#365 蠍の使徒とチョコレート
夜、まだ魔力が回復していないがみんながいるから大丈夫だろう。
サンドウォール砂漠に向かい、セルケトに挑む。その前にセルケトの情報をファリーダから聞く。
「セルケトは毒使いよ。毒対策をすれば問題無く倒せるわ」
おや?簡単そう。だが、やはり簡単には行かないみたいだ。
「ただ取り巻きにスコーピオンキングがいるわ。こいつが強いのよ」
「どんな奴だ?」
「上半身が男で下半身が蠍の敵よ。武器は致死毒が塗られた槍を二本持っているわ。それと蠍の手二本を駆使して攻めて来るわ」
おっかねー。だが、近付ければ行けるか?
「蠍の尻尾もあるし、気弾やサンドストームも使って来るわ。こんなところかしら?」
「ありがとう。参考になった」
というわけでフウトの村から出発する。メンバーはリビナ、セフォネ、ファリーダ、コノハ、ストラだ。
昨夜と違い、真っ直ぐ目的地に向かうとセルケトを見付けた。
俺たちは降り立ち、ストラに変えて黒鉄を召喚する。俺の手にはスカーレットリングだ。
俺たちを認識したセルケトは手をあげると砂の中から巨大な蠍男が現れた。識別する。
セルケトの使徒?
? ? ?
スコーピオンキング?
? ? ?
セルケトの使徒が手をこちらに向けるといきなり針が無数に飛んできた。
「黒鉄!」
それを黒鉄が防御するとスコーピオンキングが黒鉄に挑む。
「ゆけ! 妾の軍団よ!」
セフォネが影召喚をするが、スコーピオンキングは槍を回し一瞬で突破すると蠍の鏃を振りかぶる。それでも呪滅封印でダメージを与え、蘇生で復活するとスコーピオンキングに噛み付く。うざったそうにスコーピオンキングは槍を大振りする。ここだ!
「テレポート!」
俺はテレポートでスコーピオンキングの後ろ、尻尾に向けてスカーレットリングを振り下ろす。
「ヘビースラッシュ!」
だが、切り落とせない。しかしヒビは入った。それを見たセルケトの使徒が来るがファリーダが殴りかかった。
「あんたの相手はあたしよ。女同士楽しみましょう? 魔力妨害!」
ファリーダの魔力妨害がセルケトの使徒とスコーピオンキングに発生する。それを知ってセルケトは奇妙な剣を取り出す。
「ケペシュを持っていたのね…でもそんなものであたしに勝てるかしら?」
ファリーダとセルケトの使徒が戦闘をしている中、俺はスコーピオンキングの蠍の鏃で攻撃される。
「リリース!」
遅延しておいたテレポートで回避し、スコーピオンキングの前に移動する。行くぜ!
「「アクセラレーション!」」
「ホー!」
高速で斬り裂くが、こいつ筋肉カチカチ過ぎるぞ。斬ってる感じがしない。だが、スカーレットリングの灼熱は発動している。
更にコノハも俺に合わせて、色々な魔法を乱れ撃っている。
しかしスコーピオンキングはコノハの攻撃を気にせず、燃えながら俺に攻撃をしてくる。だが、振りかぶった槍の攻撃を黒鉄が止める。
「淫夢結界!」
スコーピオンキングが淫夢結界に閉じ込められる。それでもスコーピオンキングは必死にリビナに攻撃しようとするが、リビナは黒鉄の後ろで攻撃が届かない。
その間に俺は止めの体制を取る。
俺がスカーレットリングを構えると謎の光が包まれ、バフが発動する。疑問に思っているとコノハが来る。これは女神の加護か?するとコノハは魔方陣を出す。これって…
「獣魔魔法やれるのか? コノハ?」
「ホー!」
どうやら行けるようだ。ならやってやる。俺とコノハで出来る魔法はこれか!
「やるぞ! コノハ!」
「ホー!」
俺とコノハの魔方陣がスコーピオンキングの頭上で合わさる。俺がエクスプロージョン、コノハがフリーズ。
「獣魔魔法! フリーズプロージョン!」
「ホー!」
魔方陣から氷の塊がスコーピオンキングに落ちる。どうなるんだ?
氷の塊がスコーピオンキングに当たると爆発する。通常のエクスプロージョンよりでかい…女神の加護の効果か?そう考えていると爆発で発生したのは爆風ではなく、冷気だった。スコーピオンキングが一瞬で氷結する。強いな。
「流石タクトとコノハのコンビじゃな! 後は任せよ! 我が魔王の一撃で砕け散れるがいい! 闇波動!」
セフォネの闇波動が直撃するが、スコーピオンキングをギリギリで倒せなかった。すると黒鉄が倒してしまう。あーあー…やっちまったな。一番恥ずかしいパターンの奴だ。セフォネも固まってしまっている。
さて、ファリーダはどうなったかな?見るとセルケトの使徒をぶっ飛ばしているところだった。
「スコーピオンキングが倒されると隙だらけになる癖、直ってないのね」
ファリーダがセルケトを倒してインフォが来る。
『リビナのレベルが20に到達しました。成長を実行します』
おや?進化じゃないんだ。まぁ、いいや。リビナが成長する。身長が少し伸び、髪も伸びる。そして角も伸びた。
『リビナが成長しました。魔力操作を取得しました』
『連撃を取得しました』
『誘惑、魅了吸収、淫夢結界の制限が無くなりました』
な、何?魅了の制限が無くなっただと?ということは女性にも有効になったのか?それって、つまり…
「何考えているのかな? タクトは。言っとくけど、魅了の力が強くなっただけだけだからね? タクトか女か食べるならボクはタクトを選ぶよ」
なぜわざわざ俺を例に挙げたのか謎だが、制限が無くなったのはでかいな。何気にリビナ最大の弱点だったからな。さて、ステータスを確認しよう。
名前 リビナ サキュバスLv19→Lv20
生命力 80→100
魔力 162→184
筋力 66→88
防御力 52→72
俊敏性 112→132
器用値 116→138
スキル
鞭Lv1 闇爪Lv11 飛行Lv18→Lv19 隠密Lv8 夜目Lv19→Lv20 誘惑Lv15→Lv16
催眠Lv2 魅了吸収Lv17→Lv18 魔力操作Lv1 連撃Lv1 闇魔法Lv12
時空魔法Lv1 幻術Lv9 魔弾Lv19 淫夢結界Lv6→Lv7
するとファリーダがこちらに来る。
「進化おめでとう。それとお疲れ様。流石ね」
「尻尾は斬れなかったけどな」
「大丈夫だよ。タクト。格好付けて倒せなかった子がそこにいるから。ププ」
「ぬが~! リビナ! 触れてはならんことを触れたな~!」
セフォネとリビナが喧嘩をする。
「何かあったのかしら?」
「実はな」
「何話そうとしているのじゃ! タクト!」
「諦めなよ。セフォネ。タクトが話さなくてもボクが広めるから」
セフォネとリビナがまた喧嘩をする。さて、解体するかな。
アルミール:重要アイテム
肘より上に付ける腕輪。神々から与えられたもので神々の加護を与えてくれる。
致死毒の直槍:レア度7 槍 品質B-
重さ:45 耐久値:80 攻撃力:50
効果:致死毒
致死毒が塗られている直槍。槍の刃を当てやすいように軽く作られている。
この輪っか…アルミールっていうんだ。知らなかった。そして致死毒の直槍を貰えるんだ。槍は強化していないから素直に嬉しいな。あまり毒の武器は使わせたくないので、俺が使おうかな。
これで残りは二人だ。その後、新しい町に入るとやはり捕まっていた子供に見付かり、お礼の流れになった。貰ったのがこれ。
ナツメヤシの苗木:レア度7 素材 品質B
植えて育てるとナツメヤシの木になる。果実は食用として食べられている。
カカオの苗木:レア度8 素材 品質B
植えて育てるとカカオの木になる。果実はチョコレートやココアの材料として使われる。
カカオ!?チョコレートの奴だ。クエストでもあったが、普通に手に入れることも出来たんだ。これは嬉しいぞ!
町を探索すると売られていたのがやはりこれだ。
カカオ豆:レア度8 素材 品質B
カカオの木から取れる実の中にある種。様々な素材の元になる素材。
カカオマス:レア度8 素材 品質B
カカオ豆の胚乳を発酵、乾燥、焙煎、磨砕したもの。作るのに非常に時間がかかる。
ココアバター:レア度8 食材 品質B
カカオマスから分離された脂肪分から作ったバター。
ココアパウダー:レア度8 食材 品質B
カカオマスを脱脂、粉砕したもの。
チョコレート:レア度8 食材 品質B
効果:魔力100回復
カカオマス、ココアバター、ラクダのミルクから作成したお菓子。
デーツ:レア度7 食材 品質B
効果:満腹度25%回復
ナツメヤシの実。乾燥地帯では主食として食べられている。そのままでも食べることが出来る。
乾燥デーツ:レア度7 食材 品質B
デーツを乾燥させたもの。飲料としても使われる。
俺は迷わずカカオマス、ココアバター、ココアパウダーを購入する。カカオ豆はトラップなのを俺は知っている。喫茶店のバイトしていた時にカカオ豆からチョコレートを手作りしようとした話を聞いて、無理だと思ったことを覚えている。
ゲームだから多少簡略化されているかも知れないが値段が高くても迷っちゃいけない気がする。
更にチョコレートを買い、味見する。
…ふむ。悪くない。砂糖が使われていないからどうかと思ったがラクダのミルクが入っているからか苦すぎるということはないようだ。
やるな。ラクダのミルク。因みに探したが見付からなかった。なぜだ。気になるじゃん。いつか見つけて飲むと心に誓った。
リープリングに帰り、セチアとミールに苗木を見せて、植えに行く。ずいぶん木が増えたものだ。
俺はその後、バトルシップの調理ルームに向かった。ここでならチョコレートが作れるぜ。
まずは牛乳に粉末化と乾燥を使うとこれが完成する。
スキムミルク:レア度4 食材 品質C-
牛乳を粉末化したもの。パンやお菓子作りに使われる。
これで素材は揃った。使う素材はカカオマス、ココアバター、砂糖、スキムミルクだ。
まず、カカオマスに砂糖、スキムミルクを少しずつ加えながら混ぜ合わせる。次にこれを湯煎して、ココアバターを少しずつ加えながらまた混ぜる。するとチョコレートが完成した。
チョコレートの原液:レア度8 食材 品質A-
効果:魔力120回復
カカオマス、ココアバター、スキムミルク、砂糖から作成したチョコレートの原液。
後はこれを固めるだけだ。チョコレートの原液を錬金スキルで作った型に流し込み、氷で冷やすと待つこと数分。チョコレートが完成した。
チョコレート:レア度8 食材 品質A
効果:魔力120回復、30分間魔力回復(中)
カカオマス、ココアバター、スキムミルク、砂糖から作成したお菓子。
売られていたのものに勝ったな。本来ならもっと大変なんだが、色々簡略化していたな。まずは味見する。
「チョコだ!」
完璧なチョコレートだ。ただこれを知ったら、戦争になる気がする。効果も尋常じゃない。何せMPポーションより効果が高いんだ。ここは黙っておこう。温泉で匂いを落としてから戻る。大丈夫のはずだ。
全員から追及されるが全て躱す。匂いがしないなら躱しきれる。最後に恋火と和狐を見ると恋火からお願いされる。
「あの…タクトお兄ちゃん…一緒に寝てくれませんか?」
反則の攻撃をくらい、一緒に寝ることになった。すると恋火が俺の服の匂いを嗅ぐ。ま、まさか…
「今日のタクトお兄ちゃんからは甘くていい匂いがします~」
「そ、そうか? それよりも早く寝るぞ。恋火」
恋火の頭を撫でながら眠らす。ふぅ…誤魔化しきった。だがバレるのは時間の問題だと思った。
名前 タクト 情愛の召喚師Lv15
生命力 82
魔力 222
筋力 72
防御力 40
俊敏性 60
器用値 138
スキル
格闘Lv15 蹴り技Lv20 杖Lv30 片手剣Lv30 槍Lv19 刀Lv15
投擲Lv9 高速詠唱Lv38 召喚魔術Lv38 封印魔術Lv24 騎手Lv33
錬金Lv23 採掘Lv28 伐採Lv33 解体Lv40 鑑定Lv31 識別Lv38
疾魔法Lv2 炎魔法Lv3 地魔法Lv2 海魔法Lv4 暗黒魔法Lv3 神聖魔法Lv10
雷魔法Lv32 爆魔法Lv31 木魔法Lv27 氷魔法Lv29 時空魔法Lv40→Lv41
獣魔魔法Lv2→Lv3 遅延魔法Lv4→Lv5 連続詠唱Lv6→Lv7 水中行動Lv15 俊足Lv4
読書Lv14 料理Lv39→Lv40 餌付けLv8 釣りLv20 シンクロLv16 連携Lv7
名前 セフォネ ヴァンパイアプリンセスLv12→Lv14
生命力 84→86
魔力 118→124
筋力 73→75
防御力 50
俊敏性 72→74
器用値 110→112
スキル
鎌Lv1 吸血Lv16→Lv17 夜目Lv21→Lv22 影潜伏Lv18 影操作Lv8 影召喚Lv16→Lv17
隠密Lv16 暗黒魔法Lv8 幻術Lv1 譲渡Lv3 蘇生Lv7→Lv8 夜不死Lv15
呪滅封印Lv9→Lv10 闇波動Lv4→Lv5
名前 ファリーダ 魔人Lv1
生命力 54
魔力 66
筋力 85
防御力 45
俊敏性 75
器用値 60
スキル
斧Lv10 魔拳Lv12→Lv13 舞踊Lv10 投擲Lv10 妖気Lv12→Lv14 暗黒魔法Lv10
時空魔法Lv10 集中Lv12→Lv13 誘惑Lv10 物理破壊Lv12 魔力妨害Lv12→Lv13
魔弾Lv12 魔素解放Lv1
名前 コノハ グラウクスLv1
生命力 90
魔力 140
筋力 96
防御力 74
俊敏性 110
器用値 134
スキル
暗殺Lv24 飛翔Lv36 氷爪Lv17 羽投擲Lv24 神瞳Lv26
気配遮断Lv20 連続詠唱Lv3 詠唱破棄Lv3 魔力操作Lv3 同時詠唱Lv3
風魔法Lv21 水魔法Lv18 神聖魔法Lv11 暗黒魔法Lv11 雷魔法Lv11→Lv12
氷魔法Lv33 時空魔法Lv10 氷刃Lv15 幻影Lv2 守護Lv1 耐寒Lv7 女神の加護Lv1→Lv2
名前 黒鉄 アイアンゴーレムLv23
生命力 118
魔力 0
筋力 160
防御力 160
俊敏性 26
器用値 15
スキル
格闘Lv20 鉄壁Lv39 挑発Lv36 物理耐性Lv32→Lv33 物理破壊Lv14→Lv15
採鉱Lv6 投石Lv16 射出Lv12→Lv13 耐電Lv1 耐寒Lv1 毒無効Lv5→Lv7
病気無効Lv3