#389 エネルギーキャノンとリリーの指輪事件
俺は先にエリクサーラピスで鋼鉱石を大量に買う。イクスのエネルギーキャノンとリアンとブランの槍の分だ。
更に水樹の町アクアスに向かう。そこでこの町の特産の言っていたアクアスの水を大量に購入する。良い薬と良いかき氷は良い水から出来上がるのだ!鑑定するとこんな感じ。
アクアスの水:レア度9 素材 品質A
最古の水樹が作り出す水。水としては最高峰クラスで各国で非常に人気がある。
最後にサンドウォール砂漠のコナッツ村でココナッツを大量購入。これは材料もそうだが、縄が気になっているから明日作って見ようと思った。
後はルーン魔術用の木材だな…どこで集めるか…イエローオッサの森はみんないるだろうしな。となると狙い目はやはりあそこか…時間がもう深夜だし、俺にはこれからボス戦より難関のクエストが待っている。
とりあえずヘーパイストスに素材を渡し、イクスを連れてバトルシップに向かう。
エネルギーキャノンの素材をベルトコンベアに乗せ、エネルギーキャノンを選択する。素材が中に吸い込まれ、エネルギーキャノンが完成した。鑑定してみる。
エネルギーキャノン:エクスマキナ専用武器
重さ60 攻撃力:チャージにより変化
エクスマキナの主武装の一つで中距離高火力の武器。
エネルギーブラスターの放射されていたエネルギーを集束させ、火力を大幅に上昇させたエネルギーブラスターの上位武装。
撃つためにチャージが必要でチャージ時間が長いほど火力が上昇する。
やはりエネルギーブラスターの上位武装だよな。どれだけ火力が上がったのか使わないとわからないのはいつものことだな。
「どうだ? イクス」
「接続完了。問題ありません。マスター」
「トレーニングルームで試してみるか」
「イエス、マスター」
結果、ドラゴンブレス級のエネルギーが放たれ、標的が消し飛んだ。やはり進化したイクスの武器は強いな。ただ欠点も発見した。エネルギーキャノンは直線攻撃のようだ。エネルギーブラスターは無理をすればイクスは動けていたからな。
ただ火力があるからあまり気にしなくていいかも知れない。少なくともイクスは満足しているようだ。
「気分爽快です。マスター」
だろうね。まぁ、これで武器については揃った。後はリリーだな。あぁ~緊張する。
リープリングに戻った俺はリリーを部屋に呼び出す。
「何か用? タクト?」
「あぁ。実はリリーにプレゼントがあってな」
俺はリリーのエンゲージリングを取り出す。
「受け取ってくれるか?」
これで受け取って貰えなかったら、俺の一生のトラウマだ。だが、それは杞憂だったようだ。
「いいの!? やったぁ~! あ、タクト! リリーの指に付けて!」
「あ、あぁ…」
あれ?こんな感じなのか?まぁ、いいか…リリーの左手の薬指に装備させる。
「綺麗…あ! イオンちゃんたちに言わないと!」
リリーが猛ダッシュで部屋から出ていった。あのプロポーズの言葉とかまだなんだが…というかリリーのやつ、意味を理解していないな。
「タクトから指輪、プレゼントされたよ!」
『へぇ~……えぇえええええ!?』
この日、リープリングで過去最大の悲鳴が響いた。
「ちょ、ちょっと待ってください! 左手にダイヤモンドの指輪って…」
「しかもこの指輪のドラゴン…リリーお姉様では?」
「え? そうなの? えへへへへ~」
リリーはきっと頬が凄い緩んでいるんだろうな…プロポーズを言いそびれた俺は穴に入りたい気分だ。とりあえずベッドで丸まろう。
「わぁ! おめでとうございます! リリーお姉ちゃん!」
「はい。女性としては悔しさもありますがおめでとうございます」
「でも、これって私たちにもくれるということじゃないですか?」
「そうやね。タクトはんも言うときは言うやね~」
ごめんなさい…言えてません。
「それでタクトはどんなプロポーズをしたのかしら?」
「そうだよ! そこが重要だよ! 聞かせてよ! リリー!」
「…ん!」
「へ? プロポーズって何?」
きっと全員の時間が止まっていることだろう。もういっそ殺してくれ!
「ちょっと、待ってください。リリーはその指輪をタクトさんから貰ったんですよね?」
「そうだよ!」
「…他にタクトさんは何か言ってませんでしたか?」
「ううん。タクトに装備して貰ったら、急いでみんなの所に来たよ」
全員が状況を察した。どうぞ、笑ってくれ。この哀れな男を笑ってくれ。
「リリー…なんてことを…」
「指輪のプレゼントに浮かれてしまったんですね…」
「主は大丈夫でしょうか?」
「いや、ダメでしょ…これは。下手したら、ボクらまでとばっちりをくらうよ」
イオンがリリーに説明をする。
「いいですか? リリー。この指輪はただの指輪ではなく、結婚指輪です」
「何それ?」
「そ、そこからですか…男性と女性が永遠の愛を誓うものです」
「へぇ~……え!?」
リリーの顔が真っ赤になる。
「そ、それって…タクトとリリーが…」
「ようやく理解しましたか…それで本来なら男性から誓いの言葉を貰えるはずだったんです」
「えぇえええ!? 急いで貰いにいかないと!」
こんな状況で言えるわけないだろうが!俺はログアウトボタンを押し、現実のベッドで暴れた。




