#445 ドラゴンの試練 雷精竜戦
そのスプライトドラゴンはリリーと同じ二足のドラゴンだ。色は青で鱗はゴツゴツしているのではなく、すっきりしている綺麗なドラゴンだった。
『我が名は雷精竜スプライトドラゴン。よくぞ我ら竜の試練を受けた。まずはそれを賞賛しよう』
話せるのか…しかも褒められた。
「ありがとうございます」
『うむ。我は逃げも隠れもせぬ。思う存分、準備を整えてかかってくるがいい』
「待ってくれるんですか?」
『意外か? 我らドラゴンは力の象徴であり、何より戦闘を重んじる種族だ。最高の状態の相手と戦闘してこそ最高の戦闘を味わえるというものだ。それならば待ちもするさ。故に汝らの最高の力と知略を駆使して、我を倒して見せよ!』
あぁ…このドラゴンは戦闘をわかっているな。リリーも頷いているが、何より重んじるのは料理じゃないんだと思ったのは黙っておこう。
さて、そうなるとキャンプセットを使って、一旦ログアウトしよう。お昼ご飯を食べながら、メンバーと作戦を決める。
ログインして、いざ雷精竜スプライトドラゴンに挑む。俺が選んだメンバーはリリー、恋火、ゲイル、黒鉄、ダーレーにした。ご飯を食べながら作戦を話す。
「タクト、作戦は?」
「基本的には正面から戦いを挑もうと思う。ただ警戒するのは雷化だ。恐らくあのドラゴンは使用出来るだろう。もし雷化したら、黒鉄が受けてくれ。他の雷攻撃はゲイルに任せる。俺はダーレーと組んでリリー、恋火と接近戦を挑もう」
「タクトお兄ちゃんにしては珍しいですね」
恋火の指摘は最もだと思う。
「まぁ、明らかに防御力があるタイプに見えないからな。それとは別にああいうタイプには俺も真っ向勝負がしたくなるのさ」
「わかる!」
リリーに分かられるとちょっと困るかな…昔みたいに大振りに戻られると大変だ。
「あれ!? なんかタクトが困っている?」
「あはは…」
恋火も笑って誤魔化すようになったんだな。さて、俺はダーレーに乗り、スカーレットリングを構える。リリーたちも武器を構える。
「俺たちの本気、見せてやろう!」
『おぉ!』
スプライトドラゴンが降りてくる。
『ほぅ…これは面白い召喚師が来たものだな。これ以上の言葉は不要! いざ戦闘を楽しもうぞ!』
スプライトドラゴンが叫ぶと俺たちに無数の蒼雷が降り注ぐ。
「ゲイル!」
「ガァアア!」
ゲイルが電磁装甲で蒼雷を反らし、一部を避雷針で受けて充電する。
『ほぅ…む』
俺はダーレーに乗って突っ込む。それを見て、スプライトドラゴンはプラズマ弾を乱射してくるが、このぐらいならダーレーの蒼炎と俺の魔力切断で対処できる!
ダーレーの攻撃は激突の効果で受けるしかない。さぁ、どうするよ!
『真っ向勝負か! 受けてやろう!』
スプライトドラゴンは爪から蒼雷をほとばせて、振りかぶりスカーレットリングとぶつかる。
「おぉおお!」
『ぬぅ…なめるなぁああ!』
一度は押し込んだが、やはりパワーでは勝てないか…しかし時間は稼いだ。
「竜技! ドラゴンクロー!」
「居合い斬り!」
『ぬ!』
俺を強引にぶっ飛ばした隙をついて、リリーと恋火が左右から攻撃を加えるとスプライトドラゴンの姿が電気となり、霧散する。あれは雷分身か?
「ッ! 星装甲! くぅぅ!」
「リリーお姉ちゃーーッ! きゃああ!」
リリーが星読みで何かを察知し、防御をするが星装甲ごとぶっ飛ばされる。雷化したスプライトドラゴンの攻撃を防ぐに対して恋火も何かを察知し、陽火でガードするがぶっ飛ばされる。
俺は二人が反応したタイミングを見ていた。もしかして一見無敵に思える雷化だが、致命的な弱点があるんじゃないか?
俺はスカーレットリングを構える。勝負は一瞬。バアルの時は超感覚があったから斬れたが、今はない。しかし俺の予想が正しいなら不可能じゃないはずだ。来い!
しかし雷化したスプライトドラゴンは俺ではなく、リリーと恋火を狙う。リリーがガードを固めて、恋火はなんとか魔力切断で対処しようとするが、攻撃を食らうと麻痺になり、禊で直している。
一見正しい行動に見えるが僅かに動きに迷いが生じたのを見逃さなかったぜ。これは俺の推測が正しいことを意味している。
「黒鉄!」
黒鉄が強制を使い、スプライトドラゴンが黒鉄を狙う。俺は黒鉄を回復しながらスプライトドラゴンの雷化を確認する。やはり間違いないな。
するとリリーたちが合流する。
「タクト…どうするの?」
「このまま雷化が終わるのを待ちますか?」
「ガウ!」
ゲイルが雷化で対抗するか聞いてくる。
「いや、撃って出よう。リリーは黒鉄の回復を頼む。恋火はいつでも攻撃出来るように準備してくれ。ゲイルは俺の姿を見ておけ。俺が雷化に潜む危険性を教えてくるよ」
俺の言葉にゲイルは頷く。
「リリーと恋火も見ておけ。行くぞ! ダーレー!」
スカーレットリングから無銘に武器を代えてダーレーと共に雷化したスプライトドラゴンを目指し、突っ込む。激突の効果で攻撃するしかないはずだ。俺は居合いの構え。
向こうは俺が弱点に気付いていることを理解している。ならば敵の狙いは…俺はダーレーを反転させると同時にファミーユでアクセラレーションを使う。すると正面から弱い静電気のような感覚が来る。
「居合い斬り!」
俺は雷化したスプライトドラゴンを斬り裂いた。手応えあり!
斬られたスプライトドラゴンは元の姿に戻る。
『ぬぅ!』
「やぁああ! 居合い斬り!」
『効かぬわ!』
恋火の陽火を振るわれるが鱗を斬り裂けない。しかし紅炎が発動し、スプライトドラゴンが燃える。
『ぬぅぅ!』
スプライトドラゴンは羽を羽ばたかせると暴風が発生し炎を消す。基本的に風はより炎の勢いを強くしてしまうものだが、強すぎる風は炎を消すこともある。勉強になるな。
『まさか我が動きを予測し、雷化した我を斬り裂くとはな…召喚師がする芸当ではないぞ』
「どーも。それで降参するのか?」
『まさか…汝に敬意を称し、本気を見せよう! 逆鱗!』
スプライトドラゴンが雷が青から赤に変化し、体もスリムだったのがごつごつした体つきに変化する。
『ゆくぞ!』
「来い!」
スプライトドラゴンとぶつかり合う。爪を受けると俺は引き裂かれる。当然爪は止めている。これはミノタウロスの時に味わったスキルか!
力が入らず、ぶっ飛ばされ、更に刃が生まれている尻尾が迫る。それを受けると再び斬られる。くそ…うざったいスキルを使いやがって。
すると回復が来る。リリーだ。しかしスプライトドラゴンは攻撃の手を緩めない。無数の赤雷が迫る。
「ガァアア!」
ゲイルが守りに入る。しかし電磁装甲でも受けきれない。赤雷を受けながらゲイルは放電を放ち、なんとか防いでくれた。
「やぁああ! あ、きゃああ!」
恋火が攻撃すると躱され、蹴りを食らってしまう。
『どうした? お前たちの力はこの程度か?』
「まさか…今度はこっちの番だ!」
俺は無銘を構えて向かう。
『血迷ったか!』
スプライトドラゴンが向かって来る。俺はダーレーと連携が発動し、無銘に蒼炎が宿る。
『「うぉおお!」』
爪と無銘がぶつかり合うと斬られる。しかし斬られると解ればこれぐらい耐えられる!何せこのスキルは致命傷にはならないことは既に確認している。
俺は力のルーンを使い、爪を弾く。そして間合いを詰める。激突の効果で逃げ場はない!貰った!
「竜穴!」
スプライトドラゴンの喉仏に竜穴が決まる。
『何!? ッ!』
黒鉄のレールガンロケットパンチがスプライトドラゴンに命中する。更にまだ続く。
「ドラゴンブレス!」
「ハーミットブレス!」
「ガァアア!」
リリーのドラゴンブレス、恋火のハーミットブレス、ゲイルの雷ブレスが炸裂する。おまけだ!
『『『チェーンエクスプロージョン』』』
ファミーユでチェーンエクスプロージョン三連打がスプライトドラゴンに炸裂し、倒れる。
『見事だ…よくぞ我を倒した。先に進むがいい』
そういうとスプライトドラゴンが動かなくなる。そしてインフォが来る。
『片手剣のレベルが40に到達しました。片手剣【ミラージュスラッシュ】を取得しました』
『刀のレベルが30に到達しました。刀【霞】を取得しました』
『恋火の神道魔術のレベルが10に到達しました。神道魔術【結界】を取得しました』
なんだかんだでボロボロだ。全員を回復させる。
「なんとか勝ったな…」
「それよりもどうやって雷を斬ったんですか! タクトお兄ちゃん!」
「そうだよ! リリーもしたい!」
いや、リリーには魔力切断がないから無理…伝えるとショックで固まる。
そして雷化の弱点を教える。
「雷化は攻撃する方向を事前に相手に伝えている可能性がある。恋火は攻撃を食らう前にバチっとした電気を感じなかったか?」
「え? そういえば何かバチッ! としました」
「それが合図になっていると思う。攻撃のタイミング、方向がばれてしまうのは致命的だ。しかも雷化していると自慢の防御は意味がない。ゲイルは相手を選んで使うかそういう弱点があることを考えて使うようにな?」
「ガウガウ」
ゲイルは素直に頷く。あれが自分だったら、さぞやゾッとする光景だっただろう。
では解体しよう。
雷精竜石:レア度9 素材 品質A
雷精竜スプライトドラゴンの魂が宿っている石。雷精竜スプライトドラゴンを討伐したものにしか扱えない特殊な石。
雷精石:レア度8 素材 品質Aー
雷の精霊の力が宿っている石。主に武器の素材として使われる。特定の場所でしか取ることが出来ない特殊な石。
雷精竜の爪:レア度8 素材 品質Aー
雷精竜スプライトドラゴンの爪。武器素材に使用すると蒼雷を使用することができる。
新しい石ゲット!これはイオンの武器素材が集まったな。変なのが雷精竜石。これは俺たち全般なのかな?それともこのパーティーにしか使えないのか。よくわからない石だな。
更に道を進んでいくと採掘ポイントがあった。ゲットしたのがこちら。
マグネタイト:レア度7 素材 品質B+
強力な磁力を帯びた鉱石。方位磁針や魔導アイテムの素材として使われる。
爆風石:レア度7 素材 品質B
強力な風の力を宿した石。衝撃が加わると砕け、爆発的な風が発生するので扱う時は注意が必要。
このフィールド…相当ヤバイな。マグネタイトはイクスの武器素材にあったな。
爆風石は俺には罠用の素材に思える。地面に設置して、石を踏んだら、吹っ飛ぶとかそんな感じな気がするな。砕かれることが前提だから武器素材ではないだろう。
さて、次のフィールドに挑もう。次のフィールドは温度と景色でわかる。めちゃくちゃ暑い…目の前には煙を上げている山…どうやら次は火山エリアみたいだ。メンバーを変えて挑むとしよう。
名前 タクト 寵愛の召喚師Lv4
生命力 126
魔力 285
筋力 120
防御力 70
俊敏性 90
器用値 184
スキル
格闘Lv32 蹴り技Lv29 杖Lv38 片手剣Lv39→Lv40 槍Lv25
刀Lv28→Lv30 投擲Lv17 詠唱破棄Lv16 魔力操作Lv9 魔力切断Lv3→Lv5
召喚魔術Lv40 封印魔術Lv32 ルーン魔術Lv13 騎手Lv36 錬金Lv25
採掘Lv29→Lv30 伐採Lv36 解体Lv44→Lv45 鑑定Lv34→Lv36 識別Lv43
疾魔法Lv9 炎魔法Lv7 地魔法Lv7 海魔法Lv8 暗黒魔法Lv8
神聖魔法Lv14 雷魔法Lv38 爆魔法Lv41→Lv42 木魔法Lv30 氷魔法Lv34
時空魔法Lv47→Lv48 獣魔魔法Lv4 遅延魔法Lv11 連続詠唱Lv23 水中行動Lv20
縮地Lv7 読書Lv16 料理Lv42 釣りLv20 シンクロLv27
エンゲージLv8 連携Lv11→Lv12
名前 リリー ドラゴニュート・ホープLv4
生命力 162
魔力 164
筋力 288
防御力 122
俊敏性 132
器用値 124
スキル
星拳Lv21 飛翔Lv34 片手剣42 大剣Lv38 鎚Lv13
危険予知Lv22→Lv23 超感覚Lv19→Lv20 竜眼Lv18→Lv19 星読みLv21→Lv22 物理破壊Lv14
星鎧Lv15→Lv16 星壁Lv10→Lv11 星雨Lv9 聖櫃Lv4 星光Lv4 連撃Lv22
集束Lv7 超再生Lv11→Lv13 星気Lv38 光魔法Lv16→Lv18 星波動Lv13
逆鱗Lv2 竜技Lv20 竜魔法Lv5 竜化Lv7 ドラゴンブレスLv8→Lv9
起死回生Lv4 星竜の加護Lv12→Lv14
名前 恋火 ハーミットビーストLv2→Lv3
生命力 155
魔力 200
筋力 218→222
防御力 100
俊敏性 254→258
器用値 150→152
刀Lv31→Lv33 二刀流Lv15 鎌鼬Lv15 炎魔法Lv12 時空魔法Lv7→Lv9
黒炎Lv20 聖火Lv29 火炎操作Lv3 天耳通Lv31 他心通Lv8→Lv9
危険予知Lv31→Lv32 気配遮断Lv1 魔力切断Lv10→Lv12 物理切断Lv9
霊力Lv14 仙気Lv9→Lv11 仙術Lv8→Lv9 幻影Lv5→Lv8 神道魔術Lv9→Lv11
見切りLv15→Lv16 縮地Lv23 神足通Lv11→Lv13 妖術Lv5 血醒Lv9
料理Lv24 ハーミットブレスLv6→Lv7 狐技Lv8 神降ろしLv2 獣化Lv5
名前 ゲイル ネメアLv3→Lv4
生命力 82
魔力 142→145
筋力 120
防御力 80→82
俊敏性 168→172
器用値 80
スキル
噛み砕くLv23 疾駆Lv18 角撃Lv23 雷磁装甲Lv9→Lv11 黄金装甲Lv8→Lv9
物理破壊Lv7 雷爪Lv28 威圧Lv14 暗視Lv22 挑発Lv18
雷魔法Lv28 地魔法Lv1 電磁操作Lv9→Lv11 地脈操作Lv2 充電Lv9→Lv10
放電Lv18 閃電Lv20 雷の牙Lv10 避雷針Lv3→Lv4 狂戦士化Lv3
雷化Lv10 黄金の加護Lv5→Lv7
名前 黒鉄 スチールゴーレムLv3→Lv4
生命力 165→168
魔力 0
筋力 212→216
防御力 212→216
俊敏性 36
器用値 38
スキル
格闘Lv23 堅牢Lv45→Lv46 変形Lv15 強制Lv41→Lv42 物理耐性Lv37→Lv38
物理破壊Lv20 採鉱Lv6 鋼線Lv7 投石Lv13 光線Lv12
狙撃Lv18 電磁Lv10→Lv11 回転射出Lv20 耐電Lv6 耐寒Lv1
耐熱Lv18→Lv20 毒無効Lv11 病気無効Lv7 腐蝕無効Lv3 再生Lv18→Lv20
守護Lv4→Lv5
名前 ダーレー 騅Lv2→Lv3
生命力 90
魔力 112→114
筋力 104→108
防御力 64
俊敏性 200→204
器用値 125
スキル
蹴り技Lv7 激突Lv16→Lv18 灼熱Lv13→Lv14 火炎操作Lv21 騎乗Lv29→Lv30
疾駆Lv22 防御無効Lv4→Lv5 物理破壊Lv3 騎手強化Lv27→Lv28 連撃Lv11
英気Lv14→Lv15 練気Lv16→Lv17 覇気Lv4→Lv6 蒼炎Lv5→Lv7 放電Lv2
衝撃波Lv2 譲渡Lv8 連携Lv2→Lv3 覇馬の加護Lv14→Lv15