表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
始めてのVRMMO
48/1716

#46 宴と新人召喚師

俺はモッチさん達に勝利報告する。すると客達全員に喜ばれる。なんと言うか、恥ずかしいね。こういうのは…とはいえさすがに疲れたので、一旦ログアウトする…そして夕飯を作る…冷凍ピラフを電子レンジでチンする。残念ながら、今の状況で手の込んだ料理は作る気にはならなかった。


ゲームではある程度料理は簡単に出来ると聞いたことがあった。EOでは本物の異世界がゲームのコンセプトだ。本物の異世界で料理を簡単に作れるのは変だと言うことだろう。


夕飯を食べ終わり再びログイン。部屋から降りるとまだ騒いでいた…というか見覚えがある人達がいる。


「お邪魔しているわ」


ルインさん達だ。それと知らない男女がいるな。ルインさん達はリターンの実験で俺がこの宿屋にいることは知られている。つまりルインさん達がその男女を連れてきたんだな。


「お前…なんだ?その女の子…」


クロウさんがセチアを見る。そういえばみせたことなかった。


「新しく召喚したエルフのセチアです。セチア、挨拶して」


「嫌です」


おー、明確な拒否は初めてだな。


「どうかしたのか?」


「その人から邪念を感じます。そんな人と知り合いになりたくありません!」


「ぐはっ!?」


クロウさんに大ダメージ。俺がセチアにそんなことを言われたら立ち直れる自信がない。


「それじゃあ…仕方無いわね~」


「クロウがダメだね。女の子を邪な目で見ちゃダメだよ」


女性陣からバッシングだ。


「ま、待て!俺は無実だ!そもそもそんな格好」


「こっち見ないで下さい」


セチアが俺の背中に隠れる。その言葉と行動に再び大ダメージ。


「端から見たらクロウさん、完全に悪役ですね」


「く、いや…いいんだ…俺には…イオンちゃんが…」


クロウさんが最後の希望をかけてイオンを見るが、イオンも俺の背中に隠れる。その行動が止めになった。


「クロウは置いときましょうか…実は今日はタクト君に話があって来たの」


「話ですか?察するにそちらの二人のことですか?」


「当たりよ。二人共、自己紹介して」


まずは男の子から。


「は、はい!新人召喚師のルークです」


名前は由来はチェスかな?それとも有名映画の主人公かな?


「お、同じく。新人召喚師のチロルです」


元ネタはお菓子の名前かな?というか二人共召喚師なんだな。召喚獣はなんだろう?そう思ったが一匹はすぐに発見した。ゴブリンだ。だが微妙に違うな。女性か?


もう一匹はなんだろうと思ったら、狼が一匹いた。昔のグレイに似ているな。


「あ、僕の召喚獣でゴブリナのゴブーナです」


おー。わかりやすい名前をつけたな。そしてゴブリナはやはりゴブリンの女性だったか。


「私の召喚獣はウルフのゴン太です」


あー、犬の名前で付ける人がいそうだな。


「初めまして召喚師のタクトです。こちらは俺の召喚獣でドラゴニュートのリリー、同じくイオン。それからエルフのセチアです」


それぞれリリー達が挨拶する。うんうん。よく出来ました。


「ほ、本物に会えるなんて感激です!」


「あの…ご迷惑でなければ他の召喚獣も見たいんですけど、ダメですか?」


ダメではないんだが。店中で召喚はまずいよな。そこはルインさんも分かっているようだ。


「流石に店中で召喚はまずいわよ」


「そ、そうですね…ごめんなさい。無茶なこと言って」


「機会があればお見せしますよ」


「ほ、本当ですか!?ありがとうございます」


さて、大体話がわかった気がするが、一応聞いてみる。案の定、初心者の彼らの指導を頼まれたのだ。


「召喚師で断トツのトッププレイヤーのタクト君なら適役でしょ?」


「誰がトッププレイヤーですか…俺は平凡な召喚師ですよ」


俺の言葉に全員が黙る。なんで?


「本気で言ってるね。タクト君」


「あのね…初めて中ボス倒した人をトッププレイヤーと言わずなんと言うのよ」


むぅ…確かにそうかもしれないけど。


「でも、昨日は魚釣りしてましたよ?」


「はい?」


なんだそりゃ?って顔ですね。ルインさん。でもね…イオンの食事のために必要だったんだ。


「あー、そういえば重りや釣針を作ったな」


「私も釣竿、作ったよ」


ルインさんが頭を抱えてる。


「確かに釣りをしているトッププレイヤーは聞いたことないけど、お願いできないかしら?」


ルインさんがそこまでお願いするのは珍しいな。何か訳ありかな?


「実はここにいるルーク君はタクト君以外で初めて女性の亜人種を当てた召喚師なのよ」


おー。おめでとう!でもそれがどう話が繋がるんだ?


「はっきり言って、ルークがプレイヤーに狙われる可能性がある」


「私達は彼らに頼られたのだけど、どうすることも出来ないのよ」


「そこで俺なら大丈夫だと?」


「とりあえずはな。お前さんと一緒にいたらそうそう狙うことは出来ないだろうさ。今の状況で激レア亜人種と進化している召喚獣フルパーティを相手にしようとする奴は中々いないだろうからな」


それって、護衛しろってこと?ま、ボスに挑むつもりはないし、やることも釣りぐらいしかないからな。


「「お願いします!」」


まぁ、俺もこのゲームを楽しんでる身だ。ちょっとだけ、協力しますか。


「もちろん。引き受けてくれたら、報酬を出すわ。ミュウ」


「ここからは私が話すね。タクト君は初期の防具のままだし、ピラニアの皮を結構持っているよね?」


あぁ。すっかり忘れて溜め込んでいる。


「ありますね。色々忘れてた…」


「あはは。よくあることだよ。でも今回はそれがいい方向に向いたと思うよ?何せ人狼の皮とピラニアの皮でローブが作れるからね。それとタクト君は蹴り技スキル持っているから靴も作れるよ。この二つが報酬でどう?」


マジで!?タダで作ってくれるなら願ったり叶ったりだ。


「わかりました。引き受けます」


「「あ、ありがとうございます!」」


素直に喜ばれるとどうすればいいか分からないな。こっちは報酬まで貰うわけだからちょっと後ろめたい。


「私たちも色々探ってみるわ。何か困ったことがあったら、言ってちょうだい」


「わかりました」


こうして俺はルークとチロルの面倒を見ることになった。とりあえず二人とフレンド交換をしてパーティーを組む。さて、何から始めようかな?

新キャラのルークとチロルでした。これから暫くタクトと行動を共にします。


さて、次回は初めてのリスト召喚を挑戦します。タクトがどの召喚獣を選ぶのかお楽しみにです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
以下のリンク先で連載中です。


動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ