#422 カプセルの中身とギルド設立会議
夜、ログインするとリープリングは大荒れとなっていた。みんなが交換したカプセルが原因だ。動けないから見せてもらうと絶句する。
まず、チロルたちがカプセルを交換して出てきたのがこちら。
ベスティアマキナ
犬のロボットだ。昔、玩具で流行ったな。アルさんはまた名前が違った。
アウィスマキナ
鳥のロボットだ。アルさんらしいな。それぞれ可愛いが…これは酷い。
烈風さん、タクマは男のエクスマキナ、アロマは女のエクスマキナを当てていた。
『求めていたのと違~う!』
まぁ、叫びたくはなるだろう。因みにルークはポイントが足らず、妖精の召喚石を交換したらしい。もう全員のオチが見えてるから何も言わない。
どうやら今回みんなのポイントは2000000ptがボーダーになったみたいだ。魔王バエルを倒したところまで行けた人は大体このぐらいらしい。ダメージポイントやボーナスポイントでかなりブレるけどね。
すると雷電さんと何か話していたノワがこちらにやってきたと思ったら、お腹がぽっこりしている。
「…にぃ。赤ちゃん出来た」
『ぶはっ!?』
ノワの爆弾発言で思わず、全員が吹き出した。
「遊ばないでくださいよ…大切な卵なんですから…」
「…ん」
ノワがお腹から竜の卵を出す。いや、子供ならやるネタだが、今のノワにやられると遊びじゃなく見える。
すると騒ぎを聞きつけ、みんなが集まると目線はエクスマキナたちだ。
「召喚師はギャンブル性高いよね…」
「俺たちは装備一式交換して終わりだから楽だよな」
「タクト君は何を交換するつもりかしら?」
「もう決めましたよ」
俺が決めたモノを伝えると全員がそれぞれ視線を合わせる。
『なんか怖い…』
まぁ、ニトログリセリンにリンだ。怖いのは当然だろう。そして島の能力を知ったルインさんたちはショックがでかいみたい。どうやら交換出来る人しか島の能力がわからないようにしたらしい。
「タクト君が私たちを潰しにかかっている気がする…」
「生産職より生産能力高いって意味不明だよ…」
「他の人は交換して終わりに対してタクト君は毎日手に入るようになる。バランス崩壊レベルよ」
うん。俺もそう思った。
「じゃあ、自分一人で全部使いますよ」
『それはそれで問題なの!』
怒られた…俺とリリーたちが頑張った結果なんだから仕方無いじゃん。というか…
「封印石は誰もなしか」
「気にはなったんだけどね」
「まだ先のことだからな。即戦力を優先した感じだ」
まぁ、そうなるか。するとここでシャローさんから約束の交換をしてもらった。エビゲットだ。なぜエビか?エビが好きだからだ。
せっかくみんな集まったから今後について、話すことになった。
「タクト君も気づいているでしょうけど、そろそろギルドを作ることにしたらどうかしら?」
「そもそもギルドって何するの?」
『そこから!?』
なんとなく知っているが、いまいち利点とかわからないんだよね。
「まぁ、基本的にはクランと変わらないわ。説明を受けていると思うけど、複数のクランが集まって作るのがギルドね。最大の利点は今回のイベントからギルド単位になってきたから、これからのイベントもそうなる可能性が高いわ」
「というかほぼ間違いなくなるね。そうなるとクランのままだと不利になるのことはわかるかな?」
「連携とかの話か?」
「そう…普段から知っている人と全く知らない人たちのイベントをするのだと全然違うわ。知らない人たちがいいプレイヤーとも限らないからね」
うむ。確かに嫌な人とイベントするのは嫌だな。それにイベントで散々もめてきた。そういうのが無くなるのはでかい。
「後は予定とかも立てやすい点もあるわね。パーティーメンバーやレギオンを組むのにどうしても予定が合わない人も出てくるわ。ギルドだと安心して他のプレイヤーを入れることが出来る。これは召喚師はほぼ無縁ね」
「私たちのような職種だとかなり重要な要素なんだよ。結構予定が合わないことがあるから」
「主に姉ちゃんたちがね!」
大学生だからそれは仕方無いだろう。そうなるとフィールドに出るのがきつくなるのか。それはなんとか出来るならしてあげたいな。
「他にはギルド専用のクエストを受けることが出来たり、ギルドに生産職が入れば安くアイテムが手に入ったり、イベントでアイテムが不足する事態になりにくくなるわ。絶対とは言えないけどね」
それは仕方無いだろうな…ようやく生産が軌道に乗ってきた感じみたいだしね。次は欠点。
「まずギルドを設立するのにお金とホーム、メンバーがいるわ。お金は基本的に全員が出し合うことになるわね。ホームは私たちの場合はここか新しいのを建てることになるわね。メンバーについてはそれぞれ集めれば必要数は余裕で超えるはずよ」
「このメンバー選びで重要になってくるのがギルドの方針とかそういうのだね。例えば攻略ガチ勢以外お断りとかあるけど、フィールド攻略に熱心な人とそこまでじゃない人がいるとギルドが崩壊したりするんだよ」
まぁ、熱量の差があったりするとそうなるのか…俺は攻略を進めてはいるが、そこまで熱量を持っていないな。新しいフィールドに行ってみたいぐらいな気持ちだ。
「後はレベル差があるとレベル上げに付き合ったりするとかギルド全体の戦力アップを図ることも重要になってくるな」
「ずっと攻略一辺倒というわけには行かなくなるということですね」
む~今までにもあったが余り得意じゃないんだよね。
「そもそも人ってそんな簡単に集まるもんか?」
『絶対集まる!』
断言されました。
「タクト君は現在間違いなくEO最強のプレイヤーだよ。そのプレイヤーがギルド設立に動くだけでプレイヤーがごった返すよ」
「極めつけにこの島よ…素材不足の解消、安定性を確保するこの島は生産職が喉から手が出るほど欲しいものよ。それをタクト君が所有する意味は現在EOで最も攻略が進んでいるプレイヤーの最新素材が毎日大量に手に入ることを意味しているわ」
「武器防具の他にアイテムも最新物になる。正直クロウのギルドなんて一瞬で潰せる爆弾だよ」
クロウさんたちはプレイヤーから素材を買って四苦八苦しているらしい。対して俺は島で採掘して大量に最強の素材をゲットして終わり、この差は余りにも酷い。
「最初は一つの素材だけど、倍に増えるなら一週間で100以上の素材が手に入ることになりますから、滅茶苦茶ですよ」
「アイテム、武器なんでも作りたい放題の島になるわけだな」
改めて言われると凄いな…というかいつの間にかみんなで使う話になっている気がする。
「俺が自分で使う案が消えている気がするんだが?」
あれ?みんなの視線が冷たいよ?
「あのね…タクト。島よ? 島。最初は出来るかも知れないけど、タクト君一人で島中の生産をこなさせると思うの?」
「思います」
「タクト、お前…実は物凄く馬鹿だろ…」
アーレイにそんなことを言われるとは…その後、みんなから集中攻撃を受けました。特にユグさんとユウナさんが凄かった。
「木を切り倒すだけでどれだけ時間がかかると思っているの!」
「野菜もです! ヴェルドーレ村の畑でも手を焼いているのに出来るはずないじゃないですか!」
ごもっとも。
「所有者はタクト君だから当然作った素材はタクト君のものよ。ただタクト君だけで生産を補うのは時間的に無理。だから所有者の許可とか書かれてあるのよ。私たちが島の生産を手伝うから素材をギルド値段で売ってくれないかしら?」
「それしかないですね…俺からもいいですか?」
「何かしら?」
「他にも色々な素材がポイント交換できましたけど、それを島に使ってくれませんか?」
それくらいは要求してもいいだろう。
「もちろんよ。私たちが交換する生産アイテムは全て島に使うわ。それに調達したアイテムも使えるものはなんでも使うわ。みんなもいいわね?」
『もちろん!』
「それとタクト君には私たちが島で作ったものはただで提供するわ。売上のお金についてはちょっと調べさせてちょうだい。物凄い金額になることは間違いないわ。これでもまだ釣り合いが取れていないと思うけど、どうかしら?」
「それでいいです」
これで島については終わり、ギルドについても動くことになった。
まずは攻略については今までと同じリアル優先で協力し合えるところは協力するということになった。
更にみんなの役割を決めることになった。
タクト:ギルドマスター
ルイン:サブギルドマスター、生産職統括役
ミュウ:生産職副統括役
満月:男性戦闘職統括役
与一:男性戦闘職副統括役
メル:女性戦闘職統括役
ユーコ:女性戦闘職副統括役
チロル:女性召喚師統括役
アロマ:女性召喚師副統括役
烈風:男性召喚師統括役
タクマ:男性召喚師副統括役
雷電:猛獣使い統括役
サバ缶:サブギルドマスター、情報統括役
とうとうギルマスか…ただし実質的な運営はルインさんたちがしてくれることになった。
「ギルドマスターはギルドの顔。タクト君以外有り得ないわ。タクト君のプレイスタイルは変えなくていいから受けてくれないかしら?」
『賛成!』
リリーたちまで声あげているし…仕方無い。やるだけやろう。ダメだったら、交代も出来るらしい。
そしてタクマとアロマは今回正式にギルドメンバーになった。更に連絡したサバ缶さん、シャローさん、鉄心さんたちは俺たちのギルドメンバーとなった。
まずサバ缶さんたちはロボット開発に島の存在がでかすぎた。話では合金にチャレンジしたくても素材に限りがあって、困っていたそうだ。島で作ればそういうのにチャレンジする機会はかなりあるだろう。俺もロボを見てみたいからね。
シャローさんたちは釣りし放題の島とスクナビコナが決め手となった。やはり生産職にとって、島の存在がでかいのがよくわかる。
鉄心さんたちはどうやら既に俺たちの仲間になっているような扱いを受けているらしい。リアル優先でフィールド攻略もお任せギルドであることを伝えると決断してくれた。凄く心強い。
火影さんたちは忍者ギルドを目指しているから却下。ニックさんは別の国だからちょっと確認が必要。結果はダメだった。こうなると連携を組むしかない。
これはあくまで暫定的なものだ。どれだけ数が集まるか謎なだけにそれぞれ役割を振って、初期のギルドメンバーを決めることになった。
ギルドの名前はリープリングの名前が採用された。一番知名度が高いからだ。エンブレムはルインさんたちが考えてくれた。基本的にはリープリングのエンブレムだが、使っていた武器は普通の剣とハンマーとなった。
ドラゴンがリリーたち…つまり召喚師を表し、剣は普通のプレイヤー、ハンマーは生産職を表現している。これらそれぞれのプレイヤーが協力し合うギルドとして、作ることが決まった。




