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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
ゴネス大戦
552/1718

#527 ジャンヌとワルキューレクエスト

宣戦布告された俺たちはフリーティア城に集められた。


「皆さん、知っているとは思いますがゴネスが我が国を含むこの大陸全ての国に宣戦布告しました。これにより我が国は戦争状態になります」


「ただ直ぐに戦争になるわけじゃねえ。ゴネスとフリーティアには距離がある。ゴネスが攻めてくるならヴェインリーフかワントワークを攻略しないといけない」


「ヴェインリーフは雪山を含む、強いモンスターや険しい山々で鉄壁を誇ります。対するワントワークは行軍がしやすい平地ですが、ワントワークには騎馬隊がいます」


「正直どこから攻められるかわからねー状態だ。ただ現状では、ワントワークを突破して来ると予想している」


果たしてそう来るかな?


「タクト殿はどのような考えですか?」


「…俺はヴェインリーフも突破してくると思います」


「理由を聞いても?」


「ゴネスは人間より亜人種が嫌いですし、先の一件で目の敵にしているのはヴェインリーフとフリーティアだからです。しかし一方だけとも思えません。同時進行を警戒するべきだと思います」


全員が納得する。


「ゴネスが同時進行してくるならやはり前に話した通りですか?」


「あぁ。ヴェインリーフならホークバレー、ワントワークならトレントの森から来るだろうな」


警戒すべきはトレントの森だが、既にエルビンとエルフィーナを中心に罠設置が進んでいる。まだ完璧ではないが、それでも引けは取らないだろう。


俺にはどうしてもホークリバーを通る気がするんだよな…トレントの森を攻めるにはワントワークを攻めないといけないし、実際に見たからわかるがホークバレーは防衛にはかなりいい場所だ。


谷と単純に入り組んだ地形。まるでゴネスの軍団をここで迎え撃てと言っているような地形に思える。後、気になることがある。


「海からは来たりしませんか?」


「ゴネスに船があるという情報はありませんね…」


「それなら良いのですが…」


こちらは海からは攻め込めて、向こうが無いとは思えないんだけどな…警戒だけはしないとな。


するとジャンヌとレギン、ヘリヤが入ってきた。


「タ、タクト様! お願いがあります! 私を生まれた家に連れていってください!」


「私たちからも! お姉様に会わせてください!」


「大事な…ことなんです!」


な、なんだ?するとインフォが来る。


『特殊クエスト『聖軍旗を手に入れよ』が発生しました』


『特殊クエスト『ワルキューレ装備を手に入れよ』が発生しました』


クエストラッシュだ。確認しよう。


特殊クエスト『聖軍旗を手に入れよ』:難易度S

報酬:聖軍旗

クエスト失敗:やり直し不可、ジャンヌが死亡

ジャンヌを連れて、ジャンヌの生まれた家にある聖軍旗を獲得せよ。


特殊クエスト『ワルキューレ装備を手に入れよ』:難易度A+

報酬:ワルキューレの装備

ブリュンヒルデに出会い、ワルキューレの装備を獲得せよ。


いやいや。なんか凄いクエストが来たぞ!?


「とりあえず落ち着いてくれ。一から説明してくれ。まずはジャンヌから」


「は、はい! 昨日の夜、ミカエル様からお告げを貰いました。『あなたの家に飾られている聖軍旗を手に入れなさい。それが災いを退ける力となります。大丈夫です…あなたを救った召喚師を頼りなさい』と」


ミカエル様!?それは丸投げと言うんじゃないのか!いや、問題はそこじゃない。


「ジャンヌの家って、どこだ?」


「ゴネスです。ラグーン海から少し離れた村に私の家があります」


そうだよね…つまり敵の国に侵入して、聖軍旗をゲットしろと…難易度や内容から見て、無事で済む筈がない。酷いクエストだ。


さて、次はレギンたちの話を聞く。


「私たちもミカエル様からお告げを貰いました。『あなたたちの姉ブリュンヒルデに出会い、装備を貰いなさい。それが災いを退ける力になるでしょう。大丈夫です…あなたを救った召喚師を頼りなさい』と」


「わたしも…同じです」


ほとんどセリフ同じじゃん!ミカエル様!


「そのブリュンヒルデはどこにいるんだ?」


「「わかりません」」


わからないブリュンヒルデの居場所を見つけて、アイテムをゲットしろと…まぁ、ジャンヌ程の危険は少ないか。失敗してもやり直せるみたいだしね。


ミカエル様がこのタイミングで動いたなら重要なクエストだろう。しかし俺は三人に聞かないといけない。


「三人のお願いは聞いてもいいが、三人には覚悟はあるのか? 旗を手に入れるにせよ。ワルキューレの装備を手に入れるにせよ。戦場に出ることになる。パン屋や料理店のウエイトレスの平和な生活を捨てて、戦場に出る覚悟はあるのか?」


「「「っ!?」」」


俺はこうならないように手を尽くしてきたつもりだ。ジャンヌダルクの物語は最後は悲惨だし、ワルキューレの話も大体最後はいい話ではない。


それでも確固たる戦う意志があるなら俺は尊重したい。しかし戦う意志が無いなら俺は賛同するわけには行かない。


レギンが話す。


「私は皆さんの戦いを見てきました。その度に悔しい思いをしてきました。私に力があったなら、助けられる人がいたかも知れないのにと…それが叶うなら私は武器を手にし、皆さんと一緒に戦いたいです!」


レギンはそんなことを思っていたのか。ジャンヌが話す。


「私はこの国に来て、お父様たちが言っていたことがわかりました。『私たちの生活は変だ。この国は間違っている』と。私はゴネスの人たちに伝えないといけません。世界はこんなにも活気に満ち、笑顔が溢れているんだと! その為なら血で濡れる覚悟はあります!」


父の意志を継ぐ感じか。それがジャンヌの覚悟なら俺は手を貸そう。最後にヘリヤの話を聞く。


「わたしは…戦うことでしか罪滅ぼしが出来ません。戦わせて下さい!」


「…それは死にたいと言うことか?」


「違います。もしわたしに力があるなら、この国の人たちを一人でも多く救いたいんです。それが今を生きているわたしの義務だと思います」


ヘリヤは俺と似ているな。


「わかった。なら俺と約束してくれ。一人でも多く救いたいなら自分の命を大切にすると」


『わかりました! お約束します!』


さて、これでクエストを受けることになるわけだが…俺はみんなを見る。


「ゴネスに忍び込むなら船で夜になりますね」


「アイテムの準備に人材も選ばないといけませんね」


「…いいのか?」


『もちろん』


断言するみんなにサラ姫たちが笑う。


「いいギルドですね」


「天使長の言葉なら間違いはないだろう。俺たちも手を貸してやりたいが」


「そんな余裕はありませんね…天使長も分かっていて、タクトさんに依頼したのでしょう」


暇じゃないんだけどね。その後、改めてゴネスとの戦争に対して作戦会議をする。

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