#514 人魚の水晶とエクスマキナのジョーカー
ホームに帰る前にナオさんのお店に寄る。そこで俺はリアン用の真珠を買った。
本真珠:レア度8 素材 品質A
アコヤ貝から手に入る真珠。単品では価値があまりつかないがアクセサリーなどに使うと価値が跳ね上がる素材。
品質が高いのは島の効果だな。水樹のおかげだな。
ホームに帰り、早速人魚のペンダントに本真珠を中に入れて、鑑定する。
人魚のペンダント:レア度8 専用アクセサリー 品質A
効果:マーメイドを強化(究)、水属性効果アップ(究)、神聖属性効果アップ(極)
マーメイド専用の貝殻のペンダント。本真珠の効果で水属性と神聖属性の攻撃の威力がアップする効果が追加されている。
強くなったな。ではこれをリアンにプレゼントする。
「うん。似合っているぞ。リアン」
「あ、ありがとうございます! タクト先輩」
次はリアンの人魚の水晶を試している。
まずは魔法選びからだ。
「アクセラレーションかな?」
「タクト先輩が一番使っている魔法ですからね」
「それもあるがリアンは時空魔法を覚えてないからな。最初は時空な気がする」
「ですがタクトさん、リアンは水中では十分早いですよ?」
イオンにそう言われるとそうなんだよな。テレポートで奇襲も合わない気がする。ディメンションフォールドはありだな。
切り替えとかが利かないアイテムだから慎重に選ばないと…しかしここはリアンに選ばせてみるか。
「リアンは使いたい魔法とかあるのか?」
「え…えと…ダイヤモンドダストは綺麗で使ってみたいです」
選ぶ基準がそこなのか…しかしちゃんとリアンは考えていた。
「後、マグネットサークルを覚えたいです。私は動きを封じる手段がありませんから」
「動きを封じて、ダイヤモンドダストを使うわけだな?」
「恐ろしいことを考えますね…リアン」
「タクト先輩がやっていたことですよ!? イオンお姉様!」
俺はメテオやチェーンエクスプロージョンだぞ?やってることに対した差はないけどな。
というわけで雷の人魚の水晶と氷の人魚の水晶を使い、魔法を選ぶ。出来上がったのがこちら。
雷の人魚の水晶:レア度8 専用武器 品質A
効果:雷魔法【マグネットサークル】、魔力消費無効
雷魔法【マグネットサークル】が封じられた人魚の水晶。マグネットサークルを魔力消費無しで使うことが出来る。
氷の人魚の水晶:レア度8 専用武器 品質A
効果:氷魔法【ダイヤモンドダスト】、魔力消費無効
氷魔法【ダイヤモンドダスト】が封じられた人魚の水晶。ダイヤモンドダストを魔力消費無しで使うことが出来る。
実際に地下の訓練所で試すと使えた。
さて、次はイクスを連れていよいよバトルシップのブリッジに突入だ!
「うっは~」
そこにはSFやロボアニメで見るブリッジがあった。やはりエクスマキナは期待を裏切らない!
「ここが艦長席です。どうぞ、マスター」
「いいのか?」
「マスターの他に座るに相応しい人はいません」
そういうことなら失礼して座ってみる。あぁ~…いい感じだ~。すると手が固定された。こ、これは!?
魔力が吸われた…酷いトラップだ。これじゃあ、電気椅子に座った囚人だ。
『マスターの魔力供給を確認。ブリッジ、全システム起動します』
各モニターや外の景色が見れるようになった。それは凄くいいことなんだが、問題はある。
「イクス、知っていたな」
「はい。ちゃんとわたしはマスターに相応しい席だと言いました」
そういう意味だったの!?とうとうイクスまでこんな風になってしまったのか…しくしく。
俺が演技泣きしていてもイクスはバトルシップのチェックをしていく。
「舵問題なし…各種レーダー、装甲、武装、エンジンは修理が必要です。マスター。ナノエクスマキナを起動させて下さい」
「…はい」
バカやってないでさっさと動こう。と、そういえばもうエンジン起動に必要なエーテル結晶は集まっているんだよね。
イクスに聞いてみた。
「問題はブースターなのでエンジン起動に問題はありません。先にエンジンを起動させていたら、マスターの魔力供給は必要ありませんでした」
まさかの吸い取られ損!?まぁ、先に言わなかった俺に非があるか。というわけでエンジンを起動させよう。
『バトルシップのエンジンが起動しました。バトルシップ、全機能起動しました』
しかし修理が必要なんだよね…俺はマザーシップに向かう。するとサブエクスマキナがいた。
「マスター、マザーシップの点検が終わりました。問題ありません。次のご命令を下さい」
ごめんなさい。すっかり忘れていた。
「そっか。ありがとうな…一先ず休んでくれ」
「イエス、マスター。休眠モードに移行します」
ナノエクスマキナはそう言うと自分がいた格納庫に向かっていった。俺もそこに行くんだけどな。
俺は魔力を回復しながら、ナノエクスマキナを起動させた。
『マスターからの魔力供給を確認。ナノエクスマキナ、起動します』
すると四角い箱から四本の足が出てきた。更に目が光りが点く。そして側面を点滅させならが話して来た。
「マスターを確認。ご命令はなんですか? マスター」
「バトルシップの修理を頼めるか? いや、これじゃあわからないか」
「命令認識」
するとナノエクスマキナは転送装置に向かっていき、消えた。大丈夫だろうか?
俺がバトルシップに戻ると足を工具に変化させて何やらせっせと修理していた。
流石に一人じゃあ、可哀想だが、援軍は呼べないんだよね。後でマスタードリンクをあげようかな?イクスの話では好物みたいだし。
バトルシップのブリッジに向かうとイクスが何やら端末を操作していた。
「一人で大変ならサブエクスマキナを呼ぼうか?」
「それは名案です。マスター」
ありゃ。あっさり認めたな。
「転送装置は問題なし。コマンドエクスマキナの権限により、エビデンスゼロにアクセス」
『バトルシップからのアクセスを確認。エビデンスゼロ、起動します』
すると大型画面にそれは表示された。俺はそれを見て、絶句する。
「…イクス、これはなんだ?」
「これの名はエビデンスゼロ。バトルシップの最強の兵器です。マスター」
バトルシップの最強の武器は主砲でも防衛機能のロボでも無かったのか。イクスが話す。
「かつて神々が恐れたエクスマキナを象徴する兵器の一つであり、エクスマキナが上位種と呼ばれるようになった要因の一つです」
そりゃ…こんなもの使われたら神様も驚くわな…エクスマキナが上位種になった理由がはっきり分かった。
こんなもの使う日が来るのか謎だが、俺はこの事を俺とイクスだけの秘密した。俺たちが今まで通りの日常をぶっ壊すだけの爆弾だと思ったからだ。
気持ちを切り替えて昼食にしよう。というわけでログアウトする。午後からはホークバレーの攻略だ。




