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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
梅雨イベントと砂漠の奴隷解放イベント
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#306 ゴネスの聖女

とりあえずゴネスの騎士たちを鋼糸で拘束してサラ姫様に連絡する。するとすぐにガルーさんと騎士団が来てくれた。


「事情はサラ姫様から聞いてるぜ。それにしても本当にロベールだな。それにゾンビ騒動で逃げ出した奴等だ」


「リビナとセフォネによると操られているみたいなので、とりあえず無力化しましたが、どうすればいいですか?」


「とりあえずこいつらは俺が引き取る。元とはいえうちに所属していた騎士だからな。それと命を取らなくてありがとよ。それからそこの嬢ちゃんは」


ガルーさんがそういうと声をかけられた女の子はフードを取る。女の子は金髪のショートヘアーに金色の目の中学生くらいの修道服を着た女の子だった。


今度はどのワルキューレだ?


「私の名前はジャンヌ。ゴネスの国民です。私をフリーティアで匿ってくれませんか?」


予想外の有名人の名前がきたな。だが処刑とか言ってたから妙に納得できる。


ジャンヌは恐らくジャンヌダルクのこと。フランスとイングランドとの百年戦争で活躍したフランスを救った英雄だ。


最後は異端審問で異端と判決を受け、火刑で死んだ悲劇の英雄としても有名だ。これは後に判決が覆され、ジャンヌダルクはフランスの守護聖人となっている。


「まぁ、俺らは不正にフリーティアに入国されているからな。どっち道俺たちと一緒に来て貰うことになる。事情は城で聞こう。お前さんも悪いが一緒に来てくれ」


「わかりました」


しかし国境ゆるゆるだよな。後で聞いた話だと国境全てを守るのは物理的に不可能なんだそうだ。空、地面、水中の全てを守るためには圧倒的に騎士の数が足りないらしい。当然といえば当然だな。


フリーティア城で改めてジャンヌさんの話を聞く。まずはサラ姫様が質問する。


「まずあなたはゴネスの修道女ということでよろしいですか?」


「違います。私はゴネスの国民です」


思いっきりシスター服を着ているんだけどな。


「では、あなたの職種はなんですか?」


「? 職種とはなんですか?」


これは…長引きそうだな。でもゴネスの実情を知る貴重な機会だ。ちゃんと聞かねば。


「あなたもお金を稼ぐために何かをしていたのでは無いのですか?」


「それなら毎日神様にお祈りをしていました」


「それは…大変素晴らしいことだと思いますが、それだけではお金は貰えないでしょ?」


「貰えますよ?」


…はい?神様にお祈りをしただけでお金が貰える?なんじゃそりゃ。それで経済が回るわけがない。ブラスさんが聞く。


「では食べ物はどうしているんですか?」


「神官様たちが持ってきて下さる食べ物をお金で買っています」


もしこれを想定するなら祈った人間にお金を配り、自分たちで食べ物を売り、お金を循環させていることになるが…上手く行くとは思えないな。


ここでサラ姫様が肝心の話をする。


「では、あなたはなぜ命を狙われたのですか?」


「わかりません…あの日いきなり粛正騎士がうちに来て、神に対する反逆罪で私たち家族を捕まえに来ました。私はお母さんに逃げるように言われて、お父さんの知り合いの人に助けて貰い、フリーティアに逃げましたが…粛正騎士たちは私を追ってきて、あの森で追い付かれた所をこの人に助けていただきました」


国から命を狙われている状況で一人では逃げ切れないわな。それにしても不法入国をしてまで、ジャンヌを殺しに来るとは異常だな。ガルーが聞く。


「念のために聞くがその粛正騎士について、何か知らないか?」


「粛正騎士は神を信じない異教徒を神に代わり罰を執行する人です。それ以外のことはわかりません」


まぁ、知らないよな。するとブラスさんの配下の騎士が入ってくる。


「どうでしたか?」


「恐らく記憶操作で記憶そのものが改竄されているものと思います。目が醒めた途端に自害しようと暴れましたが現在は眠らせ、拘束しています」


「絶対に死なせないでください。彼らには色々聞きたいことがあります」


「わかりました」


自殺までしようとしたのか…完全に口封じにしか見えないな。サラ姫様が聞く。


「まずジャンヌさん、あなたはフリーティアに保護を求めるということでよろしいですか?」


「はい。この国では最近神様が現れたと聞かされました。私も叶うものなら神様にお会いしたいと思います」


ちょっと待って…これって…全員が俺を見る。ですよねー。これって、どう考えても俺のせいだよねー。いかん、嫌な汗が出ている気がする。しかし聞かないわけにはいかないな。


「その話は両親から聞いたのか?」


「いえ、私を助けてくれたお父さんの知り合いからです」


セーフ!…だよな?いや、その知り合いがジャンヌの父に話した結果がこうなった可能性もある。いや、高い気がする。その知り合いが話した結果だが、罪悪感をひしひし感じる。


「あ~。わかりました。では、あなたのことはまずお城で保護させて貰います」


「ありがとうございます。あ! あなたも改めて危ない所を助けてくださり、ありがとうございました!」


「と、当然のことをしただけだから、気にしないでくれ」


ジャンヌの笑顔が辛い!


その後、ジャンヌが退室し、みんなで話し合う。


「改めてゴネスの異常さがわかりましたね」


「想像以上ですよ。祈っただけでお金を貰えるなんて、なんの得があるんですかね?」


「少なくとも経済貢献はしてねーことだけは確かだな」


これが礼拝堂を参拝するために働き、寄付をするならまだわかるが働いてもいないわけだからな。意味不明だ。そもそも働く必要がないならお金も必要ない気がする。祈ったら、食べ物を貰える。それで完結する気がするんだよな。


「タクト様はゴネスについてどう考えていますか?」


「得体が知れない不気味な国としか言えませんね。ただフリーティアの騎士が記憶を改竄されている事実にリビナとセフォネが闇の力を感じ取ったこと、ゾンビたちの侵攻を全く受けなかったことなど考えると怪しいとしか考えられません」


「ドォルジナスがゴネスにいる可能性は高いでしょうか?」


「そこはわかりません。ただドォルジナスが記憶の改竄が出来るならフリーティア城に来た際に使わないのは変だと思います」


ブラスさんが話す。


「確かに我々全員が記憶を改竄されていたら、その時点でフリーティアは終わっていたはずですね…ということは記憶操作をするための条件が合わず、出来なかったか」


「もしくはドォルジナスとは全く関係がないかということですね」


サラ姫様の言葉に頷く。怪しさは感じるが俺はやはりドォルジナスは関係がないほうに一票だな。ただそうなると相手は誰になるか?という話になる。


人間を操る悪魔はたくさんいる。現状では判断がつかない。


「いずれにしても今回の一件はゴネスも黙っていないでしょうね」


「すみません。面倒事を持ち込んでしまって」


「元とはいえフリーティアの騎士が関わっていることですから、大丈夫ですよ。むしろ命を奪わないでいただき、ありがとうございます」


「それ、俺がもう言ったぞ? 姫様」


ガルーさんがサラ姫様に叩かれていた。さて、この情報はみんなに伝えないとね。


リープリングに戻るとみんないなかった。どうやらイベント間近で忙しいみたいだな。仕方ない。話し合いは明日以降に持ち越しだな。

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