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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
梅雨イベントと砂漠の奴隷解放イベント
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#310 三人のバーバヤーガ

赤い花の女の子の家を出た俺たちはバーバヤーガに会うために俺が最初に出会った場所に向かうことにした。事情を知っている可能性が一番高いのはバーバヤーガだからな。俺はヒクス、三人はストラに乗ってもらい移動する。


すると早速バーバヤーガを見付けた。


「おや? さっきの坊やじゃないか。またやられに来たのかい?」


「いえ、フィニスト王子について聞きに来ました」


するとバーバヤーガは笑む。


「そんな王子知らないね!」


バーバヤーガはそういうとファイヤーアローを飛ばしてきた。ヒクスとストラが躱す。


「おい! せ、じゃない。タクト! 攻撃してきたぞ!」


「…そうだな。なら反撃しようか…」


俺はスカーレットリングを取り出す。それを見て、バーバヤーガは驚く。


「…随分珍しい物を持っているねぇ。坊や」


「まだまだ未熟者ですから使わせて貰います」


「ふぇふぇふぇ。面白いねぇ。これは派手な魔法合戦になりそうだねぇ!」


俺とバーバヤーガの魔法の撃ち合いになる。最初は弱い魔法から徐々に強い魔法になる。折角の機会なので風魔法を中心に使うことにした。


するとバーバヤーガが森の中に移動する。


俺たちは追撃する。暫くすると森の中の開けた所に出る。すると目の前に高床式倉庫のような建物が現れる。識別できた。


バーバハウス?

? ? ?


これはバーバヤーガの民話で登場するバーバヤーガの家だな。問題はモンスター扱いの所だな。


しかしここまで来たら、引き下がれない。俺はヒクスから降りる。するとアーレイが聞いてくる。


「おい…タクト。まさか入るつもりじゃないよな?」


「ここまで来て、入らないという選択肢があるのか?」


「それはそうだけど…これ、モンスターになってるわよ?」


「それに私、バーバヤーガの家にいいイメージが無いんだけど…」


まぁ、その意見は実に正しい。だが、俺は大丈夫だと確信している。何故なら先ほどの魔法戦、派手だったがその実、此方に被害はまるで出ていない。


まるで自分は本気で俺たちと戦っているということを誰かに見せているようだ。バーバヤーガがそんな芝居をする理由は悪魔しか考えられない。


「行かないなら俺だけで行ってくるよ」


「よし! 任せたぜ!」


「あんたねぇ…」


「わ、私は一緒に行くよ!」


シフォンが言ったことで全員がバーバハウスに入ることになった。アーレイは抵抗していたが、大量ポイントゲットのチャンスだと言うとあっさり手のひらを返した。


「お邪魔しまーす」


「ふぇふぇふぇ。恐れずよく来たね…まぁ、座んな」


俺たちは椅子に座る。


「フィニスト王子のこと、聞かせていただけますか?」


「もちろんさね…フィニスト王子は魔王バエルの配下の悪魔の手に落ちている。今は人間では到達出来ない洞窟の牢屋で眠らされているよ」


まぁ、そう来るよな。


「あたしたちとの遊びのためにわざわざそんなことをしたのかしら?」


「それはおまけだねぇ。まず悪魔って奴等は人間の悪感情が大好物なのさ。フィニスト王子が行方不明になることで悪感情に捕らわれている人間をあんたたちは知っているだろ?」


赤い花の女の子のことだな。


「それとあたしらへの人質でもある。おかげであたしらは悪魔どもに監視され、人間に手出しするしか無くなっちまったのさ」


つまりバーバヤーガはフィニスト王子の関係者か何かという設定なわけだな。


「あの~それってここで話しているのは不味いんじゃ」


シフォンがそう聞くが大丈夫だから話していると思うよ。


「この家はあたしが作ったものさね。いくら悪魔でもこの家の中まで見ることは出来ないよ。プライバシーを守るのはレディとして当然だからね」


まぁ、ずっと監視はアウトだろうな。


「確かにそうだけど、悪魔たちに本当にばれないのかしら?」


「元々この家は入ったが最後、人間の生命力と魔力を吸い尽くす魔法の家でね。あたしらが人間を殺す際に使用するものさ。悪魔たちはあんたらが入った時点で死んだと思うだろうね」


こわっ。だが、そういうことなら一芝居打たないと行けないな。


「ふぇふぇふぇ。本物の魔法剣を持っているだけはあるねぇ。ここまで聞いたからには協力してくれるんだろう?」


「はい。どうすればいいですか?」


「まず、あんたにはこれを渡しておこうかね」


バーバヤーガから渡されたのは鍵だった。鑑定してみる。


解錠の木鍵:重要アイテム

鍵穴に合わせて形が変化する魔法の鍵。解錠スキル無しで鍵を開けることができる。


何?この鍵、めっちゃ欲しいんですけど。


「その鍵があればフィニスト王子の牢屋の鍵が開けれるはずさ」


「なんだ。じゃあ、簡単だな」


アーレイ…こいつはさっきまでの話を聞いていたのか?


「あんたね…まず行き方がわからないでしょうが」


「あ…そ、そうだな!」


「ふぇふぇ。そこの嬢ちゃんの言う通りさね。そのためにあたし以外の二人のバーバヤーガに会って貰う必要がある。もちろんさっきと同じように演技してね」


そこは俺の役目だな。


「えーっと、フィニスト王子の居場所がわかるアイテムと後一つは何かな?」


「悪魔どもにばれないようにするために気配遮断の効果がある服を渡されるはずさね」


それって透明マントか!これも欲しいなぁ~。


「それじゃあ、リターンで村に戻りな。あたしに追いかけられたくないだろ?」


それはごめん被るね。俺たちはリターンで宿屋に戻るとインフォが来る。


『風魔法のレベルが30に到達しました。風魔法【ダストデビル】【フライ】を取得しました』

『風魔法のレベルが30に到達しました。疾魔法が取得可能になりました』


うむ。計算通りだ。じゃあ、久々にポイントを6pt消費して新しい魔法を覚える。


『疾魔法を獲得し風魔法が進化しました。取得した風魔法は引き継がれます』

『疾魔法【ソニックブーム】【スーパーセル】を取得しました』


これで俺の残りスキルポイントは61ptとなった。折角なので、フロッグ相手に魔法を試してみる。


まずは念願のフライ。文字通り飛行魔法だった。どうやら杖で操作するようだ。やはりリリーたちと違い、自在に飛行する魔法じゃないみたいだな。しかし現実では味わえないこの感覚は癖になりそうだ。


利点は一度使えば、暫くの間、飛んでいられること。また別の魔法も使用可能のようだ。欠点はやはり機動力がないこと。杖の操作だから動きがバレバレなところ。時間経過で切れるからその度に魔法をかけ直す必要があることが挙げられるな。


次はダストデビル。一見すると竜巻だが、アーレイの話によると目くらまし効果があるそうだ。欠点は指定した場所にしか効果がないこと。範囲はそこそこあるからかなり便利な魔法かも知れない。


ソニックブーム。杖で指定した直線上に衝撃波を放つ魔法。ファイヤブラストなどと違うのは、まず速さ。ブリッツ程ではないが躱すのがかなり困難な魔法だろう。衝撃波だから魔力切断でも切ることが出来るのかかなり疑問だな。欠点は詠唱時間ぐらいしか思いつかない。


最後にスーパーセル。空に巨大な積乱雲を発生させる魔法。風魔法、雷魔法を強化する魔法らしい。最大の特徴は飛行が出来なくなるということ。まぁ、スーパーセルが発生しているところを飛行なんて普通はできないからな。


魔法の確認が終わり、一旦夕飯のためにログアウトした。


夕飯を作っている間、海斗は掲示板で情報収集をしていた。どうやらバーバヤーガに相当手を焼いているようだ。


「あの家に攻撃すると中に吸い込まれて、殺されるみたいだな。攻撃しなくてもクエストフラグを立ててないとダメっぽいな」


「バーバヤーガの場所はわかったのか?」


「あぁ。書き込みで見つけたよ。因みにまだクエストフラグの話は載ってないな」


そうなのか?俺が軽く調べて見付けた情報だ。他の人でも見付けられそうだが…


「まぁ、秘匿しているんだろうな。早い者勝ちのイベントにはよくあることさ」


そういうものなんだ。ほい、料理完成。ハンバーグです。


「めっちゃ旨そうなハンバーグが出てきたな…手抜きで良かったんだぞ?」


「お前のは蛙肉を使っているから手抜きだぞ」


「え…」


海斗が停止する。


「じょ、冗談だよな?」


「いただきます」


「おい! ちゃんと安心させてくれよ! 怖くて食べれないだろ!」


因みに普通のハンバーグです。わざわざ肉を分ける手間なんてするはずがない。そもそも蛙肉なんて買うはずもない。


夜は海斗の情報を頼りに二人のバーバヤーガに接触する。今度は土魔法を使うことにした。そしてアイテムをそれぞれ貰った。それがこちら。


追跡の風見鶏:重要アイテム

登録した者の居場所を指し示す魔法の風見鶏。


魔女の隠れ蓑:重要アイテム

バーバヤーガが作った周囲の風景に擬態することが出来る魔法の蓑。


あ、うん…服って言ってたからマントじゃないか…残念だ。まぁ、これはこれで味がある。


そして最後のバーバヤーガから新たな情報が追加された。


「明日の昼までにフィニスト王子を救出しないと手遅れになるかも知れない…赤い花の女の子と一緒に向かうんだよ」


「え? あの女の子も連れていかないといけないのか?」


「当然さね。寝坊助を起こすのは好きな女と決まってる。それぐらい察しな坊や」


アーレイが荒れる。俺は民話で内容を知っているから驚きはしない。その後、俺たちは女の子の家に向かい、事情を話す。そこでクエストクリアとなった。


「そんなことが…しかし娘を危険な目には」


「お父さん…私、行くよ。私は王子様に出会えて救われたの…だから今度は私が王子様を助けたいの!」


「…はぁ…わかった。冒険者の皆様、娘のことをよろしくお願いします」


お父さんにお願いされて、新たなクエストが発生する。


『イベントクエスト『フィニスト王子を救出せよ』が発生しました』


イベントクエスト『フィニスト王子を救出せよ』:難易度D+

時間制限:翌日の正午

失敗条件:赤い花の女の子の死亡、フィニスト王子の死亡

内容:牢屋に捕まっているフィニスト王子を救出せよ。


時間制限ありで二人が死ぬ可能性があるのか…とりあえず救出は翌朝ということになり、俺たちはログアウトした。海斗と話した結果、中ボスが出てくるという意見で一致した。バエルは蛙の魔王だから蛙モンスターで来るだろう。だとしたら、雨対策が勝利の鍵になる。海斗と作戦を練り終えてから寝ることになった。


名前 タクト 情愛の召喚師Lv8


生命力 74

魔力  156

筋力  60

防御力 40

俊敏性 60

器用値 110


スキル


格闘Lv10 蹴り技Lv16 杖Lv24 片手剣Lv27 槍Lv17→Lv18 刀Lv12 

投擲Lv8 高速詠唱Lv33→Lv34 召喚魔術Lv33 封印魔術Lv16 騎手Lv29→Lv30 

錬金Lv20 採掘Lv24 伐採Lv33 解体Lv39 鑑定Lv28 

識別Lv32 風魔法Lv30→疾魔法Lv1 炎魔法Lv3 土魔法Lv26→Lv28 海魔法Lv2 

闇魔法Lv26 神聖魔法Lv9 雷魔法Lv30 爆魔法Lv27 木魔法Lv25 

氷魔法Lv26 時空魔法Lv40 水中行動Lv8 読書Lv13 料理Lv36 

餌付けLv8 釣りLv18 シンクロLv16 連携Lv5


名前 ヒクス レッサーグリフォンLv12


生命力 76

魔力  82

筋力  114

防御力 50

俊敏性 120

器用値 66


スキル

飛翔Lv23→Lv25 鉤爪Lv8 騎乗Lv16→Lv18 旋風Lv14 防風Lv5 

風刃Lv6 疾風Lv15 残像Lv10→Lv12 風魔法Lv9 雷魔法Lv10 

雷ブレスLv7 威光Lv4 騎手強化Lv13→Lv15


名前 ストラ ワイアームLv10


生命力 90

魔力  86

筋力  96

防御力 62

俊敏性 82

器用値 72


スキル

飛翔Lv11→Lv14 噛みつきLv6 巻き付きLv7 毒装甲Lv6 強襲Lv7 

猛毒Lv10 猛毒ブレスLv10 腐蝕ブレスLv10 熱探知Lv3 

風刃Lv5 風魔法Lv5 威圧Lv3 騎乗Lv3→Lv7


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最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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