#340 アモールエクスマキナ
その後、折角エリクサーラピスに来たので、町を見て回ることにした。その際にニュートンさんから気になることを言われた。
「町からは出ないようにしなさい。かなり危険だからね」
「…どんなモンスターがでるんですか?」
「あー…モンスターではないかな?」
「似たようなもんじゃろうが…」
モンスターじゃない危険なもの?は!?ま、まさか…
「もしかして、暴走した機械が徘徊しているとかじゃないですよね?」
「「…」」
顔を逸らすな!そこの世界的な偉人たち!
「まぁ、町には来ないから安心したまえ」
安心していいのかな?とりあえずアインシュタインさんの研究室から外に出て、エリクサーラピスの町並みを見る。どうやらヨーロッパ建築と工場からなる町だった。
お店を見て回ると薬とアイテムに力を入れているのがわかる。だが酷かった。
レベルアップポーション?
全部飲めればレベルが上がるかも知れないポーション。
値段は150G。試してもいいか?と思える値段なのがたちが悪い。だが俺ははっきり言おう…買わんわ!因みに他にも筋力が上がる同じような薬が売られていた。
アイテムは薬よりはまともだ。大工のお兄さんが言っていたとおり魔導エンジンがたくさんあったが中にはこんなものがあった。
小型魔導エンジン:重要アイテム
たくさん咳き込むが馬力がある小型魔導エンジン。
咳き込む時点で問題大有りだろ…なんというこの町の人となりが出ているな。
因みに町を歩いているだけでそこら中から爆発音がする。お店の人に聞いてみた。
「誰かが実験や発明をしている時に失敗しているんだろうね。なーに、この国ではよくあることさ」
とのこと。郷に入っては郷に従え。気にしないことにしよう。
「兄貴~!!」
「と、止まんね~!? ぐはっ!?」
さっきまで聞いていたような声が聞こえた気がしたが、気のせいだな。うん。
色々回っていると気になった物が当然あった。それがこちら。
魔導紙製造機:重要アイテム
木工パルプから紙を作り出す機械。木工パルプの種類によって、出来上がる紙が変化する。
鋼鉱石:レア度6 素材 品質C
鋼の鉱石。砂鉄から作られる鋼とは異なる素材。主に武器や機械の部品に使用される。魔導機械にはほぼ必須と言っていい素材。
これらは購入した。まさか紙を製造する機械と欲しかった鋼鉱石が手に入るとは予想外だった。説明を見ると納得出来るけどね。とりあえずこれでイクスの進化条件が整った。というかエリクサーラピスに来れた瞬間にこれだから、もっと早くにエリクサーラピスと話をしていれば、イクスをもっと早くに進化させることが出来たのかも知れないな。
後はサバ缶さんたちに連絡して、彼らのギルドにお邪魔した。どうしても話しておかないといけないことが出来たからな。
「お久しぶりです」
「タクトさん! お久しぶりです! 中へどうぞ」
お邪魔すると町で見かけた魔導アイテムがたくさんあった。それだけで彼らのロボ愛が伝わってくる。
「どうかしました?」
「実はさっきまでアインシュタインとニュートンと話していたら、興味深い話が聞けてね。直接話しておこうと思って、お邪魔した」
『…はい?』
まぁ、アインシュタインとニュートンと聞いたら、そうなるよな。
「まずオートマトンって知っているか?」
「いえ。この世界にあるんですか!?」
「ある。実物を見てきたよ。歩くマネキン人形みたいだったけどな」
それを聞いていて、ロボ研の人たちはテンションがあがる。
そして、もう1つある。
「ゴーレムやコロッサスは昔の錬金術師や研究者が作ったものなんだそうだ」
「つまり私たちにもそれらを作ることが出来るってことですね!」
そう。今回のことでそれが完全にそれが示唆された。ならばやはり伝えないといけないだろう。
「錬金術ギルドは当然だが研究者の人に話を聞いた方がいい。この国には偉人だらけだ。俺が出会っただけでエジソン、ライト兄弟、ノーベルがいたぞ」
「それは…真剣に情報収集をしてみます。それだけの偉人がいるなら何かある可能性が高そうですから」
やはりそう思うよな…俺はロボ研の人たちにエールを送り、リープリングに戻る。
その後、バトルシップに向かい、イクスの進化を行う。
まずはアモールハートを作る。アモールコアと鋼鉱石を入れて、アモールハートを作製する。
アモールハート:エクスマキナ専用アイテム
エクスマキナの進化アイテム。アモールエクスマキナに進化することが出来る。
それからイクスのコアとアモールハートを入れ換える。その前に確認を取る。
「…いいな?」
「はい。マスターの決意は先ほど聞きました。ならば私はマスターの決意に答えるだけです。お願いします。マイマスター」
俺はイクスのコアを外し、アモールハートを入れる。するとコアの入り口が閉まると進化が始まる。
イクスが光を放ち、体が成長し、武装が変化し、進化が終わり、インフォが来る。
『イクスがアモールエクスマキナに進化しました。リミッター解除を取得しました』
『解析スキルが詳細解析に進化しました』
『演算処理を取得しました』
『行動予測を取得しました』
そしてイクスが目を覚ます。
「…イクス?」
「進化完了しました。マスター」
進化したイクスはリリーたちのような髪が伸びるなどの進化はなかったが、足や手にメカのパーツが追加された。ステータスを確認する。
名前 イクス エクスマキナLv46→アモールエクスマキナLv6
生命力 78→108
魔力 78→108
筋力 78→108
防御力 78→108
俊敏性 78→108
器用値 78→108
スキル
飛行Lv8 機人兵装Lv25 暗視Lv4 鷹の目Lv8 射撃Lv9 解析Lv5→詳細解析Lv5
演算処理Lv1 行動予測Lv1 索敵Lv18 投擲操作Lv6 連射Lv7 反射Lv3 換装Lv5→Lv6
リンクLv14 魔力充電Lv9 リミッター解除Lv1
ヤバそうなのがリミッター解除。ただでさえ高火力のエクスマキナだ。それが更に高火力になりそうなこのスキルはヤバイだろうな。
「マスター、決闘をお願いします。進化した強さを試してみたいです」
「そうだな。進化したイクスの力、俺に見せてくれ」
「はい。マスター」
結果、スカーレットリングを使ってボロ負けした。これは酷い強さだ。
まず行動予測。こちらの動きが全て読まれた。テレポートしてもその場所を狙い撃ちされた。アクセラレーションをしても狙い撃たれた。しかもフェイントには引っかからなくなり、攻撃を全て読まれたら、どうしようもない。
更に演算処理。これでイクスは跳弾が出来るようになった。しかも正確無比の跳弾が飛んで来た。もうね…逃げることすら不可能ですよ…逃げた先に反射したエネルギーガンが前後左右、上下から飛んでくる。
戦闘とは関係ないが詳細解析の能力を教えて貰った。どうやら範囲は限られるが地形データを知ることができ、敵の能力を解析も出来るようになったようだ。流石にレベル差があると能力の解析は困難になるみたいだ。
最後にリミッター解除。これは武器のリミッターを解除することで通常より遥かに武器の火力を上げることが出来るスキルらしい。ただし代償は武器の破壊。これは簡単には使えないな。リリーたちの切り札と違いエネルギーさえあれば使いまくれことが出来るスキルだが、これをすると一気に財政破綻だ。良くも悪くも恐ろしいスキルだな。
以上の事からイクスにとって、戦う前から全てこの結果が見えているような感じを受ける。完全にボロ負けして、俺は思い出した。エクスマキナはかつてこの世界の生物を全滅させる程の力を誇った。俺はその力の一端を今、経験したんだと思う。
地形データ、敵の位置、敵の行動、敵のデータが全てバレ、その上で強力な武器と正確な射撃。絶対に敵に回したくない。
「マスターならまだ戦えるはずです」
俺はイクスのエネルギーが無くなるまで訓練に付き合った。尽きる前に訓練を止めるイクスは流石だと思った。俺にとっては俊足の感じを覚えられただけでも良かったとしよう。イクスの魔力を回復させて、ログアウトした。
名前 タクト 情愛の召喚師Lv9
生命力 76
魔力 202
筋力 60
防御力 40
俊敏性 60
器用値 120
スキル
格闘Lv15 蹴り技Lv20 杖Lv27 片手剣Lv30 槍Lv19 刀Lv14
投擲Lv9 高速詠唱Lv37 召喚魔術Lv34 封印魔術Lv23 騎手Lv31
錬金Lv20 採掘Lv28 伐採Lv33 解体Lv39 鑑定Lv30 識別Lv35
疾魔法Lv2 炎魔法Lv3 地魔法Lv2 海魔法Lv4 暗黒魔法Lv2 神聖魔法Lv10
雷魔法Lv31 爆魔法Lv28 木魔法Lv26 氷魔法Lv29 時空魔法Lv40
獣魔魔法Lv2 遅延魔法Lv2 連続詠唱Lv3 水中行動Lv12 俊足Lv1→Lv4
読書Lv14 料理Lv38 餌付けLv8 釣りLv20 シンクロLv16 連携Lv7
名前 イクス アモールエクスマキナLv6
生命力 108
魔力 108
筋力 108
防御力 108
俊敏性 108
器用値 108
スキル
飛行Lv8 機人兵装Lv25 暗視Lv4 鷹の目Lv8 射撃Lv9→Lv10 詳細解析Lv5
演算処理Lv1→Lv4 行動予測Lv1→Lv4 索敵Lv18 投擲操作Lv6 連射Lv7→Lv8
反射Lv3 換装Lv6 リンクLv14 魔力充電Lv9→Lv10 リミッター解除Lv1