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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
魔導船と魔王バエル
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#357 砂漠の報酬とアラジンのその後

ファリーダと共にネフェルに来た。しかし町の様子は異常だった。何故かお祭り騒ぎだったのだ。


「なんだこれ?」


「拐われた人たちが戻ってきて、祝ってるんじゃないの?」


なるほど。そうかもな。しかし微妙に違っていたようだ。


『アラジン王、万歳!』


アラジン…王?なんでアラジンが王様になっているんだ?ファリーダと首を傾げているとカロさんが俺を呼んだ。


「タクト殿! この度は本当にありがとうございました! 話は娘から聞きました。ネフェルの町の町長とコナッツ村の村長からタクト殿にお礼の品を預かっていますよ」


予想外の報酬が増えたな!何だろう?


バオバブの木:レア度8 素材 品質B

砂漠では家として使うこともある巨大な木。生命力に満ちており、悪魔の力が宿っているとされている。


バオバブの苗木:レア度8 素材 品質B

バオバブの木の苗木。育てるとバオバブの木になる。素材として使うことも可能だが、家にすることも出来る便利な木。


ココヤシの苗木:レア度7 素材 品質B-

ココヤシの木の苗木。育てるとココヤシの木になり、ココナッツが採れるようになる。


ココナッツ:レア度7 食材 品質B-

ココヤシの果実。成熟したものは生で食べ、未成熟のものは飲み物として愛されている。外皮からは強靭な天然繊維が手に入り、ロープや網、マットなどに使われる。


あ、うん。名産品で来るよね…しかしバオバブの木がヤバいくらいでかいぞ。どれだけ武器が作れるんだろう?ココナッツも大量ゲット。そして意外にココナッツは用途があるんだな。シャローさんたちが喜びそうだ。ちゃんとした網が作れれば、網の漁が可能になるからね。


カロさん曰く、本人たちはお金も渡したかったそうだが、復興があるからお金は使えず、最大限の感謝の印がこれらしい。


とりあえず木はセチアとミール行きだな。


「それから私からのお礼ですが、この中からお好きなものを選んで下さい」


そうは言われてもな…確認するとやはり以前見たものと同じ…ん!?


「これは…」


俺が見付けたのは神社で使われそうな真っ白な扇子だった。鑑定する。


白扇:レア度7 扇 品質B

重さ:5 耐久値:100 攻撃力:5

効果:神聖属性付与、舞踊効果アップ(大)

竹と和紙から作られた無地の扇。主に儀礼として使われる。舞を踊ることで味方全員に神聖属性を付与することがある。


舞踊の効果がどれほどがわからないが結構強いな。カロさんに聞いてみる。


「それは猫のセリアンビーストから昔使っていたものだと売られたものです。きっと大切に使われていたものなのでしょう。傷一つありませんでしたから今まで大切に保管しておりました」


きっとその猫のセリアンビーストは恋火たちと同じようなセリアンビーストだったんだろうな。買うのはちょっと心が痛むが…


「それにしますか?」


「はい。これを下さい」


というわけで白扇をゲットした。それからお祭り騒ぎのことを聞く。


「アラジン王が魔神を使役して、町を救うために戦ってくれたことをみんな見ています。更に拐われた人たちまで魔神様が連れ帰って下さり、このような魔神様とアラジン王を称えているんです」


なるほど…確かにジンが戦っている姿はみんな見ているし、捕まった人たちを送ったのもジンだな。


「ぷぷ…ざまー」


「聞こえているぞ」


ファリーダが笑うと後ろから少年が現れた。ジンだな。


「ちょっと顔を貸せ」


場所を変え、事情を聞く。まずアラジンは祭られて、現在豪遊生活を楽しんでいるようだ。結果ジンはそのアラジンに付き合っているんだが、ジンは乗り気じゃないらしい。


「どいつもこいつも俺の力が目当てなのは、丸わかりだからな。それに豪遊もすぐに化けの皮が剥がれて、雑務ばかりの仕事の山が来ることは誰でもわかる」


「まぁ、当然ね。タクト、帰りましょう」


そうだな。アラジンが楽しんでいるなら邪魔するのは悪い。


「ま、待て! というかお前はなんで外に出れるんだ?」


「あたしはタクトと契約したからよ。それとも封印のことかしら?」


「…そうだよ」


「あたしは魔人まで弱くなったからよ。あの封印は魔神に対するものだから、魔人になったあたしは対象外よ」


ジンがその手があったかという顔をする。


「お前…まさか…」


「言っとくけど、偶然だからね? いくら解放されるためとはいえあんな奴らに力を奪われて、利用されるなんて今でも腹立たしいわ」


本気に怒ってるみたいだな。


「それもそうか…それでアラジンをなんとかして欲しいんだが?」


「タクト、止めときなさい。もう手遅れよ。ジン…あたしがあんたの未来を当ててあげるわ。遊んだお金を請求されて、あんたとアラジンはずっと働かされることになるわ」


うん。俺もそう思う。ただで遊んだ人間の末路なんてろくなもんじゃない。


「そもそもサンドウォール砂漠の砂嵐は一度消えたはずだろ? その時に外に出れたんじゃないか?」


「そうね。今では元に戻ってるけど…」


「俺も感じ取ったさ…だが、その時にはもうアラジンは英雄扱いで外の世界より遊びを優先しやがったんだ」


「御愁傷様。魔人になったあたしのほうが自由なんて皮肉ね…帰りましょう。タクト」


ジンは可哀想だが、巻き込まれるのはごめん被る。帰って、ログアウトしよう。

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