#336 本物のキャラバンと力天使
翌朝、ご飯を食べてログインする。早速リリーの様子を見に行く。
「リリー、まだ治らないか?」
「…う、うん。まだ治ってないかも」
ん?なんか変な言い方だな。するとイオンが来る。
「嘘言わないでください! もう治っているでしょ!」
「そ、そんなことないよ! イオンちゃん」
「ほほ~。そうですか…ノワ!」
「…ドーン」
ノワが影から飛び出し、リリーのベッドにダイブする。するとリリーは痛がる素振りがない。
「な、何するの! ノワちゃん!」
「…痛くないの?」
「あ」
イオンの作戦勝ちだな。
「い、いたた~」
まだやるか…しかしリリーがまさかこんなことをするとはな。それだけ看護が気に入ったってことなんだろうが意外だ。
「馬鹿やっていないで、早く起きてください! それ以上続けるならご飯抜きですよ!」
「それは困る!」
ご飯に素直なのは変わらないな。さて、昨日干しておいたスルメを見ると無事に完成していた。そこでインフォが来る。
『乾燥料理の作製に成功しました。料理スキルに乾燥が追加されました』
ふふ。狙い通りだ。これで鰹節や乾燥させたミントティーなどが簡単に作れるようになったはずだ。早速カツオの切り身に使ってみる。
「乾燥!」
すると一瞬で鰹節が完成した。
鰹節:レア度6 食材 品質C
カツオを乾燥させた物。カンナで削ることで調味料などとして重宝する食材。
カンナは昨日買ってある。というわけで鰹節を削っていく。出来上がったのはこれ。
鰹の削り節:レア度6 食材 品質C
鰹節の削って作った調味料。だしに使ったり、直接料理に使用したりする。
というわけで早速鰹節の出汁を作ると匂いに釣られてやってきたのが三人。イオン、リアン、和狐だ。
「「「いい匂い(どす)~」」」
「作ったばかりだからまだ飲んだら、ダメだぞ」
「「そ、そんな!?」」
そんな顔してもダメです。我慢してくれ。すると和狐が鍋を見る。
「これは出汁どすか?」
「そうだ。出来上がったら、和狐も料理に使っていいからな?」
「本当どすか? 腕がなります~」
その後、鍋に向かおうとするイオンとリアンを食堂から連れ出し、みんなでご飯を食べる。
「今日はどうするんですか?」
「とりあえずサンドウォール砂漠に行くつもりだ。キャラバンが来た方向と逆方向にアジトか村がありそうだからな」
「わかりました」
というわけでオアシスに移動し、キャラバンが来た方向とは逆方向に探索する。
メンバーは和狐、ブラン、ルーナ、スピカだ。途中で何か出たら、黒鉄を召喚しよう。では、出発する。
すると景色が飛ぶ。やはりスピカの速さは異常だ。みんなのスピードにスピカを合わせて走っていると砂丘の頂上にモンスターがいた。
デザートリザード?
? ? ?
巨大蜥蜴だ。誰かと戦っている?確認するとまたキャラバンだ。どうするか悩んだが、襲われているなら、とりあえず助けるか。
俺は槍を取り出す。
「行くぞ! スピカ!」
スピカの角か回転し、光が集まると一気に加速し、デザートリザードを貫いた。
しかし、識別が効かないだけはあるか…一撃では無理だった。するとデザートリザードは地面に潜る。
俺は杖に変える。向こうが地面に逃げるならこれだ!
「アースクェイク!」
地震が起きる。さぁ、出てこいや!
デザートリザードは俺たちの地面から飛び出して、噛み付かれた。
と思った瞬間、躱している。スピカの幻影だ。明らかにスピカのほうが強いな。悪いが話になっていない。
デザートリザードは砂ブレス、石投擲、土魔法のサンドストームを使ってきたが、スピカは幻影でことごとく、躱す。仕返しにスピカが次々、回転角で貫き、デザートリザードは倒された。
スピカ、容赦ないな。俺たちの出番なんて、ほぼなかった。
さて、問題のキャラバンに向かう。すると代表者が来る。ポッチャリ系の優しそうな人だ。これで実は腹黒だったら、嫌だな。
「いやー! 危ないところを助けていただきありがとうございます! 私はこのキャラバンのリーダーでカロと言います」
「召喚師のタクトです。キャラバンは大丈夫でしたか?」
「お陰様でほとんど被害はありませんでした。タクト殿はこの先の町にご用事ですか?」
「いえ。この先に町があるんですか?」
俺の発言を聞いて、カロさんは苦笑いを浮かべる。
「タクト殿…もしかして何も知らずに砂漠に来たんですか?」
「えーっと、お恥ずかしながら…」
「はは。若いですな~。昔を思い出します。何も知らないなら色々教えましょうか? その代わりに護衛を頼めませんか?」
それは助かるな。情報は得られるし、町に行けるし、良いことだらけだ。
「お引き受けします」
「助かります!」
俺はデザートリザードを解体するとお肉をゲットした。
砂漠蜥蜴の肉:レア度6 食材 品質C
デザートリザードの肉。サイズが大きく砂漠ではとても貴重なお肉。砂漠の住人にとってご馳走の一つ。独特の味がするため、砂漠ではココヤシの実などで臭みを消して食される。
今までで一番でかいお肉だな。それが三つもゲットできた。デザートリザードは肉の塊だな。するとキャラバンの人たちからお腹が鳴る音がした。
「どこか休憩する場所とかありませんか? ご馳走しますよ」
キャラバンの人たちから歓声が上がった。
しかし一面砂だらけで休憩場所がなかった。ならばアースウォールで無理矢理作ってみた。
「お兄ちゃん、凄ーい」
「いやはや。私たちは運がいいな。砂漠の神様に感謝しなくては」
キャラバンの人たちが祈り始めた…あの~お肉どうするんですか?
結局お肉はキャラバンの人が料理をしてくれることになった。その人はココヤシの実、即ちココナッツから作ったと思われるココナッツミルクを温め、その中に砂漠蜥蜴の肉を入れて煮詰めていく。
出来上がったのがこちら。
蜥蜴肉のココナッツミルク煮:レア度6 料理 品質C
効果:満腹度40%回復、筋力1時間アップ(大)
砂漠蜥蜴の肉をココナッツミルクで煮詰めた料理。砂漠の伝統料理。
これは俺にとって未知の料理だ。流石に食テロではないはずだ。一口食べる。む!
「美味い!」
「ありがとうございます!」
甘いココナッツミルクが砂漠蜥蜴の肉に合ってる。臭みがあると書かれていたがそれを感じない。煮詰めているからお肉も柔らかくなっている。見事だ!
ご飯を食べながら、色々情報を貰った。ここには町が二つ、村が二つ、オアシスが三つあるそうだ。
カロさんたちはオアシスを周りながら、主に水や各町や村の特産品を売っているそうだ。
俺も商品を見せて貰った。めちゃくちゃ気に入ったのがこれ。
アカシアのサンドボード:通常アイテム
砂漠の移動で使用されるボード。砂漠ならどこでも使用することが出来る。
砂漠のスケートボードだが、普通は高いところから下るときに使うがこのサンドボードはなんとそんなの関係なくどこでも滑れる。下から上でも関係無し。サンドボードと言うよりホバーボードだ。めっちゃ楽しい。
俺が楽しんでいるとスピカに乗っているカロさんの娘さんでナジュムちゃんが拍手をくれる。
「お兄ちゃん、上手~」
「初めてとは思えませんな」
「はは。ありがとうございます」
「どうですか? 買いますか?」
わかっている癖に…買うさ!他にも砂漠で必須のアイテムがあった。それがこれ。
砂漠のコンパス:重要アイテム
砂漠で町や村、オアシスの場所を知ることが出来るアイテム。
まず、この砂漠は環境と砂鉄のせいで普通のコンパスは使えないそうだ。俺も魔導コンパスを見ると方位がわからなかった。
「このコンパスは風水の力で町や村、オアシスの場所を知ることが出来るというものです。砂漠ではモンスターも然ることながら、砂嵐、蜃気楼などで方位がわからなくなることが多いのです。だからこそこのコンパスは私たちにとって、生命線なのです」
なるほどね。なら買おう。
そして俺は奴隷キャラバンの話をする。
「奴等に出会っていたんですね…道理で最初は警戒されていたわけだ」
「すみません…」
「謝らないで下さい。奴等には私たちも困っているんです。オアシスを占拠されたり、仲間のキャラバンが襲われた話も聞いています」
そこまで酷いのか…
「最近では砂漠の賊と手を組み、より過激になっていると聞いています」
砂漠の賊…たぶんあのとき、影から出てきた奴等だな。すると和狐が反応する。
「タクトはん…敵どす」
「モンスターみたいだな。ブラン」
「はい。お任せを。我が主」
現れたのはデザートスコーピオンだ。勿体無い気がするが強い敵なのは確かだ。なら使っても良いだろう
「参ります! 天昇!」
ブランに白い光の柱が天から降り注ぎ、ブランが進化する。
ブランの服が騎士の鎧になる。
名前 ブラン プリンシパリティLv7→ヴァーチュースLv1
生命力 77→107
魔力 110→140
筋力 92→132
防御力 82→112
俊敏性 84→104
器用値 82→102
スキル
飛行Lv21→飛翔Lv21 光拳Lv1 盾Lv10→光盾Lv10 槍Lv23→斧槍Lv23 光鎧Lv1
堅牢Lv1 怪力Lv1 縮地Lv1 防風壁Lv1 物理貫通Lv1 集中Lv1 連撃Lv1 挑発Lv9
光魔法Lv10 光輪Lv18 守護Lv2 天撃Lv8→神罰Lv9 天使の加護Lv16→中天使の加護Lv16
闘気Lv1 天昇Lv1
ヴァーチュースは力天使と呼ばれる天使だ。奇跡を起こすのはこのヴァーチュースと呼ばれ、キリストが昇天する時に天まで随伴したのがこの天使だったはずだ。
このゲームでは、バリバリの武闘派のようだな。
デザートスコーピオンがブランに毒液をかける。ブランは逃げず、直撃を受ける。だが、ブランは聖なる光に包まれ、毒液の効果を受けていない。
「…その程度ですか?」
ブランが挑発するとデザートスコーピオンは怒り、尻尾の針を飛ばすがブランは翼を羽ばたかせ、防風壁を発動する。
すると全ての針が風の壁に防がれる。防風よりやはり範囲が広いな。デザートスコーピオンがその結果に引く。
「あなたの実力はわかりました。そろそろ私から行きます!」
ブランの姿が消えるとデザートスコーピオンの顔の近くに現れ、輝く拳を握る。
「集中…聖拳!」
デザートスコーピオンの顔に直撃し、デザートスコーピオンがバウンドしながら、ぶっ飛ぶ。
「あなたには勿体無いですが、特別サービスです。神罰!」
天擊を越える破壊の光が空から落ちてきて、瀕死のデザートスコーピオンに直撃し、大爆発する。
ブランを怒らすのはやめよう。真剣にそう思った。
戦闘が終わるとブランはエンジェルになり、空から落ちてきてキャッチする。
「わ、我が主!? こ、このような格好!?」
ん?あぁ。お姫様抱っこはお気に召さないらしい。褒めてから下ろすと不満そう…どうしろと。解体すると殻をゲット。
ブランはもう戦えないので、戻す。その後、デザートスコーピオンが二体に襲われるが黒鉄が攻撃を受けた。毒無効がある黒鉄はデザートスコーピオンの天敵だ。後は俺たちがサポートして、月輝夜が叩き潰して勝利した。解体すると殻をゲットした。和狐によるとこれだけあれば鎧が作れるそうだ。誰がいいかな?考えておこう。
そして無事に町に着いた。
名前 和狐 シュラインビーストLv16→Lv17
生命力 86→88
魔力 135→138
筋力 51
防御力 42
俊敏性 114→116
器用値 120
スキル
扇Lv10 舞踊Lv10 投擲操作Lv10 邪炎Lv10→Lv12 忌火Lv15 気配察知Lv13→Lv15
危険察知Lv15 封印魔術Lv14→Lv15 幻術Lv12 炎魔法Lv6→Lv7 神道魔術Lv19
妖術Lv12 裁縫Lv17 革細工Lv12 料理Lv21 血醒Lv5 神降ろしLv1 獣化Lv3
名前 ブラン プリンシパリティLv7→Lv8
生命力 77
魔力 110→112
筋力 92
防御力 82→84
俊敏性 84→86
器用値 82
スキル
飛行Lv21 盾Lv10 槍Lv23 挑発Lv9 光魔法Lv10
光輪Lv18 守護Lv2 天撃Lv8 天使の加護Lv16 天昇Lv1→Lv2
名前 黒鉄 アイアンゴーレムLv18→Lv19
生命力 112→114
魔力 0
筋力 145→148
防御力 145→148
俊敏性 26
器用値 15
スキル
格闘Lv19→Lv20 鉄壁Lv39 挑発Lv35→Lv36 物理耐性Lv31→Lv32 物理破壊Lv12→Lv13
採鉱Lv6 投石Lv16 射出Lv11 耐電Lv1 耐寒Lv1 毒無効Lv3→Lv5
病気無効Lv3
名前 ルーナ ニュンペーLv11→Lv13
生命力 63
魔力 118→124
筋力 40→42
防御力 30→32
俊敏性 100→103
器用値 78→80
スキル
飛翔Lv26 竪琴Lv9→Lv10 舞踊Lv19 気配遮断Lv3 危険予知LLv4
魅了鱗粉Lv9 風魔法Lv15 水魔法Lv3 木魔法Lv12 光魔法Lv1→Lv3
譲渡Lv3 祝福Lv3→Lv4 守護Lv3→Lv4 幻術Lv4
名前 月輝夜 レッサーオーガLv10→Lv13
生命力 78→80
魔力 40→44
筋力 127→136
防御力 74
俊敏性 34→36
器用値 36
スキル
鎚Lv8→Lv10 格闘Lv1 闘気Lv5→Lv7 物理破壊Lv3→Lv5 咆哮Lv2
強襲Lv5→Lv7 投擲Lv1 再生Lv2 恐怖Lv1 火ブレスLv2→Lv3
名前 スピカ ユニコーンLv1
生命力 85
魔力 100
筋力 120
防御力 52
俊敏性 150
器用値 76
スキル
回転角Lv11→Lv12 激突Lv10→Lv11 物理破壊Lv10→Lv11 集中Lv10→Lv11 騎馬Lv11→Lv13
水上走行Lv10 危険予知Lv10→Lv11 気配遮断Lv10 旋風Lv10 疾駆Lv11→Lv12
騎手強化Lv11→Lv13 浄化Lv10 幻影Lv10→Lv12 木魔法Lv10 海魔法Lv1 神聖魔法Lv1
狂戦士化Lv1 蘇生Lv1 譲渡Lv1 聖獣の加護Lv1