表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
梅雨イベントと砂漠の奴隷解放イベント
364/1718

#347 賊のアジト攻略戦 囮組戦闘 

俺のメンバーは恋火、イクス、ノワ、和狐、ヒクス、シンス、スピカにした。恋火と和狐はやはり今回のことでは譲れないものがあるのだろう。


ノワとシンスはこういう隠密行動向きだ。期待通りの活躍をするだろう。


イクスはもうなんでもござれ状態だ。イクス曰く結界の中に入れば、内部の構造がわかるらしい。俺はイクスを敵に回す敵に同情する。手加減はしないけどな。


スピカはトリスタンさん、ヒクスはチロルに貸した。女性の圧力に屈したわけじゃない。嘘です。屈しました。


作戦開始時間。フリーティアの上位魔法使いたちからの魔法攻撃が開戦の合図となった。


「敵勢力、正面に集中展開。キメラ総数30、武装ゴーレム40、ホムンクルス50です」


『キメラの数は30だそうです』


「了解。近付かれる前にキメラの数を減らします! 総員構え! 撃て!」


与一さんたちの魔導銃の攻撃が一斉に放たれ、キメラの数を減らすがやはり全滅は厳しい相手だった。


「来るぞ! 総員攻撃陣形!」


満月さんたちが大槍を構える。


「撃て!」


『ペネトレイター!』


一直線に投げられた槍は見事にキメラたちを貫いた。そして武器回収スキルで手元に槍を戻す。しかしサイドの攻撃する余裕はなかった。


「来るぞ! 防御陣形! 味方に攻撃をタゲらせるなよ?」


『おう! 強制!』


強制は敵に自分の攻撃を強制させるスキル。これの利点は3つ。一つ目は相手に発動するスキルなので呪いの効果を受けないこと。


二つ目は攻撃を強制するので、相手は逃げることが出来ないこと。


三つ目は攻撃のばらつきがないことがあげられる。挑発では一斉にすると誰にどの攻撃が向かうのかわからないことがあったのだ。


自分にどんな攻撃が来るのかわかることで出来る事がある。キメラたちから多種多様なブレスが放たれる。


『堅牢! 攻撃反射!』


満月さんたちはその攻撃を全て返し、キメラたちは自らのブレスの直撃を受けた。正確なカウンターが可能になったのだ。


それを与一さんたちは見逃さない。


「今です!」


瀕死のキメラたちを正確に仕留める。それでやっと半分の数を減らした。


「予想はしていたが…」


「厳しい戦いになりそうですね」


満月さんと与一さんが覚悟を決めた時、キメラたちが一瞬で何かに貫かれた。そう思った瞬間、矢の雨が降り注ぐ。


スピカとトリスタンさんのコンビだ。


「凄いわ…見えてる景色が全然違う…これがユニコーン。スピカちゃんの力」


トリスタンさんが感動している中、空気を読まず攻撃するキメラたちだが、スピカは幻影で軽くあしらってしまう。


スピカは再び、回転角でキメラを貫き、スピカの角に光が集まったと思った瞬間、レーザーがキメラを貫き、倒される。


キメラを持ってしてもスピカの強さは圧倒的だった。


「あぁ…あたしには愛馬がいるのに…」


トリスタンさんが苦労していると下から与一さんたちが瀕死のキメラを狙い、仕留めてしまった。


「あ…」


完全に横取りされたわけだが、仕留めなかった自分が悪い…何せキメラ以外にも敵NPCがたくさん現れているのだ。


しかしその敵NPCの動きが乱れが出る。


「どうやら反対側でも攻撃が始まったみたいね…スピカちゃん、敵を逃がさないようにしてくれる?」


スピカは頷く。


「ありがとう…行きましょう!」


その後、敵NPCはスピカの突進を何度も受けることになる。


その頃、反対側でも暴走しているプレイヤーがいた。チロルだ。


「あたしは風! モフモフを虐める奴等を滅ぼす黄金の風! 死にたい奴等はかかってこーい!」


「チロルが壊れた…」


「まぁ、あれに乗るとそういうテンションになるのは仕方無いじゃないか?」


「ですね。実際竜巻に巻き込まれた敵NPCが可哀想でしたよ」


そういう雷電さんだが、他の仲間と一緒にヒクスの攻撃の犠牲者たちの止めを指していたりする。


「やっちゃえー! チロル!」


「いけいけ! チロル!」


「任せろ~!」


コゼットとララがチロルに声援を贈り、チロルはどんどん進んでいくと目当ての敵に遭遇する。


「そこまでだ! 小娘!」


「ちょっと強い召喚獣を持っているからって調子に乗るな!」


「この武装ゴーレムこそ最強なのだ!」


白衣の敵NPCが武装ゴーレムの肩に乗って現れた。


暗黒研究者?

? ? ?


闇落ちした研究者たちだった。チロルが言う。


「上等だよ! その不細工なゴーレム、ボッコボコにしてあげる!」


「「「なんだと!? もう一度言ってみろ!」」」


「わわ、なんか地雷を踏んじゃったみたい…」


するとヒクスが息を吸い込み、黄金の火ブレスを放つ。しかし武装ゴーレムはびくともしない。


「はは! そんな攻撃、武装ゴーレムには通用せんわ!」


「口ほどにもない!」


「空を飛ぶしか能がない動物風情がとっとと逃げるがいい!」


その言葉にヒクスが反応を示す。ヒクスは翼を羽ばたかせ、武装ゴーレムに勢いよく飛びかかった。すると武装ゴーレムはバランスを崩し、ドミノ倒しのように次々倒れていった。


武装ゴーレムのドミノ倒しに巻き込まれた研究者が顔を出す。


「お、おのれ! 武装ゴーレム、反撃だ! 武装ゴーレム?」


武装ゴーレムはアインシュタインさんやニュートンさんが指摘したように取り付けた鎧が関節の動きの邪魔をして、腕が動かせないようだ。


つまりそれは立ち上がることが不可能なのを意味していた。


「あーあー。ヒクスちゃんを怒らすからそういう目に合うんだよ。みんな~! ゴーレムもこの人たちも動けないみたいだからやっちゃうよ!」


『任せろ!』


召喚獣たちが群がり、チロルが宣言した通り、ボッコボコ状態となった。


そんな中、救援が来る。ホムンクルスだ。そして付き従う敵NPCがいた。


暗黒錬金術師?

? ? ?


彼らは武装ゴーレムを冷ややかに見ていた。


「やれやれ。なんて様ですか…これだから研究者はダメなんですよ」


「全くだ。研究者は黙って部屋で研究をしてれば良かったんだよ」


そんなことを言っている彼らに無数の武器が飛来する。


「な! ホムンクルス!」


ホムンクルスが防御をするが一部の武器が空中を自在に動き、暗黒錬金術師に襲い掛かった。


「こ…これは…」


「武器錬成と投擲操作の会わせ技ですよ」


錬金術師は武器錬成で素材さえあればすぐに武器を作り出すことが出来る。もちろん鍛治師が作るものには遠く及ばないが、それでも瞬時に武器を作り出し、投擲操作で操れば、強力なスキルとなる。


「ば…バカな…こんな技…見たことが」


「あなたたちの敗因はアニメを知らないことです」


『錬金術師を舐めるな! 物質変形!』


錬金術の魔方陣が左右の壁に描かれる。すると左右の壁から巨大石柱が暗黒錬金術師を潰すために迫る。体中傷だらけの敵には回避不可能な攻撃だった。


「ま…待て!」


「アニメって…なんだ!?」


それが暗黒錬金術師たちの最後の言葉だった。


暗黒錬金術師と暗黒研究者を仕留めたが、次々敵NPCが現れる。


すると錬金術師たちは一斉に下がる。彼らは近接戦は苦手だった。ルークたちに言う。


『援護は任せろ!』


ルークたちは苦笑いを浮かべて敵NPCたちを召喚獣たちと迎え撃った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
以下のリンク先で連載中です。


動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ