#325 冒険家の日記
沈没船の中はやはり幽霊ばかりいた。しかしチロルも神聖属性を覚えていたから敵じゃない。
「よくきたな!」
「セイント!」
「シャイニング!」
「いきなりぃいいい!?」
時間が無いんだ。成仏してくれ。新しい神聖魔法シャイニングはセイントの上級魔法。セイントより強力な光により、光を浴びた敵全てに神聖属性のダメージを与える魔法だ。セイントで十分だろうが、折角なら使ってみた。
ヒールオールは全回復。名前から全員に回復する魔法かと思ったが違った。
「あ、タクトさん! 宝箱見つけました!」
「途中の部屋と合わせて3つか…頑張った甲斐があったな」
「ですね!」
というわけで宝箱を5つゲットで探索終了。リープリングに戻るとルークがいた。俺も大概過保護だが、ルークほどじゃないと思いたい。
チロルの宝箱はルークのゴブリンが開け、俺のはキキが開けてくれる。メイドとして譲れないものがあるそうだ。そもそも解錠の木鍵があるんだが…言ったら、ダメな気がする。
因みにキキが針金を出したところをガン見したルークはチロルにつねられてた。
まず最初に見つけた宝箱の中身はこちら。
貝殻のネックレス:レア度2 アクセサリー 品質E+
効果:水属性攻撃力アップ(小)
貝殻で作られたネックレス。水の力が宿っている。
能力は低いがデザインは中々だ。というわけでリアンに進呈。やはりこういうのはマーメイドが似合うと思うわけですよ。
チロルもリトルマーメイドにあげていた。
さて、メインだ。何が来る?
冒険家の日記:重要アイテム
冒険家が書いた日記。
呪われた銅像:通常アイテム
効果:船を沈没させる。
船に設置するとその船が沈没すると言われている呪われた銅像。
錆びたカットラス:レア度3 片手剣 品質F-
重さ:20 耐久値:1 攻撃力:15
湾曲した刃を持つ剣。刀身が短く、船などの狭い場所での戦闘に向く。ただし錆びており、壊れやすい。
今度は冒険家だったのか。違いがわからないが、とりあえず日記はおいて置こう。まずはアイテムからだ。
「呪われた銅像はタクトさんがどうぞ」
「…貰わないとダメか?」
船を沈没させる効果って意味不明だぞ…これから船に乗ろうとしている俺にとって、不吉でしかない。しかし通常アイテムなら何か使い道があるのかも知れない。とりあえずこれは冒険者ギルドに預けておこう。
というわけで錆びたカットラスはチロルにあげた。
「はい。ルーク」
「チロル…」
チロルがルークにプレゼントしていた…感動しているが、ルークよ。それは錆びてるぞ。
というわけでヘーパイストスに頼ろうとしたら、セチアに追い出された。どうやらリリー武器制作が大詰めらしい。
なら話したいことがあると告げ、その場を後にした。じゃあ、みんなで日記を読むとしよう。
〈冒険家の日記〉
YY年11月14日 天気 曇り
ドブロの港町を北に出航する。
YY年11月18日 天気 曇り
綺麗な女性の声が聞こえてきた。
YY年11月22日 天気 曇り
気が付くと島にいた。どうやってたどり着けたのかわからない。
YY年11月22日 天気 曇り
巨大な化け物に遭遇。どうやら俺たちは罠にはめられたようだ。慌てて逃げ出す。
YY年11月25日 天気 嵐
女性の声が聞こえる度に島に戻される。怖い…怖い…嵐より怖い…
YY年11月28日 天気 晴れ
クルーを生け贄に差し出し、海域を北に脱出した。私はきっと地獄に落ちるだろう。
YY年12月1日 天気 雪
ペンギンがたくさんいる島に到着した。心が癒された。
YY年12月2日 天気 大雪
ペンギンたちに船を乗っ取られた。
YY年12月4日 天気 晴れ
船の奪還に成功した。しかし水と食料を失っていた。どうやらペンギンに食べられたようだ。
もう冒険は無理だ。引き返すことにした。
YY年12月7日 天気 晴れ
巨大なタコに襲われた。久々の食料に歓喜した。
しかし船はボロボロだ。港町まで持つだろうか?
YY年12月8日 天気 晴れ
巨大な角を持つモンスターの突進を受ける。致命傷だ。
YY年12月9日 天気 晴れ
残った板で穴を塞ぐが水漏れが止められなかった。
YY年12月10日 天気 晴れ
今日までよく持ったものだ。ありがとう。俺の船。
「終わり」
全員が拍手をくれる。とりあえず外れなわけだが、気になるところがある。
まず新しい町の名前についてだ。これはハンズさんに聞くとエリクサーラピスの港町ということがわかった。
更に女性の声についてはリアンが話す。
「犯人はマーメイドだと思います。ただ話からするとこのマーメイドは巨大な化け物の眷属か何かだと思います」
マーメイドは基本的に悪い伝説が多いからな。しかしマーメイドを使役するモンスターか…現状ではわからないな。
後はペンギン…
「この子はそんなことしないですよ」
「わかってる…ただそんな遠くに出るモンスターなんだなと思っただけだ」
「あぁ~! 確かに凄く遠そうな…って、もしかしてこの子レア?」
「間違いないと思うぞ。実際水中戦闘じゃ、かなり強かったからな」
俺がそういうとチロルは喜ぶ。他にも巨大なタコや角のモンスターがいるがそれらはいつか出会うだろう。
「あ、ルーク。私2レベル上がって上位職に成れるから先になるね」
「え…」
チロルはさっさと溺愛の召喚師になった。動物たちと話せるようになり、更に連携を覚えたみたいだ。
まだ中級のルークは固まっていた。頑張ってくれ。
名前 タクト 情愛の召喚師Lv9
生命力 76
魔力 162
筋力 60
防御力 40
俊敏性 60
器用値 120
スキル
格闘Lv12 蹴り技Lv18 杖Lv27 片手剣Lv30 槍Lv18 刀Lv14
投擲Lv8 高速詠唱Lv36 召喚魔術Lv34 封印魔術Lv19 騎手Lv30
錬金Lv20 採掘Lv24 伐採Lv33 解体Lv39 鑑定Lv29 識別Lv33
疾魔法Lv1 炎魔法Lv3 地魔法Lv2 海魔法Lv2 闇魔法Lv29
神聖魔法Lv10 雷魔法Lv31 爆魔法Lv28 木魔法Lv25 氷魔法Lv29
時空魔法Lv40 獣魔魔法Lv2 遅延魔法Lv2 連続詠唱Lv3 水中行動Lv11
読書Lv13→Lv14 料理Lv37 餌付けLv8 釣りLv18 シンクロLv16
連携Lv5