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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
ゴネス大戦
537/1718

#512 騎士訓練会議

ギルドでお城で聞いたことを会議する。


「まさしく戦争前イベントな感じだな…」


「砦はバエルの時と同じ感じでしょうか?」


「だと思います。攻め込まれると言っていましたから。後、どこでも建てれるらしいです」


すると今度はどこにどんな砦を作るのかという話になる。資材がたくさんあるからな。


「タクトさんは砦の場所はどこがいいと思いますか?」


「イジ鉱山のボスがいた山の頂上が一番いいと思います」


「日本のお城と同じですね?」


基本的に砦は上に作ったほうが圧倒的に有利だ。それはサバ缶さんが言ったように日本の歴史が証明している。ホークバレーは攻略中だからイジ鉱山にまず砦を作ることが決定した。次は騎士たちの訓練だ。


「どうやって訓練をすればいいのかな? レベルを上げる感じ?」


「え? それはハートマン軍曹の真似をして」


「アーレイは黙ってなさい」


流石にそれをしたら、いけないだろう。


「レベル上げはもちろんだが、戦闘技術を教えることも入っているな」


「かなり本格的だね…それ」


「訓練をすることで騎士たちの精度を高めていくイベントみたいですね…戦争イベントでかなり重要なイベントになることは間違いないかと。時間が勿体無いので、とりあえず可能な限り訓練した方がいいと思います」


サバ缶さんの意見に全員が賛成した。そしてサバ缶さんから戦争イベント対策の話になる。


「島のおかげでかなり物資に余裕があります。こちらが現在作っている物で、こちらが作れそうな物のリストです」


サバ缶さんからもらったのがこちら。


煙玉:レア度8 投擲 品質B

衝撃で玉が割れれると煙幕が発生する玉。目くらましの効果がある。


閃光玉:レア度8 投擲 品質B

衝撃で玉が割れれると激しい閃光が発生する玉。目くらましの効果と暗闇を照らす効果がある。


照明弾:レア度8 投擲 品質B

空に打ち上げ、玉の中身が燃えると周囲を明るく照らす効果がある弾。大砲や銃などで使用され、照らす効果が長いのが特徴。


煙玉はリン鉱石で作られた物。熱くなく、普通の煙らしいので、リン鉱石は赤リンみたいだな。


閃光玉は閃光石から作ることが出来たらしい。かなり強力らしいがスタングレネードのような音は発生しないため、本当に目くらましにしか使われないみたいだ。


照明弾はマグネシウムと閃光石を調合して作られたらしい。結構な時間辺りを照らすらしい。ありがたく使わせて貰おう。


一覧を見る。早速桜花で見つけた素材を使うとは流石だな。そしてやばいものを見つけた。


「…これは作れるんですか? かなり巨大ですが」


「理論上は作れるはずです。ぶっちゃけ作ってみたいだけですが」


いや、でもこれは…かなり凶悪な物だぞ。許可!更に朗報。


「タクトさんが桜花で買ってきていただいた火縄銃や大筒ですが、鑑定していただいたら、鍛冶師たちのレシピに追加されました。そこまで難しい素材で作られてはいないので、量産可能という話です」


買ってきた甲斐があったようだ。因みにレシピというのは鍛冶師が武器を作った際のデータや作り方が載っているシステムだ。鍛冶師や他の生産職もこれを見て、新たな武器やアイテムを作っていくそうだ。


俺にはないし、セチアたちにもない。まぁ、お任せ状態でせっせと作ってくれているからな。


俺はレシピを見ていくと気になるものが結構あった。そのほとんどが俺が取ってきたものの気がする。するとレシピに星印があった。なんだこれ?


「魔導狙撃銃や連射魔導銃というものに星が付いていますけど、これは?」


「それはタクトさんが持っているマナクリスタルで強化や製作ができるものですね。どうやら魔導銃とマナクリスタルは相性がいいみたいです。使い方的にはクリスタルピラーを狙撃部隊のところに設置することで魔力を自動回復することで連射や狙撃の火力を上げることは出来そうという話でした」


ふーん…つまりこの星印は俺にお願いするための目印ということか…さてと次の項目に行こうか。


「狙撃銃が出来るということは双眼鏡なども作れるんですね」


「はい。敵部隊を補足するためには便利な道具でしょうから一応書いておきました」


確かにより安全に敵を見つけるには重要なアイテムだろうな。他には…お! 俺が見つけてきたキノコの兵器が載っていた。煙玉のように使うものともう一つ凶悪な使い方が判明した。現在ハルさんたちが作っているらしい。恐ろしいことだ。


最後の項目に星印のロボとあったので、聞いてみた。


「現在作製中なんですが、どうやらまだパーツが足りないみたいです。マナクリスタルとクリスタルピラーを内蔵する案があるんですが、どう考えても出力が足りないんですよね」


「つまりロボを動かすためのエンジンか何かが必要ということですか?」


「そういうことですね。しかしそれほどのエンジンは買わせてくれないんですよね…しかもレシピも公開してくれませんし、困ったものです」


そうは言っているがサバ缶は楽しんでいるように見える。とりあえずこの一覧に書かれているものはある程度許可した。一方作ることになったルインさんたちが悲鳴を上げたのは言うまでもない。


一方俺がサバ缶さんと会議している間に桜花に向かうメンバーが決まった。鉄心さんのパーティーとトリスタンさんとノストラさんだ。理由は鉄心さんは余りログイン出来ないから。休みで1日ゲーム出来る間に行って貰いたい。


一度桜花に送り、ワープ出来るようにしてから鉄心さんに桜花の印籠を預けた。


「済まないね…大切に使わせて貰うよ」


「楽しんでください。いい国ですよ。ここは」


「あぁ、クエストも受けるつもりだし、何かあればこれで連絡しよう」


これとは通信クリスタルのことだ。既にみんなに配布して、ちゃんと通信できるかテスト済みだ。


その後、俺はサラ姫様に先ほどの数と同じ数の騎士をメールで伝えると早速新米騎士たちが来た。その間に俺のペナルティから回復した。やったぜ!


『よろしくお願いします!』


「…全員初期装備だね。せめてフリーティアの騎士装備はすると思ってた」


「騎兵って、馬なんだ…グリフォンだと思ってた」


「これは完全に新規プレイヤーを育てる感じね」


みんなが思った感想を言ってくれた。


「…兄様。この人たちのステータスが見れる」


「ほんとだ! これは鍛え甲斐があるね!」


「ひとまず担当を分けるか…」


というわけで俺は何故か騎士30を担当することになった。なぜ騎兵や魔術師じゃないんだ?俺、召喚師なのに…ものは試しで騎士たち29人とレギオンを組み、フィールドに出た。俺はスカーレットリングを取り出す。メルたちは見学だ。


すると懐かしきグレーウルフが大群で来る。


「う、うわぁぁ!」


「あんなにたくさん!」


「に、逃げよう!」


こらこら。君たち騎士でしょうが…これは大変だな。根性から叩き直さないとダメみたいだ。


「このぐらいなら大丈夫だ。黙って俺を見てろ」


『は、はい』


俺は一人で剣の腕だけでグレーウルフたちを全滅させた。


「す、すげー」


「これがフリーティアの英雄の力」


「本当に剣だけで全滅させた…召喚師なのに」


はい!そこ!余計なお世話です!


すると騎士たちのレベルアップが来る。どうやらステータスやスキルはこちらで決めれるみたいだ。見学したみんなと話し合う。


「これだとクラスチェンジとかもこちらで決めれそうだね」


「それだと作戦なども考慮して、部隊を整えないと行けませんね」


「とりあえずステータスはどうすれば?」


『全部筋力で!』


即答だ。


「今の私たちなら強い武器を用意出来るからね。最初に筋力をあげた方が絶対いいよ」


「そうでなくても大体騎士は最初に筋力をあげるからな」


というわけで筋力を上げて、ギルドへ戻る。そして騎士たちの話をする。


「騎士だけでも魔法が使える騎士と魔法を使わない騎士がいるんだよね」


「魔法を使わない騎士は魔力がない代わりに他のステータスが高いんだよね」


魔法を使わないのが通常の騎士で魔法を使うのがメルたちがなっていた聖騎士などだ。


「戦争ならステータスが高い方がいいか?」


「だね。だから国の騎士もそのタイプが多いんだと思う」


そうなるよな。となると基本は通常騎士。数人を魔法タイプの騎士ということになる。


次は騎兵。


「騎兵は情報は少ないんですよね…槍使いの皆さんの第四クラスチェンジと判明していますが、確認されているのは初期では馬のみ。専用のクエストでグリフォンなどに騎乗が可能になるらしいです。後はライヒ帝国に鉄鋼騎兵がいることが確認されてます」


「鉄鋼騎兵も強いでしょうが優先は飛行戦力ですよね?」


「同感です。恐らく騎士たちはフリーティアの所属ですからグリフォンの騎兵がすぐに出来ると思います」


実際にフリーティアにいるからな。これでならなかったら、問題ありだ。次は弓兵。


『全員銃!』


はい、決定。理由は並べるだけで強いからだ。最後に魔法使い。


「これは正解がないね…ある程度属性で分けるしかないと思う。光か闇を軸にして、攻撃魔法を取得する感じかな」


「戦争で有効だと考えるなら火と土か?」


「理由は?」


「火計とボトムレススワンプ、爆魔法」


火計はもう定番になっている。


そこに足止めに有効なボトムレススワンプ、壁魔法がある土魔法。トラップに有効な爆魔法を目指すのはかなり有名だろう。


レッカなら当然それを理解する。


「確かに戦争だと有効そうだね…多めに訓練するよ」


「頼む…後は何かあるか?」


「すみません。一つ気になることが」


おや、初めてプレイヤーだ。


「僕たちでも戦闘で向き不向きがあるのにNPCにはそれは無いんでしょうか?」


全員が考える。確かに運営なら向き不向きの設定を弄くってくる可能性は十分にあるな。実際に先ほどの逃げ腰は酷かったし、戦術の話もあった。


全員に聞き取りをしたら、案の定得意な武器や戦闘タイプがあった。中には俺たちの戦術を学びたい者までいた。


「騎士はパワータイプが多めで騎兵はスピードタイプが多めでしたね。軍師タイプはレアだと思います」


「軍師タイプとスピードタイプの騎士はタクトくんに任せるね」


「ですね。凄いNPCが誕生する気がします」


プレッシャー…というわけで訓練することになった。


「君たちを訓練することになった。タクトだ。よろしく」


『よろしくお願いします!』


「まずは指揮を学びたい者は誰かな?」


『はい!』


十人か…まぁ、それぐらいだろうな。


「まずは勉強からいこうか。騎士たちも無関係じゃないから聞いておくように」


『はい!』


まずは作戦の種類や各魔法、装備、アイテムの説明をする。すると騎士たちから質問が来る。


「あの…これって俺たちにも必要なことなんですか?」


「必要だな。敵が使ってくる魔法を知っていれば大抵は対処出来る。他の武器やアイテム、罠についても同じだ。知っているのと知らないとでは生存率が全然違う。戦場から生きて帰りたいなら覚えておくことだ」


『は、はい!』


うむ。いい顔になったな。さて、勉強は終わったし、次は実地訓練と行きますか。

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