#43 料理コンテストバトル・スープ、肉編
次の種目はスープだ。これはあまり工夫のしようがないジャンルだ。だが俺は町中を見る際にどんな料理があるのかチェックしている。今後の参考になるからね。その中で存在しない料理を選ぶ。この料理が本当にこの世界で実在していないなら多分、大丈夫だろう。
さて、相手の作った料理はコンソメスープだった。コンソメの素がないので、ブイヨンからの手作りだった。これ、大変なんだよね~。手の込んだものだと何日もブイヨンを作るからな。あ、ちなみにブイヨンは日本語で出汁のことです。
評価はオール10。まぁ、ブイヨンからコンソメスープを作ったのは流石だ。凄い手間暇かかっている。だが、普通のコンソメスープなんだよね~。ちなみにこのブイヨンは俺も作ります。
では俺のターン!ではまずブイヨンの材料はこちら。
鶏ガラ、玉ネギ・ニンジン・キャベツ・大根・セロリ・しめじ
次にコンソメの材料がこちら。
鶏ひき肉、玉ねぎ、人参、セロリ、卵白
そして作る料理の材料はこちら。
鶏もも肉、じゃがいも、にんじん、玉ねぎ、ブロッコリー、しめじ、牛乳、コンソメ、塩、こしょう、バター、小麦粉
何を作るのか分かるかな?カレーと対をなす、冬の定番スープ料理だね。
では作っていこう。まずブイヨンから鍋の中に冷たい水をいれ、その中に玉ネギ・ニンジン・キャベツ・大根・セロリ・しめじを入れ、火を入れる。金髪イケメンは沸騰したお湯に入れていたが、それはNG。沸騰したお湯にいきなり入れると野菜のタンパク質が壊れて、野菜の旨みが出ないスープになってしまう。
なので冷たい水からじっくり温めて、野菜の旨みをスープに出す。そして沸騰してから鶏ガラを入れ、アクを取りながら煮詰めていくとブイヨンの完成です。
では次はコンソメ作り。最初に玉ねぎ、人参、セロリはみじん切りにする。
次に底が深い鍋の中に鶏ひき肉、玉ねぎ、人参、セロリ、卵白を混ぜる。するとハンバーグみたいなのが出来る。
これを丸めて、肉団子にして、ブイヨンの中に入れる。しばらく煮詰めるとコンソメの完成。
では本番と行こうか。
まずは鶏もも肉を1口サイズに切り、塩、胡椒で下味を付ける。
じゃがいもは四つ割り、にんじんは先程同様ハート型や星型に切り、玉ねぎはくし形に切る。
ブロッコリーとしめじは小房に分ける。
鍋にバターを溶かし、最初に鶏もも肉を色が変わるまで炒める。
色が変わってから玉ねぎを入れ再び炒める。
小麦粉入れてさらに炒め、次にコンソメスープを入れて、じゃがいも、にんじんを加えて煮込む。
野菜に火が通ったら、牛乳とブロッコリー、しめじを加えてひと煮立ちさせる。最後に塩、こしょうで味を調えると完成です。
いやー、長かった…実際に作るとコンソメの素やスープの素の有り難みがわかるな。料理はそうクリームシチューです。
カレーと迷ったんだが残念ながら俺はカレールーの手作りには自信がなかった。何せ様々な香辛料を使うからな。なので迷わずシチューを選択。審査員の人達は再び驚きの表情、金髪イケメンも驚いている。
そりゃあ、白いスープ料理に免疫ない人は驚くだろうな。
小皿にシチューを入れて審査員の人達にお出しする。恐る恐る食べると全員が思わず、「ふぅ…美味い(美味しい)」という。なんというかシチューって最初にホッとするんだよな。
審査のほうはオール20で俺の圧勝。俺もコンソメを作ってるからね。更に金髪イケメンが失敗した箇所もしっかり指摘されている。ざまー。
それでも納得がいかない哀れな金髪イケメンにスープ専門の審査員のシェフが言う。
「文句があるのなら、この料理を食べてみろ」
金髪イケメンはシチューを食べると体を震わせる。気色悪いな。
「あ、有り得ない…」
と言って震えている。うん、皿落としたら許さないよ。
お次はリリーが大好き肉料理です。この勝負にハンバーグで勝負したら、圧勝だったのだろうが俺はあえて真っ向勝負を挑む。鉄板焼きのバイトをしていた者としてこの勝負、受けてたってやる!
相手は予想通り、サーロインの焼き肉だ。味付けは塩、胡椒のみ。こだわりを感じるね。
では、俺の料理は同じ焼き肉でも牛肉のサーロインとヒレ肉、ランプ肉、豚肉のロース、ラム肉はもも。全5種類のサイコロステーキを選択した。
鉄板焼きの店長曰く鉄板焼きなら牛肉のサーロイン、ヒレ肉、ランプ肉外せねーらしい。
豚肉のロースは油が苦手な人用で、ラム肉のももは女性用だ。タレは最初同様に複数作る。まずは焼肉のタレを作ってみた。
材料はしょうゆ、玉ねぎ、ごま油、唐辛子、にんにく、酢で作った。更は塩胡椒に柚子胡椒、わさび醤油、おろしポン酢を用意した。
お供の野菜もしっかり用意した。選んだのはキャベツ、玉ねぎ、人参、じゃがいもだ。
キャベツはざく切りで焼かずに生で提供。焼いても美味しいんだけど、すぐに食べれる生を選択した。玉ねぎは輪切りにして焼いて提供。玉ねぎを焼いたのは甘くなるからだ。
人参はシチュー同様に切り、じゃがいもは輪切り。じゃがいもも星形で切れるといいのだが、崩れて却って食べにくくなるので、普通の輪切りを選んだ。
最後に肉を焼き、鉄板にこれらを盛り付ければ完成です。
結果はオール20で俺の圧勝。味の違う五つの肉に五つの食べ方が評価された形だ。特におろしポン酢がすっきりしていて、高評価だった。更にお供の野菜を使って料理に色合いを出したところもしっかり評価してもられた。
リリーがヨダレを大量に流しながら、喜んでいる。イオンとセチアは避難してます。流石だね。これで俺の三連勝。勝負としては既に俺の勝利は決まったが手を抜くつもりは毛頭ない。完膚なきまでに金髪イケメンを倒してみせよう。