#312 フィニスト王子と悪魔登場
タクトが戦闘をしている頃、シフォンたちが洞窟を進んでいるとウォーターリッパーデビルが邪魔をする。
「ノワちゃん。お願い!」
「…ん。影縛り」
「貰った! 連続斬り!」
「倒せてないわよ! チャージスラッシュ!」
ノワが動きを封じて、シフォンたちが止めを差す戦闘を繰り返しているとふとアーレイが口を開く。
「…なんか悲しくなってきた」
「完全に良いところ取りだもんね…」
「そういうことはこの敵を楽に倒せるようになってから言いましょう?」
「「ごもっとも」」
ノワがいなくてもシフォンたちはウォーターリーパーデビルなら倒せるのだが、ここまで簡単にとは行かない現状だった。
改めてノワの強さを認識していると赤い花の女の子を護衛をしている恋火が警告する。
「また来ます!」
「ありがとう。恋火ちゃん。行くよ。二人とも! ノワちゃんもまたお願い」
「…ん」
ウォーターリーパーデビルとの戦闘を繰り返し、シフォンたちは牢屋にたどり着いた。
「フィニスト王子!」
赤い花の女の子の視線の先には金髪のイケメン王子が眠っていた。
そして同じ牢屋にもう一人鎖に繋がれた女性がいた。
「あなたたちは?」
「あなた様を救いに来たものです」
格好付けているアーレイにシフォンたちから冷たい視線が注がれる。
「そう…私はフィニストの婚約者です。早く彼を助けて下さい」
「任せてください。あ、シフォン。鍵をくれ」
「シフォン、アーレイは無視してさっさと開けて」
「う、うん」
アーレイはショックを受けているがシフォンが牢屋の鍵を開ける。すると赤い花の女の子は真っ先にフィニスト王子の元に向かう。
「フィニスト王子! 目を開けてください! フィニスト王子!」
「…フィニストは私を庇って…悪魔から呪いを受けてしまったの…もうずっと目を醒ましていないわ」
「そんな…やっとまた会えたのに…フィニスト王子!」
赤い花の女の子から涙が流れ、フィニスト王子の頬に涙が落ちる。
するとフィニスト王子が輝き、目を開ける。
「…君は…赤い花の…」
「はい! フィニスト王子!」
「良かったよ~」
シフォンが感動していると次の瞬間、牢屋の中で金属音が響いた。
「本当にタクトの予想って当たるわね…」
「聞いてなかったら、危なかったです…」
ミランダと恋火が赤い花の女の子を狙った鉤爪を止めていた。
「え!?」
「何で!?」
シフォンとアーレイが驚く。攻撃したのは婚約者の女性だった。
「チッ! そこをどけぇえええ!」
「退きません! やぁ!」
恋火が攻撃を弾き、ミランダが大剣を溜め、振りかぶる。
「チャージスラッシュ!」
「チッ!」
婚約者はチャージスラッシュを後ろに下がり、かわした。それを見たフィニスト王子が話す。
「そ…そうだ…僕はあの晩…君に襲われて」
「あぁ。そうだよ。俺がお前を呪ったのさ。まさか人間の涙で呪いが解かれるとは思わなかったぜ。まぁ、そんなことより邪魔してくれたお前たちは許せねーな」
「あら? 感動のシーンを邪魔するほうが許せないと思うわよ」
「全くです!」
一触即発の雰囲気の中、第三者の声がする。
「どうやら失敗したようじゃな」
それは杖をついた老人の悪魔だった。
「まだだっつーの。今からこいつらをぶっ殺して」
「魔王バエル様のゲームを壊すつもりかの? ルキフグス様に消されるぞ」
「…チッ! わかったよ」
婚約者の女性が牢屋から出る。するとフィニスト王子が叫ぶ。
「待て! お前たちは何者だ! 僕の婚約者に何をした!」
老人悪魔が答える。
「ワシの名はアガレス。そしてこやつはワシの一部であるアガレスホークじゃ」
「お前の婚約者に何をしたかって? そんなの取り憑いたに決まってるだろ! 嫉妬に囚われる哀れな女に取り憑くのは簡単だったぜ? ははは!」
「貴様!」
「悔しいか? 俺を殺したいか? いいぜ? 来いよ! フィニスト。お前の婚約者を殺してみろよ!」
フィニスト王子は悔し気に歯を食い縛る。そんなフィニストをアガレスは無視して、シフォンたちに話し掛ける。
「此度のゲーム。そなたたちの勝利じゃ。次はわし自ら戦わせて貰うぞ」
するとシフォンたちにインフォが流れる。
『イベントクエスト『フィニスト王子を救出せよ』をクリアしました』
『イベントクエスト『アガレス討伐戦』が発生しました』
イベントクエスト『アガレス討伐戦』:難易度D
開催期間:本日21時
参加NPC:バーバヤーガ×3、フィニスト王子
レイドボス、アガレスから村を守れ。
「今度はあの村を破壊させてもらおう。せいぜいわしらを楽しませよ」
アガレスはそういうと婚約者と共に姿を消した。
シフォンたちがフィニスト王子を解放し、洞窟から出てきて、俺と合流した。
「お疲れ様。何があったか聞かせてくれるか?」
俺は牢屋で起きたことを聞いた。なるほど…フィニストの婚約者をそう描くか…しかも敵はアガレスと来た。
バエルと同じくルキフグスの支配下にある悪魔だ。クロコダイルに乗り、大鷹を手に乗せ、現れると言われている悪魔だ。鷹繋がりで選んだんだろうな。
「ミランダはよくわかったね」
「タクトから事前に聞いていたからね。あの状況で婚約者だけ意識があるのはおかしいもの」
「言われて見れば確かに…く。大人の女性を利用するとは卑劣な真似を!」
洞窟の中でアーレイが何をしたか大体わかった気がした。すると赤い花の女の子に支えられていたフィニスト王子が言う。
「村を…守らないと…ぐ…」
苦しそうだな。クリアとか使うが効果がない。どうしたものかな…そう思っていたら、三人のバーバヤーガが現れた。
「ふぇふぇ。無事にフィニストを助け出せたようだね。やるじゃないか。坊やたち」
「ヤーガばあちゃん!?」
「お黙り」
箒でフィニスト王子がぶっ飛ばされた。
「ぐはっ…なん…で…」
「いい年して気安く呼ぶんじゃないよ。それにこれはお前さんが招いたことだ。巻き込まれたあたしらの迷惑料だよ」
まぁ、フィニスト王子の不倫が原因…いや、婚約者だから不倫ではないのか?俺がどうでもいいことを考えているとバーバヤーガは懐から試験管を取り出す。
「薬だよ。飲みな」
あれ…薬なんだ。なんか緑の液体がぶくぶく沸騰して、ピンクの煙が出ている。あれは飲みたくないな。
「い…嫌だ! それだけは飲みたくない!」
フィニスト王子は逃げ出した。
「逃がしゃしないよ」
バーバヤーガが箒で地面を叩くとフィニスト王子が反対側から直ぐに現れる。これはウッドゴーレムの時に味わったものだな。
「ここはあたしらの森だよ。堪忍しな」
「た、助け! ぐわぁあああ!」
フィニスト王子の悲鳴が森に響き渡った。
名前 恋火 シュラインビーストLv14
生命力 79
魔力 104
筋力 104
防御力 50
俊敏性 121
器用値 77
スキル
刀Lv22 二刀流Lv1 風Lv8 炎魔法Lv11 邪炎Lv14 忌火Lv23
気配察知Lv21→Lv23 危険予知Lv23→Lv24 霊力Lv5 幻術Lv2 神道魔術Lv5
見切りLv8 俊足Lv9 妖術Lv2 血醒Lv8 料理Lv18 神降ろしLv1
獣化Lv3
名前 ノワ ドラゴニュート・オブセッションLv16
生命力 64
魔力 135
筋力 50
防御力 42
俊敏性 60
器用値 115
スキル
影操作Lv13 飛行Lv4 呪撃Lv4 影探知Lv9 影移動Lv5
影潜伏Lv14 影縛りLv14→Lv15 影召喚Lv4 気配遮断Lv8
擬態Lv5 暗視Lv17→Lv18 邪眼Lv7 闇波動Lv1 暗黒魔法Lv2
竜技Lv4 竜化Lv4 邪竜の加護Lv5




