶にも何も反応ないわ」


「嵐の前の静けさというか…戦争を経験した人たちはこんな嫌な空気と毎日戦っていたんでしょうか?」


「そう考えると凄いですよね…私には無理です」


敵の罠に飛び込むのが大好きな人は中々いないだろう。そして何もないままゴネスの目標の港町に到着した。


「ジャンヌは泳げるか?」


「れ、練習すればたぶん出来ます」


無理なわけね…まぁ、ここは装備で透明になれるダーレー一択だな。一応隠れ蓑を一枚借りて、俺とジャンヌが着る。


「じゃあ、行ってきます」


「こっちは任せてください」


俺たちは透明になり、空を走りゴネスに入った。


ゴネスの港町は明かりがあり、人がわいわい家の中で騒いでいる。


『…いつもこんなに賑やかなのか?』


『わかりません。私はこの村に来たことがありませんから。ただ私の村では夜は静かにして寝る決まりでした』


つまりこの光景は変なわけだ。


『銀、潜入はもう少し待ってくれ。今、港町に入ると怪しまれるかも知れない。潜入するタイミングは任せる』


『了解』


俺たちはダーレーに乗り、ベルトランに教えて貰ったジャンヌの村を目指す。その間もモンスターは一切出てこない。


「…無事に着きそうですね。あ、見えてきました」


距離にしてダーレーで三十分ってところか。敵が来るなら村に入ったところか俺たちがジャンヌの家に入った時だな。


俺はポケットからアイテムを怪しまれないように地面に落としながら村に向かった。


村には人の気配はある。しかしジャンヌの家の周りには明かりはなかった。


「…恐らく私たちのせいで懲罰の対象になってしまったかもしれません」


近所であるだけでかよ…まぁ、いかれてるのはもう知っているから驚きはないな。


俺たちはダーレーから降りて、ジャンヌの家に入る。


「ただいま帰りました。お母さん、お父さん」


両親がいなくてもそう言うことには意味があると俺は思う。ちょっとしたことなんだけどね。


その後、ジャンヌが父親の部屋に向かい、そこに旗があった。


「あった…お父様、使わせて貰います」


ジャンヌが旗を持った瞬間だった。窓から矢が飛んで来る。俺はそれを弾くが、次の瞬間、四方から火矢が放たれる。


やはり火計で来るか!俺は魔法を使用するが発動しない。水樹の杖を出し、聖水を使用するが発動しない。これは…。


俺は外を見るとここを囲むように光の壁が張られていた。恐らく魔法やスキルを封印する結界魔術だろう。それに外にはたくさんの懲罰騎士がいた。


くそ…完全に陣形を組んでやがる。すると漆黒の鎧を着た騎士が前に出てきた。


「我らが神を信じぬ異教徒ども。このまま焼かれて死ぬか我々の手で裁かれるか好きな方を選ぶがいい」


言ってくれるね…しかしあの騎士、普通じゃないな。恐らくリーダーなんだろうがかなり強そうだ…さて、どうするかと思ったら、家が崩れる。


「ジャンヌ!」


俺はジャンヌを庇い、木の下敷きになる。


「あ、あれ?」


しかし衝撃が来なかった。見るとブラウニーから貰ったお守りが光り、バリアが張られていた。するとお守りが消えた。


助かった…ブラウニーたちが言っていたのはこの事か…感謝しないとな。しかしこれは一度きりだ。これ以上、被害が出る前に決めないといけない。


「あの! タクト様、申し訳ありません。私が我が儘言ったばかりに」


「人間誰でも我が儘なものだと思うぞ? 大丈夫…ジャンヌを死なせたりしないから。ただ家がどうなるか分からないがいいか?」


「はい! 今は家より命を大切にする時だと思います」


よし!俺はポケットから爆風石を取り出し、空にばらまき、伏せる。お前たちは火計を全く理解していない。それをこれで証明しよう。


「(風のルーン!)」


俺が風のルーンを使用すると事前に仕組んだ爆風石と家にばらまいた爆風石から爆発的な風が発生する。


結果、風で家の上が吹き飛び、強烈な風で火が消える。そして一部の騎士たちが空にぶっ飛んだ。


「ダーレー!」


「ヒヒーン!」


俺はダーレーを呼ぶとダーレーが来てくれた。そしてジャンヌと共にダーレーに乗る。


偶然だが、結界が無くなっている。チャンスだ。ダーレーで強行突破する。


「異教徒が逃げ出したぞ!」


「殺せ!」


矢が飛んでくる。そんなものがダーレーに通用すると思うな!


「ヒヒーン!」


衝撃波で矢と辺りの懲罰騎士をぶっ飛ばし、更に蒼炎で懲罰騎士を焼き、火炎操作で火の道を作り、村を脱出する。


すると異変に気が付いた。最初に着いた時の村が無く、そこにはずっと前に焼き払われた村の姿があった。


人や村まで幻術で再現したのか?幻術の領域じゃないぞ!?しかしこれが本当の姿ならジャンヌの村はとっくに懲罰で村ごと焼き払われたことになる。最悪だな。


すると俺たちの後ろからさっきのリーダーの騎士が追ってきた。嘘だろ…ダーレーの全速力より速い馬なんて普通じゃない。


「逃がさん!」


「いや、逃げさせてもらう!」


スカーレッドリングと騎士の剣がぶつかり合う。こいつ、さっきからジャンヌばかり狙いやがって!


「足手まといがいると! 大変だな!」


「そうでも! ないさ! 少なくともお前が振るっている剣よりまともだと思えるからな!」


「ぬかせ!」


ダーレーに乗りながらジャンヌを攻撃する剣を弾く。


『ダーレー!』


「ヒヒーン!」


「ぬ!?」


ダーレーの衝撃波で距離が一瞬空く。その間に俺はポケットから閃光玉を取り出し、騎士に向けて投げる。


「(火のルーン!)」


すると騎士と馬に閃光が炸裂する。どうだ!


「く…妙なアイテムばかり持っているな…は!」


一瞬止まったが追ってくる。しつこいな…後は煙玉しかない。


すると港町が見えた。すると当然懲罰騎士の大軍が待ち構えており、大砲の音まで聞こえる。スクナビコナも戦闘しているみたいだ。


すると矢が飛んでくる。俺は煙玉を後ろの騎士に使い、疾駆で空を走るとダーレーが蒼炎で矢を焼き払い、懲罰騎士たちを飛び越える。流石に後ろの騎士の馬は空を飛べないだろう。


「どけ!」


するとリーダーの騎士はそのまま馬で海を走る。うそ…水上歩行か。いや、何か変だな。リーダーの騎士が青く光っている。つまりあれは騎士のスキルか。


俺はそこである騎士の名前が頭に浮かんだ。もし俺の予想が正しいなら、この懲罰騎士はここで止めないとまずい敵だ。


「ダーレー…お前も男ならジャンヌを無事にスクナビコナに届けてくれ。俺はあいつを止める」


「…ヒヒーン」


頷いてくれた。いい子だ。後でたっぷりご馳走を作って上げよう。さて、行くか。俺はダーレーから飛び降り、リーダーの騎士と敵対する。


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最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
以下のリンク先で連載中です。


動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
― 新着の感想 ―
[一言] 卑劣な罠で来るなら卑劣様を呼ぶか…
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