#359 マングローブの森、攻略開始
翌日、海斗に報酬の話をしたら、目が虚ろだ。
「俺たちも協力したよな? なんで亜人種仲間にならないの?」
「解放したのが誠吾だったからでしょ?」
まぁ、そういうことだよな。容赦ない現実の前に海斗が机に頭をぶつけた。痛そうだ。
「じゃあ、今日からタクト君のお店は賑やかになるんだね」
「かき氷と冷たいドリンクの販売開始するからどうなるかだな」
「絶対売れると思うよ…」
「間違いないわね」
まぁ、みんなに評判が良いからそうなると嬉しいな。
「亜人美少女喫茶なんてヒットするに決まっているだろ! 男性プレイヤーは全員行くわ!」
叫んだ海斗にクラスメイトの女子たちから冷たい視線。こいつはいちいち注目を集めないと生きていけないのか…
結果を言えば、大行列が出来ていた。しかし女性が圧倒的に多く、みんなかき氷を食べていた。ルインさん曰く。
「現実とほぼ変わらない味の太らないスイーツの力を甘く見すぎよ」
とのこと。言われると納得するな。
氷が足りなくなることを予測していたルインさんから大量にイエローオッサの水を買うことになった。商売では勝てないな。
因みにルディさんとホークマンの二人はかき氷スタッフとなっていた。手動だからな。男が三人いて良かったと思った瞬間だった。
さて、俺たちはマングローブの森に向かうことにした。メンバーはイクス、ブラン、虎徹、ゲイル、チェスにした。
アークヴルムを出し、いざ出港だ!
出港した俺たちは大歓迎を受けた。まずはこいつら。
ホエザルLv15
通常モンスター 討伐対象 アクティブ
ウアカリLv15
通常モンスター 討伐対象 アクティブ
最初にホエザルがいて、叫ばれたらすぐにたくさん集まってきた。鳴き声が五月蝿いだけでダメージがないから変だと思ったら、どうやら仲間を呼んでいるようだ。
ウアカリというアマゾンに生息している珍しい猿がたくさん集まってきて、現在たくさん物を投げつけられている。気分はサポーターからゴミ投げつけられるスポーツ選手だ。
とはいえ黙ってやられるのは気分が悪い。
「イクス、こいつら全滅できるか?」
「可能です」
流石イクスだ。
「やれ」
「イエス、マスター」
猿どもの声が悲鳴に変わる。フィールドの情報に、跳弾すらマスターしたイクスからは逃げられまい。人に物を投げたら、どうなるか彼らも学んだことだろう。
「申し訳ありません。マスター…数匹逃がしました」
「エネルギーガンの射程じゃ厳しかったか…また近付いて来たら、倒してくれ」
「イエス、マスター」
イクスが返事をすると船が何かに当たる。岩ではないはずだが…すると身体に何かが巻き付き、後ろに引き摺られる。この尻尾はアナコンダか!
「マスター!」
「我が主!」
俺はスカーレットリングを抜き、尻尾に突き刺す。灼熱が発動し、アナコンダが燃える。尻尾から何とか解放されたが、川全体が燃える光景が見えた。ちょっと待て…でかすぎないか?
アナコンダが姿を現す。識別する。
ジャイアントアナコンダLv25
テイムモンスター 討伐対象 アクティブ
ジャイアントアナコンダって…見える範囲の川の長さ並みはやりすぎだろう。
ジャイアントアナコンダが俺を狙うがブランが挑発を使い、星霜の盾でジャイアントアナコンダの突進を受け止め、弾く。
「今です!」
虎徹が跳躍し、太刀でジャイアントアナコンダの顔を狙い、突き刺す。更にイクスがエネルギーソードでエネルギーの刃を出し、首をはね飛ばす。
「ブリッツ!」
「ガァアア!」
俺とゲイルが雷魔法を使おうとしたがインフォが来る。
『ここでは魔法の使用は出来ません』
「「…」」
ゲイルの視線が合う。これは恥ずかしい。
するとゲイルが角で突き刺し、放電でジャイアントアナコンダ仕留めた。ゲイルめ…無かったことにしやがった。
「主…しっかりしてください」
ほら!俺だけミスった感じになった!ゲイルもだから!するとまた船に振動が起き、ブランが倒れてきたので、抱き締める。
「と、大丈夫か?」
「…」
「ブラン?」
「は!? だ、大丈夫です!」
ブランが離れる。するとイクスがジト目を向けてくる。
「イチャイチャするのはどうかと思います。マスター」
「イチャイチャ!?」
「振動で倒れてきたところを抱き止めただけだろ…っ! イクス! 後ろだ!」
イクスの後ろには巨大な魚がいた。振動の正体はあいつか!
イクスが水ブレスをくらい、飛んでくる。イクスを抱き締め、盾になる。
「マスター…」
「く…」
踏みとどまるがきつい…
「主!」
ブランが星霜の盾で代わりに受けてくれた。水ブレスに集中していた魚に虎徹が太刀で刺し、船に叩き付けたところでチェスとゲイルが噛みつき、虎徹も噛みつき仕留めた。
「マスター…無事ですか?」
「あぁ…結構ダメージを食らったが無事だ」
ブランに回復して貰い、俺が解体に向かうとブランがイクスに聞く。
「今のはイチャイチャでは?」
「…違います。ですが我が身を盾にわたしを守ってくれるマスターは良かったです」
こっちは必死だったんだぞ。ジャイアントアナコンダと謎の魚を解体する。アナコンダからは皮とこちらが手に入った。
アナコンダの肉:レア度4 食材 品質E
アナコンダの肉。臭みが強いお肉なので、臭みをどう消すかが重要。味は淡泊で意外においしいと言われている。
ピラルク:レア度4 食材 品質E
川に生息している巨大な淡水魚。淡水魚なのに臭みがなく、淡泊な味が特徴。とにかく大きいので、お腹いっぱい食べることが出来る。
あぁ…こいつはピラルクか…世界最大級の淡水魚だ。それにしてもでかい。ここはモンスターのサイズがおかしいな。モンスターのサイズがでかいから肉もでかい。
ピラルクは気になるがアナコンダの肉は抵抗あるな。説明も言われているになっているし…まぁ、何事も挑戦か。
「イクスは戦闘出来そうか?」
「…厳しいです」
水はダメだと言ってたからな。ここは無理をさせるべきじゃないだろう。イクスの代わりに優牙を呼び出す。イクスは水の敵を感知できなかったみたいだが、優牙なら大丈夫だろう。
船を進めていくとピラルクが次々出てくる。識別結果がこちら。
ピラルクLv25
テイムモンスター 討伐対象 アクティブ
優牙が察知してくれるから、揺れの対策も取れるようになった。ブランとチェスが挑発し攻撃を受けると揺れを無くすことが出来た。因みにピラルクからは肉の他に素材も手に入った。それがこちら。
ピラルクの鱗:レア度4 素材 品質E
ピラルクから採れる鱗。水に強く防水効果の素材として使われる。
マングローブの森で活躍しそうだ。数も集めてしまったし、和狐は寝ているし、忙しいからミュウさんに売ろうかな。
そんなことを考えていると行き止まりに来る。仕方無いので引き返し、分かれ道に戻る。分かれ道を進んでいくと霧が出て来る。更にまた分かれ道だ。
霧と迷路か…嫌がらせが本当に好きだな。ここの運営は。
しかも分かれ道だらけで予想以上に複雑な迷路みたいだ。また行き止まりにつき、そこでワープポイントを更新して、戻る。
リープリングに戻ると獣魔ギルドに行き、インクか墨についてネフィさんに聞くとスクイッドの墨袋から取り出せるイカ墨が使えるそうだ。そんなものあったね。忘れていた。というわけでバガス紙、イカ墨、フィニストの羽ペンでマングローブの森の地図を書く。
これで少しずつ攻略を進めていくのが、いいだろう。地図が出来たので、ログアウトすることにした。
名前 イクス アモールエクスマキナLv11
生命力 113
魔力 113
筋力 113
防御力 113
俊敏性 113
器用値 113
スキル
飛行Lv10 機人兵装Lv28 暗視Lv7 鷹の目Lv11→Lv12 射撃Lv13→Lv15
詳細解析Lv7→Lv8 演算処理Lv6→Lv8 行動予測Lv6→Lv8 索敵Lv19→Lv20 投擲操作Lv6
反射Lv5 連射Lv11→Lv13 換装Lv6 リンクLv14 魔力充電Lv11→Lv12 リミッター解除Lv1
名前 ブラン プリンシパリティLv10
生命力 80
魔力 116
筋力 94
防御力 86
俊敏性 88
器用値 84
スキル
飛行Lv22 盾Lv12→Lv13 槍Lv25 挑発Lv9→Lv10 光魔法Lv10→Lv12
光輪Lv18 光弾Lv1 守護Lv3 天撃Lv8 天使の加護Lv16 天昇Lv2
名前 虎徹 剣虎Lv21→Lv22
生命力 60
魔力 42→44
筋力 145→148
防御力 50
俊敏性 66→68
器用値 63→65
スキル
噛みつきLv20 爪撃Lv21 太刀Lv18→Lv19 跳躍Lv19→Lv20
暗視Lv20 強襲Lv19 威圧Lv12 俊足Lv13
疾風Lv11 風刃Lv16 虎砲Lv9 見切りLv8
名前 チェス ブリザードベアLv20→Lv21
生命力 66
魔力 76→79
筋力 93→95
防御力 80→82
俊敏性 42
器用値 42→44
スキル
噛みつきLv23 格闘Lv21→Lv22 防御Lv14→Lv15 挑発Lv15→Lv16 氷装甲Lv14→Lv15
物理破壊Lv4 強襲Lv21 水中行動Lv14 氷爪Lv21→Lv22 氷の牙Lv9→Lv10
雪潜伏Lv5 氷結ブレスLv14 氷投擲Lv16 耐寒Lv5
名前 ゲイル 雷獣Lv19→Lv20
生命力 52
魔力 98→100
筋力 70→72
防御力 36
俊敏性 118→121
器用値 54
スキル
噛みつきLv21 飛行Lv12 角撃Lv10→Lv11 雷爪Lv23 威圧Lv12
暗視Lv21 挑発Lv12 雷魔法Lv24 充電Lv6 放電Lv7→Lv8
閃電Lv7→Lv8 雷の牙Lv5 雷化Lv5
名前 優牙 ブリザードウルフLv20
生命力 46
魔力 85
筋力 70
防御力 80
俊敏性 64
器用値 46
スキル
噛みつきLv26 気配察知Lv20 危険察知Lv12→Lv14 氷爪Lv10→Lv12
夜目Lv22 氷の牙Lv24 氷装甲Lv2 氷結ブレスLv14
雪潜伏Lv6 耐寒Lv5




