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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
梅雨イベントと砂漠の奴隷解放イベント
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#339 エリクサーラピスと秘密の協力関係

新たなクエストを引き受けた俺はカインさんに許可を受け、エリクサーラピスのアインシュタインさんの研究室に来た。


「うわ~…」


アインシュタインさんの研究室はドラマで見る大学の研究室のような部屋だ。黒板には意味不明な公式がかかれ、机には地球儀や見たことがないヘンテコ装置がある。


そして妙にリアルなマネキン人形がある。すると目が動いた。こわ!?


「お帰りなさいませ。マスター」


喋った!?めっちゃホラーだ。


「ふぉふぉ。いいリアクションするのぉ。ミレーバ、客人じゃ。紅茶を頼むぞい」


「かしこまりました。マスター」


ミレーバと呼ばれたマネキンが歩いていく。なんだったんだ?あれは?すると説明してくれる。


「あれはオートマトンと呼ばれる自動人形じゃ。エリクサーラピスの力の一つじゃな」


「力…ですか」


「うむ。エリクサーラピスは研究の国じゃ。そういう者は戦う力は持っとらん者が多い。ならば代わりに戦ってくれる存在を作り出せばいいというわけじゃ」


まぁ、機械に戦わせるのは現実でもそういう流れになりつつあるとニュースで聞いたことがある。俺もイクスに戦わせているから責めることは出来ないな。


「では、早速エクスマキナを召喚してくれるかの?」


「はい。こい! イクス!」


「お呼びですか? マスター」


イクスを召喚するとアインシュタインさんが目を見開き、立ち上がる。


「素晴らしい! なんという造形美! なんという未知の結晶! ワシはかつてないほど興奮している!」


あぁ~やっぱり危ない人だ。するとミレーバがそれを目撃する。


「…不倫ですか? マスター」


ミレーバが腕を外すと銃が現れる。ちょ!?


「ま、待て! 誤解じゃ! この娘は客人のオートマトンじゃ」


「オートマトンではなくエクスマキナです」


イクスにとって、そこは譲れないところなんだろうな。


「ほぅ。そこまで会話が出来るのか! 素晴らしい!」


「撃ちます」


「なぜそうなるんじゃ!? ま、待て」


するとドアが開き、誰かが入ってくる。


「博士! エクスマキナが来たというのは本当」


ミレーバは入ってきた人を見て、銃を撃つ。


「いらっしゃいませ。エジソン」


「…言葉と行動が一致していないと思うのはボクだけですか? 博士」


「ワシもそう思うよ。エジソン君」


酷いとばっちりだな。というかまた有名人だ。エジソンは発明王の異名で有名だ。発明品の中には盗作疑惑があるものの彼が技術革新を行った人物であることは間違いないだろう。


すると次々人が来る。


「「博士! エクスマキナが来たって本当ですか!」」


二人の青年が来た…ライト兄弟らしいです。動力飛行機の発明で有名な人たちだね。


「エクスマキナの研究は私に任せて貰おう」


お髭が特徴的なこの人はノーベル。ダイナマイトの発明者でノーベル賞で有名だね。


「君だけエクスマキナを独占するのはいただけないな」


紳士そうな人がニュートン。アインシュタインと並び偉大な物理学者であり、数学者だ。17世紀の科学革命をリードした人物で錬金術を学んだ話もあったはずだ。エリクサーラピスにいても不思議はないな。


わかったことはエリクサーラピスは学者や発明家の偉人だらけの国ってことだ。やばくない?これだけの人たちが集まっていたがどんなものが作られるかわからないぞ。


しかし簡単にはいかないらしい。


「お主ら! 邪魔じゃ! ワシが連れてきたんじゃぞ! ワシだけで研究する!」


『なんだと!』


大乱闘です。発明家や学者の偉人が集まるとこうなるのは仕方無いのかも知れない。


するとミレーバが全員の足元に銃を撃つ。


「この部屋を掃除するのは誰だと思っているのですか? 皆様」


『ご、ごめんなさい』


俺はこのミレーバも大概だと思う。


とりあえず落ち着いて話す。まずニュートンさんは錬金術ギルドのギルマスだった。そしてエジソンがこの国の王だった。


めちゃくちゃだよな。エリクサーラピス。そしてエクスマキナに興味がある点は同じだが、それぞれ目的は違った。


ライト兄弟は当然ウィングユニット。エジソン、ノーベルは武器。ニュートンはアインシュタインさんと同じエクスマキナに興味があるようだ。


というわけで武器を見せて、四人は猛ダッシュで帰っていった。


「彼らは発明家だからね。発明家は早く作ったもの勝ちの世界さ。急ぐのは仕方無いことだよ」


「…お主は帰らんのか」


「一応獣魔ギルドから君のことを頼まれたからね」


「チッ…カイン坊め」


仲が悪いようには見えないな。この二人。


「まぁ。私は君の邪魔はするつもりないよ。気にせず始めてくれ」


「ふん…まずはエクスマキナが宇宙から来たというのは本当かの?」


「はい。私たちエクスマキナはこの星とは違う星から来ました」


二人が頷き会う。やはり仲が悪くはないみたいだな。それから二人は俺を見る…なぜ俺?


「率直に聞く。タクトよ。お主はエクスマキナの船を知っておるな?」


ギクッ…これはバレてるな。


「…はい。俺はエクスマキナの船のマスターになっています」


「つまり船の中には入れるわけじゃな?」


「はい」


「「なんて羨ましい!」」


あれ?なんかずれてる…


「そ、その船は動かせるのかの?」


「い、いえ。まだレベルが足りなくて無理です」


「そ…そうか…」


「宇宙に行けると思ったがダメだったみたいだね」


あぁ!そうか。エクスマキナの船は宇宙からこの星に来たということは逆も出来るということか!


「君が秘密を話してくれたなら我々も秘密を話そう。実は錬金術ギルドは一隻、エクスマキナの船を隠し持っているのだよ」


マジか!


「もう察しておるかも知れんがエクスマキナも何人も持っておる。オートマトンはワシらがエクスマキナを真似て作ったものじゃ」


うん。それはなんとなくわかっていた。しかしびっくり発言が来る。


「ゴーレムやコロッサスも昔の錬金術師や研究者がエクスマキナを真似て作ったものと言われているね」


何…それ。いや、作れても何故か不思議じゃないけど…


「どうしてモンスター化しているんですか?」


「色々な説があるね…主が死んだから野生化したとか制御装置をつけ忘れたとか」


「賢く作り過ぎて裏切られたとかあったのぉ」


ダメじゃん!最初は仕方無いが後がダメダメだ!


「まぁ、ワシらには関係ない話じゃ」


「違いない」


あるよ!後始末しようよ!それぐらいの力はこの二人にはあるだろう!するとアインシュタインがあるものを取り出す。


アモールコア:エクスマキナ専用アイテム

アモールエクスマキナの進化素材。


な、なにぃ!?あ、俺にとって有意義な時間になると思うってこういうことか。


「これが欲しいのではないか?」


「…条件はなんですか?」


「ワシらと協力関係を結んで欲しいだけじゃ。具体的には船が動かせるようになったら、乗せてもらいたい。お主の船が無理ならワシらが管理しておる船の起動に力を貸して欲しい」


それは…いいけど、問題がある。


「船の大きさはどのぐらいですか?」


「小さな島ぐらいじゃよ」


『バトルシップです』


だよな。なら問題ない。マザーシップだったら、どうぞとは言えないからな。


「わかりました。協力します」


「…うむ。まだ何か秘密があるのう」


「はい。エクスマキナの船を秘匿しているなら理由がわかるのでは?」


この二人ならわかるはずだ。


「…そうだね。あれが危険物である認識はある」


「じゃがワシらは兵器利用に興味はない。宇宙に行ければそれでよいだけじゃ」


二人の宇宙へのこだわりは本物だな。俺はアインシュタインとニュートンと協力関係を持つことにした。


「これは秘密の関係にさせてくれ。君と我々が協力関係を持つことは他国を刺激しすぎるからね」


「わかりました」


「約束の物を渡す前にお前さんの覚悟を聞きたい。これを使えばエクスマキナの進化を行えるじゃろう…それは更なる力を得るということじゃ。お前さんはその力をどうするつもりじゃ?」


俺の答えはもう決まっている。


「俺は…俺たちは立ち止まりません。世界中を冒険するために力が必要なら俺はそれを望みます。悪用もするつもりはありません。ただ俺たちの邪魔をするなら容赦はしないつもりです」


「ふぉふぉ! 即答するか! その世界には宇宙も入っておるのかの?」


「もちろんです。もしイクスの星があるなら、俺は行ってみたいと思います」


それを聞いて、アインシュタインさんとニュートンさんは笑む。


「わかった。ではこれを渡そう。よいな? ニュートン」


「異論はないよ」


俺はアインシュタインからアモールコアを貰った。これでイクスの進化が出来るぞ!俺がやる気になっているとアインシュタインが奴隷の首輪を取り出す。


「それとニュートン…これを見てみろ」


「ん? なんだね? この非効率な首輪は」


「これの用途で効率的なら非効率の首輪ではないのう」


「何? …これは! 奴隷の首輪だと!?」


ニュートンさんが驚く。そしてアインシュタインが事実を告げる。


「結論から言うとこの首輪を作ったのは錬金術師と研究者じゃ。もちろん普通の奴ではない」


「こういう不幸にしかならないアイテムの作製は獣魔ギルドや錬金術ギルド、生産ギルドが厳しく禁止事項として取り締まっているのだよ」


「兵器は大丈夫なんですか?」


「本来なら兵器も制限するべきなんだが、モンスターに対する力だから制限はかけられないのだよ」


なるほどね。まぁ、当然か。


「カイン坊がワシに解錠を依頼したのも錬金術ギルドとエリクサーラピスのことを考えたからじゃろうな」


「確かに…錬金術ギルドやエリクサーラピスがこの件に関わっていたら、フリーティアと戦争になってしまう…これは急いで対策を取らねばならないな」


「これを作った奴の狙いはそこじゃろうからな。幸いこの件を任されたのはタクトじゃ。お主ならすぐに犯人を見つけるじゃろ。色々考えがあるようじゃしの」


すぐに見付けられる根拠はなんだろう?


確かに考えはある。というのも今回のクエストはキャラバンの人たちが何か情報を知っていそうだし、色々悪さしているなら情報は集まりやすいと考えている。


問題はアジトを見つけてからだ。クエスト内容からみて単身でクリア可能なのかわからないんだよな。まぁ、とりあえずアジトを見つけてからだな。

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