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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
梅雨イベントと砂漠の奴隷解放イベント
365/1718

#348 賊のアジト攻略戦 侵入組の戦闘

満月さんたちとルークたちの攻撃が始まったのを確認してから俺たちとメルたちは隠し通路から侵入する。


メルたちは火影さんたちの活躍で隠し通路の侵入に成功した。


「火影さんたち、流石の気配遮断と速さですね」


「忍者でござるからな! これぐらい出来ねば影は名乗れないでござる。それにタクト殿に売っていただいた痺れ針も絶好調でござる」


「あはは…よかったです」


メルとしては暗殺武器を平然と使っているタクトが心配だったりする。するとここでシフォンが疑問を口にする。


「あの! 変じゃありませんか? 隠し通路なのに見張りや警備がいないなんて」


「そういえばそうね…ということは」


ミランダが考えを答える前に女性の声が響く。


「ご名答。罠って奴さ」


暗黒傭兵?

? ? ?


前後から敵が出現し、挟み撃ちにされる。メルがすぐさま指示を出す。


「私たちと火影さんたちは前! シフォンちゃんたちは後ろをお願い!」


『了解!』


すぐさま対応するメルたちのように暗黒傭兵は舌舐めずりをする。


「あぁ~…いいね。可愛い顔に毅然とした態度…あんたのような女をあたしは待っていたいんだよ。さぁ、殺し合いましょう!」


「…誰かあの人の相手代わってくれないかな?」


『お任せします』


メルが心底嫌な顔をする中、リサが飛び出す。


「お姉ちゃんに手を出すな! 正拳!」


リサの攻撃に対して別の敵NPCが現れる。


暗黒師範代?

? ? ?


その敵は素手でリサの攻撃を受け止める。


「甘いな。ーーはっ!」


「くっ! きゃ!」


敵の蹴りをリサはガードするがぶっ飛ばされる。


「お前の相手は俺がしよう」


「じょ、上等だよ! 絶対に負けない!」


他にもそれぞれ暗黒傭兵が現れる。暗黒傭兵以外では火影たちとミライの敵が違っていた。


暗黒暗殺者?

? ? ?


破壊僧?

? ? ?


筋肉ムキムキの破壊僧を見て、ミライが抗議する。


「…わたしだけ、絶対に相手が間違っている!」


「ガハハ! そういうな! 楽しもうではないか!」


「…楽しめる要素が全然ない!」


メルたちの激闘が始まった。



その頃、俺も鉄心さんたちと共に突入しようとしていた。


「ぬ!?」


「て、敵」


「遅いね…」


鉄心さんが刀を鞘に納めると敵NPCが斬られ、倒れる。つえー。


しかしこちらも負けられないな。隠し通路に待ち受けていた敵をイクスが狙い撃つ。


出てきた所を恋火が斬り伏せた。しかし待ち伏せか…メルたちに通信するが繋がらない…まぁ、大丈夫だろう。


さて、相手が待ち伏せならこちらも手段は選ばないぞ。


「シンス…頼めるか?」


「えぇ。任せて」


「セフォネも頼む」


「任せるのじゃ」


こういう時はシンスの出番だろう。セフォネの影召喚も有効なはずだ。後は止め役がいるな。


「ノワも頼む」


「…ん」


シンスが闇に消え、ノワとセフォネが影に消える。その間に俺はイクスに頼み、アジトの情報を得た。中央に大きな空間があり、どの入口もそこに繋がっているようだ。そして運がいいことに奴隷たちがいそうな部屋は隠し通路から行けるようになっていた。


考えてみたら、普通の通路に牢屋は作らないか。すぐに見つけて解放されるもんな。さて、そろそろいいだろう。


「そろそろ先に進みましょう」


洞窟で出会う敵は全員寝ていた。シンスの仕業だ。止めは鉄心さんたちに譲った。するとシンクロで通信が来る。


『…お父様、これ以上は無理ね』


『…ん。強い人がいる。ノワたちにも気付いている』


『ぐぬぬ…生意気じゃが、ここは引くしかあるまい』


まぁ、牢屋があるし、簡単には行かせてくれないよな。


『わかった。ご苦労様。合流しよう』


『『『了解』』』


俺は鉄心さんたちに話す。


「どうやら強い敵がいるみたいです」


「では、その相手は俺たちがしよう」


「お願いします」


俺たちはシンスとノワと合流し、敵に遭遇する。


「…来たか。中々の相手のようだ」


「俺は戦いたくねー…ん?」


俺たちの前には黒いローブの男と以前出会ったことがある暗黒召喚師だった。


「はは! 旦那! 気が変わったぜ! あの召喚師は俺が殺す」


「知り合いか?」


知らないのか?なら俺が教えてあげよう。


「懐かしい顔だな。俺から逃げ出した暗黒召喚師じゃないか。こんなところに隠れていたんだな?」


「はは! はぁ~…ぶっ殺す!」


暗黒召喚師が姿を消す。あの時とは違うぜ。お前は地獄を味わうことになる。


現れた暗黒召喚師に正確無比なエネルギーガンが撃たれる。


「な!? くっ!」


暗黒召喚師は見切りで躱すが、顔にテイルエネルギーガンが掠める。イクスのやつ、わざと外したな。


「マスターの真似です」


そんなところは真似しないでくれ。最近みんなが俺の影響を受けている気がする。


「ほぅ…どうやら嘘ではないようだな」


鉄心さんが斬りかかるが相手は剣で攻撃を止めた。鉄心さんの攻撃をあっさり止めるか…明らかに暗黒召喚師より強いな。


「ふん!」


黒いローブの男が鉄心さんを力ずくで押し負かす。それを感じ、鉄心さんは距離を取る。


「…これは強いね…」


「侍とは珍しいな…面白い」


「じゃあ、俺たちは先に行かせて貰おうか」


俺は先に進む。


「てめぇ! いい加減に! ッ!?」


俺を攻撃しようとした暗黒召喚師にエネルギーガンが撃たれる。


「あなたの相手はわたしです」


せいぜいイクス相手に頑張ってくれ。俺にはイクスが負ける姿は全然想像出来ないけどな!


俺は追跡の風見鶏の指示に従い、走る。どうやらイクスが見つけた場所でビンゴみたいだな。そこで和狐が心配になり、声をかける。


「大丈夫か? 和狐」


「大丈夫どす…うちにはタクトはんや恋火…みんながいますから。それより急がなあかんよ」


和狐は強いな。


「あぁ! 急ぐぞ!」


見張りを蹴散らし、牢屋にたどり着いた。地味に強かったな。


「あ! 強いお兄ちゃん!」


「あぁ~! タクトじゃないか! ここだよ! 助けておくれ!」


カロさんの娘やアラジンがいた。俺は解錠の木鍵で牢屋の鍵を開け、アインシュタインさんから貰った奴隷解放装置を使う。


すると捕まった人たちの奴隷の首輪から電気が走ると奴隷の首輪が次々外れる。


すげー。流石はアインシュタインさんだ。最初は何が起きたかわからなかった人たちだが、次第に奴隷の首輪から解放されたことがわかると歓声が上がる。


「は、外れた…お兄ちゃん! 凄い!」


「流石、僕が見込んだ男だ! 君ならあの化け物を倒せるかも知れないね」


ん?化け物だと?


「アラジン、化け物って、なんだ?」


「まだ見てないのかい? 本気モードのジンよりでかい化け物がいるんだよ」


ちょ、ちょっと待て…本気モードのジンってかなりでかかったぞ。それよりでかいのがまさかラスボスか?


「私たちはその化け物の餌とか言ってたよ? お兄ちゃん」


餌だと…命をなんだと思っているんだ!しかしこれで子供を誘拐した理由がわかった。するとイクスからシンクロが来る。


『敵、アイテムで逃走しました。俺を殺したかったら、奥まで来てみろと言っていましたが、どうしますか?』


これはあれだな。自分じゃ勝てないからラスボスを使う流れか…だっさ。


『深追いは不要だ。鉄心さんはどうだ?』


『苦戦しています。介入しますか?』


『…不要だ。こっちは全員の解放に成功した。ワープゲートが使えないみたいだから、合流してみんなを外に逃がすぞ』


戦いの邪魔をするのは、無粋だろうからな。


『イエス、マスター』


俺が全員を連れて、外に出る。恐らく大きい広間がボス部屋だから、他の出口からは出られないな。ならば邪魔を承知で来た道を戻るしかないか…そう思ったら、イクスと鉄心さんたちが来る。


「いや~…すまない。逃がしてしまった」


「マスターが奴隷を解放したとわかった瞬間、逃げました」


俺がボス部屋には行かないと読んで、撤退を選択したのか…旦那とか呼ばれていたし、鉄心さんでも倒せない敵…侮れないな。


「撤退する前にブラッディウォーズとか名乗っていたよ」


血の戦争って、戦争起こす気満々だな。実際に今回の件は戦争を狙ったものであるから納得がいってしまうけどな。


「今はみんなを外に逃がすことを優先しましょう」


「そうだね…私たちが先導しよう」


「お願いします。俺たちは後ろに回ります」


俺たちが廊下を走り、出口を見えた瞬間、恋火が叫ぶ。


「罠です! 止まって下さい!」


「ッ!? 全員止まれ!」


鉄心さんが全員を止める。出口の上が爆破され、瓦礫が降り注いだ。


恋火の警告のお陰で俺たちは瓦礫の下敷きにならずに済んだ。


「あっぶねー」


「洒落になってないよ。これ」


「みんな無事で良かったわね~」


ワイフさん、余裕あるな…


「助かったが…さて、どうするかな…」


完全に入り口がふさがってしまった。こんな狭い通路では黒鉄や月輝夜を召喚することは出来ないし…困った。あ…ひょっとしたら?


「鉄心さん、斬ること出来ませんか?」


「無茶言わないでくれ」


ダメか…しかし援護が来る。


「あ、でもアニメやマンガで真っ二つにするシーンとかあるぜ? ワンチャンあるんじゃないか?」


だよな。俺も昔、アニメの侍が巨大な岩を真っ二つにするシーンを覚えている。


「…スキルや技で無いから出来るはずがないだろ?」


「でもこの瓦礫、耐久値あるよ? お父さん」


子供二人からの援護だ。どうする?鉄心さん。


「はぁああ!」


ガキィィィン!


鉄心さんの渾身の一撃でびくともしない瓦礫。


『ダメか』


「だから最初から無理だと言っただろう!?」


しかし、壊せることが間違いないなら壊すしかない。


「イクス、壊せるか?」


「エネルギーブラスターのリミッター解除を使えば可能です」


却下だな。エネルギーブラスターを壊すのは痛手すぎる。しかしそれクラスの大技なら、壊せる可能性があるってことだ。


うちのメンバーで切り札以外でそれが可能なのは少ない。エストオラシオンの一撃かドラゴンブレスなどのブレス、波動技ぐらいだろう。


「ドラゴンブレスと波動の技なら可能かな?」


「ドラゴンブレスでは一発で破壊可能と思われます。波動技ではエストオラシオンの力を使えば余裕です。両者使わないならば、リリー、イオン、私の同時攻撃で破壊が可能だと思われます」


イクスがそういうなら大丈夫だな。さらりとリミッター解除とドラゴンブレスの攻撃力を示唆された気がするが、超強力なのはわかっているからな。というわけでリリーとイオンを呼び、事情を説明する。


二人は了解し、巨大な岩に向けて、三人が武器を武器を構える。


「エネルギー充填完了」


「いっくよー! 光波動」


「蒼波動!」


「エネルギーブラスター発射します」


三つの光線が巨大な岩に命中し、見る見る耐久値を削り、破壊する。これは知らなかったことだが、出口で待ち伏せしていた奴等も余波を受け、消し飛んだ。


「流石の火力だな」


「いいよな~、エネルギーブラスター。俺も撃ってみたいぜ」


その気持ちは痛いほど、わかる。


「…勇者があんなもの持てるわけないでしょ」


雫ちゃんは冷静だな。すると後ろの人たちから歓声が響いた。


「す、すごい! あんな瓦礫を一瞬で!」


「外だ…外に出られるぞ!」


「お父さんとお母さんの所に帰れる…ありがとうございます!」


『ありがとうございます』


お礼は嬉しいがまだ助かってないからね。すると一人の男が空から降りてきた。警戒する鉄心さんたちを手で制する。


「大丈夫。彼は味方です」


ランプの魔神ジンが俺に言う。


「味方じゃない。だがお前に借りが出来たのは事実だな。どっかの弱い雑魚のせいで」


「え? 誰のこと?」


アラジンが惚けるとジンの顔に筋が浮かぶ。


「…死にたいらしいな」


「待って待って! ジョークだから! 僕が弱いせいです! ごめんなさい!」


土下座するアラジン見て、舌打ちするジン…怒らないんだよな。この魔神さん。やはりアラジンとはいいコンビだと思う。ジンが俺に言う。


「アラジンの奴を町に戻すついでだ。他の人間も故郷に帰してやるよ」


それは助かるな。カロさんの所にナジュムちゃんが戻ればクエストもクリアになるだろう。


「頼む」


「任せろ。だが亜人たちは無理だ」


「それは俺がなんとかするよ。獣魔ギルドには話をしてあるからな」


「…なんかさ。タクトとジン、仲良くなってない? ちょっとジェラシー」


アラジンにジンの拳骨が飛ぶ。


「バカ言ってないでとっとといくぞ」


「はーひ…舌、噛んだ…」


ジンが魔方陣を展開すると亜人種以外の人がいなくなった。俺も亜人種たちを連れていかないとね。その為にはスピカとヒクスを返して貰わないといけない。


すると今の戦況を知ることが出来た。どこも乱戦状態のようだ。敵NPCの中に強いのが紛れ混んでるのが原因みたいだ。


「俺は一旦戻ります。鉄心さんたちは苦戦している満月さんたちの救援をお願いします」


「召喚師のほうはいいのか?」


「数で勝りますし、召喚獣は優秀ですから大丈夫ですよ…たぶん」


俺はヒクスとスピカを回収し、ここを転移石に登録して、亜人種たちと共にワープゲートでフリーティアに飛んだ。


リリーたちの回復をルインさんたちに任せ、亜人種たちを獣魔ギルドに連れていった。そこでクエストクリアだ。


『依頼クエスト『賊に捕まった奴隷たちを解放せよ』をクリアしました』

『依頼クエスト『キャラバンの娘を救出せよ』をクリアしました』


なんとか両方クリアしたみたいだ。しかし今でもメルたちは戦闘している。急いで戻らないと。


「お疲れ様。流石だね」


「ありがとうございます。でもまだ戦っているので、すぐに戻ります」


「そうか…君の予想はどうだい?」


「当たりみたいです。捕まった人たちが化け物を確認しています。更に人の命を餌にその化け物を育てているみたいです」


カインさんの目に怒りが宿った気がした。


「それは…許せないね。わかった…急いで仲間の元に戻ってくれ。彼らは責任を持って預かるよ」


「お願いします」


俺は回復したリリー、イオン、セチア、恋火、イクスを連れて再びアジトに向かった。何処かの戦いに参加しようとしたが、どうやらラスボスを出現させないと敵が無限に沸く可能性があるとのことで、俺たちがラスボスの部屋を目指した。

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