#356 イベント報酬と雇用
合成召喚を終えた俺は再びカインさんの所に来る。目的は報酬だ。
「まずはこれから渡そうかな」
カインさんが渡してきたのは二枚の黄緑色のギルドカードだ。そしてインフォが来る。
『獣魔ギルドのランクが黄緑に到達しました。召喚獣の契約可能数が3増えました』
『獣魔ギルドの上級クエストが解放されました』
『冒険者ギルドのランクが黄緑に到達しました。スキルポイントが10増えました』
『冒険者ギルドの上級クエストが解放されました』
ギルドランクの上昇でも貰えたんだ。これで俺が契約出来る召喚獣は8となり、残りスキルポイントは21ptとなった。
「獣魔ギルド、冒険者ギルドはフリーティアのグラン国王、エリクサーラピスのエジソン国王の推薦で君を黄緑色にすることが決まった。おめでとう」
「はぁ…ありがとうございます?」
とはいえ、実感がないんだよな。するとカインさんが衝撃なことを話す。
「これで君のランクは10に到達した。よって、各ギルドが管理している危険地帯に入ることが出来るようになった」
「はぁ…具体的にはどんなところなんですか?」
「獣魔ギルドでは龍の谷に入ることが出来る。冒険者ギルドでは英雄の眠る地だね。どちらもハイリスクハイリターンの場所だ。もし挑むつもりなら十分な準備と覚悟で挑むといい」
名前からもうやばさが伝わってくるよ。だが、それと同時に挑みたい衝動はある。今はまだ自信がないが、行けると思ったら、行ってみよう。
「さて、お待ちかねの報酬だけど、まず獣魔ギルドの依頼報酬だ」
ダイヤモンド:レア度8 宝石 品質A
天然で最も硬い物質。光の宝石と呼ばれており、武器やアクセサリーなどに使われる。また変わらぬ愛や永遠の絆を誓う宝石として使わている。
すげー!ダイヤだ!セレブの気分。
「ダイヤモンドは召喚師にとって、一番大切な宝石といっていい宝石だ。大切に保管しておいたほうがいいよ?」
ん?これは何かで使うということか?
「わかりました」
「それからギルドカードの更新で君が溜め込んでいたクエストのクリア報酬がある。クエストはちゃんと受けないとダメだよ?」
ごめんなさい。これはもう常習犯になっているな。
というわけで150万Gをゲット。どうやらサンドウォール砂漠とかのモンスターもカウントされているようだ。100万Gはディザスター・キマイラだ。
「エリクサーラピスから報奨金とかが出てる。後でニュートンから貰ってくれ。それじゃあ、重要な本題に入ろうか?」
え?今まで重要じゃなかったのか?カインさんは幾つか紙を取り出す。
「実は奴隷にされていた亜人種たちが君に恩返しをしたいと手紙を預かっている」
マジで…これは仲間になる感じだな…しかしどうするか。
「彼らは奴隷にされていたから戦闘タイプの亜人種じゃないけど、君のお店で雇うことなら出来る。お嬢ちゃんたちもいつも忙しそうにしていると聞いているし、この機会に考えてみたらどうだい?」
そう来ますか…確かにそういう話は聞いているし、エリクサーラピスからの報奨金もあるが雇って見ようかな。
「わかりました…どの位いるんですか?」
「ボクが選んでおいてあげたから30人くらいだよ」
写真を見ると最初に助けた人たちからリーダーっぽかったウルフのセリアンビーストにダルタニャンと知り合いのケットシー、砂咲の姿もあった。他には記憶にないエルフ5人やドライアド5人、セリアンビーストは犬が3、ウルフが3、猫が3、虎が3、ウサギのセリアンビーストが3ここまで全て女の子。最後にホークマン2だ。27人が女の子だ。
「…カインさん」
「待ってくれ。そもそも雇うのは君の場合はウエイトレスに少しのコックだろう? なら女の子は多くなって当然だと思わないかい?」
「それはそうかも知れませんが、ウエイターもいたほうがいいんじゃないですか?」
「だからホークマンの二人を採用したじゃないか。ホークマンならトラブルはなんとか収めてくれるはずさ。後はウルフの彼をお店の護衛で雇うといいと思うよ」
なんかいいように誘導されている気がする。エルフやドライアド多いし。
「奴隷の中に結構いたんだよ。エルフやドライアドは男性に人気があるからね。だからエルフも今回、動いてくれたわけだしね。まぁ、本音は貸しを作りたくないだけだと思うけどね」
別に恩売りとかするつもりはないが、以前脅しているからな。向こうがどう捉えたかは謎だ。
結果、カインさんの選んだ人たちを採用することした。
その後、エリクサーラピスに向かい、ニュートンさんからエリクサーラピスからの報奨金500万Gを貰った。結構多いなと思ったら、イクスの武器情報の提供代も含まれているようだ。そこはちゃんとしているんだね。後からは変な気がするが、お金くれるなら文句はない。
ついでにアインシュタインさんとニュートンさんに主犯のことを話したら、当然のように知らなかった。哀れな。
「とはいえ迷惑を掛けたのは事実じゃな」
「そうだね…ではボクらから何か上げよう」
とはいえ欲しいのが無いのだが…そしたら二人はダイヤモンドをくれた。そしてニヤニヤして、カインさんと同じことを言った。怖いよ…
フリーティアに戻った俺はリープリッヒに向かうと雇った人たちが集まっていた。それぞれ得意分野を聞き、役割を決めていく。まぁ、大凡はカインさんの言った通りの人選だ。
「ウエイトレスについてはレギンさんやリリーたちから聞いてくれ」
『はい!』
女性たちはみんなに任せて大丈夫だろう。ホークマンと話す。
「失礼な相手や暴力的な相手にはお店から出て行ってもらっていいんですか?」
「あぁ。他のお客様に迷惑がかかるのは避けないといけないからな。ウエイトレスに迷惑をかけても同じ対応で頼む。相手がもし暴れたりしたら、多少強引でも構わない」
「「わかりました」」
最後にウルフのセリアンビーストだ。名前はルディさんと言うそうだ。
「俺は警備だったな?」
「はい。もしホークマンの彼らの手に負えなければ、そのときは対処をお願いします」
「わかった」
今日は仕事を覚えて貰って、明日から開店するとしよう。まだ時間があるので、最後にサンドウォール砂漠を見に行こう。