#461 砂漠王の谷の防人
学校が終わり、スーパーで買い物をしてからログインする。
今日はずっと放置していたサンドウォール砂漠のクエストの続きをする予定だ。メルたちも攻略を進めていて、もうすぐ俺に追いつくみたいなので先にゴールしようと思う。
その前に召喚をしよう。狙いは昨日一回失敗したレッドウルフだ。
一回目は失敗して、二回目に魔方陣が赤く光る。一回目では中々無理だよね。
召喚されたレッドウルフは寝ていた。ジークに似ているな…この子。
「おーい…」
鼻ちょうちんが割れると起きて、俺と目が合う。
「きゃうん!?」
「ぐは!?」
驚いて、飛び起きると俺に蹴りが入った。
「…」
「ガ、ガウ…」
地面に伏し、顔のところで手を合わせてごめんなさいをするレッドウルフ。芸達者な奴だ。
「驚かしたのは俺だから謝らなくいいよ。俺の名前はタクト。お前を召喚した召喚師だ」
「ガウ!」
俺が許した途端、謝るのを止めるレッドウルフ。こいつはお調子者かな?名前を付けるのを待っているみたいなので、早速付けよう。
「ミュートなんてどうだ?」
「ガウ!」
いいね!って感じのリアクションだ。実はこの名前は優牙を名付ける時に迷った名前だ。なぜなら元ネタがアラスカン・マラミュートだからだ。
なぜこの犬の名前を選んだのか?好きだからです。柴犬のようなほのぼの系の犬と毛並みがふかふかの犬が好きなんだよね。まぁ、飼ってはいないわけだが。ステータスはアディスと同じだが、一応確認しておこう。
名前 ミュート レッドウルフLv1
生命力 20
魔力 14
筋力 35
防御力 15
俊敏性 25
器用値 20
スキル
噛みつきLv1 気配察知Lv1 夜目Lv1 危険察知Lv1 火の牙Lv1
まぁ、同じだな。これで俺が召喚出来る数は5となった。
「これからよろしくな。ミュート」
「ガウ!」
これでオルトロス召喚の準備が整った。後はどうしても気になる奴がいるからそれを召喚して、召喚ラッシュは終わりだな。
サンドウォール砂漠に行く前にファリーダから情報を貰う。
「前にも言ったと思うけど、残っているのはメルセゲル、セトの使徒よ。この二人が神の試練がある神殿に行くための最後の難関よ」
「どのくらい強いんだ?」
「メルセゲルの使徒はそこまで強くないわ。ただメルセゲルは死者の守護者と呼ばれていて、彼女のいる砂漠王の谷がやっかいでね…彼女を歴代の王たちのミイラが守るのよ」
つまりエジプトのファラオのミイラと戦うことになるってことか?有名なのはツタンカーメンだが、どんなファラオが来るか全くの謎か…言えることは間違いなく強いだろうということだ。
「更にミイラだから当然不死なんだけど、神聖属性で倒してもメルセゲルの使徒が復活させてしまうから、基本は一対一で戦って、メルセゲルの使徒を先に倒す形になるわ」
「なるほどね…ファリーダ、倒せるか?」
「今の私ではメルセゲルの使徒には勝てないわ。彼女は蛇の使い手でもあってね…彼女が扱うクサリヘビが私には天敵なのよ。タクトなら効果を受けないだろうから速さもあるし、任せるわ」
蛇を使う女性と戦うのか…まぁ、敵なら斬り捨てるだけだな。
メンバーはリリー、恋火、イクス、ファリーダ、ストラだ。
ファリーダの案内でストラに乗り、砂漠王の谷に向かう。
見えてきた砂漠王の谷でイクスが敵を見つける。
「谷の前に敵がいます。マスター」
「イクス、狙えるか?」
「問題ありません」
なら悪いが先制攻撃と行こうか。
「狙い撃ちます」
イクスのエネルギースナイパーライフルがメルセゲルの使徒に届くかと思った瞬間、突如砂漠から現れたミイラに弾かれた。
そして次々、メルセゲルの使徒の周囲にミイラが現れ、メルセゲルの使徒も戦闘体勢になる。
メルセゲルの使徒?
? ? ?
トトメスミイラ?
? ? ?
ハトシェプストミイラ?
? ? ?
トトメスの神官ミイラ?
? ? ?
ハトシェプストの神官ミイラ?
? ? ?
バーバリライオンミイラ?
? ? ?
こちらの数に合わせてきた感じだな。しかもご丁寧に編成まで同じだ。
先ほどエネルギースナイパーライフルを剣で弾いたのがトトメスミイラだ。トトメスは恐らくトトメス三世のことだろう。彼の統治時代にエジプトは最大の領土を獲得したことで有名なファラオだ。カルナック神殿に祝祭殿があることでも知られている。
ハトシェプストは古代エジプト最初の女性ファラオと呼ばれているファラオだ。トトメス三世の義母で幼かったトトメス三世の代わりに実権を握っていたファラオと言われている。後にトトメス三世に実権を奪い返させ、トトメス三世は彼女の像を破壊したことで有名だ。
つまりは同じ時代で仲が悪いはずのファラオが登場したことになる。
バーバリライオンはエジプトからモロッコにかけて、生息していたと言われている大型のライオンだ。現在では絶滅している。ローマ帝国の剣闘士やエジプトの王は自らの強さの証明として大型のライオンを狩ることがあった。
恐らくバーバリライオンとファラオの繋がりを考えて、出てきたんだろうな。
俺たちは砂漠に降りる。
「トトメスミイラはリリー、トトメスの神官ミイラは恋火、ハトシェプストミイラはファリーダ、ハトシェプストの神官ミイラはイクス、バーバリライオンミイラはストラが頼む」
『わかった(はい)!』
俺は無銘を取り出し、構える。するとトトメスミイラが地面に大剣を突き刺した。突き刺した大剣から発生した砂塵が俺たちを襲う。
「グランドスラッシュ!」
リリーも対抗し、更に迷わず砂塵に突っ込む。そしてリリーの攻撃をトトメスミイラが受ける。
「む!」
リリーとトトメスミイラが砂塵の中でぶつかり合う。リリーと互角に打ち合えるだけで化物クラスだ。ファラオの名は伊達ではないか。
リリーとトトメスミイラの対戦にトトメスミイラの神官ミイラが援護に向かう。それを恋火が阻止する。
「あなたの相手はあたしです!」
恋火の刀を剣で止めたトトメスミイラの神官ミイラが弾くと剣戟のラッシュが始まる。こっちは恋火が優勢だな。
その恋火に魔法が放たれるとファリーダが魔弾で撃ち落とす。
「あんたの相手は私よ。おばさん」
ハトシェプストミイラは得物を杖から槍に変化させ、構える。
「ノクターンね…面白いわ! 魔力阻害!」
ハトシェプストミイラとファリーダがぶつかる。流石に槍と斧では斧のほうが攻撃力が高いため、ハトシェプストミイラはファリーダの接近を嫌い、三連星を連打するがファリーダは躱し、隙を見て槍を弾き、接近する。
そこに短剣を二本持ったハトシェプストの神官ミイラがフォローに入ろうするがイクスがツインエネルギーソードで襲いかかる。
「あなたの相手はわたしがさせて貰います」
互いにぶつかる。イクスはやりづらそうだが、リーチの差があるし、イクスなら対応するだろう。
後、メルセゲルの使徒を守るのはバーバリライオンミイラだけだ。
しかしこのバーバリライオンミイラ。ストラの火炎弾を受けても、真正面から受けては復活し、その場から動こうとしない。他と違い優秀だな…寧ろファラオたちがバーバリライオンミイラを信頼していると言っていいだろうか。
俺はストラに聞く。
「強引にどかせられるか? ストラ」
「シャー!」
ストラが飛び込むとバーバリライオンミイラを足で捕まえる。するとバーバリライオンミイラはストラの足に噛み付く。
ストラのガッツに答えないとな。
俺が縮地で間合いを詰めると、メルセゲルの使徒が地面にクサリヘビの大群を呼び出し、俺に嗾けてきた。ここで引いたら、俺はストラの頑張りを無にすることになる。
「どけぇえええ!!」
襲いかかってくるクサリヘビに斬りかかるが、クサリヘビは斬られながらも噛み付いてくる。そんなものに怯む俺じゃないぞ!
「っ!?」
更にメルセゲルの使徒は手からクサリヘビを出すが、こちらも更に縮地を使う。移動したのはメルセゲルの使徒の背後。
「朧」
こちらに気付きバックステップで躱そうとしたメルセゲルの使徒だが、目の前の斬撃が幻に消え、本命の斬撃がメルセゲルの使徒を斬り裂く。それでもメルセゲルの使徒はクサリヘビを俺に出してくるが、俺はクサリヘビを無銘で刺し貫き、そのままメルセゲルの使徒も貫いた。
「悪いな…」
俺は貫いた無銘を振り抜き、距離を取る。
『『『チェーンエクスプロージョン』』』
メルセゲルの使徒はチェーンエクスプロージョンの直撃を受けて、倒れた。
俺は自分を回復させるとストラの方に向かう。ストラはバーバリライオンミイラと噛み合っている。
俺はストラを回復させながら、バーバリライオンミイラを蹴る。
しかしバーバリライオンミイラはびくともしなかった。そして俺に噛み付こうとする。
『テレポート』
俺はバーバリライオンミイラの上に移動し、無銘で切り落とす。しかしバーバリライオンミイラは蘇生する。しかしこれでストラが自由になった。
ストラが尻尾でバーバリライオンミイラをぶっ飛ばす。
『『『シャイニング』』』
閃光がバーバリライオンミイラを灼き、消滅させる。
「よく頑張ったな。ストラ」
「シャー」
さて、他のみんなはどうだ?
見ると恋火が正面から見事に勝ち、イクスが不意打ちしてハトシェプストミイラを倒した。トトメスミイラはリリーと絶賛戦っているがリリーが完全に押されている。
「むぅ~!」
リリーはやりづらそうだな…リリーがやりづらい理由は大体星読みと超感覚が関係している。トトメスミイラを見ると基本的に備えて待っている。
そしてリリーが斬り掛かるとそれに対処して、斬りかかる。リリーが躱そうとしている方向に的確に攻撃をしている。リリーは星鎧でガードしているから大丈夫だが、敵のスキルの正体は大体わかるな。
「リリーの未来の先を読んでいるな」
「そうね…恐らく先読み。これはやりにくいでしょうね…しかも超感覚を持っているみたいだし」
「どうしましょうか? タクトお兄ちゃん」
「…リリーを信じてみよう」
しかしリリーの旗色は徐々に悪くなっていく。やがて削られ続け、魔力が少なくなったリリーは勝負に出た。
「星波動!」
しかし星波動は斬られて、リリーは力尽きた。そしてトトメスミイラは大剣を俺に向ける。どうやら戦えと言っているようだ。リリーにトドメを刺さなかったし、受けて立とう。
「大丈夫ですか? リリーお姉ちゃん」
「うぅ~悔しい~」
「リリー…よ~く見てろ」
俺は無銘を構える。トトメスミイラは大剣を構える。俺から仕掛ける。
俺の斬撃にも対処してくるが俺は刀を引き、再び斬りかかる。それも止められる。俺はその場で回転し、再度斬りかかるがそれも受け止めて、弾くと斬りかかってくる。
悪いが読み合いなら負ける気はしない。御劔流、流突!
俺は無銘の頭でカウンターを放つ。顔に命中し、トトメスミイラの動きが止まる。俺は無銘をそのまま上段に構え、トトメスミイラを斬り落とした。
トトメスミイラは復活するが俺はそれに背を向ける。勝負は俺の勝ちだ。これ以上付き合う必要はない。
「恋火、イクス、頼む」
「いいですか? 何かアピールしていますが」
「勝負に待ったはない。これ以上の勝負に応じる必要はないな」
激高したトトメスミイラが背後から斬りかかってくるが、それをイクスが片方の剣で受け、もう片方の剣で斬り裂く。動きが止まったトトメスミイラに更に連続で斬りかかり、細切れにした。結局イクスが三人倒したか。
「あぁ~!? タクトお兄ちゃんはあたしにも頼んだのに!」
「早い者勝ちです」
「むぅ~」
まぁ、倒したもん勝ちだよな。さて、メルセゲルの使徒を解体するか。
シェン:重要アイテム
永遠を意味する護符。ホルスの鷹に握らせて王権の永続を願う際に使用される。砂漠の王族たちを味方にすることができる。
クサリヘビの出血毒:レア度7 素材 品質B
クサリヘビが有している毒。体の内部を毒で犯す特殊な毒。特に人間には非常に恐ろしい毒で暗殺にはよく用いられる毒。
これでリーチだ。クサリヘビの出血毒とは恐ろしい毒が手に入ったな。
後はこの谷を抜けたら、最強の使徒であるセトの使徒との戦闘だ。
キャンプセットを使い、ログアウトした。
名前 タクト 寵愛の召喚師Lv6
生命力 130
魔力 295
筋力 120
防御力 70
俊敏性 90
器用値 190
スキル
格闘Lv33 蹴り技Lv30 杖Lv38 片手剣Lv40 槍Lv28
刀Lv31→Lv32 投擲Lv18 詠唱破棄Lv24 魔力操作Lv11 魔力切断Lv9
召喚魔術Lv40 封印魔術Lv35 ルーン魔術Lv13 騎手Lv38 錬金Lv25
採掘Lv35 伐採Lv36 解体Lv49 鑑定Lv41 識別Lv46
疾魔法Lv13 炎魔法Lv7 地魔法Lv9 海魔法Lv11 暗黒魔法Lv9
神聖魔法Lv15→Lv16 雷魔法Lv41 爆魔法Lv44 木魔法Lv31 氷魔法Lv35
時空魔法Lv49 獣魔魔法Lv6 遅延魔法Lv14 連続詠唱Lv29 水中行動Lv23
縮地Lv10→Lv11 読書Lv16 料理Lv42 釣りLv20 シンクロLv28
エンゲージLv8 連携Lv14
名前 リリー ドラゴニュート・ホープLv5
生命力 162
魔力 166
筋力 292
防御力 122
俊敏性 134
器用値 124
スキル
星拳Lv22 飛翔Lv34 片手剣42 大剣Lv38 鎚Lv14
危険予知Lv24→Lv26 超感覚Lv24→Lv26 竜眼Lv22 星読みLv25→Lv27 物理破壊Lv19
星鎧Lv18→Lv20 星壁Lv13 星雨Lv9 聖櫃Lv4 星光Lv5 連撃Lv24
集束Lv8 超再生Lv18 星気Lv39 光魔法Lv20 星波動Lv14
逆鱗Lv2 竜技Lv22 竜魔法Lv6 竜化Lv8 ドラゴンブレスLv9
起死回生Lv4 星竜の加護Lv17
名前 ストラ ワイバーンLv18→Lv19
生命力 146→148
魔力 152
筋力 168
防御力 92→94
俊敏性 157→160
器用値 107
スキル
飛翔Lv31→Lv32 噛みつきLv15→Lv17 竜尾Lv12 竜爪Lv10→Lv12 毒竜鱗Lv19→Lv21
強襲Lv20→Lv21 奇襲Lv9 猛毒Lv17→Lv19 猛毒ブレスLv15 腐蝕ブレスLv18
竜眼Lv15→Lv16 火炎弾Lv14 疾風Lv12 連擊Lv15 風刃Lv18
風魔法Lv9 威圧Lv5 騎乗Lv21




