#466 海神クエスト対策会議
俺はワールドクエストのインフォを見て、ギルドに来るとみんな続々集まって来た。
「ギルマス!」
「ワールドクエストが!」
「わかっている。とりあえず情報がない。みんなで対策会議を開こう」
『はい!』
みんなが集まる前にワールドクエストの内容を確認する。
ワールドクエスト『怒れる海神』:難易度C
報酬:なし
対象:全プレイヤー
怒り狂っている海神の怒りを鎮めよ。
報酬なしで難易度がC?なんだ?このクエスト。
考えているとみんなが集まり、会議をする。
「まず今回のワールドクエストはキーがなんなのかはっきりしていないみたいです」
「タクト君は心当たりはないかしら?」
「全くないですね…最近海にすら行ってないです」
「上級クエストばかりしていたものね」
そもそもなんで俺がキーになっているんだ?確かにキマイラは俺だったが、ゾンビは違うぞ。
「チロルたちは何か知らないか?」
「私たちも最近海に行っていないので、わかりません」
シャローさんたちも最近海に行っていないそうなので、とりあえず全員で海を確認しにいった。
「…普通の海ですね」
「えぇ…海の流れも静かです。荒れているようには見えませんね」
これはどういうことだろう?
「ゾンビイベントはすぐには来なかったわ。今回もそういうタイプのクエストじゃないかしら?」
「その可能性が高そうですね…」
「一応空から偵察してますか?」
「そうですね…私はネットで情報を調べてきます」
俺はアルさんと他のレッサーグリフォン、ワイアームがいる人たちと偵察しに海に出るが、結局何も無かった。
「もう少し探しますか?」
「夜ですし、やめておきましょう」
「そうですね…サバ缶さんが何か情報を見つけたかも知れませんし、一旦ギルドに戻りますか?」
「そうですね」
というわけでギルドに戻ったが、結局情報がない。
「とりあえず現状では動きようがありませんね」
「情報があれば動けるんですけどね…これはトリガーを引いた人が黙っている線が濃厚だと思います」
まぁ、こちらに被害が出ないなら、それでも構わないさ。問題は被害がこちらに出た場合だ。
「とりあえず、今は何かあるかも知れないと考えて、備えるしかないですかね?」
「そうね…生産のほうは島のお陰で軌道に乗ってきたわ。特に食材はかなり余裕は出てきたわね。念願の米が明日収穫できるらしいから楽しみにしているといいわ」
ギルド全体から歓声があがる。やはりみんな楽しみだよな。
「タクトさんならお米料理、何を作りますか?」
「魚介があるからパエリア、海鮮チャーハン、ピラフ、贅沢にお寿司、海鮮丼とか食べたいね。カレーが作れないのは辛いところだ」
『わかる!』
やはりこういうのはみんな同じだよな。そのためにはまたクエストを受けないといけないわけだが、今はワールドクエスト対策だな。
「あ、そうだ! タクトさんに相談があるんでした!」
「ん? なんですか? ユウナさん」
「いえ、大した話ではないんですが…いや結構大きい話かも…実は小麦粉の登場で現在フリーティアは大盛況を見せているんです。特にパンとラーメンの登場はオイルショック並です」
うん。言いたいことはなんとなくわかるがオイルショックは意味が一致していないな。
「正直、私たちのお店では全然抱えきれていないんです。そこでそれぞれ専門店を作ったら、どうかと」
うむ…それは確かにそうするべきだろうな。
「人材はどうするんですか?」
「それなら」
「私、パン屋さんをやってみたいです!」
「ラーメン屋をやらせてください!」
おぉ…意外に人気あるな。そして当然これだけではない。
「お菓子屋さん、出したいです!」
「ケーキ屋さんやりたい!」
「回転寿司屋出したい!」
「あぁ~、わかったわかった…とりあえず専門店の話は俺も賛成だ。ルインさんはどうですか? ルインさん?」
ルインさんがぶつぶつ計算している…なんか怖い。
「お~い。ルイン姉。帰ってこないとみんな引いてるよ」
「…え? あ、ごめんなさい。専門店の話なら私は大賛成よ。ただし、人を雇うにしても慎重に選んでね。後、一遍に専門店を出すのは無理よ。素材が足りないわ」
確かに小麦粉の生産が全然追いつかなくなるだろうな。とりあえずパン屋を作ることになった。次はラーメン屋と決まった。
ジャンヌにパン屋の話をすると是非パン屋をやりたいとのことだったので、任せることにした。結果パン屋の名前が『オルレアンベーカリー』に決まった。名前だけでジャンヌがいることがわかるな。
結局今日は全員で情報を気を付けつつ、それぞれ生産やレベルアップをすることで決まった。俺は生産をして、ログアウトした。