#314 アガレス戦とクランリープ解放
一気に戦闘を終わらせたので、少し長いです。
夕飯のフライを作っていると海斗が掲示板情報を話す。
「どうやら今回のイベント、クエストクリアの条件とかで難易度が変わるみたいだな」
「そうなのか?」
「あぁ。フィニスト王子が参加して、バーバヤーガが参加しなかったり、バーバヤーガのみだったり、誰も参加しなかったりするみたいだ」
「フィニスト王子やバーバヤーガが参加しないと相当厳しいんじゃないか?」
もしフィニスト王子がいなかったら、鷹の襲撃から村を守らないといけない。プレイヤーなら部隊を分けることになる。しかし空中戦はプレイヤーはまだ不向きだ。村の外で魔法や矢で近寄らないようにするしかない。
「俺もそう思う。何人か飛行魔法を覚えた人はいるが鷹と戦って勝てるとは思えないからな」
こうなると頼りになるのはバーバヤーガだが、三人いるからそれぞれサポートしてくれるにしてもこちらはアガレス相手に三人だ。
どうしても上手く行くとは思えないな。誰も参加しないのは、無理ゲーだな。お!
「メル達もフィニスト王子とバーバヤーガが参加するみたいだぞ」
「マジか!? 俺たちだけだと思ってた…」
流石にそれはないだろ。案の定ログインする前に掲示板で情報が流れた。
結構の人が鷹フィニストの羽根を知っているんだな。まぁ、俺はネット情報だ。同じ人もたくさんいるだろうな。
ご飯を食べ終え、ログインする。俺はセチアと共にヒクスに乗り、最後の仕上げを済まして、準備完了。
そしてイベント開始時間となる。バーバヤーガが予言した方向の空に巨大な魔方陣が展開され、漆黒の巨大な鷹が出現する。
アガレスホーク?
? ? ?
アガレスホークは真っ直ぐこちらに来る。それに対し、フィニスト王子が言う。
「来たようだな…」
「フィニスト王子…」
「すまない…君には心配かけてばかりだな。だけど僕はあいつを倒さないといけない」
「はい…ご武運を」
フィニスト王子が黄金に輝き、姿が変化する。
目を開けると空には巨大な黄金の鷹が出現していた。
フィニスト?
? ? ?
漆黒の鷹と黄金の鷹が空でぶつかり合う。
「それがてめぇの真の姿か!」
「あぁ。僕はゴールデンホークの王子フィニスト! この太陽の輝きを持って、貴様を葬り去る!」
「上等だ! 雨天で俺に勝てると思うな!」
アガレスホークが叫ぶと雨風が激しくなる。雨が痛い!するとバーバヤーガが現れる。
「天候を操れるのがおまえさんらだけだと思ったら、大間違いさ。快晴のオーブよ。その力を示せ!」
バーバヤーガが持っていたオーブが輝く。すると曇り空が晴れ、夜空が見えた。晴れって素晴らしい!
同時に雨風が止む。アガレスホークが驚く。
「な、何!? バカな…魔王バエル様の呪いを一時的とはいえ消しただと!? しかもなんだ? 力が抜ける…あの老いぼれの仕業か!」
アガレスホークがバーバヤーガを狙おうとするがフィニスト王子が黄金の炎を吐き、アガレスホークが焼かれ、態勢を整える。
「お前の相手は僕だ!」
「くそったれ! 上等だ!」
巨大な鷹同士が夜空で戦闘を開始する。互いにビームを撃ち合ってる。あれには、関われないな。するとバーバヤーガが告げる。
「そろそろアガレスが来るよ。坊やたち」
「わかりました。行こう」
俺たちはストラに乗って移動する。すると巨大な魔方陣が森に展開される。かなりでかいな。
俺もレギオン召喚をする。今回はレイド戦。フル召喚だ。メンバーはリリー、イオン、セチア、恋火、ノワ、リビナ、リアン、和狐、ブラン、セフォネ、グレイ、虎撤、コノハ、チェス、ゲイル、優牙、黒鉄、アラネア、エアリー、ぷよ助、狐子、ルーナ、伊雪、ミール、ヒクス、ストラ、ディアン、アステル、月輝夜だ。
開始が雨だとやはりイクスは使えない。晴れてから召喚する手もあるが、相手が雨乞いをしてくる可能性もゼロじゃない。今回のイベントは完全にイクス殺しのイベントだったな。まぁ、対策を取らなかった俺に責任がある。
召喚したメンバーにシフォン、ミランダ、アーレイが加わる。ヒクスはシフォンを乗せ、ミランダとアーレイはストラに乗る。
俺はスカーレットリングを持ち、敵が現れるのを待つ。更に今回は固まらず、魔方陣を包囲するように布陣した。
村の正面に俺、リリー、イオン、ノワ、リビナがいる。
俺から見て左にはリアン、セフォネ、黒鉄、ぷよ助、ルーナ、アステル、月輝夜がいる。ここは敵を引き付けるメンバーだ。
俺から見て右には和狐、ブラン、グレイ、虎撤、ゲイル、アラネア、エアリー、ディアン。
そして俺の反対側にはセチア、恋火、コノハ、チェス、優牙、狐子、伊雪、ミールだ。
保険を発動させるとアガレスが巨大なワニと共に現れた。
アガレス?
? ? ?
アガレスクロコダイル?
? ? ?
アガレスが俺たちを見て笑みを浮かべる。
「ほう。わしの出現を予知」
『ミール、アラネア。落とせ』
『はい!』
ミールとアラネアの落とし穴が発動し、巨大ワニがそれより巨大な落とし穴に落ちる。すると落とし穴の中に設置しておいた爆発魔法のマインとタイムボムが爆発する。
「な!? くっ!」
アガレスが俺の前に来る。
「貴様! わしが話している最中に」
「ルーンマジック!」
俺が無視して魔法を封じるとアガレスの下に魔方陣が現れる。アガレスは慌てて逃げ出すが魔法無しでは逃げ切れず爆発する。
「おのれ! 貴様らもか! 魔女ども」
「ふぇふぇ。甘いこと抜かしているんじゃないよ。あたしらを脅した報い、受けてもらうよ!」
「魔法でワシに勝てると思うな」
アガレスが薬で魔法封印を解除する。あんな回復アイテムあるんだな。バーバヤーガたちとアガレスはその場を離れ、魔法合戦が始まった。
さて、俺たちも始めよう。アーレイから連絡を貰う。
『タクト。アガレスクロコダイルはひっくり返ってるぜ!』
『了解』
最初はたっぷり充電したゲイルの攻撃だ。
『お前の力、見せてやれ! ゲイル!』
「ガァアア!」
ゲイルは一瞬でアガレスクロコダイルに取り付くと放電を解放をする。アガレスクロコダイルに強烈な電撃が炸裂する。だがびくともしないようだ。でかいだけはあるな。
だがここからだ。アーレイたちが作戦通り動く。
「タクトの生産能力と俺のゲーム知識を融合させた新兵器を食らいやがれ!」
アーレイたちが樽を落とす。樽の中身はバイオエタノール。更に着火式爆弾をアラネアの糸で固定したものだ。するとどうなるか。
アガレスクロコダイルの上空で爆弾が爆発し、火の雨がアガレスクロコダイルに降り注ぎ、アガレスクロコダイルの体が燃える。
さながら擬似ナパーム。アーレイが名付けたアイテムがこちら。
樽爆弾:レア度6 爆弾 品質C
攻撃力:300 物理破壊 使用回数1回
追加效果:炎上
バイオエタノールが入った樽に着火式爆弾を組み合わせた爆弾。
爆発と同時に火が燃え上がるので、使い方には注意が必要。
何かのゲームが元ネタらしい。
今回は敵のサイズを考え、直接爆破するより、ナパームにしたほうが狙いを外さず、広範囲にダメージを稼げるとアーレイが言っていた。その意見は正しかったみたいだな。
アーレイに状況を確認する。
『燃えながらセチアちゃんたちのほうに向かってるぞ!』
『了解』
ここからが本番だ。俺はアガレスクロコダイルに封印とデバフをかけ、シンクロでセチアに指示を出す。するとセチアは杖を持ちながら指示を出す。
「こちらに来ますよ。伊雪さん、準備を!」
「はい!」
アガレスクロコダイルが顔を出し、両手をつき、落とし穴からよじ登ろうとする。リアルのワニでもそうして登るからそうすると信じていたぜ。
「「スリップ!」」
セチアと伊雪の氷魔法スリップで前両足が滑り、バランスを崩す。
「今です!」
恋火の合図で一斉に襲い掛かる。恋火の風刃、チェス、優牙の氷結ブレス、ミールの風魔法がアガレスクロコダイルの顔に直撃し、アガレスクロコダイルは仰け反る。
「ホー!」
とどめにコノハが氷爪で蹴る。するとアガレスクロコダイルは落とし穴の中で転がり落ちる。
これが俺の考えた時間稼ぎ戦法。相手が四足歩行のワニだからこそ出来る戦法だ。
ワニが落とし穴から脱出するためにはどうしても不馴れな二足歩行になる必要がある。時間稼ぎが狙いだから、そこを狙うことにした。
アガレスクロコダイルは落とし穴からなんとか逃げ出そうとする。
しかしブランのところに行けばブランの天撃、グレイの咆哮、虎徹の虎咆、ディアンの毒ブレスが待っており、バランスを崩したところをゲイルとエアリーの突進で落とされる。
リアンのところに向かうとアラネアがアガレスクロコダイルの口と体を鋼糸で拘束し、黒鉄のロケットパンチと月輝夜のフルスイング攻撃で落とされる。
俺のところに来ると俺がスリップでバランスを崩させ、リリー、イオン、ノワの波動技が炸裂する。連射出来るようになった波動はやはり強い。だが、魔力の消費が激しい。
隙を狙われた際は最終手段でイオンのドラゴンウェーブで流し、リリーのドラゴンクローで落とした。更に恋火に炎魔法ラーヴァフローを使って貰い、水の利用を封じる。相手が雨が得意ならドラゴンウェーブが利用される可能性が高い気がしたから念のためだ。
俺たちがカバー出来ない所はシフォンたちにフォローを頼んだ。片方が爆弾でよじ登ろうとしている手を狙えばバランスを崩させるのは難しくない。後はもう片方が攻撃して落とすだけだ。
しかし危険ではある。俺と違い、近付かないといけないからな。それでも引き受けてくれたシフォンたちには感謝したい。シフォンたちがいなかったら、この作戦は厳しかっただろうからな。
やがて逃げ場がないアガレスクロコダイルは動かなくなる。そうなったら魔法の的だ。上空からシフォンたちがヒクス、ストラに合図を出し、一斉攻撃がアガレスクロコダイルを襲う。俺もサンドストームで攻撃した。もう少しで30に到達するからね!
さて、どこまで時間稼ぎをさせて貰えるかな。
タクトたちがアガレスクロコダイル相手に時間稼ぎをしている中、森ではバーバヤーガとアガレスが魔法を撃ち合っていた。
「くっ…一対三では分が悪いか…アガレスクロコダイルは何をしている!」
「ふぇふぇ。人間を甘くみすぎなんだよ。あんたたちは」
「くそ! ならば遊びは終わりだ! アガレスクロコダイル!」
アガレスがそう言うとアガレスクロコダイルの動きが変化した。
『タクト! アガレスクロコダイルの動きが変わった! 何か来るぞ』
アーレイから報告を受け、黒鉄に指示を出す。
『黒鉄! 挑発! ぷよ助、防御頼むぞ!』
黒鉄が挑発し、アガレスクロコダイルの攻撃が黒鉄を狙う。
すると落とし穴から何かが無数に飛び出し、黒鉄に飛来する。なんだ?あれ?
「なんじゃ? ぐべべべっ!」
黒鉄に格好付けて乗っていたセフォネが巻き込まれる。セフォネが復活し、呪滅封印が発動する。
「ぬぅ…なんじゃ今のは…リアン無事か?」
「は、はい。黒鉄さんとぷよ助さんが守ってくれましたから大丈夫です。これは…」
『タクト先輩! さっきの攻撃は鱗です!』
あのワニ、自分の鱗を飛ばせるのか。だがセフォネが封印した。これで元通り…
「何をしているのだ。アガレスクロコダイル」
『タクト! アガレスがアガレスクロコダイルの上に現れたぞ!』
アーレイが状況を知らせてくれる。
いや、それよりバーバヤーガは何をしているんだ!
すると俺の上空に魔方陣が現れる。不味い!
「全員逃げろ!」
俺の指示でリリーたちが逃げ出し、俺もリビナと共にテレポートで移動する。
なんとか落ちてきたアガレスクロコダイルから逃げ出すことが出来たが…問題はここからだな。するとバーバヤーガからコミュニケーションが来る。
『坊やたち! あたしらは切り札の準備に入る。後、数分持ちこたえな!』
後数分か…それならなんとかしてみせる。
「ずいぶん手こずらせてくれたのぅ…じゃが、遊びは終わりじゃ!」
アガレスがアラネアの鋼糸を切るとアガレスクロコダイルが口を大きく開け、光が集まっていく。ちょっと待て。これはブレス攻撃!?このサイズの!?
「撃たせるな!」
俺の指示で全員が攻撃するがびくともしない。ルーンマジックも使ったがダメだった。
「ふははは! 無駄だ。人間どもよ! アガレスクロコダイルは堅城スキルを持っている! ダメージによるスキルキャンセルは発生せん!」
また反則スキルかよ。くそったれ!キャンセル出来ないなら誘導するしかない。
「挑発スキルを使うか? 甘いわ!」
アガレスが杖を構える。
「カースフィールド!」
俺たち全員が闇に包まれ、呪いの状態異常になる。
しまった。呪いは自身にかかる付与が効かなくなる状態異常。つまり挑発スキルも呪いの状態異常で効果を消せるのか!
ならばリリーたちのドラゴンブレスで…いや、ダメだ。ここは保険にかける!
『…イオン』
『わかってます』
『アーレイ』
『わかってる。任せとけ』
俺はクリアで状態異常を治す。頼むぞ。リビナ、和狐、狐子、アステル。
「これで終わりじゃ! やれ! アガレスクロコダイル」
ドゴォオオオン!!
アガレスクロコダイルの特大のブレスが俺たちの後ろにある村に放たれーーすり抜けた。
「は?」
予想外の出来事にアガレスの思考が止まる。勝機!
「テレポート!」
「ぬぅ!? 貴様、幻術で!」
スカーレットリングを杖で受け止め、アガレスがからくりを答える。
そう。戦闘に参加していなかったリビナ、和狐、狐子、アステルには幻術を使って貰い、奴等の目を騙し続けてもらった。
幻術は周囲の風景や相手に影響を与えるスキルだ。呪いの効果は受けない。今回は四方の風景に幻術をかけた。流石のアガレスもこの大規模幻術には騙されてくれた。
「ぬぐっ!?」
アガレスの体を二本の銀剣が貫く。テレポートで奇襲をかける俺に合わせられるのはイオンしかいない。
「放電!」
「ぐぁあああ!?」
電撃がアガレスを襲う。更に空からリリー、ブラン、シフォン、ミランダ、アーレイが次々、武技を使用してアガレスに攻撃する。
「ぐぬ…なめるな! 人間風情が!」
アガレスから衝撃波が放たれ、俺たちは吹き飛ばされる。
「ここは我ら悪魔の領域! 人間ごときが勝てると思うな!」
こいつ、セフォネと同じ不死か…それに該当する加護か何かを持っているみたいだな。だが引けないんだよ!俺は杖を取り出し、構える。
「ルーンマジック!」
「また封印か! 学習せん奴じゃな!」
アガレスが回復アイテムを取り出そうとする。
「同じ手が通用するわけないだろ! シフトチェンジ!」
俺と恋火の位置が入れ替わる。
「むむむ~!」
恋火が霊力を回復アイテムに使い、回復アイテムがアガレスから離れる。アガレスが慌てて回復アイテムを捕まえるが、時間は稼いだ。
全員の攻撃がアガレスに殺到する。だがアガレスクロコダイルが邪魔をする。まだだ。俺たちには新しい切り札がある。
一ヶ所から新緑の光のオーラが放たれる。
「何!? なんだ! あの膨大な魔力は」
「私たちエルフは森の守護者。その意味を知りなさない! 我が心に答え、その真の力を示せ! クランリープ、宝玉解放!」
セチアの言葉に応じクランリープが真の姿を見せる。宝玉からとんでもない木の魔力が開放される。クランリープは緑の葉を纏い、セチアを自然の力が包み込む。
クランリープ(宝玉解放):レア度7 魔法杖 品質C+
重さ:40 耐久値:100 攻撃力:60
魔法剣効果:木属性アップ(超)、詠唱破棄
宝玉効果:連続詠唱、魔法再使用時間短縮(大)、森林操作、吸収
刻印効果:魔力アップ(大)
これがクランリープの宝玉解放!
セチアが杖を構える。
「森林操作!」
森の木々が成長し、アガレスクロコダイルを拘束していく。アガレスクロコダイルは拘束を抜け出そうとするがびくともしない。
「無駄です。たかがでかいだけのワニが地中深くに根を張る大樹に敵うはずないでしょう」
更にアガレスクロコダイルの生命力と魔力が減っていき、木々がより大きく成長していく。やがてアガレスクロコダイルは完全に木に取り込まれてしまった。
凄い…これがセチアとクランリープの力か!
「厄介な能力じゃが、焼き払えば済む話じゃ!」
俺たちが妨害しようとしたが、どうやらクエストクリアみたいだ。俺たちの前にバーバヤーガが現れる。
「ふぇふぇふぇ。ざまーないね。老いぼれ悪魔…ここが悪魔の領域? 笑わせるんじゃないよ。ここはあたしたちの森さ。その意味を知りな!」
光の柱が三つ現れ、魔方陣が空にも地面にも次々展開される。
「こ、これはいかん! ぬぅ!?」
アガレスが魔方陣に拘束される。
「逃がしゃしないよ」
「バカな…たかが魔女がなぜこんな力を」
「言ったはずだよ。ここはあたしらが長年管理してきた森さ。そしてあたしらの家は長年この地で魔力を貯めていたのさ…この地を汚す者が現れたときの力としてね」
最初の三つの柱はバーバハウスか。
「まぁ、家の移動に時間が掛かっちまったけどね…さて、消え去る覚悟はもう出来たかい?」
「ま、待て!」
「待ちやしないよ。人間を苦しめ、森を汚した罪。その身で償いな! 森の裁き(スジディエーニ・リエース)!」
アガレスたちがいる地面から緑の極光が噴出し、アガレスたちを飲み込んだ。
「ぐわぁあああ! ルキフグス様ぁああああ!」
光が収まるとアガレスたちの姿はなく、空から勝利を告げるように緑の粒子が降ってくる。
「「きれい…」」
シフォンとミランダは見惚れるがまだ終わっていない。
「ジジイ!? 何やられ」
「余所見をするとはなめられたものだ」
フィニストがアガレスホークの背中を取り、鉤爪で捕まえた。
「しまっ!? この、離しやがれ!」
フィニストが黄金に輝きながら、上空に上がっていく。
「待て待て! お前、本気で俺を」
「あぁ。この輝きを持って、我が婚約者の魂を救わせて貰うぞ! 鷹王子の輝き(フィニスト・スヴィルカーチ)!」
「ぎゃあああああ!」
アガレスホークはフィニストが放つ黄金の輝きに呑み込まれて、消え去った。
黄金の光の粒子も降り注ぐ。
それは魔王バエルの支配の終わりを告げる光の雨だった。そしてイベントの終了を知らせるインフォが来る。
『おめでとうございます。イベントクエスト『アガレス討伐』をクリアしました。引き続きエンディングと報酬の受け取りを忘れずに行ってください』
あ、この後、報酬を貰えるんだね。まぁ、エンディングも気になるし、しっかり最後まで見よう。
長かったので、エンディングとレベルアップは次回に書きます。




