#416 バアルの神器と天軍
神バアルはウガリット神話に登場する嵐や豊穣の神だ。色々な話がある神様だが、その中にバアルがグリモワールではバエルとする説がある。
まさか海神ヤムや死の神モートに勝利している神様が登場するとは完全に予想外だ。
「生意気な目をしているな。ボクの妻が気になっている人間だとしても殺すよ?」
ウガリット神話でバアルの妻はアスタルト。名前からもうわかるだろう。グリモワールではアスタロトとされている。つまりわざわざ古の島のラスボスと絡めてきたわけか。
「うぅ…」
「リリー!? 無事か!?」
「う…うん…頭に強い衝撃があっただけ…」
リリーが立ち上がったことに驚いたのはバアルだ。
「バカな…アィヤムルの雷が頭に命中したはずだ! 生きていられるはずが…ん?」
リリーの花の髪飾りが砕ける。まさか…花の髪飾りがリリーを守ったのか?
「あ…あぁ~!? タクトからプレゼントして貰った髪飾りが!?」
「まさかあんな髪飾りで神の攻撃を…どこまでバカにすれば気が済むんだ!!」
「あんな…髪飾り?」
リリーが立ち上がり、バアルに怒りの目を向ける。
「リリーにとっては大事な髪飾りだったの! 逆鱗!」
リリーが尋常じゃないスピードでバアルに斬りかかる。エストオラシオンとバアルの棍棒がぶつかり合い、互いに膨大なエネルギーをぶつけ合う。
「星剣!」
「アィヤムルと張り合うだと!? 舐めるなぁああ!」
リリーとバアルが高速戦闘を繰り返す。
「タクトさん! どうしますか?」
「…様子をみよう。イオン、恋火、逆鱗はデメリットがあるスキルだ。いざというときは頼む。リリーを助けてやってくれ」
「「わかりました!」」
リリーが激戦を続けているとファリーダが来る。
「バエルの本気が神なんて完全に予想外よ。しかも神器の二つ持ち…はっきり言ってレベルが違いすぎるわ」
「神器というのはあの両手の棍棒のことか?」
「そうよ。文字通り神が扱う武器…世界最強の武器よ。エストオラシオンも凄い武器だけど、星では神に勝てないわ」
ファリーダの言葉を予言するかのようにリリーが一瞬逆鱗のデメリットの痛みで動きが鈍る。その隙をバアルは見逃さなかった。
「たかがドラゴンの亜人風情が! 神に敵うものか!」
「きゃ!? あ」
「神雷!」
「星壁! 星鎧!」
リリーは咄嗟に羽まで使って、防御を固める。だが星壁は貫かれ、リリーの羽も星鎧も貫かれてしまい、落下する。
「リリー!?」
「くぅぅ…まだまだ!」
起死回生で回復したリリーが再びぶつかる。それを見たバアルもキレる。
「一度ならず、二度も…ふざけるなぁ!」
起死回生で更に強化されているはすだが、バアルはリリーを圧倒する。そして二人の戦いにエストオラシオンが限界を迎えそうになっていた。
リリーもそれに気がつき、エストオラシオンを気にして動きが鈍る。その隙をバアルは逃さない…リリーの頭に棍棒が直撃し、地面に叩きつけられる。
「トカゲは地面で黒焦げになっていろ! 神雷!」
「ゲイル!」
「ガァアア!」
ゲイルが神雷を受ける。防御を固めるゲイルだが感電し、死に戻る。ゲイルでもあの雷は防げないのか…ゲイルの防御スキルを総動員してこれだ。直撃したら、即死だな。
「うぅ…タクトの…髪飾りぃ~…」
ゲイルは倒れたがそれでもリリーはなんとか無事だった。リリーをあの攻撃から守りきったゲイルを俺は褒めたい。
しかし、リリーの状態は羽がボロボロ、生命力は危険域…更にエストオラシオンを見るとヒビが入っていた。ダメだ…レベルが違い過ぎるぞ。
「無礼な召喚師と召喚獣。共に死ねるなら本望だろう! 神」
「「やらせません!」」
イオンと恋火がバアルに攻撃するが、バアルは攻撃を中断して左右の棍棒で受ける。
「星海のドラゴニュートに狐巫女の亜人か…だが神に届かない! 神放電!」
「「きゃあああ!?」」
二人は感電して、落下する。グレイが毛針を飛ばし、コノハも羽投擲をする。
「無駄だ。ヤグルシュ!」
バアルが棍棒を突き出すと毛針と羽投擲は消滅する。続くみんなの攻撃をあの棍棒が消し去ってしまう。
「無駄なんだよ! 人間だろうとドラゴン、獣、妖精だろうと神には届かない!」
バアルの言葉で思い出す。シルフィ姫様の言葉を。
『エンゲージバーストは』
これに賭けるしかない!そのためにはリリーとイオンの回復とエストオラシオンの修復が必要だ。
『みんな! エンゲージバーストを使う! 切り札全部使ってでも時間を稼いでくれ!』
『『『わかりました!』』』
俺はリリーとイオン、セチアを連れて、スクナビコナに戻る。三人の回復をミライに頼み、俺は空を飛び、運搬船にいるクロウさんたちにエストオラシオンを渡す。
「クロウさん! 武器の修復を大至急お願いします!」
「お、おう! 任せろ! お前ら! 全力で直すぞ!」
『おぉ!』
頼むぞ…みんな。
「お姉ちゃん!」
「四人の時間稼ぎ…頑張るで! 恋火!」
「はい!」
「「獣化!」」
巨大な八尾の狐が二匹降臨する。
名前 恋火 ハーミットビースト(獣化)Lv1
生命力 155→205
魔力 200→250
筋力 215→265
防御力 100→150
俊敏性 250→300
器用値 150→200
刀Lv29 二刀流Lv11 鎌鼬Lv11 炎魔法Lv12 時空魔法Lv2
黒炎Lv17 聖火Lv28 火炎操作Lv1 天耳通Lv29 他心通Lv3
危険予知Lv29 気配遮断Lv1 魔力切断Lv3 物理切断Lv1
霊力Lv12 仙気Lv3 仙術Lv3 幻影Lv2 神道魔術Lv7
見切りLv12 縮地Lv19 神足通Lv3 妖術Lv5 血醒Lv9
料理Lv22 蒼炎Lv1 紅炎Lv1 鬼火Lv1 多連撃Lv1
荒魂Lv1 ハーミットブレスLv3 放射熱線Lv1 狐技Lv4 神降ろしLv2
名前 和狐 ハーミットビースト(獣化)Lv1
生命力 164→214
魔力 260→310
筋力 131→181
防御力 106→156
俊敏性 210→260
器用値 206→256
スキル
扇Lv14 神楽Lv14 投擲操作Lv10 黒炎Lv14 聖火Lv20
火炎操作Lv1 天耳通Lv19 他心通Lv2 神足通Lv1 危険察知Lv18
封印魔術Lv17 幻影12 炎魔法Lv7 神聖魔法Lv10 神道魔術Lv24
妖術Lv12 霊符Lv3 式神Lv1 護符Lv3 仙気Lv1
仙術Lv1 飯綱Lv2 裁縫Lv23 革細工Lv12 料理Lv23
蒼炎Lv1 金縛Lv1 鬼火Lv1 多連撃Lv1 和魂Lv1
血醒Lv5 ハーミットブレスLv4 放射熱線Lv1 狐技Lv4 神降ろしLv2
微妙に覚えているスキルが違うな。まだ続く。次はノワだ。
「…にぃのお願い…ノワが叶える。竜化!」
アンダーワールドドラゴンが降臨する。
名前 ノワ ドラゴニュート・ディペンデンス→アンダーワールドドラゴンLv1
生命力 140→220
魔力 248→328
筋力 122→202
防御力 97→177
俊敏性 140→220
器用値 204→284
スキル
影操作Lv15 飛翔Lv11 呪滅擊Lv5 影探知Lv15 影移動Lv9
影針Lv1 影潜伏Lv21 影呪縛Lv20 影召喚Lv5 竜鱗Lv3
竜爪Lv3 気配遮断Lv14 擬態Lv8 暗視Lv25 魔眼Lv10
冥波動Lv8 暗黒魔法Lv2 超再生Lv1 黒炎Lv1 集束Lv1
邪気Lv1 蘇生Lv1 黒霧Lv1 霊化Lv1 身代わりLv2
超感覚Lv1 死の宣告Lv1 死滅光線Lv1 引力操作Lv1 吸収Lv1
黒死病Lv1 逆鱗Lv1 竜技Lv6 ドラゴンブレスLv5 竜魔法Lv2
惑星魔法Lv1 邪竜の加護Lv8
ステータスを見て思った。俺が戦ったのより、遥かに強い。そしてやばいスキルが追加されているな。黒死病はダメだろう。
最後にブランだ。
「私も主の願いに答えましょう! 天昇!」
光の柱が天に貫き、ブランが進化する。ブランの姿は羽が増え、衣を纏い、手には槍と杖を持つ天使が降臨する。盾は小盾となり杖を持つ腕に装備されている。
名前 ブラン プリンシパリティLv27→ドミニオンLv27
生命力 110→140
魔力 166→206
筋力 128→158
防御力 134→164
俊敏性 126→156
器用値 122→152
スキル
飛行Lv26→飛翔Lv26 盾Lv23→光盾Lv23 槍Lv27 挑発Lv15 光魔法Lv15 浄化Lv2
聖櫃Lv1 障壁Lv1 魔法妨害Lv1 防風壁Lv1 羽投擲Lv1
神気Lv1 封印魔術Lv10 聖波動Lv1 光輝Lv1 集束Lv1
光雨Lv1 光輪Lv22 光弾Lv14→聖弾Lv14 聖療Lv1 聖域Lv1
守護Lv4 天撃Lv10→神罰Lv10 魔力操作Lv9 連撃Lv8→多連撃Lv8 天使の加護Lv21→中天使の加護Lv21
主天使となった。ブランをバアルが見る。
「神の威光を知らしめるための主天使になったなら、神に刃向かうこいつらを退治しろ」
「ふ…あなたのような悪魔と神を一緒にしている半端な神の言うことを聞けなんて、それはなんの冗談ですか?」
「たかが主天使の分際で神に刃向かうつもりか? 身の程を知れよ」
「それはあなたのほうです。主のために覚悟を決めた私たちは強いですよ?」
バアルはブランの様子に怒りの顔をする。
「…いいだろう。生意気な天使には地獄を見せてやろう! 神軍!」
バアルが唱えると空から無数のモンスターが現れる。
エンジェルLv15
イベントモンスター 討伐対象 アクティブ
アークエンジェルLv25
イベントモンスター 討伐対象 アクティブ
フォールンエンジェルLv30
イベントモンスター 討伐対象 アクティブ
プリンシパリティLv40
イベントモンスター 討伐対象 アクティブ
ヴァーチュース?
? ? ?
ドミリオン?
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エクスシーア?
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ここに来て、敵の増援!?しかも天使…ブランの進化先までいるぞ!?くそったれ!
すると空一面の天使の軍団に闇波動と魔素の塊が放たれる。リビナ、セフォネ、ファリーダ、クリュスだ。
「天使が相手ならボクらの出番だね! 全員快楽に落としてあげるからかかってきなよ!」
「うむ! こやつらに真の魔王の力を教えてやるのじゃ!」
「天使と戦うなんて初体験ね…ふふ、タクトの召喚獣になって良かったわ。魔素を恐れないならかかって来なさい!」
「どんなのが相手でもお父様の邪魔をするなら殺すだけよ!」
リビナたちが天使たちとぶつかる。更にグレイたちも覚醒や狂戦士化を使い、天使たちを相手に暴れ出した。
落ち着け…天使のことならブランである程度知っている。ヴァーチュースは近接特化、今のブランを見れば、ドミニオンは遠距離、サポート特化だろう。エクスシーアは武器が細剣のみ。二つの天使のことを考えると恐らくはスピード特化。
ならばこちらはそれに見合った相手をぶつければいい。
『恋火、ノワ、和狐、リビナ、クリュスは天使たちの数を減らしてくれ。リアン、ルーナはバフを頼む』
『わかりました(わかった)!』
『強い天使は担当を分けるぞ。ファリーダ、虎徹、チェス、優牙、伊雪はドミニオン。セフォネ、コノハ、ぷよ助、狐子、ミール、月輝夜はヴァーチュース。イクス、グレイ、白夜、黒鉄、アラネアはエクスシーアだ』
更に簡単な作戦の指示を出す。
『ドミニオンは恐らく魔法特化だ。チェスが引きつけて、ファリーダが魔法を封じて攻めろ。魔法を撃たれた時は伊雪の指揮に任せる』
『わかったわ』
『はい! 頑張ります!』
よし、では次だ。
『ヴァーチュースは近接特化だ。近づか無ければ、怖くないし、ぷよ助なら封殺出来るはずだ。セフォネは影召喚、ミールは花蜜で天使たちをぷよ助の間合いに誘い込め。他のみんなもぷよ助の近くからヴァーチュースを狙え。近接戦だけはするなよ』
『任せるのじゃ!』
『お任せください!』
そして最後の指示。
『エクスシーアはスピード特化だと思う。イクス、お前なら問題は無いはずだ。グレイ、白夜はスピード勝負に乗ってやれ。アラネアはその隙に黒鉄を中心にして、罠を張ってくれ。グレイの幻狼と白夜の霊化なら糸をすり抜けられるはずだ。敵をアラネアの罠に誘導して仕留めろ』
『ガウ!』
俺が指示している間に恋火とノワ、和狐が暴れている。
まずは恋火。火炎を体に纏い、天使たちの軍団に恐れず突っ込んで行っている。恋火に触れるだけで天使たちが焼け死んでいく。紅炎だな。すると恋火は立ち止まると口から放たれた青い熱線が天使たちを容赦なく消し飛ばした。これが恐らく放射熱線だろう。
陸では和狐が恋火を援護している。和狐の尻尾に火球が八つ現れる。それを金縛で動きを封じた天使たちに投げつけ、当たると大爆発する。恐らく鬼火と金縛りのコンボだな。
そして無双しているのがノワだ。最初に影針で強襲し、黒霧を発生させながら、突っ込んでいく。天使たちもノワに攻撃を集中するが黒霧が攻撃を通さない。冥波動と黒炎を放ちながら、天使たちに接近しようとすると天使たちはノワから距離を開けようとする。
『…逃がさない。引力操作』
天使たちがノワに引き寄せられる。ノワの間合いに入った天使たちが黒霧に当たると体が黒く変色する。更に黒く変色した天使たちをノワは尻尾で吹っ飛ばすと黒くなった天使に当たった天使まで黒く変色し、全身に回ると苦しんで墜落する。
恐らく黒死病の効果だ。これ使われていたら、俺負けてただろう。
しかし引いているのは雑魚の話だ。ヴァーチュースがノワに襲いかかる。ヴァーチュースも黒死病になるが、他の天使たちと違い引くことはない。
しかしアンダーワールドドラゴンは強かった。ヴァーチュースに赤褐色の紋様が体に浮かび、暫くすると突如墜落する。あれが死の宣告。一定時間経過で相手を即死させる。防御が硬かろうが問答無用の技だ。
もう滅茶苦茶だ。言えることは一つ。俺はノワに勝てる気がしない。
そして、リビナも次々天使たちを落としていっている。男、女無作為だ。ただ敵も馬鹿ではない。リビナを遠距離攻撃で攻め始めた。魅了になりながら、攻撃してくるとリビナも当たるわけにはいかない。
結果ノワの所に避難して、淫夢結界で落としていく。
そして他のみんなも参戦する。特に酷いのはもちろんぷよ助。ミールの花蜜で寄ってきた天使たちを手当たり次第、体を変形させた触手で捕まえては食べていく。
更に分裂して、ぷよ助の数がどんどん増えて、スピードアップ。流石にヴァーチュースは分解するのに時間はかかったが、それだけだ。
光の攻撃をしてもぷよ助は全て吸収する。光しか攻撃手段がない天使には今のぷよ助は天敵と言っていいだろう。
他のみんなも作戦通り強い天使たちを中心に攻めていくが敵が多すぎてこちらに向かっていくる。くそ!
『強制!』
すると天使たちが狙いを変える。メルたちと満月さんたちだ!
「必殺技は使えないが」
「雑魚を引き受けることぐらいは私たちにも出来る! 手出しさせないよ!」
回復したチロルたちや生き残ったプレイヤーたちが参戦する。
「タクトさんたちを援護するよ! みんな! 突撃!」
『おぉ!!』
更にスクナビコナから与一さんたちが砲撃を次々行う。砲撃を喰らった天使たちは爆散し、海に落ちる。
海に落ちる?俺は空を見ると強制を抜けたエクスシーアが羽を光の翼にして、空に浮いていた俺に迫る。
「はぁああ!」
縮地で現れた鉄心さんが光の翼を止めてくれた。
「大丈夫かい? タクト君らしくないな。油断するとは…どうかしたのかい?」
「鉄心さん! 時間稼ぎをお願いします!」
「ん? わ、わかった」
俺は下がり、オークの杖とファミーユを取り出す。
『全員、強風に注意してください!』
『え?』
ノワたちを避けて、狙いは海上にいる敵だ!いくぜ!落ちろ!
「「ダウンバースト!」」
『『ダウンバースト』』
ダウンバーストを乱射すると天使たちは次々海に落ちて、溺れる。海上に現れたのは完全にミスだ!ポイントと経験値荒稼ぎだぜ!
それに気付いたレッカや生き残った魔法使いたちが慌てて参戦する。
『ずるい!』
見ている人たちからずるいと言われるが見つけたもん勝ちだ。
すると上空が一瞬で暗雲に包まれると暴風が吹き荒れ海水が巻き上げられる。
すると暗雲の一点に巨大な穴が開き、紫色の光が集まり、暗雲の稲妻が穴に集まる。あれを撃たれたら、終わりだ!
「やらせません! 光輝! 集束! はぁああ! 聖波動!」
ブランが眩い光を集束させて、杖から聖波動が放たれるが天使たちがバアルの盾になる。
「あはは! 無駄さ! どれだけ攻撃してもこいつらが盾になる! ボクに攻撃が届くことはない!」
「この!」
『イクス! エネルギーブラスターで切り札を使え!』
『マスターの承認を確認。ブラン、横に…リミッター解除!』
ブランがはっとして横に逃げるとエネルギーブラスターを構えたイクスが現れる。エネルギーブラスターには稲妻が走り、イクスが引き金を引く。
「エネルギーブラスター、最大出力! 狙い撃ちます!」
ドラゴンブレス級のエネルギーがバアルに放たれるがやはり天使が壁となり届かない。エネルギーブラスターが火をあげ、壊れる。
今までありがとうな…エネルギーブラスター。お前が開けた道はみんなが無駄にしない!
「今です!」
全員がその道に一点集中する。対する天使も次々盾になる。
『…ドラゴンブレス!』
『『ハーミットブレス!』』
ノワと恋火、和狐の大技が天使を消し飛ばしたが、バアルには届かなかった。ブランの進化先の天使たちが盾となり、邪魔をしている。それでも倒すことには成功した。
「よく抗った…だが終わーー」
「はぁああ! シールドタックル!」
「ぐっ!?」
ブランが道を通り、バアルにシールドタックルをお見舞いした。結果、バアルの技がキャンセルされる。
「…」
「ふふ…どうしました? 攻撃は届きましたよ? 言ったはずです。私たちは強いと」
「貴様ぁあああああ!」
ブランがバアルにぼこぼこにされて、召喚石に戻る。
『主…皆さん…後は頼みます。傀儡のように扱われた天使たちの分まであの神擬きに天罰を』
『あぁ…任せてくれ』
バアルはまた同じ攻撃の体勢になる。するとクロウさんたちが武器を持ってきてくれた。これがみんなが時間を稼いでくれた成果だ。
「なるべく回復させたぞ! タクト!」
「ありがとうございます!」
『テレポート』
俺は武器を受け取り、スクナビコナに移動するとリリーたちが全開だ。
他のみんなはメルたちも含めてなんとかしようとするが天使たちが邪魔をする。そして滅びの時が来る。
「よく神に抗った…だが、終わりだ。神の裁き(イル・ナハル)!」
巨大な紫色の光の柱が落ちようとしたときだ。みんなの声が届いた。
『『勝って!』』
俺は左手を突きだし、リリーたちも突き出す。
『奇跡を起こすのはいつでも絆と愛なんですよ』
シルフィ姫様の言う通り奇跡を起こせる力があるなら、みんなの想いに答えてくれ!
「「「「エンゲージバースト!!」」」」
リリー、イオン、セチアがそれぞれ光となり、俺の指輪に吸い込まれた。
その時、バアルの攻撃が陸に落ち、世界は紫色に染まった。しかしその世界の中でも金と青、緑の光は強く輝いていた。




