#506 荒神VS仙狐の侍
お昼を食べてログインする。
これから神様との戦いならこちらも本気だ。メンバーはリリー、イオン、セチア、恋火、イクスだ。
俺たちは空を飛び、山を登ると何もなく頂上に着くと黒雲から雷が墜ちる。そして少年が現れた。
荒神?
? ? ?
あれが荒神?俺が疑問に思っていると荒神が凄まじいオーラと共に絶叫すると無数の雷が墜ち、俺たちに怒りの顔を向ける。
間違いなく、神様だな…疑って悪かったよ。
「どうするの? タクト」
「そうだな…」
エンゲージバースト案件だがどうするか…すると荒神の動きに変化が起きる。
手から雷を出し、刀を出現させるとこちらに切っ先を向けてきた。刀で戦えってことか…刀の勝負を挑まれたなら答えないとな。
「恋火…行けるな?」
「は、はい!」
「ちょ、ちょっと待って下さい! 二人だけで戦うつもりですか!?」
「イオンお姉様…気持ちはわかりますが、この顔のタクト様は譲りませんよ」
俺も必要なら使っている。しかしダイダラボッチの話ではこの荒神は新参…それなら俺は恋火とのエンゲージバーストのみで戦いたい。
「はぁぁ~…タクトさんには困ったものです…」
「仕方無いよ。イオンちゃん。タクトだもん」
「そうですね…恋火、お願いします」
「はい! 頑張ります!」
俺と恋火が左手を差し出す。
「「エンゲージバースト!」」
恋火が赤色の光となり、俺の指輪に入ると俺から炎が沸き上がる。
エンゲージバーストした俺の姿は銀髪長髪となり、狐耳と狐の尻尾が生えた。服装は水色の袴に左腰には無銘と恋月、右腰には陽火がある。
以前恋火が変化した姿と似ているのだろうが雰囲気は別格だろう。俺自身、味わっている世界が別格なのだ。すべての気配が強く感じる。リリーたちの心臓の音や筋肉の動きまで見えている気がする。
これが恋火が見ている世界なのか?
『凄いです…これがタクトお兄ちゃんが感じている世界なんですか?』
『ん? 恋火が普段感じている世界じゃないのか?』
『え? 違いますよ?』
これはまさか…恋火のスキルと俺が爺さんに叩き込まれたものが混ざりあってこの景色が出来上がったのか?
『…いざ』
荒神の声が聞こえた。その瞬間、荒神の刀を無銘で止める。速いし、重い!だが対抗出来ない程じゃない!
荒神の刀を弾き、陽火を抜き、斬りかかるが荒神は雷となって躱す。その瞬間、斬りかかってくる。俺はなんとか防いだ。
こいつの雷化…弱点は同じみたいだが、速さが桁違いだ。静電気を待っていたら、斬られるぞ。
それでも恋火とのエンゲージバーストならなんとかなる。雷を感じることが出来るし、相手の攻撃の気配がはっきり伝わる。
暫く後手に回ったが、こちらの感覚も掴んだ。そろそろ行かせて貰う!俺が刀を再び弾くと恋火が動く。
『黒炎!』
黒炎を纏った無銘で斬りかかるが雷となり、逃げられるが今度は縮地で雷を斬りかかるがそれを察知して、荒神は元に戻り、刀同士でぶつかる。
そして荒神は雷となると雷のまま斬り込まず、俺たちの手前で雷化を解除してきた。すると静電気が発生せず、攻撃が飛んできた。
『見切り!』
恋火の判断で斬撃を躱す。雷化の弱点をあんな風に克服してくるのか…すると荒神は雷になったり、解除を織り混ぜて攻撃してくる。こちらもアクセラレーションと恋火のスキルを駆使して、対抗する。
そこから空、地面で激しい剣撃の応酬となった。その間に荒神の苦しみが聞こえてくる。
『ムカつく。苦しい。痛い。憎い!』
それが変化してくる。
『強い。熱い。負けたくない。勝ちたい!』
そうだよな!強い奴と戦うとそういう気持ちになるよな!だからこそ俺たちも勝ちたいんだ!
すると無銘にヒビが入る。
『タクトお兄ちゃん!? 無銘が!』
『わかってる! だが戦いに集中しろ! 恋火! じゃないと負けるぞ!』
『は、はい!』
そして無銘の限界が来る。何度目になるかわからない打ち合いの最中に折れる。すまない…。
荒神の刀が迫るが躱し、俺は恋月を抜刀するがそれも止められた。
暫く二刀流で打ち合うが互いに距離が開ける。こいつに勝つためにはこれを使うしかないな。
『恋火! 血醒を使うぞ!』
『えぇ!? それはダメです! タクトお兄ちゃんにどんな負担が出来るかわかりませんよ』
『それでもやらないとこいつには勝てないだろう。ダメならそれでも構わない。挑まず負けることだけは俺はしたくないんだ』
『タクトお兄ちゃん…わかりました!』
俺は気持ちを落ち着かせる。
『「血醒!」』
使った瞬間、全身に激痛が走る。そして思考が呑み込まれそうになる。そして俺は恋火の血に刻まれた怨念を知ることになった。
目の前が真っ赤に染まり、そこから何かの意志を感じた。
『怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨』
どれほど怨めば気が済むんだろうか?恋火は血醒を使う度にこれと戦っていたのか?辛かっただろうに…。
これを知った以上、俺にも出来ることはある。何故ならこれは俺が昔、味わったものだからだ。
世界の何もかもが憎くなって、毎日呪いのように怨み続けた。その果てに有るものが何か俺は知っている。だからこそ俺は語りかける。
『恋火の血に潜む怨念よ…お前たちが何を怨んでいるのか俺は知らない。けどな…俺は怨みの果てには何も残らないことを知っている。それでも怨むことしか出来ない辛さも知っている』
だからこそ俺はかつて爺さんが俺にしてくれたことと同じ道を示す。
『俺たちは今から目の前にいる荒神を倒す。お前たちが怨むだけでなく、目の前の強者に勝ちたいと前に進む思いがあるなら俺たちにお前らの力を貸してくれ!』
俺がそう言った瞬間、インフォが来る。なんだ!?
『恋火の血醒の呪いを解除しました。血醒のデメリットが無くなりました』
痛みが消える。代わりに感じるのは熱気だ…戦いたくて、ぶっ殺したくて仕方無いみたいだ。オーラも静かな青色に変化している。すると空天狐の声が聞こえた。
『ようやく陰の側面を陽に転じさせることが出来たみたいやね』
『陰の側面を陽に転じさせる?』
『そうや。この子は陽の気質が強く、陰の気質を恐れてた。それじゃあ、仙人の力は存分に発揮できまへん。陰と陽合わせて、初めて仙人の力なんどす』
陰と陽を合わせるためにはさっきのを陽に変える必要があったわけか。
『そういうことどす。でも召喚主にそれをさせるようではまだまだやな』
『あ、あう…あ』
怒られた恋火だが、俺と恋火の連携が発動し、陽火に聖火と黒炎が混ざりあい、美しい紫の炎が陽火に宿る。まるでこいつで決めろと言わんばかりだな。
『やるぞ! 恋火!』
『はい!』
俺は恋月をしまうと身体を目一杯捻り、陽火を構える。今の状態ならやれるはずだ。行くぜ…御劔流最強の力技!
荒神も雷を纏い、必殺の構えを取る。
俺と荒神が同時に飛び出す。
『雷切!』
『捻爆!』
互いに刀を振るった瞬間、俺は縮地を使う。刃がぶつかり合うと思われた瞬間。
『朧!』
俺の刃は荒神をすり抜け、手に確かな手応えと同時に首に痛みが走る。
荒神の首は斬り落とされ、首は燃えていた。俺たちの首からは切り傷はあるが致命傷じゃない。辛うじて直撃は避けたからな。
捻爆は体を捻ることで溜めたパワーと遠心力を利用した力技。本来御劔流はこういう技はない。しかし剣士にはタイプがあり、御劔の歴史の中には剛剣の使い手は存在していた。
これは名も知らない人が編み出した大技。俺はそれを誘い手に使った。無銘が一方的に砕かれた刀に真っ向勝負で勝てると思うほど、俺は自信家じゃない。
「ノリが悪くてすまないな…」
『ボクを…止めてくれて…ありがとう』
荒神は光となって、消えた。そしてインフォが来ると俺もエンゲージバーストが切れて倒れる。ですよね~。
『職業召喚師のレベルが上がりました。ステータスポイント2ptを獲得しました』
『職業召喚師のレベルが上がりました。スキルポイント2ptを獲得しました』
『恋火の二刀流のレベルが20に到達しました。二刀流【デュアルスプラッシュ】を取得しました』
『依頼クエスト『凶暴化している妖怪たちを沈めよ』をクリアしました』
『特殊クエスト『荒神を討伐せよ』をクリアしました』
流石に神様を倒すと全員のレベルが上がるよな。ステータスポイントは筋力にして、残りのスキルポイント37ptとなった。
残ったのは神秘的な青いインゴット。鑑定する。
青生生魂:レア度10 素材 品質S+
神気を帯びた最高峰の伝説の青い金属。主に刀に使用され、その刃は退魔の刃、悪神殺しの刃と呼ばれている。
レア度10!?品質S+!?なんじゃこりゃ!?
いや、神様倒して手に入ったものだからそれなりのものなんだろうが…どうするよ…これ。いや、刀に使うわけだけどね。
『良いもの貰っただなぁ』
俺の背後からダイダラボッチの声がした。
「荒神は死んだのか?」
『神様はそう簡単には死なないど。荒神は邪悪な神気が抜けて、天界に帰っただけだぁ。その内神様の姿でお前さんの前に現れるかも知れないど。負けず嫌いだからな~』
来るな。めちゃくちゃ強かったんだぞ。恋火の血醒がないとヤバかった。間違いなく見切れず首を先に斬られていたからな。すると恋火が上から乗っかってきた。
「恋火?」
「…ありがとうございます。タクトお兄ちゃん」
「? どうかしたのか?」
「いえ、なんとなくそう言いたくなっちゃったんです」
血醒の呪いを解除した話かな?まぁ、恋火の役に立てたなら良かった。
「リリーも!」
リリーが空から落下してくる。やばい、動けない!?すると恋火が俺を持ち上げ、リリーを躱してくれた。
「ダメですよ? リリーお姉ちゃん。タクトお兄ちゃんは疲れているんです」
「む~。恋火ちゃんばかりズルいよ!」
「まぁ、今回は恋火も頑張りましたし、新しいタクトさんを見ることが出来ましたからいいではありませんか」
「狐耳マスター、永久保存しました」
しなくていい。
「えぇ!? あたし見てないです! ズルいです!」
「私たちもエンゲージバーストした時の姿は知らないんですからズルくはないですよ」
「うぅ~」
俺を見られても何も出来ないぞ?運営に言ってくれ。
『仲良いんだなぁ』
「リリーたちはみんな仲良しだよ!」
そう断言するリリーは凄いよな。
『そうかぁ。それは良いことだなぁ。報酬はオラが拾った空から落ちてきたものだぁ』
空から落ちてきたもの?なんだ?渡されたのはなんかメタリックな石だ。鑑定する。
メテオライト:レア度9 素材 品質S-
地上では本来存在しない宇宙金属。宇宙にはたくさんあるが地上では滅多に手に入ることはない。用途は全く不明の金属。
宇宙金属ってなんだ!浪漫を感じぜずにはいらなれないな!
「これはメテオライトですか?」
「イクスは知っているのか?」
「はい。私たちの船に使われている金属です。他にも私たちの体にも使われます」
エクスマキナは宇宙から来た設定だからな。間違いなくこれから重要になる金属だろう。
「ありがとうございます」
『お礼を言うならオラのほうだぁ。ありがとなぁ』
そういうとダイダラボッチは消えた。
俺はワープゲートを設置して、宿屋に帰った。
名前 タクト 寵愛の召喚師Lv8→Lv9
生命力 134→136
魔力 304→308
筋力 122→124
防御力 70
俊敏性 90
器用値 196→199
スキル
格闘Lv35 蹴り技Lv32 杖Lv39 片手剣Lv41→Lv42 槍Lv30
刀Lv34→Lv36 投擲操作Lv4 詠唱破棄Lv26 魔力操作Lv14 魔力切断Lv13→Lv15
召喚魔術Lv40 封印魔術Lv35 ルーン魔術Lv18 騎手Lv40 錬金Lv27
採掘36 伐採Lv39 解体Lv50 鑑定Lv43→Lv44 識別Lv47→Lv48
疾魔法Lv13 炎魔法Lv8 地魔法Lv10 海魔法Lv11 暗黒魔法Lv9
神聖魔法Lv16 雷魔法Lv43 爆魔法Lv45 木魔法Lv31 氷魔法Lv35
時空魔法Lv51 獣魔魔法Lv6 遅延魔法Lv14 連続詠唱Lv32 水中行動Lv25
縮地Lv19 読書Lv16 料理Lv44 釣りLv20 シンクロLv28
エンゲージLv9 連携Lv17→Lv18
名前 リリー ドラゴニュート・ホープLv5→Lv7
生命力 162→164
魔力 166→168
筋力 292→300
防御力 122→124
俊敏性 134→136
器用値 124
スキル
星拳Lv23 飛翔Lv36 片手剣42 大剣Lv38 鎚Lv18
危険予知Lv29 超感覚Lv29 竜眼Lv25 星読みLv30 物理破壊Lv21
星鎧Lv22 星壁Lv15 星雨Lv11 聖櫃Lv4 星光Lv5 連撃Lv26
集束Lv9 超再生Lv18 星気Lv40 光魔法Lv20 星波動Lv15
逆鱗Lv3 竜技Lv23 竜魔法Lv6 竜化Lv8 ドラゴンブレスLv12
起死回生Lv4 星竜の加護Lv19
名前 イオン ドラゴニュート・スワローLv4→Lv6
生命力 135
魔力 220→226
筋力 144→146
防御力 92
俊敏性 272→280
器用値 182
スキル
二刀流Lv47 槍Lv9 投擲操作Lv30 飛翔Lv33 超感覚Lv28
魔力操作Lv10 魔力切断Lv20 高速遊泳Lv31 竜眼Lv23 水分身Lv12
氷刃Lv33 蒼雷Lv23 多連撃Lv30 水魔法Lv24 時空魔法Lv22
水流操作Lv4 蒼海波動Lv15 水圧結界Lv10 雹Lv14 星氷装甲Lv13
氷牢Lv4 逆鱗Lv2 竜技Lv21 竜化Lv9 竜魔法Lv6
起死回生Lv3 ドラゴンブレスLv9 星海竜の加護Lv20 料理Lv26
名前 セチア ホーリーエルフLv4→Lv6
生命力 140→142
魔力 292→300
筋力 124→126
防御力 93
俊敏性 116
器用値 268→274
スキル
杖Lv22 魔法弓Lv38 鷹の目Lv30 射撃Lv29 木工Lv29
採取Lv37 調薬Lv20 刻印Lv13 宝石魔術Lv6 宝石細工Lv6
封印魔術Lv10 連続詠唱Lv17 同時詠唱Lv17 魔力操作Lv12 風魔法Lv18
火魔法Lv27 水魔法Lv28 土魔法Lv22 闇魔法Lv15 神聖魔法Lv10
雷魔法Lv19 爆魔法Lv21 木魔法Lv25 氷魔法Lv19 樹魔法Lv24
罠設置Lv5 森林操作Lv9 ホーリーエルフの知識Lv27 精霊召喚Lv9
精霊結界Lv8 精霊魔法Lv3 列石結界Lv4 使役Lv10 料理Lv23
名前 恋火 ハーミットビーストLv5→Lv6
生命力 155
魔力 202
筋力 228→231
防御力 100
俊敏性 262
器用値 154→156
刀Lv33→Lv35 二刀流Lv18→Lv20 鎌鼬Lv15→Lv17 炎魔法Lv12 時空魔法Lv9→Lv11
黒炎Lv21→Lv23 聖火Lv29→Lv30 火炎操作Lv4 天耳通Lv31→Lv32 他心通Lv10→Lv13
危険予知Lv33→Lv34 気配遮断Lv3→Lv5 魔力切断Lv14→Lv16 物理切断Lv11→Lv13
霊力Lv15 仙気Lv13→Lv15 仙術Lv11→Lv13 幻影Lv8→Lv10 神道魔術Lv11
見切りLv17→Lv18 縮地Lv24→Lv26 神足通Lv15→Lv18 妖術Lv5 血醒Lv9→Lv10
料理Lv25 ハーミットブレスLv7 狐技Lv9 神降ろしLv2 獣化Lv5
名前 イクス アモールエクスマキナ31→Lv34
生命力 164→167
魔力 164→167
筋力 134→137
防御力 164→167
俊敏性 134→137
器用値 134→137
スキル
飛行Lv17 機人兵装Lv32 暗視Lv15 望遠Lv23 射撃Lv27
必中Lv3 詳細解析Lv10 演算処理Lv27 行動予測Lv22 索敵Lv27
反射Lv13 連射Lv22 加速Lv3 バリアLv1 空間把握Lv4
換装Lv9 リンクLv20 魔力充電Lv19 リミッター解除Lv3




