#457 母なるドラゴンとドラゴン召喚
国母竜マザードラゴンが口を開く。
『私の名は国母竜マザードラゴン。ほぼ全てのドラゴンの生みの親であるドラゴンです。我々の試練を見事に乗り越えたこと。一族を代表してあなたたちを称えましょう』
なんか、凄いドラゴンが現れたぞ!
「えーっと…ありがとうございます?」
取り敢えず褒められたのでお礼を言う。
『ふふ…我々の試練を乗り越えたあなたには我が一族を託すに値する召喚師と認め、称号と契約に従い我が一族の子供を託しましょう』
俺に光が降り注ぎ、インフォと供にマザードラゴンから俺に石が渡される。
『称号『ドラゴンの試練を超えし者』を獲得しました』
称号『ドラゴンの試練を超えし者』
効果:ドラゴンからの好感度アップ(極)、スキルポイント+10
ドラゴンの試練をクリアした者に与えられる称号。
ドラゴンの召喚石:レア度10 素材 品質S
ドラゴンを召喚する事が出来る召喚石。
ドラゴンの召喚石、キター!そして称号で俺の残りスキルポイントは31ptとなった。
『この場で召喚するといいでしょう。召喚魔方陣は私が用意します』
マジで!?あ、本当に召喚魔方陣が描かれた。それじゃあ、お言葉に甘えようかな?
魔方陣にドラゴンの召喚石を置く。よし、行くぜ!
「魔石召喚!」
ドラゴンの召喚石が魔方陣に吸い込まれ、魔方陣が光を放つ。そして現れたのは山頂で見たドラゴネットだった。色も同じ白だ。倒さなくて良かった。凄い罪悪感に襲われる所だった。
「きゅ?」
か、可愛い…ドラゴンの試練を受けて良かった。俺は抱き上げる。
「初めましてだな。俺の名前はタクト。君を召喚した召喚師だ」
「きゅ!」
返事をしてくれた。分かってくれたかな?
『理解していますよ。早速名前をつけてあげて下さい。因みにオスです』
オスなんだ。ならばちょうど良かった。
「ジーク…なんてどうだ?」
「きゅー!」
『気に入ったようですね…新たなドラゴン、ジークの誕生を祝いましょう』
気に入ってくれて良かった…ジークはドイツ語で勝利を意味する。ジークなんとかと付く言葉は大体これだ。
他にも日本の零戦のコードネームだったりするが、有名なゲルマン神話の英雄ジークフリートのジークは平和や守りの意味がある。
つまり平和を守り、勝ち取るドラゴンという感じで名付け見た。言い過ぎだとは思うが、このぐらいかっこつけて良いだろう。何せドラゴンなんだから。
さて、ステータスを確認しよう。
名前 ジーク ドラゴネットLv1
生命力 25
魔力 20
筋力 30
防御力 25
俊敏性 30
器用値 20
スキル
飛行Lv1 噛みつくLv1 光魔法Lv1 遠吠えLv1 光ブレスLv1
逃走Lv1 光竜の加護Lv1
まぁ、見知った通りの能力だな。そして基礎ステータスは高いな。流石ドラゴンだ。これで俺が召喚できる数は8となった。
俺がステータスを確認しているとジークは俺の頭に移動する。やはりそこに行くのか。
「グー…」
寝るんかい!あ、涎が頭に!?だ、誰か!
『…』
な、なぜ全員こちらを見ないのかな?
『よほどあなたの頭が寝心地が良いのでしょう…ドラゴネットでここまで寝るのは中々いないのですよ?』
そう言われたら、諦めるしかないじゃん…俺が肩を落とすとマザードラゴンが口を開く。
『今回のドラゴンの試練はこれで終わりですが、この試練を乗り越えたことであなたたちにはドラゴニックマウンテンへの挑戦権を得ました』
「ドラゴニックマウンテン? それって、カオスドラゴンが言っていた」
『左様』
黒い光が突如放たれ、混沌竜カオスドラゴンが現れる。嘘だろ!?
『警戒をするな。我は試練で敗れた身、今回はこれ以上は手出しせぬ。ただ汝らがドラゴニックマウンテンの挑戦権を得たので、一言伝えに来た』
いい予感がしないな…
『ドラゴニックマウンテンは最強の名持ちのドラゴンが集まる地…その山の頂上に到達したものは最強の称号を手にし、我らが神、創星龍神ジェネシスドラゴンと出会うことが出来ます』
これは…ミノタウロスが言っていた試練のドラゴンバージョンじゃないのか!?
『我を初めとした汝が戦ったドラゴンたちの真の姿の者たちがそこにいる。当然我らより強いドラゴンも多数生息している楽園だ。汝らの強さを試す場所としては最適の場所であることは間違いない』
さらりと本気じゃないと言われた!思いっきり戦っていたくせに!
『これまで多くの英雄、召喚師が挑みましたがクリアしたのはただ一人…あなたたちが原初の召喚師と呼ぶ者だけです』
あのチート召喚師レベルでやっとクリア出来るってどんだけだ。
『そろそろ時間ですね…最後にこれを与えましょう』
なんだろう?わくわく。
ドラゴンフルーツの苗木:レア度9 素材 品質A
ドラゴンたちの大好物の果物がなる木。育てるとドラゴンフルーツが収穫出来る。
デザートかい!
『ジークとドラゴニュートたちのこと、よろしくお願いします』
『強者の高みで汝らと再び戦う日を楽しみにしているぞ!』
俺たちは転移の光に包まれて獣魔ギルドに転移した。
「お帰りなさい。ドラゴンの試練のクリア、おめでとうございます」
「ありがとうございます」
凄いことなのに…最後のカオスドラゴンの登場でなんかどっと疲れた…一応ネフィにドラゴニックマウンテンについて聞いてみた。
「私たちも挑戦しましたが全然ダメでしたね…ギルマスも挑戦しましたがボコボコにされて帰ってきた程です」
マジか…するとカインさんが来る。
「名持ちのドラゴンがどんどん現れるし、ドラゴンブレスや上級魔法が飛び交う戦場だよ…しかもどのドラゴンも特殊なスキルを持っている。ボクの禁呪が直撃して無傷とか悪夢だったよ…」
どんだけ~。
「因みにドラゴニックマウンテンのどこかにドラゴニュートの村があるそうだよ。因みにボクは到達出来なかった…」
「姉がリリーちゃんたちに固執するのもその村に行けなかったからなんですよ」
ボコボコにされた話のあとにそれを言うか!?はぁ…もういいや。取り敢えずホームに帰る。久々の我が家だ!
みんなを召喚するとジークの取り合いが勃発する。あまり引っ張ったりしないようにな。
石等は島に捧げるから、最初に手を出すのは鱗とか牙だな。
まずは和狐に鞭を依頼するが作り方を知らなかった。これは困った…するとキキが言う。
「鞭なら私が作れますよ? これでも裁縫スキル持ちですから」
それよりもなぜ鞭の作り方を知っているのか聞きたいがなんか怖いから触れないでおいた。
じゃあ、和狐にはダーレーの鎧を頼んだ。素材はどれがいいか聞いたら、混沌竜の鱗を選んだ。流石ダーレー…黒っぽい鎧がお望みか。というわけで和狐に頼んだ。
そしてセチアには槍の製作を頼んだ。素材は一角竜の角とアカシアの木で頼んだ。
その後、ヘーパイストスに手にいれた牙や爪などを預ける。
「す、凄いですね…どれを使おうか悩んじゃいますよ」
「そこは任せるよ。鉱石と合わせて、意見を聞かせてくれ。とりあえず作るのはリリーのハンマー、イオンの魔法剣だな」
「わかりました。精査しておきます。タクトさんはお休みですか?」
「あぁ…流石に疲れたから休ませて貰うよ」
というわけでログアウトして、寝ることにした。いや、マジで疲れた。




