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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
梅雨イベントと砂漠の奴隷解放イベント
322/1718

#305 ゴネスの粛正騎士

翌日、海斗にリビナで無双したことを告げる。


「俺たちの苦労を全否定するな!」


怒られた。だって、レギオン召喚するまでもなかったんだもん。


今日はどうするか悩んでいると、そういえばナール湿地の先に行けるようになったはずだな。海斗に教えてもらう。


「ナール湿地の先はマングローブの森だ。ここの攻略はストップしている」


「なんでだ?」


「マングローブの森と書かれているが基本的には川を進んでいくみたいなんだよ。ただその川の移動は船が推奨されてる」


船を作らないと行けないなら面倒だな。


「泳いでは行けないのか?」


「たぶん、無理だ。かなり勇気がいる。カンディルって知ってるか?」


俺はそれを知っている…アマゾンにいるナマズのような肉食の小魚だ。この魚はアマゾンではピラニア以上に恐れられている。


カンディルは体の穴から内部に侵入し、食い散らかすことで知られている。はっきり言ってトラウマクラスの魚だ。


「…いるのか?」


「大量にいるらしい。船なら被害を受けずに済むから推奨されている」


それはそうだろうな。だがそれなら気になることがある。


「空は飛べないのか?」


「マングローブの森はなぜか飛行出来ないみたいだぞ。警告が出て、無視して魔法で空を飛んだ奴が途中で魔法が発動しなくなって川に落ちたらしい」


こわっ!危なかった…俺がカンディルの川にダイブするところだった。知らない人、ありがとう。君の死は無駄にしない。


「じゃあ、また筏を作るか」


「ちゃんとした物を作ったほうがいいぞ。筏を壊されたら、終わりだからな」


あぁ、壊されるんだったな。ならちゃんとした物を作るか。


学校が終わり、スーパーで買い物をする。明日の朝に海斗が来るからその分も食材を買わないとな。


食材を買い込み、ゲームにログインする。しかしユグさんがいないんだよね。一応セチアとミールに聞いてみたが、流石に専門的な船は作れないみたいだ。


というわけで雨降りの中、向かったのは時々お世話になる大工のおばあちゃんのところ。しかし大工のおばあちゃんでも船は作れなかった。


理由は船大工じゃないから。ごもっとも。しかし大工のおばあちゃんにブルーメンの村にいる船大工を教えて貰った。


それと先に木造船に最適な素材を教えて貰った。懐かしく檜だ。


まぁ、買う手もあるが、ゾンビのイベント後、トレントの森に行っていないからな。久々に行くとしよう。


早めにログアウトしてから、ご飯を食べ、ログインする。するとユグさんがいたので、聞いてみると作りたいけど、流石にスキルを持っていなかった。


しかし俺が船大工の話をするとひょっとしたら、その船大工からスキルを教えて貰えるかも知れないとの話だ。


とりあえず俺は檜をゲットに向かおう。メンバーは獣化から元に戻った恋火とセチア、リビナ、セフォネ、グレイだ。


恋火とセチアには耐水の蛇靴を履いて貰っている。雨の中、久々の徒歩でトレントの森に向かうと耐水の蛇靴の効果を実感出来た。


「凄いな…これ」


「足が濡れないのも良いですが歩きやすいですね」


「滑らないので、これなら安心して戦えます!」


セチアと恋火は地面で戦うことになるからな。リリーたちは空飛べるからとりあえずセチアと恋火に装備した。


「二人ともいいよね。ボクらはずぶ濡れだよ」


「全くじゃ」


「リビナは空飛んでいるから意味ないだろ? セフォネは影から出てから言おうな」


グレーウルフを倒して、トレントの森に到着する。


「見た目は変わってないように感じるが」


「ここは浄化されているみたいですが、まだ全部ではありません」


やはりまだ時間はかかるか。檜が取れればいいんだが…


セチアにチェックして貰いながら、檜を伐採する。檜が簡単に伐採出来て、俺は感動している。最初のあの苦労はなんだったんだ。


三本伐採をするとセチア、恋火、グレイが反応する。ウッドゴーレムか?


「タクト様、人がいます」


ありゃ。外れた。


「人数はわかるか?」


「一人を複数の人が追いかけているみたいです」


これはNPCのクエストだな。ほっとくわけにはいかないか…


「とりあえず向かってみよう。恋火、グレイ。案内頼む」


「はい! こっちです!」


俺はスカーレットリングを取り出し、セチアたちと向かうとまずローブを着た人を見つけた。すると急速にそのローブの人に銀色の鎧をきた騎士の剣が迫る。


やらせるか!


「テレポート!」


俺がテレポートで移動し、騎士の剣を弾く。


「え?」


「っ!? 何者だ!」


「それはこっちの台詞だ。その鎧、フリーティアの騎士じゃないな?」


セチアたちが合流し、向こうも5人の仲間が加わる。ん?こいつ…見覚えがあるような…どこで見たんだっけ?間違いないのは鎧は俺が知らない国の物ということだ。白を基準とした綺麗な鎧だが、さっきのを見ると好きになれそうにないな。


「貴様、召喚師か…しかも魔族を連れているとはな。森の田舎者と獣だけでも罪深いというのに…貴様の行いは万死に値するぞ!」


その言葉にセチアと恋火、リビナが反応する。


「森の田舎者とは誰のことでしょうか?」


「あたしはセリアンビーストです! 獣じゃありません!」


「連れているだけで罪とか何言ってるのかわからないんだけど? 罪を語るならまず自分の発言を考えたら?」


明らかに差別発言だからな。しかし目の前の騎士は異常だった。


「人間に話しかけるな! 穢らわしい! 貴様らは存在そのものが悪なのだ! おい、そこの召喚師。今ならまだ間に合う。今すぐ召喚師などやめて、聖職者になれ。そうすれば我らが神はお前を救済してくれるであろう」


こいつら…間違いないな。ゴネスの奴等だ。インフォがくる。


『召喚師を辞めますか?』


そんなインフォを出すな。


「お断りだ。俺は召喚獣たちと一緒にいることが救いなんだ。お前らの神様の救いなんていらないな」


セチアたちが感動している。


「…やはり召喚師は罪深い。だが、今は特別に見逃してやる。そこの娘をこちらに渡せ」


あ、女の子なんだね。


「断る。お前、この子を殺すつもりだっただろ?」


「当然だ。そこの娘は我らが神を否定した親の子供だ。裁かれるのは当然だ」


神様を否定しただけで殺されるのか…ゴネスの異常さを改めて認識するな。


すると女の子は声をあげる。


「お父さんとお母さんは神様を否定していません!」


なんだと?どういうことだ?


「黙れ! 我らが神は全てを知っている! 我らが神が罪と言ったら、罪なのだ! 死ね! ボンナバン!」


俺は騎士の細剣を止める。


「邪魔をするか! 召喚師!」


「あぁ。お前の発言よりこの子のほうが信じられるからな。それに俺の仲間を侮辱したんだ。黙っているほど、大人じゃない。悪いが、お仕置きさせて貰うぞ」


互いに距離を取る。


「いいだろう。ならばその娘ごと処刑してやる!」


目の前の騎士たちが敵となり、識別が可能になった。


ゴネス粛正騎士?

? ? ?


ゴネス粛正魔法使い?

? ? ?


ゴネス粛正弓術師?

? ? ?


ゴネス聖職者?

? ? ?


俺たちが戦闘体勢になる。すると恋火がシンクロで伝えてくる。


『タクトお兄ちゃん。あまり記憶に無いんですが…この人、あたしがフリーティアのお城で戦った人じゃないですか?』


『何?』


名前は忘れたが、確かにフリーティアで恋火に股間をやられた騎士だ。ゾンビが来たときに逃げ出したんじゃなかったか?


この流れだとゴネスに逃げたことになるんだろうが…どうにも変だ。いくらなんでもゴネスに逃げるか?ゾンビが相手だから可能性はゼロではないが。


するとリビナとセフォネからもシンクロで来る。


『こいつら、たぶんボクの催眠より上位のスキルを受けてるよ』


『うむ。光属性に邪魔されておるが確かに闇属性の気配を感じるぞ』


あぁ。そういう話か。となると殺すわけにはいかないな。


『どうしますか? タクト様?』


『ちょっといじめてから無力化しようか…死なせないように注意してくれ』


全員が了解すると元フリーティア騎士が来る。


「ボンナバン!」


突きをしてくる細剣を弾き、俺の回し蹴りが元フリーティア騎士の股間に直撃する。


同じ攻撃を何度も出すとは馬鹿としか言いようがない。戦闘を学習してから出直して来い。


男は恋火の時と同じように倒れた。


「おのれ!」


「よくもロベールを!」


あぁ、そんな名前だったね。こいつ。すると俺の影からセフォネが現れる。


「ふははは! 我、降臨! 残念じゃが、お主たちの相手は魔王である妾がしてやろう!」


格好よく出るタイミングを待っていたな。


「なめるな!」


一人が光剣でセフォネを斬り裂くが、セフォネが復活し、呪滅封印が発動する。


「な、何!?」


「ふははは! 我は夜を支配するヴァンパイア! そんな光の剣など効かんわ!」


へ~。効かないんだ。知らなかった。


「そんなはずはない! 光剣! あ、あれ? なんで光剣が使えない!?」


「何をしている! 召喚師を狙え!」


あれだけ言っておいて結局召喚師を狙うんかい。


「ヘビースラッシュ!」


「やらせません!」


恋火が攻撃を止める。


「獣ふぜいが邪魔をするか!」


「邪魔しますよ! タクトお兄ちゃんには絶対に手出しさせません!」


恋火が押し返す。こいつら、レベルは見えないが弱いな。恋火が銀刀を逆に構える。


「一閃!」


一閃を腹にくらいぶっ飛ぶ。鎧があるから生きてるだろう…たぶん。


さて、後方にいた三人は既に終わっていた。


「意気がっていたわりに弱いね」


「全くです」


リビナの淫夢結界に囚われ、情けない顔で倒れている粛正聖職者。聖職者がしていい顔じゃない。


粛正弓術師はセチアの雷の魔法矢をくらい、痺れている。粛正魔法使いは魔法を使う前にグレイに取り押さえられている。


さて、仕置きはこれでいいかな?


「リビナ、全員頼む」


「喜んで!」


『ちょ、ま!?』


全員男なのが運の尽きだったな。


「ご馳走でした」


さて、気持ち良さそうに倒れているこいつらをどうするかな。

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