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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
怒れる海神と和の国桜花
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#499 桜花の店巡りと伝説の刀鍛冶

翌日、朝食を食べてからゲームにログインする。


すると女将さんが来て、朝食を作ってくれるらしい。というわけでリリーたちとまた朝食を食べる。


『ずず~…ふぅ』


味噌汁が旨い…焼き鮭、だし巻き玉子、白菜の漬物…完璧だ。流石薦められただけはある。


食べていると宗次郎が来た。


「皆さん。おはようございます!」


「あぁ、おはよう。今日はどうしたんだ?」


「タクト殿に桜花の町を案内しようと思いまして」


律儀だね。じゃあ、せっかくだし、案内を頼もうかな。その前に食材と魔塩除去剤と塩害防止剤をお城に届けないとね。


というわけで島でサバ缶さんからそれらを受け取り、俺は桜花のお城に物資を届けると聖徳太子から新たなクエストが発生した。


「先日の魔塩のせいか北の森や鉱山で妖怪の被害報告が来ておってな。出来れば解決してくれないか?」


インフォが来る。


『依頼クエスト『凶暴化している妖怪たちを鎮めよ』が発生しました』


依頼クエスト『凶暴化している妖怪たちを鎮めよ』:難易度S

報酬:桜花の印籠

凶暴化している妖怪たちの原因を調べ、解決せよ。


みんなが予想した通りのクエストが来たな。難易度が高いからクリア出来るかわからないことを念頭にと受けてみた。その後、宗次郎に町のお店を案内して貰った。


「兄ちゃん! どうだい! 桜花名物、桜花煎餅!」


「タクト…」


「はいはい…おっちゃん。全員分くれ」


「毎度!」


その後も桜花名物を薦められた。


「どうだい! 兄ちゃん! この招き猫!」


「あたしが作った狸の置物はどうだい?」


「そんな狸の置物より安いこけしはどうだい? お値頃だよ」


「こけしよりこの人形はどうだい? この髪…伸びるんだよ」


熾烈な商売合戦だ。そして日本人形の髪伸びるのはホラーだろう。売るのやめてくれ。


「すみません。みんな、タクトさんのことを知っているもので」


つまり俺が金持ちだと思って狙っているわけね。誰だ?広めたのは?俺の頭にくノ一三人が浮かんだ。そんな中でも俺は足が止めてしまう物があった。


「甘~いお汁粉にみたらし団子! 数量限定だよ!」


これは足が止まるしかない。しかも緑茶まであった。いいお店を見つけた。更に足が止まったのはこちら。


「お! お兄ちゃん! 外の人なんだって? それなら桜花名物! 温泉石を買うべきだ。なんとこの石を水に入れるだけで温泉になるって代物さ! 勿論効果はそのまま!」


鑑定する。


温泉石:便利アイテム

温泉を作ることが出来るアイテム。


「買います!」


「毎度!」


自宅で温泉に入れるのは夢だろう。ギルドにも必要だろうからたくさん買った。


今度はセフォネが足を止めた。


「タクトよ。これはなんじゃ?」


「それは将棋だな。セフォネがやっていたオセロに近い遊びだよ」


「何!? そ、それは気になるのう」


はいはい。買おうね。


「将棋セットが欲しければ俺を倒してからじゃないと売れないな!」


意味不明のクエストが発生した。


特殊クエスト『将棋で勝利せよ』難易度E

報酬:将棋セット

将棋店の店主に将棋で勝利せよ。


別に普通に作れるが、セフォネたちにルールを教えるにはいい機会か。というわけで勝負した。一時間後。


「…参りました」


アイム、ウィナー!すると将棋を見ていた宗次郎とイオンたちが感想を言う。


「これは…酷い」


「王様さんが可哀想でしたね…タクトさんの王様の周辺動いていませんよ」


「タクトとの対戦のトラウマを思い出したのじゃ」


だって、弱いんだもん。この人…難易度Eだから仕方ないかも知れないが最初は一点突破を狙って来たがそれを防いでから攻め手がなくなり、ただ駒を動かすだけ。それじゃあ、将棋には勝てない。


どのように駒を使い王様を守り、相手の王様を詰ませるかが将棋というゲーム。無意味な駒の移動はあってはならない。それは隙を作ることに他ならないからだ。


というわけで一度の王手も許さず勝利した俺は将棋セットをゲットした。


将棋セット:通常アイテム

将棋盤と駒がセットになったアイテム。将棋で遊ぶことが出来る。


暇で寝ていたリリーたちを起こし、移動を再開するが玩具ゾーンにリリーたちは興味津々でその度に戦うことになった。


不覚にも独楽勝負に負けるともう一度勝負するのに金を取られた。それで完全に俺の心に火が着いた。上等だ!こら!全部制覇してやる!


『称号『桜花玩具の覇者』を獲得しました』


称号『桜花玩具の覇者』

効果:桜花の玩具を割引、桜花の玩具が全て解放

桜花の玩具店を制覇した者に贈られる称号。


あまり嬉しくない称号をゲットしてしまった。というわけでリリーたちの手には玩具が一杯だ。


何故か巻き取り紙が大人気。自分の舌が伸びるみたいで面白いみたいだ。


因みに勝負内容は竹トンボの飛距離勝負や紙飛行機の滞空時間勝負、ベーゴマ、輪投げ、花札、けん玉の勝負をしたが何故かヒートアップしてしまった。


「宗次郎、勝負だ! この前の決闘の借りを返す!」


「望むところです!」


竹トンボ、紙飛行機、花札、けん玉で勝ったがベーゴマ、独楽、輪投げでは負けた。


「これで…四勝四敗だな!」


「はぁ…はぁ…ですね!」


俺が日本人だからかな?そこで宗次郎が目的があって、移動していることに気がついた。


「宗次郎はどこか目的があって、案内しているのか?」


「はい! タクトさんなら絶対に喜ぶのでは無いかと」


なんだろう?案内されて納得した。そこは刀鍛冶屋だった。喜ぶに決まっている。しかし問題は開いていないことだ。


「あ、あれ? 今日は休みではないはず」


「あら? 宗ちゃん。どうしたの?」


「あ、女将さん。親方さんに会いに来たんですが、どうかしたんですか?」


「実は鉱山に行ったら、妖怪に襲われてね…命に別状はないけど、怪我しちまってね。暫く休みだね」


なんだって~!刀鍛冶を襲うとは許せない!ぶっ殺したろうか…そいつ。


「そんな…一目会わせてもらっていいですか?」


「あぁ、退屈しているから会ってやっておくれ。お客さんもどうぞ。刀…好きなんだろう?」


ありゃ…バレてる。家にお邪魔して、刀鍛冶の人に会わせて貰った。


「客で来てもらったのか…悪いな…ん? お前さん、その刀」


「見てもらえますか? うちの鍛冶師が作ったものです」


「あぁ…どうせ見ることぐらいしか出来ないからな。ちょいと拝見させてもらうよ…ほぅ…む? ぬぅ~…」


色々細かく見ている。すると刀鍛冶のおやっさんは無銘を返す。


「刀としては全然ダメだな~」


やっぱりか。


「ただ人が書いた本を見て、殆ど初めて打ってこれを作ったんだから大したもんだ…刀のデザインはお前さんがしたな?」


「刀を見て、そこまでわかるんですか!?」


「あったりまえよ! 年は取ったがこの大原安綱(おおはらやすつな)、刀に関してはなんでも知ってらぁ! 誰にも負けやしねーよ!」


はい。この人、超大物です。平安時代初期の刀工で個人名が知られている日本の刀工では最古参と言われている人物だ。因みにこれは正しいかは定かではない。


確かなことはこの人は日本刀の中でも最強の一本と言われる国宝であり、天下五剣の一つ。童子切安綱(どうじぎりやすつな)を作った人であるということ。


童子切安綱は源頼光(みなもとのよりみつ)の刀で日本三大妖怪で挙げられる酒呑童子(しゅてんどうじ)の首を落とした刀だ。そりゃ自信がある筈だよ。


「刀の打ち方を正しく学び、素材も完璧に揃えたら、こいつは化けるだろうな。当然俺は越えられねーだろうがな!」


負けず嫌いだよね~職人さんは。だからこそいいものが作れるんだけどね。そこで俺は疑問に思った。


「素材は正しくないんですか?」


「間違いではないんだがな…やはり真砂砂鉄(まささてつ)で作った玉鋼が最高だろうな」


砂鉄の上があったのか…ガッテム。


「それに魂鏡鉄(たまかがみてつ)も使わないと刀は真の力を発揮しねーんだよ」


また知らない素材だ。


「その魂鏡鉄というのは?」


「刀はな…持ち主の魂を映し出す鏡と言われている。逆に言うと魂を刀に宿すことが出来るんだよ。それを可能にするのが魂鏡鉄だ。どんなものの魂を宿すのかで刀の評価は大きく変化する。お前さんは武将の必殺技を見たかい?」


「はい。上杉謙信さんと武田信玄さんの技を見ました」


「その二人なら上杉謙信のほうがいいな。あれは竜天と呼ばれるドラゴンの魂と契約することにより、刀にその力を宿したことで必殺技を使っているんだ」


契約が関係しているならもしかして俺は黄龍との必殺技が可能になるんじゃないのか!?見せてみるとダメと言われた。理由は杖に使っているから。しかし他にはない…ん?ドラゴンの魂?もしかしてあの素材たちが使えるんじゃないのか!


俺は慌ててドラゴンの試練で手に入れた竜石シリーズを見てもらった。


「…おいおい。こりゃとんでもない物を持ってきたな! これなら使えるぞ」


やった!ドラゴンの試練で頑張ったのは無駄じゃなかった!後は他の素材だ。


「先ほど教えていただいた刀の素材はここで取れるんですか?」


「あぁ。真砂砂鉄は俺が怪我した北の鉱山で取れる。今は凶暴化した妖怪だらけだから手が付けられん。魂鏡鉄は更にその先の山で取ることが出来るぞ」


それって聖徳太子から貰ったクエストと被っているよな。まぁ、被って無くても俺の心は決まった。


「行く気かい?」


「はい」


俺の今日の予定は決まった。俺オリジナルの必殺技、最強の刀のためなら俺はなんだってしてやるさ。


「いい目をしてやがるな! そうだな…お前さんが鉱物を持ってくるなら、玉鋼の作製の口利きと刀の打ち方をお前さんの専属鍛冶師に教えてやってもいい。どうだ? 乗るかい?」


マジっすか!なんていい人なんだ!いや、これはへーパイストスが一生懸命刀を作ってくれた成果と見たほうが良さそうだな。


「もちろん乗ります」


「決まりだな。まずは真砂砂鉄で真玉鋼を作らねーといけない。それから刀鍛冶を始めるからその時になったら、ここにおまえさんの専属鍛冶師を連れてきてくれや。たっぷりしごいてやるからよ」


へーパイストス…頑張ってくれ!俺も素材集め頑張るから!こうして俺は鉱山の妖怪退治に向かった。

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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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