#379 金の羊と覇王の馬
まずはブランの成長する。白く輝き成長する。
『ブランが成長しました。槍スキルに【光槍】を取得しました』
『魔力操作スキルを獲得しました』
『連撃スキルを獲得しました』
『浄化スキルを獲得しました』
成長したブランは見た目の変化はなく、服装はミニスカートに青色のロングシースルースカートになり、白のスパッツになった。水色の天使の羽の髪飾りが装備され、ヴァルキリーに見えなくもないが、服装と天使の姿で独特の天使となった。
「これは少し…恥かしいですね…」
まぁ、ミニスカートになったら、そんな感じになるかも知れないな。
「むむ~。これは反則の匂いがするよ!」
ブランの姿にリビナが何かを感じ取っている。二人が喧嘩している間にステータスを確認する。
名前 ブラン プリンシパリティLv20
生命力 86→106
魔力 135→155
筋力 102→122
防御力 100→120
俊敏性 100→120
器用値 96→116
スキル
飛行Lv23 盾Lv18 槍Lv25 挑発Lv13 光魔法Lv15 浄化Lv1
光輪Lv20 光弾Lv7 守護Lv3 天撃Lv9 魔力操作Lv1 連撃Lv1
天使の加護Lv16 天昇Lv2
魔力操作を覚えたから天輪も動かせるようになったのかな?聞いてみたら、出来るようになったみたいだ。これでイクスのエネルギーリングとほぼ同じになったな。
さて、次はセフォネだ。黒色に輝き成長する。
『セフォネが成長しました。夜目スキルが暗視スキルに進化しました』
『闇爪スキルを獲得しました』
『血流操作スキルを獲得しました』
『血弾スキルを獲得しました』
まぁ、案の定セフォネの見た目の成長はない。ただ首に赤い宝石を装備し、服装が全体的に大人っぽく見えるようになった。まぁ、あれだ。お転婆のお姫様がちょっと女の子を意識してきた感じだ。
「今、とても失礼なことを考えたじゃろ?」
「そんなことはない。大人っぽく可愛くなったなと思うだけだ」
「…そんなことを言われても嬉しくないのじゃ」
「顔がにやけているよ。セフォネ」
リビナのツッコミに慌てて、顔を反らすが既に手遅れだ。さて、ステータスを確認しよう。
名前 セフォネ ヴァンパイアプリンセスLv20
生命力 94→114
魔力 140→160
筋力 81→101
防御力 50→70
俊敏性 80→100
器用値 128→148
スキル
鎌Lv1 吸血Lv18 夜目Lv22→暗視Lv22 闇爪Lv1 影潜伏Lv18 影操作Lv8
影召喚Lv18 隠密Lv16 暗黒魔法Lv8 幻術Lv1 譲渡Lv5 蘇生Lv10 夜不死Lv15
血流操作Lv1 血弾Lv1 呪滅封印Lv12 闇波動Lv6
セフォネに謎の血流操作を見せてもらった。すると闇爪で指を切ると血が出て、その血が自在に動く。固くなり壁にも出来るし、血弾として撃つと自在に動かすことができた。ヴァンパイアっぽいスキルだな。
次は進化だ。まずは気になるロコモコからだ。進化先は1つ。
ゴールドシープ
恐らくギリシャ神話のアルゴー船で出てくるコルキスの黄金の羊のことだろうな。アルゴー船の話はこのコルキスの黄金の羊の毛皮を探す冒険の話となっているからやばさを感じる。一応説明を見てみよう。
ゴールドシープ…黄金の毛並みを持つシープ。その毛皮はあらゆる英雄が欲するほどの毛皮で秘宝とまで言われるほどのもの。ただゴールドシープは人間が生きていけない遥か上空に住んでおり、警戒心の強いため、滅多に出会うことがない希少なモンスター。
やはりビンゴみたいだな。では進化行ってみよう!ロコモコが金色に輝く。
『ロコモコがゴールドシープに進化しました。天罰スキルを取得しました』
『飛行スキルが飛翔スキルに進化しました』
『雷霆、光輝、浄化、黄金の加護スキルを取得しました』
進化したロコモコは觔斗雲のようになってしまった。金色で雲のようなモクモクの毛並みで空をふよふよ浮いているのだから仕方が無いと思う。角から何もかも金だから正しくゴールドシープって感じだ。
「メェ~」
「うむ…では失礼して、毛並みチェックを」
『モフ~!!』
リリーたちに先を越された!?おのれ!狙っていたな!俺もモフ~!あぁ~これは麻薬だ。リリーたちが飛び込むのも仕方無い。これはそれほどのものだ。モフを超越してマフになっている。いかん…思考が変になってきている気がする。
未練たらたらで離れるとリリーたちが脱出不可能な状態に陥っている。ロコモコ、恐ろしいやつだ。ではステータスを確認しよう。
名前 ロコモコ ハピネスシーフLv24→ゴールドシープLv1
生命力 130→160
魔力 102→132
筋力 20→40
防御力 120→160
俊敏性 62→102
器用値 60→90
スキル
飛行Lv13→飛翔Lv13 体当たりLv3→激突Lv3 危険察知Lv14→危険予知Lv14 逃げ足Lv3→脱走Lv3
育毛Lv17 採乳Lv17 耐寒Lv1 幸福Lv10 祝福Lv10
守護Lv8 放電Lv1 雷魔法Lv10 光魔法Lv8 浄化Lv1
天罰Lv1 雷霆Lv1 光輝Lv1 天の加護Lv12 黄金の加護Lv1
あ、あれ?天昇したときのブランが使ったスキルがあるんだが…その癖、脱走って凄いバランスだ。実際にロコモコに使ってもらった。案の定天罰はブランが使ったのと同じスキルだった。半端ないスキルだが、一回しか使えないみたいだ。
だがロコモコの切り札は他にもあった。それが雷霆。巨大なプラズマの球を作り、それを打ち出す。するとその球に対象が吸い込まれ、球の中で凄まじい雷撃の嵐が発生した。滅茶苦茶だ。
最後に光輝。ロコモコが輝くと光のバリアが張られた。かなり強いバリアみたいだ。イクスのエネルギーガンが全く通じなかった。ただし、自分にしか張れないようだ。最早ただ守られるだけの羊では無くなったな。
次はダーレーだ。進化先はなんと二つ。一つはたぶん俺が好きな馬が来ると思うがもう一つは謎だ。見てみよう。
騅
グルトップ
やはり騅が来るよな。西楚の覇王とよばれた中国の英雄項羽の愛馬だ。項羽は五年この馬に乗り、向かうところ敵なしだったという。俺が好きなエピソードで項羽の最後に疲れ果てて動けない騅を乱戦で殺すに忍びないとして騅を逃がすのだが、項羽の危険を察知して海に飛び込み死んだと言われている。このエピソードは騅がどれだけ主人思いの馬だったかを象徴するエピソードとして知られている。俺も子供心に感動したものだ。
グルトップは知らないな。説明を見てみよう。
騅…覇の称号を持つ者にしか乗ることが出来ない覇王の馬。乗ることさえ出来れば圧倒的な加護をさずけ、乗り手を覇王に導くとされている。その力は山を抜き、世を覆い尽くすものだったと言われている。
グルトップ…金色の前髪を持つホース。虹の道を作ることでその上を走り、空の移動を可能にしている。危険察知能力に長けており、敵の監視などに最適な馬。
これはどうなんだ?グルトップはかなり特殊な馬であることは確かだろうな。後で調べたら、北欧神話のヘイムダルの馬なんだそうだ。それでこの能力に納得がいった。ヘイムダルは光の神でアースガルズの見張り番の役目をしていた神様だ。有名な角笛ギャラルホルンの持ち主でもある。そりゃ監視とかの特化になるよな。
どちらを選ぶか決まっている。俺には『無傷の覇者』の称号があるからな!ダーレーが青い炎に包まれ進化する。
『ダーレーが騅に進化しました。覇気スキルを取得しました』
『赤馬の加護が覇馬の加護に進化しました』
『衝撃波、蒼炎、連携スキルを取得しました』
進化したダーレーは赤兎馬より大きくなり、青い馬になった。はっきり言って迫力が半端じゃない。滾らせているオーラが過去最高に多いのだ。そんなダーレーが俺に近づいてきて、俺を見る。乗れっと言っているな。俺は乗ってみると全身にオーラが纏う。進化したダーレーと共に俺のステータスを確認する。まずはダーレーからだ。
名前 ダーレー 赤兎馬Lv24→騅Lv1
生命力 60→90
魔力 70→110
筋力 60→100
防御力 34→64
俊敏性 160→200
器用値 92→122
スキル
蹴り技Lv7 突進Lv13→激突Lv13 猛火Lv10→灼熱Lv10 火炎操作Lv20 乗馬Lv29→騎乗Lv29
疾走Lv21→疾駆Lv21 防御無効Lv1 物理破壊Lv1 騎手強化Lv26 連撃Lv8
英気Lv10 闘気Lv13→練気Lv13 覇気Lv1 蒼炎Lv1 放電Lv1
衝撃波Lv1 譲渡Lv7 連携Lv1 赤馬の加護Lv11→覇馬の加護Lv11
まぁ、強化項目が多いよな。ではダーレーに乗っている際の俺の注目のステータスがこちら!
名前 タクト 情愛の召喚師Lv19
生命力 88→168
魔力 234→314
筋力 80→200
防御力 40→120
俊敏性 60→140
器用値 144→224
スキル
格闘Lv15 蹴り技Lv20 杖Lv35 片手剣Lv30 槍Lv20 刀Lv15
投擲Lv10 高速詠唱Lv39 召喚魔術Lv39 封印魔術Lv26 騎手Lv33
錬金Lv23 採掘Lv28 伐採Lv33 解体Lv42 鑑定Lv32 識別Lv39
疾魔法Lv3 炎魔法Lv4 地魔法Lv4 海魔法Lv4 暗黒魔法Lv3 神聖魔法Lv11
雷魔法Lv32 爆魔法Lv33 木魔法Lv27 氷魔法Lv29 時空魔法Lv41
獣魔魔法Lv3 遅延魔法Lv9 連続詠唱Lv10 水中行動Lv15 俊足Lv4
読書Lv14 料理Lv40 餌付けLv8 釣りLv20 シンクロLv17 連携Lv8
オールステータス80アップ。唯一筋力だけ120アップ。俺は…人間をやめたな。項羽の気分が味わえると考えるとこの異常な強化も納得してしまいそうになるのが怖い。因みに項羽が強いのは彼自身が強いからです。
取り合えずせっかく乗ったし、ダーレーのスキルを確認する。まずは衝撃波。ダーレーから衝撃波が全方位に放たれ、辺りのものが消し飛んだ。俺には被害はない。これはあれだな。敵陣にど真ん中に突っ込んで敵を吹っ飛ばせと言っているな。
次に蒼炎。蒼い炎なわけだが、この炎は火のみのダメージではなく、氷のダメージも発生するようだ。セチアの情報だから間違いないだろう。この炎が火炎操作で自在に動き、ダーレーに触れると灼熱で蒼炎が発生する。更には放電で麻痺らせ、衝撃波で敵を吹っ飛ばします。激突で逃げることはできず、受けると防御無視、物理破壊が発動する感じとなっている。
弱点は俺が狙うなら地面だな。感知系のスキルは無いからトラップに弱いだろう。ただし、トラップで止まるような馬には見えないけどね。スピードはスピカに乗っているから大丈夫だ。リリーたちの元に戻り、反省会をしようとしたら、いきなり木の上から声をかけられた。
「随分物騒な馬に乗っておる召喚師だな」
その人は漆黒のドレスに深紅の槍を持った大人の女性だった。




