表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
梅雨イベントと砂漠の奴隷解放イベント
345/1718

#328 木造船完成と細工師

ゲームにログインするとみんな集まっていた。火影やサバ缶さんたち、シャローさんたち、他にもゾンビイベントで見かけた人がちらほらいる。


急だったのに集まりすぎだ…とりあえずリリーたちを連れて船を受け取りに行く。


「お邪魔します。船を受け取りに来ました」


「お! 来たね。完成してるよ」


案内されると布に隠されている一隻の船があった。


「私が代表して見せるね!」


ユグさんがそういうと布を掴む。


「いくよ? 心の用意はいいかな?」


『はーい!』


リリーたちが元気に答える。


「うんうん! 大満足! じゃあ、いくよ! ジャーン!」


ユグさんが布を取ると現れたのは船首が竜になっている小型の帆船だった。


「おぉ…」


『うわぁ…』


俺たちが同じようなリアクションをしたためかみんなから笑われる。これは仕方ないだろ…でもこの船を見て、決めていた名前を変えることにした。


名前を入力する。


アークヴルム:レア度5 船 品質C

耐久値:200

リープリングが所有する小型の木造船。川などの細い水路を進むのに適している船。

武装はついていないため、攻撃能力はない。小型の魔導エンジンを搭載されている。


名前を見て、ユグさんが言う。


「アークヴルム…方舟のドラゴンだね」


ユグさんの言う通りでアークはノアの方舟で使われる言葉だ。ヴルムはドラゴンを意味する。これを見た瞬間、これだと思った。


「船首をドラゴンにした甲斐があったよ」


「あれ作ったのユグさんなんですか?」


「そうだよ。やっぱりタクト君たちにはドラゴンが似合う気がしてね」


リリーが最初の召喚獣だからな。


するとみんな我先に船に乗る。俺はナイスガイの船大工の人から説明を受ける。


「この船は小型船だから6人乗りだ。操縦は操縦室で行う。舵で左右に動き、レバーの上下でスピードを操作する。上にすると加速で下にすると減速だ」


本格的だな。


「エンジンは一番安いのにしておいたけど、良かったかい? 小型船だと一番安いので、十分なんだが」


おや?エンジンなんてあるんだ。


「はは、当たり前さ。風魔法で操る船もあるけど、主流は魔導エンジンだよ。もしいいのが欲しいならエリクサーラピスかウィザードオーブに行ってみるといいよ」


ここでその二か国が出てくるか…行きたいが中々行けないんだよね。


説明が終わり、お金を支払う。これで正式にこの船は俺たちの船になった。


早速、試し乗りをしたいがまだマングローブの森に行っていないからリザードマンの住み処からヒクスに乗って移動する。


森が見えてくるとヒクスが突如、バランスを崩した。どうやらヒクスでも飛行出来ないんだな。すると警告のインフォが来る。


『ここより先のマングローブの森は魔法阻害エリアとなっております。このフィールドでは飛行、魔法の使用が出来なくなりますので、ご注意ください』


飛行だけじゃなく、魔法も使用出来ないんだ…魔法使いとか絶望的なフィールドだな。だが阻害無効を覚えたら、使えるようになるんだろうな。俺は覚えられないから諦めよう。


下を見るとルインさんたちがいたので降りる。どうやらここがマングローブの森のスタート地点らしい。


早速船を出すとみんなが同じリアクションをする。ほら、絶対そうなるって。


どうやら試し乗りが出来るらしいので、リリーたちを乗せて運転してみる。試し乗りの間は船が傷付いても、元通りになるようになっている。モンスターに襲われることもないそうだ。


実際に運転すると確かに小回りが効くな。俺が楽しんでいるとみんなが運転したいと言い出す。


最初にリリーが運転する。俺たちはオチを察知して避難する。結果あちこちぶつかりまくって、沈没。期待を裏切らないな。


「イ、イオンちゃん! 助けーーぶくぶく」


「はぁ…仕方無いですね」


その後、みんな運転してみたが、上手だったのがイオン、イクス、ノワ、リビナ、リアン、ブラン。


船自体ダメなのがセチア、恋火、和狐、ミール。


運転がダメなのがリリー、セフォネ、ルーナ、伊雪となった。ルーナと伊雪の名誉のために言うが二人は身長が足りないせいで操縦が厳しかっただけだ。下手ではない。


「セフォネちゃんはリリーと一緒だね!」


仲間が出来て良かったな。リリー。逆に焦るのが、セフォネだ。


「ま、待つのじゃ! さっきは少し調子に乗っただけなのじゃ! やり直しを要求するのじゃ!」


やめておけ。必死だったのは、見ていた俺たちが一番よくわかっている。


その後、集まっていたみんなも試し乗りをする。せっかくなのでみんなの船の操縦を見せてもらおう。


エンジン全開で楽しむ人や安全運転をしていると様々だ。エンジン全開で見事に乗りこなしたシャローさんが来る。


「いや~、小型船もいいですね。あのスリルは中々味わえません。誘っていただきありがとうございます」


「いえ、以前招待していただきましたし、急ですみません」


「はは。律儀ですね。では釣りでもしてみますか?」


それも一興だな。小型船のほうが船釣りのイメージがある。最近釣りしていないししな。でもここで釣れるものは怖いな。


「アナコンダやナイルワニとか釣れそうですね」


「はは! 確かに釣れそうですね! カンディルなんて釣れたら問題ですし、またの機会にしますか」


「はい。あ、土日とか空いてませんか?」


「空いていますよ。時間はどうしますか? 朝釣りがオススメですよ。魚が釣りやすいみたいですから」


マジか…流石釣り師、知らないことを知っているな。というわけで土曜日の朝の予定は釣りになった。


そして俺はルインさんに細工師の女性プレイヤーを紹介された。


「は、初め…まして…細工師のナオ…です」


これは重症だな。


「初めまして、召喚師のタクトです」


「あ、あれ?」


ん?どうしたんだろう?


「あ、あの…失礼ですが、幼女サモナーさん…ですよね?」


「その呼び名はやめてほしいですが、たぶん合っていると思います」


「ミュ、ミュウさん!」


ナオさんとミュウさんが話出した。


「幼女サモナーさんって、幼女に手を出したら、ブチギレる人で、攻略を独走して、俺様がこのゲームで最強だ!ヒャッハーっていう危ない人じゃなかったの?」


どんなイメージだ!俺ってそんなイメージなのか?…ショックだ。めっちゃ凹む。


「ご、ごめんなさい! あたしったら、変な誤解をしてしまって」


「い、いいですよ…気にしていませんから」


「え、えっと…あ! これ! ご注文していただいた品です!」


「拝見します」


牛玉のネックレス:レア度7 アクセサリー 品質C

効果:病気無効、神聖属性魔法威力アップ(小)

銀の鎖に牛玉を取り付けたネックレス。装備した者に神聖属性と病気を無効にする力を持っている。


おぉ…いい出来栄えだ!すると多数の視線、リリーたちだ。欲しそうにしているが、結局俺が装備することになった。俺は病気になる率が高いし、神聖属性魔法威力アップは俺向きという判断だ。


俺がナオさんに感謝している一方でみんなが船に乗っていく。結果、調子に乗ってめでたく事故ったリサやユーコ、アーレイ、火影たちはリリー枠の仲間入りをはたした。


その後、みんなのリクエストで一度だけ戦闘することになった。メンバーはイオン、イクス、ノワ、リアン、ゲイルだ。


リアンに操縦を頼み、俺たちは警戒態勢。船で進むと警告が出る。


『ここから先は船上以外では魔法の使用が出来ません。ご注意ください』


なるほど。これじゃあ、船での戦闘を推奨しているようなものだよな。


ゆっくり進む。すると水中を警戒していたイオンが警告する。


「タクトさん! 水中からーーきゃ!」


「イオン!」


船から落ちそうになったイオンを抱き寄せる。あっぶな。イオンがカンディルに襲われるところなんて見たくないぞ。


「大丈夫か? イオン」


「すー…はー…だ、だいろうふです」


ローブに顔をくっ付けたままだから何言ってるのかわからない。


すると川から何かが飛び出す。あ、あれは!


デスニアLv18

通常モンスター 討伐対象 アクティブ


懐かしきデスニアさんだ。初期の頃を大変お世話になりました。ちょっと強くなったみたいだから、容赦しない。


「ブリッツ!」


ゲイルと共に雷魔法を放ち、イクスがエネルギーガンで撃ち抜く。


それで絶命したが巨体が落ちてくる。不味いな。しかしデスニアが船に当たることはなかった。


「…ん!」


ノワが影の槍でデスニアを串刺しにした。ナイスだ。というわけで約束の戦闘終了。


「どうだった?」


メルに聞かれて率直に答える。


「厄介なフィールドなのは間違いないな」


「どういうこと?」


「さっきの戦闘で感じたが、たぶんここのフィールドの敵は船に乗っている俺たちを川に落とすのを狙ってくる」


俺たちは川に落ちたらゲームオーバー。狙われるのは当然と言えた。対策としては…


「ユグさん、報酬の件、依頼してもいいですか?」


「いいよ! 何かな?」


「柵ってつけれませんか?」


柵があれば少なくとも落ちるリスクは軽減出来るはずだ。


「もちろん出来るよ。船大工のユグさんにおまかせだよ!」


カタパルトから転職したのかな。デスニアを解体すると外れだった。弱いデスニアさんのほうが良かったな。柵についてはすぐに付けられるそうで、本当に取り付けてくれた。これで少しは安心して戦えそうだ。


せっかくかなりのプレイヤーがいるから情報交換をすることになった。


みんなの注目はやはり海と砂漠。特に海は宝箱を結構見つけているから注目度は高い。ただネックは水中戦闘なんだよな。水着を来たら、戦闘は出来なくはないが、イタチザメを相手にするのはかなりきついだろう。


サンドウォール砂漠に入るクエストの鍵になるマタタビはイエローオッサの森で発見された。ただし、一ヶ所しか見付かっていないようだ。あの森から一本のマタタビを見付けるのは至難の技だろう。素直に凄いと思う。


マタタビを発見した人たちは今日見付けたばかりらしい。しかし情報は貰えなかった。苦労して、見つけたんだし、仕方ないかも知れないな。


それでも売りには出すみたいなので、来週の火曜日にメルたちも買えば入れるはずだ。


メルたちは休みの間はイベントフィールド。火曜日からサンドウォール砂漠になるそうだ。


「タクト君はどうするの?」


「とりあえずギガースを討伐するつもりです。その後はせっかく船を作ったからここと砂漠、海がメインになると思います」


「雪山は攻略しないの?」


「アイスドラゴンに出会いましたからね…」


全員がそれは無理だと口を揃えた。ですよね~。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
以下のリンク先で連載中です。


動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
― 新着の感想 ―
[気になる点] 情報交換するって言って砂漠とかの行き方まで教えてるのにマタタビの情報秘匿する奴なんなん?w それこそ主人公なんて隠しときたい情報一杯あるだろう
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ