#411 冥邪竜の試練
俺は真っ暗な空間にいた。真っ暗といっても星の光がある不思議な空間だった。
すると早速、黒い光が集まり、邪冥龍王様が現れる。
『もうルールは知っておるな? 一応言っておくが今回は星竜の小娘などを使うことは許さん』
ですよね~。
「わかりました。他のルールは今までと同じですか?」
『うむ。これが決まりなのでな』
というわけで準備する。手にはエストオラシオンのみ。ノワはテクニックタイプだ。武器を増やしても、隙がでかくなる。ならば一番効果的な武器でノワの技にどれだけ対処出来るかが鍵だろう。
「準備出来ました」
『では、試練を始めよう!』
二足の漆黒のドラゴンが現れる。頭には歪に曲がった角があり、黒い霧を纏っている。
アンダーワールドドラゴン?
? ? ?
名前からすると地獄のドラゴンか…
「宝玉解放!」
これでこちらの準備は出来た。さて、どんな能力を持っている?
アンダーワールドドラゴンの目が真っ赤に染まる。何か来る!
俺の周囲の空間から赤褐色の稲妻が現れ、俺の動きを封じにかかる。これは邪眼の強化スキルか?
しかし金羊毛のローブが光ると稲妻を消し飛ばしてしまう。今の俺に状態異常は効かん!
するとアンダーワールドドラゴンは手を掲げると黒い炎が集まる。させるか!
「ガンマレイバースト!」
『『シャイニング』』
光がアンダーワールドドラゴンに迫るが当たる直前に黒い霧に当たると霧散してしまう。うそ!?
アンダーワールドドラゴンの黒い炎の塊が投げつけられるが縮地でかわし、間合いを詰める。
俺が飛び上がった時だった。アンダーワールドドラゴンの目が光ると俺は突如攻撃を受け、吹っ飛ばされる。
効いたぁ~…なんだ?今のは?まるでスカアハ師匠のところで散々味わったレッサードラゴンの攻撃のような…
俺は下を見る。そういうことか…それなら奇襲はしたい放題だよな。だが種が分かれば対処は可能だ。
するとアンダーワールドドラゴンが手をこちらに向ける。すると波動技が放たれる。
縮地でかわし、再び飛び上がる。すると目が光る。同じ手は通じない!
「星光!」
エストオラシオンが輝きを放ち、俺を爪で攻撃しようとした影の竜が消える。影操作か影召喚の能力なのだろうがこれで貰ったぜ!
『テレポート』
俺は間合いを詰めてエストオラシオンを振り下ろす。
「竜穴!」
決まったと思った攻撃がすり抜けた…霊化!?
アンダーワールドドラゴンの尻尾の攻撃を辛うじてガードする。
俺は魔法で回復させながら、考える。霊化と黒い霧をなんとか突破しないと…よし。
俺が作戦を決めるとアンダーワールドドラゴンの周囲の空間から黒い針が無数に現れる。やはり広域攻撃技はあるよな!これの技の弱点はもう知ってるよ!
「テレポート!」
俺はアンダーワールドドラゴンの前に移動する。羽や周囲から攻撃するこのタイプの技は自分の正面ががら空きになる弱点がある。
「竜穴!」
するとまた今度は俺の影に逃げられ、俺の影からアンダーワールドドラゴンが噛み付きに来る。俺は力のルーンを使い、食べられるのを阻止する。
行くぜ!新魔法!
『『サンダーヴォルテックス』』
アンダーワールドドラゴンの口の中で無数の雷撃が炸裂する。アンダーワールドドラゴンが悲鳴を上げている隙にフライを唱え、脱出する。ドラゴンに食べられるのはもうこりごりだ。
さっきの攻防は完全に読み間違えた…だけどやはりあの黒い霧は内部には効果がないみたいだ。ならば効果的な魔法を俺は既に覚えている。
アンダーワールドドラゴンが怒り、爪で攻撃を仕掛けてくる。
「星光! 竜穴!」
俺は爪を躱し、星光で影能力を封じる。これならどうだ!
アンダーワールドドラゴンが霊化で躱し、再び噛みついてくる。だがアンダーワールドドラゴンは危険を察知する。もう遅い!
『『ディメンジョンボム』』
アンダーワールドドラゴンの体の内部が次々爆発し、アンダーワールドドラゴンは墜落する。
さて、ここからが本番…
そう考えた時だった。アンダーワールドドラゴンが影になり、蘇生すると俺にダメージが入る。これは…呪滅擊か!
しかし逆鱗が発動しない。すると空を飛んでくる。俺がディメンジョンボムを喰らわすと再び蘇生し、俺にダメージ…あぁ~これはうざいパターンだ。
俺は生命力と魔力を回復させる。さて、長期戦と行こうか。
結果、アンダーワールドドラゴンの魔力が尽きるまで戦うことになった。封印魔術で竜技と未知の高火力魔法を封じれば、魔力消費がでかくて回復手段がない分こちらが有利になる。
それでも蘇生する度に封印が外れるし、面倒臭いにもほどがあった。それでも勝ちは勝ちだ。そこでインフォが来る。
『おめでとうございます! 『冥邪竜の試練』をクリアしました!』
『封印魔術のレベルが30に到達しました。封印魔術【ルーンウェポン】を取得しました』
すると邪冥龍王様が降りてくる。
『それこそが我らが邪竜である所以だ。何度殺されても甦り、しつこく狙った獲物を狙い続ける。恨み、呪い、許しを乞うても許すことはない、決してない。ひたすら追い詰めて絶望を与えるのが我らだ』
怖いね…悪質なストーカーの様だ。俺は邪冥龍王様に質問する。
「結局アンダーワールドドラゴンは逆鱗を使いませんでしたが何故ですか? ひょっとして所有していないとか」
『竜はこの領域になると全員逆鱗は持っておる。ただこやつは使わなかっただけじゃ』
「それは何故ですか?」
『…疲れるからじゃろうな』
そんな理由!?いや、このドラゴンはノワだったな~。
「逆鱗を使った方が早く終わった気がしますが?」
『怒って疲れるのと遊んで疲れるのは別物なのじゃろ?』
それは…確かに。というか遊んでた?それではノワに意識が…ま、まさか。
『気付いたようじゃな…ノワは最初から意識を持っておったぞ』
な、何ぃいいい!?それはヤバくないか!?
『案ずるな…これはノワが望んだ戦いだ。意識があると知ったら、本気で遊んでくれないから伝えないで欲しいと言っておったぞ?』
ノワとは決闘とかしたこと無かったからな…あれを遊びと仮定するなら、ノワはずっと戦いたかったことになる。これは反省だな。
『では、改めて試練はクリアじゃ。お主はお主の思いのままに生きるがいい。今日からお主はドラゴニュート・ディペンデンスだ!』
アンダーワールドドラゴンが光り、ノワに戻る。
『ノワがドラゴニュート・ディペンデンスに進化しました。影操作に【影竜】を取得しました』
『影針、黒炎、集束、邪気、蘇生、黒霧、霊化、超感覚、逆鱗を取得しました』
『邪眼が魔眼に進化しました』
『竜化のデメリットが一日となりました』
進化したノワはゴスロリ服のままだ。ただデザインは服というより、ドレスのように変わり、黒のストッキングを履いている。
目覚める前にステータスを確認しよう。
名前 ノワ ドラゴニュート・オブセッションLv30→ドラゴニュート・ディペンデンスLv1
生命力 90→140
魔力 198→248
筋力 72→122
防御力 57→97
俊敏性 90→140
器用値 154→204
スキル
影操作Lv15 飛行Lv11→飛翔Lv11 呪撃Lv7→呪滅擊Lv7 影探知Lv15 影移動Lv9
影針Lv1 影潜伏Lv21 影縛りLv20→影呪縛Lv20 影召喚Lv7 気配遮断Lv14
擬態Lv8 暗視Lv25 邪眼Lv10→魔眼Lv10 闇波動Lv8→冥波動Lv8 暗黒魔法Lv2
超再生Lv1 黒炎Lv1 集束Lv1 邪気Lv1 蘇生Lv1 黒霧Lv1
霊化Lv1 身代わりLv2 超感覚Lv1 逆鱗Lv1 竜技Lv6
ドラゴンブレスLv5 竜魔法Lv2 竜化Lv5 邪竜の加護Lv8
ディペンデンス…依存や~という意味だな。ただでさえ、影に潜ってのんびりしているノワがこれ以上、依存が強くなって大丈夫だろうか?心配だ。
するとノワが目を醒まし、俺を見る。
「…にぃ…激しすぎ」
「うわぁあああ! 違うんだ! 知らなくて! というかノワが望んだことだろう!」
「…そんなこと言ってない」
ダウト!俺がノワともめていると邪冥龍王様が怒った。
『痴話喧嘩ならここでするでない。戻すぞ』
ちょ、ま。俺は落とされ、途中で橙色の光に包まれ、転移した。
名前 タクト 寵愛の召喚師Lv2
生命力 122
魔力 275
筋力 120
防御力 70
俊敏性 90
器用値 178
スキル
格闘Lv27 蹴り技Lv23 杖Lv35 片手剣Lv36 槍Lv23 刀Lv25
投擲Lv11 詠唱破棄Lv5→Lv8 魔力操作Lv5→Lv6 召喚魔術Lv40 封印魔術Lv27→Lv30
ルーン魔術Lv11 騎手Lv35 錬金Lv23 採掘Lv28 伐採Lv36
解体Lv43 鑑定Lv33 識別Lv40 疾魔法Lv4→Lv6 炎魔法Lv4
地魔法Lv5 海魔法Lv4 暗黒魔法Lv6 神聖魔法Lv12 雷魔法Lv35→Lv36
爆魔法Lv37→Lv39 木魔法Lv27 氷魔法Lv29 時空魔法Lv44→Lv45 獣魔魔法Lv4
遅延魔法Lv10 連続詠唱Lv16→Lv19 水中行動Lv20 縮地Lv1→Lv4 読書Lv16
料理Lv41 餌付けLv8 釣りLv20 シンクロLv24 エンゲージLv4→Lv5
連携Lv10




