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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
始めてのVRMMO
47/1716

#45 敗因とシェフ

メリークリスマス!


事前に報告していたクリスマス記念小説ですが

目次下にあるリンク先にある『Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~記念小説』と言うのが

ありますので、そこからリンクで飛べるようにしています。


よければご覧ください。

「では、今回の料理コンテストバトルの勝者は」


「待ってください! 納得いきません!」


金髪イケメンが騒ぎだす…おいおい見苦しいな。


「私がこんなやつに負けるはずがない! お前らがレシピを渡して、評価もわざとあげたんだろ!」


あーあー。完全にクレーマーだが、この発言はアウトだ。審査員全員が怒りの瞳を向ける。


「五つ星シェフの称号を持つ我々が料理で不正をしたと?」


「う…そ、そうだ! 私の料理があまりにも美味しいから」


「もういい。それ以上口を開くな」


あまりの言い分に一人の審査員が黙らす。そしてグラスシェフが口を開く。


「納得がいかないなら説明しましょう。まず我々がタクト君の何を評価したと思いますか?」


「そんなもの料理に決まって」


「違います」


はい、ばっさりだね。


「その様子じゃあ、俺たちがお前達の料理を基本的に一口しか食べてないことにも気付いてないな」


「え…そういえば」


そう。彼らは最初のサラダから基本的に一口しか食べていない。おれのサイコロステーキも好きなものを一口、お寿司は普通と炙りで二口、例外はデザートだけだ。


「我々は審査員だ。全ての料理を公平に評価しなければならない」


「そのために満腹になるわけにはいかないため、最後を除く料理は基本一口しか口にしないことにしています」


「タクト君は最初から我々の事情に気付き、それに見合った料理を作った。あなたも気づいているはずですね? 彼の出した料理の量が少ないことに」


「それがどうしたと」


「私達も料理を愛する者です。料理を残すことはしたくない行為です。それを察して料理の量を調整したんですよ。そうですね?」


「はい」


残った料理を見ると悲しくなるのは料理人なら当然な心理だと思う。


「そ、そんな…」


「私達、料理人は忘れてはいけないのですよ。料理の食材を作ってくれる生産職への感謝。すべての食材に対する感謝、そして料理を食べてくれるお客様への感謝をね」


そして、グラスシェフをフォローする形で魚料理で目を光らせていたお爺ちゃんが言う。


「お前さんの敗因は感謝の気持ちを忘れ、料理を食べて下さるお客様への気配りを忘れたことだ」


「私は…」


「お前さんはまだ若い。過ちを認め、やり直せ。次にお前さんの料理を食べる時は気配り溢れる料理を期待しておる」


「…はい」


さすが五つ星シェフ。言葉の重みが違う。そしてグラスシェフが宣言する。


「納得したようなので、改めて今回の料理コンテストバトル。勝者は召喚師のタクトです」


「タクト君は合計100ポイントを獲得したので、私達全員が承認し、タクト君に『三つ星シェフ』の称号を贈呈します」


『称号『三つ星シェフ』を獲得しました』


え!? 称号!? しかも三つ星シェフ!? 確認してみる。


称号『三つ星シェフ』

効果:料理バフの効果が増大する。

五つ星シェフから認められた者が得られる称号


やばくね? いろいろおかしくね?


今のバフが小だ。どのくらい上昇するかわからないがもしこれが大になるってどれくらい上昇するんだろう?


俺が三つ星シェフの称号を確認していると審査員のシェフ達が席を立つ。


「では、私達はこれで失礼しますね」


「あ、すみません。少しお待ちいただけますか?」


「?はい、構いませんが」


俺が調理場に戻り、鍋に入っているシチューを容器に入れていく。それを審査員のシェフ達にプレゼントする。


「どうぞ。お持ち帰り下さい。温め直して貰えば美味しくいただけますので」


「これは…参りましたね。ありがとうございます。美味しくいただきますね」


俺のシチューを貰う審査員全員からお礼を言われ、彼らは退出。するとリリーたちが来る。


「「「料理、食べたい!」」」


第一声がそれかよ。まぁ、ただ見ていただけだからなー。だが、俺や金髪イケメンが作った料理や食材が消えていく。


「「「あー!?」」」


3人の悲しみの声が会場に響いた。まぁ、こういうことになるよね。そして無常にもインフォが流れる


『特殊クエスト『料理コンテストバトル』をクリアしました』

『特殊クエスト『料理コンテストバトル』に勝利しました。スキルボーナス10ptを進呈いたします』


え? 多くない? これで俺の残りスキルポイントは21ptになった。


そして当然のように料理スキルが上がるわけだが一気に6もあがった。スキルレベルがぶっちぎりになってしまった。基本的に作った料理に対して1、2レベル上がった感じだ。経験値が多いのは肉と魚だろうな。材料でいいの使ったから。デザートもリッチだが使った材料は微妙だからな。


何はともあれ無事イベントに勝てて良かった。


だが帰り道、リリーがある疑問を俺に言う。


「タクトはなんで三つ星シェフなの?」


「そうです。最大評価でもおかしくなかったですよね?」


「私も審査員の人達の様子を見る限りでは五つ星シェフでも良かったと思いますが」


3人にはそう見えたんだな。


「俺は妥当だと思ってるし、三つ星シェフ止まりの理由にも見当がついてるよ」


むしろ三つ星シェフの評価は高すぎる程だ。俺が五つ星シェフじゃない理由は俺の料理が全て現実世界で色々な人から教わった料理であることだと思う。


即ち俺が自分で考えた料理じゃない事を五つ星シェフの人たちにはバレバレだったんだと思う。やはり最強の料理人を名乗りたいなら自分のオリジナル料理の100ぐらい作れないとダメだろうからな。


「ま、いつかきっとチャレンジする機会ぐらいあるさ」


俺はそう言いながらいつか来るであろう日に向けて闘志を燃やすのだった。


名前  タクト 召喚師Lv15


生命力 24

魔力  54

筋力  17

防御力 10

俊敏性 15

器用値 32


スキル


素手Lv5 蹴り技Lv6 杖Lv6 召喚魔術Lv11 錬金Lv6 採掘Lv6 解体Lv7 鑑定Lv7 

識別Lv4 風魔法Lv5 火魔法Lv6 土魔法Lv5 水魔法Lv5 闇魔法Lv5 光魔法Lv5 雷魔法Lv3 

爆魔法Lv2 木魔法Lv2 氷魔法Lv2 時空魔法Lv3 読書Lv4 料理Lv9→Lv15 餌付けLv3 釣りLv5



ご指摘があり、ステータスはなるべく最後に書くようにします。

ただ新キャラのステータスはわかりやすいように本文中に書く形になると思います。


次回は新しいプレイヤーが登場します。お楽しみにです。


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最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
以下のリンク先で連載中です。


動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
― 新着の感想 ―
[一言] 料理一本でやってる料理人ならパクるだけじゃなく創作するのが当たり前だがその道に行かないなら三ッ星貰えただけで凄いわな
2020/01/08 07:50 退会済み
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